冬が近づくと不安なのが雪による被害。
特に屋根に雪が積もると、ドサッと落ちてくることもあるので怖いですよね。
かといって雪下ろしを行うのも大変な労力が必要になります。
そのため、できるだけ負担なく屋根の雪対策をしたいと思って検索されているのではないでしょうか。
この記事では、屋根の雪対策になる4つの工事をご紹介。
地域によって、向いているもの、向いていないものがありますので、お住まいの地域に合ったものをチェックしていきましょう!
さらには屋根以外の住宅に関わる雪対策やよくあるQ&Aもご紹介。
寒冷地にお住まいの方や、初めてお家を持つ方はぜひこの記事をお役立てください。
雪の対策をして、冬場も安心して過ごせるようにしていきましょう!
目次
1章 屋根の雪対策工事4選
屋根に雪が積もらないようにするための対策として4つの工事をご紹介します。
それぞれ費用や内容、向いている地域についても解説しますので、ご自宅に合ったものがあるか確認していきましょう!
雪対策の屋根工事 | 費用相場 | 向いている地域 |
雪止め設置 | 7~40万円 | 積雪量が少ない地域 |
無落雪屋根 | 100~300万円 | 積雪量が多い地域 |
融雪設備の導入 | 150~300万円 | 積雪量が多い地域・少ない地域でも可 |
落雪設備の導入 | 30万円 | 積雪量が多い地域 |
1-1 屋根に「雪止め」を設置する
一番手軽な雪対策は雪止めを設置する方法です。
雪止めを設置することで、大量の雪が一気に落ちてくるのを防ぐことができます。
特に日が当たりづらい北面は、積もった雪が解けづらいので日当たりのことも考慮して設置しましょう。
雪止めの設置は積雪量が少ない地域にお住まいの方におすすめです。
たまに降る、慣れていない雪だからこそ、万が一に備えておきましょう。
※豪雪地域の場合は雪止めでは制御できないほどの量が積もるので、設置されないことも多いです。
■費用相場
・扇型…7~10万円
・L字型…15~25万円
・瓦型…20~40万円
>屋根の雪止めについてはこちら
1-2 「無落雪屋根」にリフォームする
屋根の雪対策として「無落雪屋根」にリフォームする方法があります。
特に積雪量の多い豪雪地域にお住まいの方におすすめです。
無落雪屋根とは、雪が屋根の下に落ちないようになっている形の屋根です。
パターンとしてはV字型になっている「スノーダクトタイプ」と平らになっている「フラットルーフタイプ」があります。
無落雪屋根にすることで、屋根の雪下ろしが不要になります。
ただし、屋根全体の葺き替えが必要になるため費用はかかります。
また、雪を屋根に留めるつくりのため、太陽光パネルの設置はおすすめできません。
太陽光パネルの設置をお考えの方はご注意下さい。
■費用相場
100~300万円
1-3 雪を解かす「融雪設備」を導入する
屋根の雪対策として「融雪設備」を導入するリフォームもあります。
こちらも豪雪地域の方向けのリフォームです。
融雪設備とは、屋根材の表面または内部に雪を解かすヒーターを設置する方法です。
ヒーターによって屋根の上で雪を解かすことができるので、雪下ろしも不要です。
また、雪を下ろすスペースの確保も不要になります。
ただし、雪を解かすための電気代は掛かってしまうので設置する際はそこも念頭にいれておきましょう。
■費用相場
150~300万円
※種類や設備範囲によって費用は変動します。
1-4 雪を落とす「落雪設備」を導入する
積雪量の多い地域では落雪設備を導入という方法もあります。
出典:猪野電気工事株式会社
落雪設備とは、屋根の頂上にヒーター線を収納した金属パイプを設置して、雪が積もった時に頂上の雪を解かし、強制的に落雪する設備です。
屋根に登らずに雪を下ろすことができますが、雪を落とすスペースは必要です。
また、こちらもヒーターを使用するため、電気代がかかります。
■費用相場
30万円
2章 屋根以外の場所の雪対策
雪の被害は、屋根以外にも起こり得ます。
そのため、住宅周りの雪対策も知っておくと安心です。
自分できる簡単なものから、事前に備えておかなければいけないものまでありますので、チェックしていきましょう。
2-1 家周りには融雪剤を撒く
お家の周りや駐車場の周りに融雪剤を撒いておきましょう。
出入りが多い場所に雪が積もってしまうと、外に出られない、車を動かせないなど不便な状況になってしまいます。
融雪剤には、水が氷になるのを防止する働きと、氷を水にする働きがあります。
雪が降る前・降った後に、融雪剤を撒くことでより早く雪を解かしましょう。
▼融雪剤はインターネットでも500円程度~購入することができます。
業者に頼まずご自身でできる対策なので、ぜひ行なってみてください。
2-2 窓・玄関周りに雪囲いを設置する
積雪量の多い地域では、窓や玄関周りに雪囲いを設置することをおすすめします。
屋根から雪が落ちてくると雪がお家の出入り口を塞いでしまいます。
そのため、窓や玄関に雪が積もらないように雪囲いを設置しましょう。
■費用相場
狭い範囲(小窓)なら1か所3~5万円程度
広い範囲(家の周り・窓全体)なら50~150万円程度
2-3 スノーネットで雨どいの破損を防ぐ
豪雪地域の方は、屋根の端にスノーネットや雪止めを設置しましょう。
雪が雨どいに積もってしまい、歪みや破損するのを防ぐことができます。
特に勾配(傾斜)がある屋根は、雪が積もると雨どいの方へ雪が落ちてしまいます。
重みで破損しないように、備えておくと安心です。
■費用相場
1mあたり3~5万円程度
2-4 カーポートは耐雪のものに
カーポートがあるお家の場合は、耐雪のものに変えましょう。
雪に耐えられるものでないと、雪の重みによって破損してしまう恐れがあるからです。
カーポートが歪んでしまう・破損してしまうと、停めている車にも傷がついてしまいます。
寒冷地にお住まいの方は、耐雪の製品を選ぶことをおすすめしましょう。
■費用相場
1台用…15~30万円程度
2.3台用…30~70万円程度
※製品によって費用は変動します。
※すでにカーポートを設置している場合は撤去費用が別途かかります。
3章 屋根の雪対策に関するQ&A
屋根の雪対策に関するQ&Aをご紹介します。
同じお悩みがある方や、雪に慣れていない方は、チェックしてみてください。
3-1 いつ頃から備えるべき?
