うちの瓦はメンテナンスって必要?不要?
やるならいつ、どんなことをすればいいの?
と気になっている方も多いのではないでしょうか。
“瓦はメンテナンスフリー”と言われることもありますが、実際は大なり小なりメンテナンスが必要です。
また、一口で“瓦”と言っても実はいくつも種類があり、それによってもメンテナンスのやり方が異なってきます。
この記事ではまず瓦の種類を紹介しますので、ご自宅に当てはまる種類の章に進んでお読みください。
瓦の種類別にメンテナンス必要時期、方法、費用を解説します。
また、最後にはメンテナンス工事を依頼する業者選びのポイントもお伝えします。
信頼できる業者を選んで、大事なお家の屋根をしっかりメンテナンスしてあげましょう。
屋根瓦のメンテナンスは必ずプロに依頼しましょう!
屋根に上るのは大変危険です。絶対にご自身で上ったり、補修をしたりするのはやめましょう。
一般的な2階建てでも高さ5~6mもあり、足元は傾いていて、掴まるものが何もなく、いつ強い風が吹くかも分からない場所です。
ほんのちょっとした補修だとしても、あまりにも危険な状況です。
屋根瓦のメンテナンスは必ずプロの工事業者に依頼しましょう。
目次
1章 屋根瓦は種類によってメンテナンスが異なる
屋根の「瓦」というと、一般的には「和瓦・日本瓦」をイメージする方が多いと思います。
ただ、現在の日本の住宅は和瓦以外にも「瓦」と名前に付く様々な種類の屋根が使われています。
種類によってメンテナンス方法なども少しずつ異なりますので、まずはご自宅の屋根の種類を確認しましょう。
この記事では大きく分けて5種類の瓦のメンテナンスについて解説していきます。
■5つの瓦の種類
和瓦(日本瓦、陶器瓦、粘土瓦)→2章へ | |
メンテナンス時期 | 15~30年 |
メンテナンス方法 | 漆喰補修、一部交換、棟積み直し、葺き直し |
洋瓦(粘土瓦)→3章へ | |
メンテナンス時期 | 10~20年 |
メンテナンス方法 | 漆喰補修、一部交換、棟積み直し、葺き直し |
モニエル瓦(乾式コンクリート瓦)→4章へ | |
メンテナンス時期 | 10~15年 |
メンテナンス方法 | 塗装、漆喰補修、棟積み直し |
セメント瓦→5章へ | |
メンテナンス時期 | 10~15年 |
メンテナンス方法 | 塗装、漆喰補修、棟積み直し |
スレート瓦(コロニアル、カラーベスト)→6章へ | |
メンテナンス時期 | 8~10年 |
メンテナンス方法 | 塗装、一部交換、棟板金交換 |
※モニエル瓦とセメント瓦の見分け方
この二つは遠目だと判別がつきにくいかもしれません。点検の際に、瓦の小口部分を見て確認してもらいましょう。
2章 和瓦
和瓦とは、粘土を乾燥させてから焼き固めて作る陶器製の瓦で、特に和風建築に合うような形に作られたものです。
日本瓦、陶器瓦、粘土瓦などとも呼ばれます。
陶器なので非常に耐久性が高く、100年以上使えると言われています。表面の塗装も不要です。
ただ、衝撃を受けた場合は破損してしまいますし、年数が経つとズレやゆがみも起こります。
瓦を固定している漆喰や、瓦の下にある防水紙などは経年劣化してしまうため、メンテナンスが必要です。
和瓦の特徴やメンテナンス方法について詳細を知りたい方はこちら
2-1 必要時期は築15~30年前後
和瓦は築後15~30年頃までには1度メンテナンスをするのが望ましいです。
まず始めは棟瓦(屋根の頂上)付近の漆喰の補修が必要になります。
また、20~30年以上経つと瓦の下の防水紙などが傷んでくるので、この頃には葺き直し工事などを行いましょう。
2-2 劣化症状
漆喰の劣化
漆喰とは、屋根の頂上にある「棟瓦(むねがわら)」を固定している白いセメントのようなものです。15年前後でひび割れやはがれが起こってきます。
放置すると、棟部分のズレ、歪みから隙間ができ、内部に水が侵入しやすくなってしまいます。
ひび割れ、欠け
