
(40坪でこれって、本当に妥当な金額?)
そろそろ塗装をしようと思って見積もりを取ってみたけど、これが適正価格なのか分からない…
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、外壁塗装の価格は業者によって様々です。
大手リフォーム企業から地元の親方さんまで、業者の形態や質も違うからです。また、お家の形状やデザインによっても見積もり内容自体が変わってきます。
しかし、やはりある程度の目安がないと資金計画も立てられないですし、もらった見積もりが妥当かどうか判断できませんよね。
そこで今回は、40坪のお家の外壁塗装の費用相場を、実際の見積もり事例と一緒にご紹介します。まずは相場を知って、失敗する心配をなくしましょう。
さらに後半は、金額の違いが出てしまうお家のパターンや、適正見積もりを貰うためのポイントもお伝えします。
「あなたのお家に合っている」「高品質の工事ができる」見積もりがもらえるようになります。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
1章 外壁塗装40坪の費用相場
以下のグラフは、ユーコーコミュニティーの過去1,200件以上のデータをもとにした、40坪前後のお家の外壁塗装費用です。
40坪前後のお家の場合、100~150万円が中心価格帯です。
これから塗装をお考えの方は、まずはこのくらいを目安にお考えください。
費用に幅が出るのは、使う塗料の差と、お家の細かい仕様の違いです。
まずは最も大きな差が出る「塗料と金額」について解説していきます。
1-1 塗料別の概算相場表
※一般的な40坪2階建ての概算
塗料別のおおよその費用相場は上記の通りです。
長持ちする塗料ほど金額も高くなります。
工事をお考えの方は金額とあわせて、「何年くらい持たせたいか」を考えて塗料を選びましょう。
金額+耐用年数も考えてプランを選ぼう!
塗料の種類は、ご家族の将来の予定を考えて選ぶと安心です。
なぜなら、塗料の耐用年数を過ぎたらまた次の塗装の時期だからです。
ご自身に合ったメンテナンススケジュールを立てて、費用計画などを考えてみましょう。
例:
・下の子の高校受験が終わるまで持たせたいから、フッ素にしよう。
・10年後には息子夫婦と同居してこの家は売るから、ウレタンにしよう。
◆塗料の耐用年数の比較についてはこちら
1-2 項目ごとの単価相場
塗装工事はたくさんの細かな作業によって成り立っています。
この作業の量(例えば足場の㎡数、コーキングの量、雨戸の数など)はお家ごとに異なるため、それによっても金額が変わってきます。
それぞれの内訳を見ていきましょう。
ウレタン | 1,700~2,500円/㎡ |
シリコン | 2,300~3,500円/㎡ |
フッ素 | 3,500~4,800円/㎡ |
無機 | 4,300~5,500円/㎡ |
仮設足場 | 700~900円/㎡ |
メッシュシート | 100~200円/㎡ |
高圧洗浄 | 200~300円/㎡ |
養生 | 300~500円/㎡ |
コーキング打ち替え | 800~1,200円/m |
コーキング増し打ち | 700~1,000円/m |
破風板 | 800~1,400円/m |
軒天 | 1000~1,800円/㎡ |
雨戸・戸袋 | 2,000~3,500円/枚 |
シャッターBOX | 2,000~3,000円/箇所 |
霧除け・出窓天板 | 2,000~3,000円/箇所 |
雨樋 | 1,000~1,800円/m |
水切り板金 | 300~800円/m |
廃棄物処理 | 20,000~40,000円/一式 |
材料運搬、交通費 | 20,000~40,000円/一式 |
※劣化状況、施工範囲、人件費によって価格は変動します。
2章 40坪での見積もり事例5選
それでは実際の見積りは大体どんなふうになるのか、実際の40坪前後のお家の見積もり事例を5つご紹介します。
あなたのお家に近いものを参考にしてみてくださいね。
※ただし、附帯物の数はお家によってかなりばらつきがあり参考にしにくいため、今回は比較しやすいように、足場・洗浄・養生・塗装の部分のみにしています。
【事例1】外壁塗装シリコン
- 外壁:サイディング
- 塗装面積:155.9㎡
- 塗料:シリコン
【事例2】外壁塗装フッ素
- 外壁:モルタル
- 塗装面積:170.7㎡