A、雪が降る季節に入る前から備えましょう。
積雪の危険性がある冬場から動きだすと、業者も立て混んでしまってすぐに工事に入ってもらえないことがあります。
工事に入る前に積雪があったらがっかりですよね。
そのため、寒冷地であれば10~11月のうちに対策をすることをおすすめします。
3-2 雪が降る前に自分できる対策は?
A、家周りを片付けておくこと・融雪剤を撒いておくこと
お家を回りにものを置いている方はできるだけ、室内または物置の中などに片付けておきましょう。
雪の重みで物が破損してしまう、雪に隠れて誤って踏んでしまう恐れがあります。
雪が降る前に、お家の周りをきれいにして、融雪剤を撒いておきましょう。
3-3 雪下ろしするときのコツや注意点は?
A、雪をすべておろさない・安全に2人以上で行う
屋根の雪下ろしは毎年事故が起きている注意すべき行為です。
そのため、どうしても雪下ろしが必要な場合は、万全の準備と細心の注意を払って行いましょう。
その他、雪下ろしのコツ・注意点は以下の通りです。
・悪天候時は行わない
・命綱・ヘルメットを付ける
・雪を落とすスペースを確保しておく
・勾配(傾斜)がある屋根の雪下ろしは避ける
・上の軽い雪から落としていく
>雪下ろしを行う際は国土交通省「雪下ろし安全箇条」をご確認ください!
4章 雪による被害は「火災保険」を活用しよう
実際に雪によって、お家の雨どいやカーポートが破損してしまった場合は、火災保険を活用しましょう。
火災保険では、「雪災補償」というものが入っているケースが多いです。
そのため、以下のケースは補償対象になる可能性があります。
・雪の重みで屋根や雨どいが歪んでしまった(または破損してしまった)
・落雪によってカーポートの天井が壊れた
・近くの山で雪崩が起きて、お家が巻き込まれた
保険が使用できれば、修繕工事の費用の一部や全額を負担してもらえます
ただし、雪災補償は加入の保険会社によって対象や審査基準・補償で下りる金額は様々です。
必ず保険が使えるということではありませんので、ご注意ください。
まずはご加入の保険会社に確認してみましょう。
【火災保険申請の流れ】 ①保険会社に連絡して被害内容を伝え、保険適用できるかを聞く。 ②申請書類を送ってもらう。 ③修理業者から「被害写真」「見積書」をもらう。 ④申請書類をご自身で記入する。 ※保険代行業者というものもありますが、費用が掛かります。書類は難しいものではないので、ご自身での記入、申請をおすすめします。 ⑤保険会社へ申請を送り、現地調査(鑑定)をしてもらう。 ⑥保険金の確定、入金 ※工事費用が20万円以下の場合は適応されていないケースもあります。保険会社によって適応条件が異なりますので、加入されている保険会社に確認しましょう。 |
まとめ
いかがでしたか。
屋根の雪対策工事としては以下の4つがあります。
・「雪止め」を設置する
・「無落雪屋根」にリフォームする
・「融雪設備」を導入する
・「落雪設備」を導入する
それぞれお住まいの地域によって向き不向きがありますし、費用も様々です。
ご自宅に合ったものを選んでいきましょう。
また、積雪量の多い地域にお住まいの方は屋根以外にも対策が必要です。
以下のような対策をして雪の時期も安全に過ごしていきましょう。
・家周りには融雪剤を撒く
・窓・玄関周りに雪囲いを設置する
・スノーネットで雨どいの破損を防ぐ
・カーポートは耐雪のものにする
万が一雪による被害が出た場合は、火災保険の雪災補償が活用できる場合があります。
被害が心配な方は、事前にご加入の保険会社に、補償内容を確認しておくことをおすすめします。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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