この家には20年30年と長く住み続けたい。
だから外壁塗装は、今後の塗り替えサイクルも踏まえてプランを決めたい。
そうお考えではありませんか?
最善の塗装サイクルが分かれば、無駄なくコストパフォーマンス良くお家を維持することが可能です。
今回の工事だけでなく先々のことも考えるなら、サイクルはとても大切になってきます。
「塗装は10年おき」と言われることが多いですが、実際はお家の状況次第で変わります。
そのため、皆さんそれぞれがベストなサイクルを見つける必要があります。
そこで今回は、あなたにとって最適な外壁塗装のサイクルを知るためのポイントと、シチュエーション別の塗装プランをご用意しました。
お読みいただければ、初めての方でも塗装サイクルに合わせた塗料選びができ、長い目で見て一番良い塗装工事ができるようになります。
また最後には、塗装サイクルを考えるとき重要な、信頼できる業者見極めについてもコツも伝授します。
大切なお家を長くかしこく維持するために、ぜひじっくりご覧くださいね。
1章 外壁塗装のサイクル・時期
まずは一般的な塗り替えサイクル、時期を解説します。
塗装を行うべきタイミングとは、「塗料の防水効果が切れるころ」です。
防水効果が切れると外壁が吸水をしはじめ、ひび割れなどの劣化が起こるからです。
このタイミングは、使用された塗料によって変わります。
使う塗料が何なのかによってサイクルも変わりますので、見て行きましょう。
1-1 最初の塗装は築8~12年
まず今まで一度も塗装したことがないお家は、新築後8~12年ごろが塗装時期の目安です。
新築時に塗ってある塗料は、紫外線によって劣化していき、このぐらいの年数で防水効果が切れてしまうからです。
ただし、お家の日当たり・立地条件などによって防水性が切れるタイミングは前後します。
あくまで目安としてお考え下さい。
塗り替え時期が来ているかどうかは、お家の症状を見てチェックしましょう。
1-2 2回目以降は使う塗料による(塗料の比較表)
1回以上塗装したことがあるお家は、前回使った塗料の耐久性によります。
※30坪2階建てのお家の場合の概算費用
昔の見積書や契約書で、塗料の種類を確認しましょう。
また、これから外壁塗装をする方は、この塗料選びによって塗装サイクルが決まります。
予算と合わせて、次の塗り替えを何年後にしたいか考えて塗料プランを決めましょう。
次の章では、自分に最適な塗装サイクルを知るための、重要な考え方を解説していきます。
2章 長い目でお得にするための3つの重要ポイント
ベストな塗装サイクルとは、長い目で見てお得になるメンテナンス計画のことです。
ただ、単純な塗料のコストパフォーマンス比較だけでは、うまくいかないこともあります。
長くお家で暮らしていくなかでお金がかかるのは、外壁塗装だけではないからです。
外壁塗装のことだけを考えてしまうと、別の大きな出費が発生したとき
「本当は今年塗装するつもりだったけど、後回しにしよう…」と、サイクルが崩れてしまいます。
時期が来ていたのに放置したせいで劣化が進み、追加の修理費用がかかってしまうのはとてももったいないので、何としても避けたいところです。
ここでは、“あなたにとって”ベストな塗装をするための、重要な視点を3つ紹介します。
2-1 屋根メンテナンスも一緒に考える
外壁塗装と屋根の工事は同じタイミングで行うのがベストです。
何故なら、一緒に足場を使えてお得にできるからです。
屋根と外壁の工事を別々にしてしまうと、2回足場を立てなくてはいけません。
しかし一緒に工事するなら、1回で済みます。
足場代は2階建ての住宅で10~20万円ほどしますから、その回数を減らせるのは大きな差ですよね。
屋根の塗装やリフォーム時期は、建材の種類によって異なります。
ご自宅の屋根メンテナンスについても時期を確認しておきましょう。
■屋根のメンテナンス時期一覧
スレート(コロニアル・カラーベスト) | |
築8~10年 | 屋根塗装 |
築30年以上 | 屋根カバー、葺き替え |
和瓦、洋瓦 | |
築10~15年 | 漆喰補修 |
築30~40年 | 防水シート張り替え(葺き直し) |