瓦は外からの衝撃によって破損してしまう場合があります。
よくあるのは
- ・台風でアンテナが倒れた
- ・近所から何かが飛んできて当たった
などです。
自然災害のあとや、屋根から変な音がした等あれば念のためでも点検してもらうと良いでしょう。
2-3 メンテナンス方法と費用
漆喰補修
費用相場:4,000~7,000円/m
15年ほど経つとひび割れやはがれが起きてくるため、補修(漆喰詰め直し工事)を行います。
一部交換
費用相場:1~5万円/枚
瓦が衝撃などで破損していた場合、そこだけ交換することもできます。
瓦自体の価格や作業の手間で費用が左右されます。
棟積み直し
費用相場:10,000~16,000円/m
棟積み直し工事とは、棟瓦を一度すべて取り外し、もう一度組み直す工事です。漆喰の劣化や地震などの揺れで棟瓦が歪んだりズレたりしていた場合に行います。
棟の歪みやズレは放っておくと屋根全体に広がって、屋根の欠落や雨漏りの原因になりますので、棟瓦の修繕は重要なメンテナンスです。
葺き直し
費用相場:10,000~18,000円/㎡
葺き直し工事とは、今の屋根瓦をすべて取り外し、防水シートや下地板を新しいものに交換してから、瓦を元に戻す工事です。
和瓦本体は100年以上使い続けることができますので、先に劣化してしまう中身部分だけを交換するというメンテナンス方法です。
※費用はすべて足場代を含まない金額です。
※施工範囲や屋根の傾き、使用する材料等によって費用は変動します。
3章 洋瓦(粘土瓦)
洋瓦とは、海外の住宅で用いられていた洋風の瓦屋根材全般を指します。
現在では日本でも様々な種類の洋瓦が製造・販売されています。
原材料は粘土とセメントの二種類ありますが、ここでは粘土タイプの洋瓦について解説します。
(セメント質のものは4章モニエル瓦・5章セメント瓦をご覧ください。)
粘土タイプの洋瓦は、40~50年以上使い続けられる高い耐久性を持っています。塗装も必要ありません。
ただ、和瓦と同様に漆喰や防水紙などの方が先に劣化してしまうため、この部分のメンテナンスが必要です。
洋瓦の特徴やメンテナンスについて詳細を知りたい方はこちら
3-1 必要時期は築15~20年前後
洋瓦は築後15~20年ほどでメンテナンスを検討しましょう。
和瓦と同様、漆喰の補修が最初に必要になります。
その後様子を見ながら、20年以上経ったら葺き直し工事をして防水紙を交換します。
3-2 劣化症状
漆喰の劣化
漆喰とは、屋根の頂上にある「棟瓦(むねがわら)」を固定している白いセメントのようなものです。15年前後でひび割れやはがれが起こってきます。
放置すると、棟部分のズレ、歪みから隙間ができ、内部に水が侵入しやすくなってしまいます。
ひび割れ、欠け
瓦は外からの衝撃によって破損してしまう場合があります。
よくあるのは
- ・台風でアンテナが倒れた
- ・近所から何かが飛んできて当たった
などです。
自然災害のあとや、屋根から変な音がした等あれば念のためでも点検してもらうと良いでしょう。
3-3 メンテナンス方法と費用
漆喰補修
費用相場:4,000~7,000円/m
漆喰は15年ほど経つとひび割れ、はがれが起きてくるため、補修(漆喰詰め直し工事)を行います。
一部交換
費用相場:1~5万円/枚
瓦が衝撃などで破損していた場合、そこだけ交換することもできます。
瓦自体の価格や作業の手間で費用が左右されます。
棟積み直し
費用相場:10,000~16,000円/m
棟瓦を一度すべて取り外し、もう一度組み直す工事です。
漆喰の劣化や地震などの揺れで棟瓦が歪んだりズレたりしていた場合に行います。
棟の歪みやズレは放っておくと屋根全体に広がって、屋根の欠落や雨漏りの原因になりますので、棟瓦の修繕は重要なメンテナンスです。
葺き直し
費用相場:10,000~18,000円/㎡
屋根瓦をすべて取り外し、防水シートや下地板を新しいものに交換してから、また瓦を元に戻す工事です。
