「車」は、お家と同じくらい大切で、ご家族の生活にも密着しているものです。
ご自宅の外壁塗装工事を考えるときには、
工事中は車を移動しないとだめ?駐車場は使えるの?ペンキで汚れたりしない?
…など、不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、駐車スペースが隣接しているお家は多いですから、工事中の車の移動をお願いすることはよくあります。
ただ、それが特定の数日だけなのか、工事中ずっとなのかは、ケースバイケースです。
そこで本記事では、外壁塗装のときの車について、移動が必要な日、動かさなくてもよい場合などを具体的に解説します。
さらに細かいところは、工事中の車に関するよくある質問としてQ&A形式でまとめました。
実際に多数の工事現場を管理してきたプロが分かりやすくお伝えしますので、どうぞ安心してお読みください。
車についての疑問を解消して、安心して塗装工事に臨めるようになりましょう。
目次
1章 外壁塗装で車移動が必要な3日間
建物と駐車場が隣接している場合、車を移動させなければいけない日は全部で3日あります。
これから外壁塗装工事をする予定の方は、必ずチェックしておきましょう。
1-1 足場組立の日
まず車の移動が必須なのが、工事の初日『足場の組み立て』のときです。
職人が足場資材を持って出入りするので、万一にも車にぶつけてしまうという事故を防ぐためです。
「職人が慎重に運べば、車はそのままでなんとかならない?」と思うかもしれませんが、2~3m以上もある非常に長くて重い鉄パイプを安全に運ぶには、それなりの搬入スペースが必要です。
熟練の足場職人でも、資材を持って車のすぐ横を通ったり組み立て作業をしたりするのは非常に困難ですので、基本的に足場組立日は車をどかしておきましょう。
組み立て作業は、一般的な2階建て住宅で3~4時間前後かかります。
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実際の開始時間やかかる時間は、お家によって異なります。
その時間だけ車に乗ってお出かけしてもいいですが、複雑な形に組まないといけないお家などでは少し追加で時間がかかることもあります。
あらかじめ一日空けておくか、時間には余裕をもって車を移動させておきましょう。
1-2 高圧洗浄の日
続いて車を動かすべきなのが、『高圧洗浄』の日です。
塗装する前にお家を水洗いして汚れを落とす作業で、水しぶきや泥汚れが飛んできてしまうためです。
洗浄するときは足場に飛散防止のメッシュシートを張っていますが、水を完全に防ぐことはできません。小さな水しぶきはどうしてもメッシュをすり抜けてしまいます。
しかもただの水ではなく、お家に長年こびりついた汚れと一緒になった水が飛んでくる可能性が高いですので、万が一にも車を汚さないためにも、洗浄の日は車を移動させておきましょう。
高圧洗浄は半日~1日がかりの作業です。
この日は終日を移動させるか、おでかけの日にしておきましょう。
洗浄の日に車を移動してあると、駐車スペースの土間コンクリートもついでに洗ってもらえることがあります。
■駐車場の洗浄
初めから契約内容に入っていたりサービスでやったりする業者もいますが、言わないと洗浄してくれないところもありますので、「駐車場も一緒に洗浄してもらえますか?」と契約段階で聞いておきましょう。
車が置いてあるとなかなか掃除できない場所ですので、ぜひこの機会に綺麗にしてもらうことをおすすめします。
1-3 足場解体の日
最後に車移動が必要なのが、『足場解体』の日です。
これは足場組立と同じ理由です。また大きな鉄材をバラバラにして持ち運んでいきますので、車にぶつけてしまわないように、あらかじめ移動させておきましょう。
解体にかかる時間は約3時間、組み立てよりも少し早く終わることが多いです。
やはりこちらもお家の状況によって前後しますので、時間には余裕をもって移動させておきましょう。
2章 その他の日は足場と駐車場の近さ次第!
1章で紹介した3日間以外については、足場と駐車場の位置関係次第で、車の移動が必要か不要か分かれます。
一般的に足場は外壁から60センチほど空けたところに立てるので、
外壁から60センチのところに足場がきても車を停めるスペースがあるかどうか
で判断しましょう。
※お家の形や周囲の状況によっては、位置は60センチではなく前後することもあります。
ご自宅に足場を組んだとき車を停められるかどうかは、塗装業者に見積もりに来てもらったときに確認しましょう。
駐車スペースがあるときとないとき、それぞれどのように対応すべきかを解説していきます。
2-1 足場が立っても十分な駐車スペースがある…移動なし!