- 塗料:フッ素
【事例3】外壁塗装無機
- 外壁:サイディング
- 塗装面積:155.4㎡
- 塗料:無機
【事例4】屋根外壁塗装フッ素クリヤー
- 外壁:多色サイディング61.6㎡
- 塗料:フッ素クリヤー(2回塗り)
- 屋根:スレート102.5㎡
- 塗料:フッ素
◆元々の壁のデザインを活かせるクリヤー塗装についてポイントや注意点はこちら
【事例5】屋根外壁塗装シリコン
- 外壁:サイディング160.3㎡
- 塗料:シリコン
- 屋根:スレート82.2㎡
- 塗料:シリコン
いかがでしたか?少しでも具体的なイメージが掴めたのではないでしょうか。
次の章ではさらに具体的に、金額の違いが出る部分をお伝えしていきます。
実際には、塗装の見積りは完全オーダーメイドが基本です。
必ずあなたのお家のための見積りを作ってもらいましょう。
3章 相場より高くなる5つのパターン
ここまで相場のお話をしてきましたが、これらはあくまで目安と考えましょう。
なぜなら、お家は一軒一軒で形状や材質、劣化の状況なども違い、それによって金額も差が出てしまうからです。
ここでは40坪のお家の、相場よりも高くなる良くあるパターンをご紹介します。
当てはまる方は、見積もり内容の違いが分かって安心できます。
逆に、当てはまっているのに特に説明などがなかった場合は、後になってから追加費用を請求されたり、トラブルの原因になったりする可能性があります。
「うちはこうですけど、追加費用が出たりしませんか?」と確認しましょう。
我が家に合った見積もりかどうかが分かりますので、一緒に見ていきましょう。
3-1 3階建てのお家で足場代が増える
一般的なお家は2階建てですが、40坪だと3階建ての方もいると思います。
その場合は、足場代が通常よりも高くなることがあります。
なぜなら、そもそもの塗装面積が多くなる場合が多いのと、安全な足場にするためには、2階建てと同じまま上に伸ばすというだけではできないからです。
3階建ては高さがある分、パイプの組み方などをより強固なものにしなければならないため、それだけの資材や手間がかかります。
単価だと300~500円/㎡くらいアップすると考えておきましょう。
高いところも安全に丁寧な工事にしてもらうためには必要な部分ですので、3階建ての場合は足場費用が上がる可能性を覚えておきましょう。
3-2 屋根の勾配が急で屋根用足場が必要
40坪のお家だと、お家のデザインがオシャレだったり、ロフトや屋根裏収納があったりして、急傾斜の屋根のお家も出てきます。
その場合、「屋根足場」という専用の足場が追加で必要になります。
※一緒に屋根塗装を行う人のみ
5~ 6寸勾配以上の傾斜の場合に、屋根足場をかける場合が多いです。
屋根足場は800~1000円/㎡の追加費用が掛かる場合があります。
傾斜のある屋根でも安全に塗装するための足場です。
急勾配だと周りからも屋根が良く見えますので、ここを良い仕上がりにしてもらうためにも必要な費用だと知っておきましょう。
3-3 家の形が複雑、デザインに凝っている
家の形が複雑だと、シンプルなお家に比べて「面積」と「手間」が増えるため、金額が相場より高くなることがあります。
・面積
外壁塗装の料金は、正しくは「坪」では出せません。
なぜなら、「坪」は床部分の面積でしかなく、塗るのは壁=「塗装面積」だからです。
実は同じ40坪のお家でも、形がシンプルで正方形に近いほど面積が小さくなり、
長方形、角が多い、凸凹がある…など、凝ったデザインであればあるほど外壁の面積は増えていきます。
・手間
デザイン性の高いお家では、幕板・帯板、その他飾り部材があればそこも別途塗装が必要です。
塗り分けるための手間がかかりますし、別の色の塗料も必要になります。
おしゃれなお家にお住まいの分、普通のお家より多少費用がかかるかもしれませんが、新築時のデザインを活かすために必要なところですので、ぜひ知っておいてください。
3-4 劣化が進んでおり補修が必要
大きなひび割れや欠けなど、劣化があった場合は塗装の前に補修をするためその費用がかかる可能性があります。
なぜなら、外壁塗装は単なる色付けではなく、お家を守るための工事だからです。
塗りつぶしただけではいずれ同じところから劣化が起きてしまいます。
例えば、ひび割れがある場合はコーキングやパテで補修したり、ひびの数が多い場合はサイディングボードの交換・モルタルの作り直しなどが必要になることもあります。