今の屋根材をそのまま使う工事ですから、お気に入りのおしゃれなデザインを長く楽しむことができます。
※費用はすべて足場代を含まない金額です。
※施工範囲や屋根の傾き、使用する材料等によって費用は変動します。
4章 モニエル瓦
モニエル瓦とは、セメントが主原料の瓦の一種です。乾式洋瓦、乾式コンクリート瓦とも呼ばれます。
普通のセメント瓦との違いは、特殊な着色剤による「スラリー層」が表面に形成されている点です。
セメントは水分を吸収すると劣化してしまうため、モニエル瓦も防水塗装によるメンテナンスが必要です。
適切なメンテナンスをすることで40~50年以上使い続けられます。
ただ、現在は販売終了してしまっている屋根材のため、一部交換しようとしても瓦が見つからない場合が多くあります。
葺き直しも数枚は交換が必要になることが多いため、製品がほぼない現在は難しいでしょう。
この場合は、完全に別の屋根に取り替える「葺き替え工事」が行われます。
4-1 必要時期は築10~15年前後
モニエル瓦は、築10~15年頃には塗装を行いましょう。
この頃には最初の塗膜が紫外線で劣化して、防水機能を失っています。
放置すると様々な劣化症状を引き起こしますので、劣化が進む前の塗装がベストです。
4-2 劣化症状
色あせ
モニエル瓦の表面が色あせて、くすんで見えます。
新築時は綺麗に色づいていたはずですが、日々の紫外線や風雨により塗装が弱り、色が抜けてきている状態です。
カビ・コケの繁殖
瓦の表面にある、黄色~茶色っぽいブツブツの正体は、コケやカビです。
モニエル瓦が水分を含んでジメジメした状態になると、カビやコケの胞子が付着して、根付いてしまうのです。
表面の防水性が切れてしまっている証拠です。
ひび割れ
厚みがあるモニエル瓦も、経年劣化でひび割れてしまいます。
セメントは水を吸うと膨張し、乾くと収縮するようになり、その動きで負荷がかかるためです。
塗装の防水性が切れてからしばらく経っている状態です。
漆喰の劣化
漆喰とは、屋根の頂上にある「棟瓦(むねがわら)」を固定している白いセメントのようなものです。
15年前後でひび割れやはがれが起こってきます。
放置すると、棟部分のズレ、歪みから隙間ができ、内部に水が侵入しやすくなってしまいます。
4-3 メンテナンス方法と費用
塗装工事
費用相場:2,500~5,500円/㎡
モニエル瓦塗装の際は、「スラリー層」を洗浄でしっかり落としてから塗る必要があります。
また、「モニエル瓦対応」の下塗り塗料を使わなけれいけません。
これらの仕様を誤ると、せっかく塗ったのに剥がれるなどの不具合が出てきてしまいます。
費用は、選ぶ塗料の種類・グレードによって幅があります。
モニエル瓦を塗装する際の注意点など詳細はこちらをご覧ください。
漆喰補修
費用相場:4,000~7,000円/m
屋根の頂上にある「棟瓦(むねがわら)」は、漆喰で接着されています。
経年劣化でひび割れ、はがれが起きてくるため、補修(漆喰詰め直し工事)を行います。
塗装工事のタイミングで劣化が見られた場合、一緒に行うと良いでしょう。
棟積み直し
費用相場:10,000~16,000円/m
棟瓦を一度すべて取り外し、もう一度組み直す工事です。漆喰の劣化や地震などの揺れで棟瓦が歪んだりズレたりしていた場合に行います。
塗装工事のタイミングでズレや歪みが見られた場合、一緒に行うと良いでしょう。
※費用はすべて足場代を含まない金額です。
※施工範囲や屋根の傾き、使用する材料等によって費用は変動します。
5章 セメント瓦
セメント瓦とは、その名の通りセメントを主成分にした屋根材です。
近年普及しているスレート瓦よりも厚みがあり、見た目も重厚感があります。
セメントは水分を吸収すると劣化してしまうため、セメント瓦も防水塗装によるメンテナンスが必要です。
しかし、現在は製造・販売されていない屋根材のため、一部交換しようとしても瓦が見つからない場合が多くあります。