築40~60年以上 | 葺き替え |
セメント瓦、モニエル瓦 | |
築10~15年 | 屋根塗装 |
築30年~40年以上 | 葺き替え |
金属屋根(ガルバリウム鋼板など) | |
築15~30年 | 屋根塗装 |
築30~40年以上 | カバー・葺き替え |
アスファルトシングル | |
築15~30年以上 | カバー・葺き替え |
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2-2 家族の予定、ライフプランを想定する
塗装するときは、ご家族の将来の予定やライフプランを考えておきましょう。
それによって外壁の塗り替えサイクルを一番良い時期に調節できるからです。
例① 子どもは10年後には大学受験の年齢。 同じ年に受験と外壁塗装が重なると財布が苦しそうなので、15年ほど持つ塗料のプランにして、学費がかからなくなってから次の塗装をするサイクルにしよう。 例② 7~8年後くらいを目安に息子夫婦と同居するつもりだ。 今回は最低限それくらい持つ塗料にして、次の塗装は息子たちに好きな色を選んでもらえるようにしよう。 |
このように、他の予定との兼ね合いも考えることで、無駄のない最適な塗料を選ぶことができます。
ご家族やお家の将来を考えて、それに合う塗装サイクルを作りましょう。
2-3 ほかの住宅設備のリフォーム時期を知る
将来の大きな出費としてある程度予想できるのが、内装など住宅設備のリフォームです。
給湯器の交換など生活に直結するものが多く後回しにできないため、すぐお金が必要になるので、だいたいこの時期という目安を知っておくと安心です。
塗装サイクルを考えるときにもチェックしておき、貯金などの予定を立てましょう。
■住宅設備のリフォーム時期目安
築10~15年頃 | |
ベランダ防水 | 8~12万円(10㎡、ウレタン防水) |
クロス(壁紙)張替え | 14~23万円(10畳50㎡) |
築16~20年頃 | |
給湯器交換 | 20~30万円 |
洗面化粧台交換・修理 | 15~30万円 |
レンジフード交換・修理 | 約10万円 |
トイレ交換・修理 | 20~40万円 |
築21~25年頃 | |
キッチン交換 | 50~150万円 |
ユニットバス交換 | 50~100万円 |
築26~30年以降 | |
フローリング交換 | 40~50万円(60㎡) |
水道管、配管修理 | 20~50万円 |
3章 シチュエーション別のメンテナンスプラン3例
それでは、実際に塗装サイクルを考えたうえでメンテナンスプランを立てていきましょう。
本章では分かりやすい事例として3つのプランを作成しました。
ご自宅の塗装を考えるときにぜひ参考にしてみてくださいね。
3-1 子どもの進学が控えているプラン
Aさん…
子どもが8歳。10年後には大学受験の年齢になるので、同時期に塗装が重なるサイクルは避けたい。
→耐久性15年のフッ素塗料で塗装。
次の塗装はお子さんが社会人になって手がかからなくなってからできるよう、塗料を選びました。
まだしばらくは塾や部活でお金がかかりますが、卒業後は余裕もできるので、次回は屋根はカバー工事にして、お風呂やキッチンのリフォームもそれ以降に順番にやっていこう、というプランになりました。
3-2 今のうちにローンを組もうプラン
Bさん…
ご主人は今年50歳。長期的なコストパフォーマンスを良くしたい。
→耐久性が20年の無機塗料を選択。ローンを利用。
60歳を超えるとリフォームローンの申し込みが難しくなるので、お金をかけるなら今のうちが一番いいという判断でした。
次の塗装のときは、最後はあと10年程度の最低限の塗装にするか、子供夫婦に引き継ぐか、どちらか検討しようということになりました。
3-3 災害に備えてこまめに塗ろうプラン
Cさん…
台風が比較的多い地域。近隣から何か飛んできて屋根や窓ガラスが破損、というニュースは数年おきに目にする。
→耐久性10年前後のシリコン塗料で塗装。
どんなに良い塗装をしても、台風の飛来物で屋根が破損してしまったら傷んでしまうので、無駄が無いよう10年サイクルでこまめに塗り替えることにしました。