塗装とは別に費用が掛かりますので理解しておきましょう。
劣化が進む前に早めに塗装しておくのが、お家にもお財布にも優しいですよ。
3-5 中間マージン(仲介料)が発生する
ハウスメーカーや工務店、大手リフォーム会社に塗装を頼むと、ほとんどの場合下請けの塗装業者が施工をします。
利益を出すためには必ず「中間マージン(仲介料)」が取られるので、費用は高くなります。
工事をするのは結局塗装専門の会社になるので、仲介させるよりも直接依頼した方がお得です。
また、どんな人が来るのか、どんな品質の工事をしているのかをご自身で見たり調べたりできるので、安心できておすすめですよ。
4章 正しい見積もりをもらうための5つのポイント
ここではご自身のお家に合った適正な見積もりを貰うための方法をご紹介します。
なぜなら、見積もり金額はお家一軒ずつの造り、状態の違いが影響してくるからです。
必要なものが足りなかったり、逆に余計なものが入っていたりしては適正価格の見積りにはなりません。
以下の5つのポイントで、「正確な見積もりがほしいので、こうしてください」と伝えましょう。
4-1 必ず『㎡数』で算出する
見積書は「坪数」ではなく塗装する「㎡数」で出してもらいましょう。
チラシなどで良く見る「坪パック(一坪あたり~万円!など)」は非常に危険です。絶対に避けましょう。
なぜなら、実際の金額は塗装する面積で決まるからです。
坪はあくまで床の面積で、正確な塗装面積に換算することはできません。
例えばこの場合、B邸では2つのことが起こりえます。
①塗料が足りないので追加代金を請求される
②塗料が足りないので間に合わせるために薄めて塗る
工事が始まってから追加の出費も困りますし、
ましてや薄めて塗られては、塗料の耐久性も弱まってしまいます。
塗料は絵具と違い、薄めても色の違いが出ませんので、見た目で判断することは非常に難しいです。
追加費用を出さず、品質の保たれた工事をするためにも、見積りは必ず「㎡数」で出してもらいましょう。
◆塗装面積の具体的な出し方はこちら
4-2 現地に点検に来てもらう
図面さえ送れば正確な見積もりができるんでしょ? いいえ。残念ながら図面だけでは正しい見積もりはできません。 なぜなら、外壁塗装は単に「色を塗る工事」ではなく「メンテナンス工事」だからです。 必ず現地での点検をしてもらいましょう。 |
図面では現在の劣化状況や塗装すべき部材の数がわかりません。
外壁についている細かい部材などについても、図面では省かれるものもあります。
見積りの際には、必ず現地に来て点検してくれる業者を選びましょう。
現地点検+図面が、もっとも正確に見積もりを作成できます。
4-3 点検は60~90分以上かける
見積もりを作る際の点検は、60~90分程度はかけて丁寧にやってもらいましょう。
なぜなら、お家は一軒一軒、造りも環境・立地条件も違います。気づきにくい小さな劣化症状などを見過ごしてしまうと、本当はお家の為にやっておくべき工事、補修ができないからです。
20分や30分の点検は、大体の大きさを測っているだけで、本当に質の良い工事のための見積もりは作れませんのでご注意ください。
人の健康診断と同じで、簡単な問診だけで済まさずにきちんと正確な点検診断をして、本当に必要な部分の見積もりをもらいましょう。
4-4 詳細な写真付きの報告をしてもらう
しっかり点検してもらったら、その報告も丁寧にしてもらいましょう。
点検写真は数が多いほど安心です。50~100枚以上になることもありますが、きちんと全てもらいましょう。
よく目立つ劣化部分の写真数枚だけで報告書をつくる業者もありますが、それでは不十分です。なぜなら、自分たちでは見えない・気づかないところで手抜きができるからです。
本当はメンテナンスが必要だった部分を見逃してそのまま工事を進めてしまったら結局お家が傷んでしまいます。
写真があれば、ここは補修が必要なのか?どんな施工をするのか?という綿密な見積もりができます。
工事品質をより良くするために、点検の報告は詳細にしてもらいましょう。
4-5 相見積もりを取る
見積もりはできるだけ2社以上からもらいましょう。
そうすることで、もし見積もり内容に違いがあった時に気づけるからです。
例 A社は木製の窓枠の数が見積もりにあるが、B社は無かった。 B社に「木の窓枠は塗装してくれますか?」と聞いておこう。 |
こうしたことができます。