葺き直しも数枚は交換が必要になることが多いため、製品がほぼない現在は難しいでしょう。
この場合は、完全に別の屋根に取り換える「葺き替え工事」が行われます。
5-1 必要時期は築10~15年前後
セメント瓦は、築10~15年頃には塗装を行いましょう。
この頃には最初の塗膜が紫外線で劣化して、防水機能を失っています。
放置すると様々な劣化症状を引き起こしますので、劣化が進む前の塗装がベストです。
5-2 劣化症状
色あせ
瓦の表面が色あせて、くすんで見えます。
新築時は綺麗に色づいていたはずですが、日々の紫外線や風雨により塗装が弱り、色が抜けてきている状態です。
カビ・コケの繁殖
瓦の表面にある、黄色~茶色っぽいブツブツの正体は、コケやカビです。
セメント瓦が水分を含んでジメジメした状態になると、カビやコケの胞子が付着して、根付いてしまうのです。
表面の防水性が切れてしまっている証拠です。
ひび割れ
厚みがあるセメント瓦も、経年劣化でひび割れてしまいます。
セメントは水を吸うと膨張し、乾くと収縮するようになり、その動きで負荷がかかるためです。
塗装の防水性が切れてからしばらく経っている状態です。
5-3 メンテナンス方法と費用
塗装工事
費用相場:2,500~5,500円/㎡
セメント瓦塗装は、「セメント瓦対応」の下塗り材を使う必要があります。
合わない塗料を使うと、剥がれなどの不具合の原因になりますのでご注意ください。
費用は、選ぶ塗料の種類・グレードによって幅があります。
セメント瓦塗装の注意点など解説はこちらをご覧ください。
漆喰補修
費用相場:4,000~7,000円/m
屋根の頂上にある「棟瓦(むねがわら)」は、漆喰で接着されています。
経年劣化でひび割れ、はがれが起きてくるため、補修(漆喰詰め直し工事)を行います。
塗装工事のタイミングで劣化が見られた場合、一緒に行うと良いでしょう。
棟積み直し
費用相場:10,000~16,000円/m
棟瓦を一度すべて取り外し、もう一度組み直す工事です。漆喰の劣化や地震などの揺れで棟瓦が歪んだりズレたりしていた場合に行います。
塗装工事のタイミングでズレや歪みが見られた場合、一緒に行うと良いでしょう。
※費用はすべて足場代を含まない金額です。
※施工範囲や屋根の傾き、使用する材料等によって費用は変動します。
6章 スレート瓦
スレート瓦とは、セメントが主成分の、薄い板状に加工された建材です。人工(化粧)スレート、カラーベスト、コロニアルとも呼ばれています。
軽量で地震に強いため、現在日本の住宅の8割がこの屋根材を使用して建てられています。
6-1 必要時期は築8~10年前後
スレート瓦は、築8~10年頃には塗装を行いましょう。
この頃には最初の塗膜が紫外線で劣化して、防水機能を失っています。
特にスレートは薄型の屋根なので、一度傷んでしまうと強度自体を保つのが難しいです。劣化が進む前に塗装メンテナンスをしてあげましょう。
6-2 劣化症状
カビ・コケの繁殖
瓦の表面にある、黄色~茶色っぽいブツブツの正体は、コケやカビです。
スレートが劣化し水をはじかなくなると発生します。
苔が繁殖すると、スレートに根を張り強度を落としてしまう原因となります。
反り
スレートが浮いてきて隙間が広くなっていたら、反りが起こっています。
水を含んで膨らんだスレートが、晴れた日に表面から急激に乾くことによって、表面に引っ張られるように反りあがってきます。
放置するといずれはひび割れにつながります。
ひび割れ、欠け
スレート瓦は強い衝撃の他、経年劣化でもひび割れたり、欠け落ちたりてしまいます。
主成分のセメントは水を吸うと膨張し、乾くと収縮するようになり、その動きで負荷がかかるためです。
塗装の防水性が切れてからしばらく経っている状態です。きちんと補修してから塗装をする必要があります。
棟板金の釘抜け