足場を立てても車を停めるスペースが残っている場合は、1章で紹介した3日間以外は、車を移動する必要はありません。
日中もそのまま置いておいて大丈夫です。
ほとんどの業者がカーシートを用意していますので、それをしっかりかけてもらい、塗料などの汚れが付くのを防ぎましょう。
■カーシート
カーシートは簡単に取り外しできますので、途中でお出かけするときはそのままご自身で外して大丈夫です。戻ってきたらかけ直しましょう。
ただ、職人が車の近くで塗装作業をしていた場合は、シートを外した僅かな間に塗料がついてしまう可能性もゼロではないので、念のため職人に一声かけてから取り外しするとより安心です。
また、駐車はできても普段よりも駐車場が狭くなっていることがあります。
ドアの開閉時などは足場にぶつけてしまわないよう、注意して出入りしてくださいね。
2-2 足場が駐車場にかかってしまう…移動が必要
駐車場内に足場が立ってしまう、車を停めるスペースが足りなくなってしまう場合は、工事期間中(足場組立~足場解体まで)ずっと車の移動が必要です。
別途で駐車場を探しましょう。
一般的な戸建の塗装工事は10~14日間ほどですので、月極で一月分を借りるか、日割りで借りられるかを各駐車場に相談して、契約しましょう。
ただし、塗装工事は雨天で数日延びる場合もあります。
2、3日は余裕をもって借りておくのがベストです。
3章 塗装工事の車にまつわるQ&A
工事中の車については、細かいところも含めて気になる点がたくさんあると思います。
この章では、実際のお客様からよく寄せられる質問にQ&A形式でお答えしていきます。
ちょっとした疑問も解消して、安心して塗装工事に臨んでくださいね。
Q.1 駐車場を借りる場合の費用はだれが払うの?
A.駐車場の費用はお客様ご自身のご負担になります。
塗装工事中に車を移動させなければならない際の駐車場代は、お客様ご自身で負担するのが一般的です。
近隣の月極や、日割りで借りられる駐車場を探して契約しましょう。
足場・洗浄の日の数時間だけ、という場合には、コインパーキングの方がお安く収まることもあります。
Q.2 業者の分の駐車スペースも確保しないといけない?
A.いいえ、業者の分は業者で手配するので、お客様側での対応は不要です。
基本的に、塗装職人は道具や材料を積んだ車でお家に来て、作業を行います。
その間は通行の邪魔にならない位置に停めるか、近隣のパーキングなどを利用しますが、費用は業者が自分たちで負担します。
あるいは、あらかじめ見積もりに「交通費」「現場経費」などとして計上されていることが多いですので、わざわざ準備しなくて大丈夫です。
ただ、お客様の駐車スペースに余裕がある場合などは、「空いているところに車を停めさせてもらっても良いか」と業者から相談されることもあります。
Q.3 隣の家の車も移動してもらわないといけない?
A.いいえ、ご近隣の方の車移動をお願いすることはめったにありません。
基本的に足場はお客様の敷地内で組みますので、お隣の敷地にはみ出して駐車できなくしてしまうことはほとんどありません。
ただ、敷地を超えなければ足場が建てられず、どうしても車の移動をお願いしなければならないときは、業者側からご近隣の方へ説明を行います。
また、足場の越境はなくても車が近くに停まっている場合は、近隣の方の車にもカーシートをかけて対応します。
この場合も、業者からその近隣の方へ事前にご挨拶とカーシートについての説明まで行うのが一般的です。
お隣と近くて心配な方は、どのように対応するのか、事前に業者に確認しておきましょう。
Q.4 車の移動は業者にやってもらえる?
A.車の移動はお客様ご自身でお願いします。
「車のキーを渡すから、必要なときに移動させておいてほしい」という方もいらっしゃいますが、基本的にはお断りする業者がほとんどです。
万が一にもお客様の車をぶつけてしまっては大変で、業者も責任が取れないからです。
車は必ずご自身で移動するようにしましょう。
Q.5 万一車に汚れが着いたらどうなるの?
A.塗装工事による汚れ、破損は業者が責任を持って対応します。
もしも車に塗料が着いてしまったり、道具を落として破損させてしまったりした場合には、業者負担で車の洗浄や修理を行います。
これはお客様の車でも、ご近隣の方の車でも同じです。
(例えば隣の家の車を汚してしまったとしても、お客様ご自身が修理費を負担する必要はありませんのでご安心ください。)
多くの塗装業者は、こうした事故で補修費を負担するときのための「請負業者賠償責任保険」に加入していますので、それを使ってきちんと対応してくれるはずです。
ただ、上記の保険に加入していない業者や悪質な業者が、「自分たちの責任ではない」等と言い逃れをすると、トラブルになってしまうこともあります。
トラブルを防ぐには、業者選びがとても大切です。
上記の保険に加入していて、丁寧な養生や施工、近隣への配慮などもしてくれる業者かを確認して、塗装工事を依頼しましょう。
>業者選びについて詳しくはこちら
まとめ
外壁塗装のときの車は、少なくとも「足場組立」「高圧洗浄」「足場解体」の3日間は移動しておく必要があります。
それ以外の日は足場と駐車スペースの関係によって異なりますので、業者に確認しておきましょう。
移動せずに停めておける場合は、カーシートなどを使って汚れないように保護します。
移動が必要な際は、近くで駐車場を借りるようにしましょう。
車に対する配慮や万が一のときの対応などは、業者選びが大切です。
車について不安がある方は、事前に業者に相談しておき、信頼できるところに工事を依頼するようにしましょう。
最後までお読み下さりありがとうございました。
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