補修も何度か重ねていったら、いずれは葺き替え工事をする予定です。
4章 大切なのは「信頼性」業者見極めのコツ
お家を大事にして長く住み続けたい人にとって、塗装サイクルと同じくらい重要なのが、信頼できる業者と出会うことです。
サイクルによってお家のお手入れはこれから何度も行うものだからです。
毎回違う業者を探すのは苦労しますし、状況を一から理解してもらうのも大変です。
ここでは最後に、次もまたメンテナンスをお願いしたいと思える、信頼できる業者を見極めるポイントを3つご紹介します。
4-1 長く続いている会社か
まずはその会社が、地元で長く続いているかどうかチェックしましょう。
少なくとも10年程度は続いているところだと安心です。
あまり安定していないところや新しすぎる会社だと、次の塗装のときには無くなっているかもしれないからです。
また、実績・経験が多いからこそのノウハウがあり、ベストな塗装サイクルについてアドバイスをもらえる可能性が高いです。
より良い提案、施工をしてもらうために、会社がどのくらい存続しているのかはホームページなどを見ておきましょう。
4-2 複数パターンの提案を作ってくれるか
塗料のグレードが違うものなど、複数パターンの見積もりを出してくれる業者を選びましょう。
最適な塗装サイクルを考えるには、具体的な費用の差などを見比べることが大切だからです。
長い目で見たときにお得になるか、無理や無駄がないかをきちんと比較検討しましょう。
逆に1種類の見積もりしか出してくれないところは注意です。
問屋やメーカーと提携していて、限られた塗料しか使えないか、職人の技量がなくほか塗料の扱いが苦手な可能性があるからです。
皆さんご自身がきちんと比較して選びやすいように、複数パターンの提案をもらうようにしましょう。
4-3 認定・表彰など第三者機関からの評価がある
業者の信頼性を見極めるために、外部からの認定・表彰などがあるかをチェックしましょう。
外壁塗装を行う業者は、地元の親方さんからハウスメーカー、工務店、ホームセンターなど規模も形態も様々で、品質や金額に一定の基準がないからです。
「地元で実績があります!」「自慢のベテラン職人がいます!」「品質にこだわってます!」だけなら、自分たちでいくらでも言えてしまいます。
外部機関、第三者機関からの評価としては、
・JIOリフォームかし保険の登録事業者
・ISO(国際規格)認証
・地方自治体等からの優良企業認定
・国家資格(塗装技能士など)を持つ社員の在籍
などが挙げられます。
特に、資格などの社員個人に与えられるものだけでなく、「会社」の体制や取組みを評価しているものがあると一層安心です。
外壁塗装は、完成している“モノ”を買うわけではないからこそ、信頼できる業者を見つけることが最重要です。
信頼性を見極めるポイントとして、第三者からの評価もあるところを選ぶようにしましょう。
まとめ
塗装を行うべきタイミングとは、「塗料の防水効果が切れるころ」です。
最初の外壁塗装は築8~12年を目安に行い、
その後の塗装サイクルは使う塗料によって変わります。
最適な塗装サイクルはお家によって変わってくるので、ご自身に適したサイクルを見つける必要があります。
長い目でお得にするための3つの重要ポイントは、
・屋根メンテナンスも一緒に考える
・家族の予定、ライフプランを想定する
・ほかの住宅設備のリフォーム時期を知る
です。
そして、お家を長く維持するために大切なのは、信頼できる業者と出会うことです。
・長く続いている会社か
・複数パターンの提案を作ってくれるか
・認定・表彰など第三者機関からの評価があるか
をチェックして、安心できる塗装工事にしましょう。
お家は財産であり、思い出が詰まった人生そのものです。
これからも長く美しく維持していくために、本記事の内容がお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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