屋根の頂上にある「棟板金(むねばんきん)」を固定している釘は7~8年すると浮いてきてしまいます。
原因は、板金(=鉄板)の熱膨張です。
■スレート屋根の構造
■棟板金を止めている釘 屋根の頂上の棟板金は、金属のため気温の変化によって、暑い季節は膨張、寒い日は収縮を繰り返します。その活動によって、長い年月をかけて、少しずつ釘を押し出してしまいます。 |
放置すると釘を伝って内部に水が侵入し、木材が腐ってしまいます。
また、台風などで板金が飛ばされる危険も出てきます。
6-3 メンテナンス方法と費用
塗装工事
費用相場:2,500~5,500円/㎡
スレート瓦本体は防水切れによって劣化していきます。塗装で防水効果を持たせることで、瓦を長持ちさせましょう。
耐用年数や費用は塗料のグレードによって変わります。
スレート塗装の相場や工事のポイントはこちら
一部交換
費用相場:1~5万円/枚
瓦が衝撃などで破損していた場合、そこだけ交換することもできます。
瓦自体の価格や作業の手間で費用が左右されます。
棟板金の釘打ち
費用相場:15,000~50,000/1棟
棟板金の釘は、とにかく打ち込んであげることが重要です。
ただ、それだけだとまた板金の熱膨張で釘がせせり出てきてしまうため、釘の頭にコーキングを被せてあげるなどして、抜けにくくするのがベストです。
棟板金の交換
費用相場:5,000~12,000/m
棟板金の中身の貫板(ぬきいた)が腐ってしまったり、板金が風にあおられて変形してしまった、飛ばされてしまった場合は、交換工事となります。
釘ではなくビス留めに変更したり、中の板を木材ではなく樹脂製(腐らない)ものに変えたりすることも可能です。
【劣化が進むと葺き替え工事に…】
どの屋根でも、ひどく劣化がすすんでしまうと、メンテナンス(今あるものを維持する)ができなくなります。
スレート瓦なら「カバー工事」か「葺き替え工事」、
それ以外の瓦は「葺き替え工事」です。
カバー工事:今の屋根の上に新しい屋根を被せる 葺き替え工事:今の屋根を新しい屋根に取り換える |
というものですので、非常に大掛かりで、費用も100万~200万円はかかってしまいます。
できるだけ今の屋根材を長持させてあげるために、しっかりメンテナンスしてあげましょう。
カバー工法についての詳細や費用はこちら
葺き替え工事の詳細や費用はこちら
7章 信頼できる屋根業者選びのポイント
屋根瓦のメンテナンスの際は、業者選びも注意しましょう。
住宅は一軒ずつ構造や材質が異なり、専門知識が必須です。
特に瓦は普段あまり見えないところだからこそ、専門性が高くて信頼できるところを選ぶことが大切です。
以下の4つのポイントはしっかり押さえておきましょう。
① 事前点検で写真を撮って説明してくれる
瓦のメンテナンスを依頼するときは、事前点検をしっかり行ってもらいましょう。
梯子を使って直接上ったり、性能の良い高所カメラなどで撮った写真を見せてくれるところなら安心です。
瓦は状態によってメンテナンス方法も費用も変わってしまいますが、ご自身ではなかなか見れないところです。
「ここがこうなっていたので、このような補修工事をしますよ」
と分かりやすく説明してくれるところがベストです。
万が一、そこまで劣化していないのに大がかりな工事を提案されたりしては困りますよね。
そういったトラブルを避けるためにも、写真と丁寧な説明があるところに依頼しましょう。
② 見積書が「一式」ではなく詳細に記載されている
見積書で「瓦補修工事 一式」などと曖昧に書かれている場合は注意しましょう。
ここまでやってくれると思ったのに実はそれは見積もり範囲外で、依頼したら追加料金を取られた、などというトラブルのもとだからです。
必ず具体的な工事内容や数量(枚数、㎡数など)を明記してもらいましょう。
悪い例:
良い例:
③ 火災保険の適用提案をしてくれる
台風や大雨、大雪のせいでメンテナンスを検討中の場合、火災保険が適用できる可能性があります。