B社が見積もりに入れていなかったなら、ここも塗ってくださいと伝えられますし、
「窓枠はこっちの項目に一緒に入っています」などと答えてくれれば安心です。
見積書の書き方や㎡数の算出方法は業者によって違いますので、2つ以上を見比べて、より正確な見積もりを作ってもらいましょう。
5章 信頼できる業者の見極め方
塗装工事の相場が分かった上で、最も重要なのは「その業者は信頼できるか」です。
なぜなら、塗装工事はお金でモノを買うのではなく、人が行う塗装工事という作業・サービスを買っているからです。
見積りが妥当だと判断できたら、最後は信頼できるところに依頼しましょう。
そのためのチェックポイントを5つご紹介します。
5-1 実績が豊富
「おたくの実績はどれくらいあるの?」と聞いてみましょう。
○○件です、ときちんと見せてくれるはずです。
実績があると、職人のノウハウが蓄積されているので仕上がりも期待できます。
また、たくさんのお家を工事しているからこそ、あなたのお家に合った最適な提案をしてくれるはずです。
近くに工事したお家があれば見に行くこともできます。
逆に実績がないのは、下請けに丸投げしているところや、ビジネスとして最近リフォーム業に参入した会社になります。
一生に何回もない大事な塗装工事ですから、実際にたくさんの工事をしていて、技術があるところに依頼しましょう。
5-2 すぐ来れる範囲に会社がある
塗装工事はお家の大事なメンテナンス工事です。
長い付き合いができる、困った時にすぐ来てくれるような会社が安心です。
遠くても、ご自宅から1時間圏内にある会社を選ぶとよいでしょう。
工事が終わったらそれで終了、というのは不安になってしまいますよね。
近くにあって、アフターケアも対応してくれる業者を選びましょう。
5-3 顔が見えるホームページ
最近はきちんとしたホームページがある会社が当たり前です。
特に、社員の紹介がきちんとある業者に依頼しましょう。
なぜなら、塗装工事は必ず「人」が入る仕事だからです。
どんな人がうちに来るのか、我が家のお手入れをしてくれるのか、事前に知ることで安心して任せることができます。
これは、下請けやフランチャイズに任せている会社ではなかなかできません。
人がする仕事ですから、顔の見える専門店に依頼するようにしましょう。
5-4 職人以外の人も作業チェックしてくれる
塗装工事は職人が行う手作業です。
どんなに熟練の職人でも人間ですから、ミスがゼロになることは難しいです。
なので、監督部門や品質管理部門など、職人以外もチェックに入ってくれる体制が整っている業者を選びましょう。
塗装工事中は足場が組まれ、ご自身では作業の様子を全て見ることができません。
(足場は大変危険なので、絶対登らないでくださいね!)
また、そもそも平日はお仕事で留守にする方も多いと思います。
不在の間でも確認が入っていれば安心できますね。
2重でチェックしてくれるということは、それだけ品質にもこだわっている証拠です。
よい工事をしてくれる体制の会社に選びましょう。
5-5 工事中写真をもらえる
前の5-4で述べた2重チェックの際、写真も撮ってくれる業者だと一層安心です。
写真であればご自身でも工事の様子を知ることができますし、業者側も、きちんとした工事をしているという証明になります。
毎日リアルタイムで見れなくても、写真は後にも残って確認できますので、工事終了後にまとめて施工中写真をもらうようにしましょう。
また、塗装工事は10数年に一回のイベントです。
前の状態からこんな色になった!こんなふうに生まれ変わった!というお家の記念アルバムとして楽しむこともできます。
塗装工事を、大事なお家の思い出として残してもらえると嬉しいですね。
まとめ
いかがでしたか?
塗装工事の相場を知れば、高すぎたり安すぎたりする不安をなくせます。
ただ、実際にはお家一軒ごとに見積もり内容が変わってきます。
世界にたったひとつだけの、あなたのお家です。
ポイントを押さえて、必ずあなたのお家にあった見積もりをもらいましょう。
そして何より、塗装工事は「人」が行う仕事です。
金額で全てを決めるのではなく、あなたのお家を守ってくれる信頼できる業者を選びましょう。
適正価格で高品質の工事をして、これからも長く大事にお住まいになってくださいね。
お読みいただきありがとうございました。
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