そんなとき、業者の方から「火災保険を使う手もありますよ!」と提案してくれるところは非常に良心的だと言えるでしょう。
もちろん、お客様の方から「これって火災保険使える?」と聞いてみても良いです。
保険でもらえる金額は、加入されている保険会社や保険内容によって異なりますが、修理費用が全額保険で下りたという事例もあります。
自然災害がきっかけでメンテナンスをお考えの方は、ぜひ検討してみましょう。
④ 工事終了後もアフター点検をしてくれる
瓦屋根の工事を依頼するときは、アフターメンテナンスも充実している会社を選びましょう。
屋根は普段あまり見えないうえに、雨風や自然災害の影響を受けやすい場所だからです。
気になることがあったとき気軽に点検を呼べる地元の会社が最も安心です。
(アフター点検の料金は、すべて無料、○年目以降は有料、など会社によって異なります。)
メンテナンスは1回したらおしまいではなく、そのお家に住み続ける限り必要です。
大切な瓦屋根を長く保つために、長い付き合いができる業者を選びましょう。
8章 最低でも5~10年に一度は点検しよう!
瓦をメンテナンスした後は、定期的に点検してもらいましょう。
どんなにしっかりメンテナンスをしても、不測の事態が起こる可能性はゼロではないからです。
例えばよくあるのは、強風で飛んできたものが当たった、大雪で一部に負荷がかかっていた、などです。
5~10年に一度は必ず見てもらうようにし、さらに大きな自然災害などがあったときにも都度点検してもらうのが最善です。
そんなに何度も点検だけで業者を呼ぶのは嫌がられないかな…と気になるかもしれませんが、良心的な業者ほど、点検の重要性をわかっています。遠慮せずに点検の依頼をしましょう。
お家の点検は人間の健康診断と一緒です。早期発見が何よりも重要です。
特に瓦は日常生活では見えない部分なので、発見が遅れたせいで大がかりな工事になったり補修費用がかさんだりしては残念ですよね。
大切なお家のメンテナンスとして、ぜひまめな点検を行いましょう。
本サイト運営会社のユーコーコミュニティーでは、アフター点検は全て無料で実施しています。工事内容、年数による制限もありません。
アフターメンテナンス専門部署も設けて対応しています。お気軽にご相談ください。
まとめ
屋根瓦は種類によってメンテナンスが異なります。
おおよその時期の目安やメンテナンス方法は以下の通りです。
和瓦(日本瓦、陶器瓦、粘土瓦) | |
メンテナンス時期 | 15~30年 |
メンテナンス方法 | 漆喰補修、一部交換、棟積み直し、葺き直し |
洋瓦(粘土瓦) | |
メンテナンス時期 | 10~20年 |
メンテナンス方法 | 漆喰補修、一部交換、棟積み直し、葺き直し |
モニエル瓦(乾式コンクリート瓦) | |
メンテナンス時期 | 10~15年 |
メンテナンス方法 | 塗装、漆喰補修、棟積み直し |
セメント瓦 | |
メンテナンス時期 | 10~15年 |
メンテナンス方法 | 塗装、漆喰補修、棟積み直し |
スレート瓦(コロニアル、カラーベスト) | |
メンテナンス時期 | 8~10年 |
メンテナンス方法 | 塗装、一部交換、棟板金交換 |
瓦のメンテナンスは安全性と品質の観点から、必ずプロに依頼してください。
業者を選ぶ際のポイントは
- ①事前点検で写真を撮って説明してくれる
- ②見積書が「一式」ではなく詳細に記載されている
- ③火災保険の適用提案をしてくれる
- ④工事終了後もアフター点検をしてくれる
です。
最低でも5~10年に一度、そして台風などの災害のあとには念のためでも点検をしておきましょう。
屋根瓦はお家を雨風から守る要です。適切なメンテナンスをして、大事に長く使ってあげましょう。
お読みくださりありがとうございました。
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