知らないと損!外壁塗装の必要性、3つの大切な役割と目安の時期

塗装職人

▼Youtubeチャンネル開設しました!ポイント解説はこちらもご覧ください

 

「我が家は外壁塗装って必要なの?」「そもそも何故塗装をするの?」

と思ったことはありませんか?

 

実は外壁塗装は非常に重要で、お家を大切にして長く住むには欠かせない工事です。

なぜなら、塗装せずに放っておくとお家の寿命を縮め、将来的に大きな出費も発生してしまうからです。

 

ここでは外壁塗装が必要な理由と目的塗り替え時期の目安を具体的に解説していきます。

後半では、塗装しないことで発生する修繕費用や、その他の塗装が必要な部位も紹介します。

 

必要性を知ってかしこく塗装をすることで、無駄な出費を防ぐことができます。

大切なお家を守り、長く安心して暮らせるようになりましょう。

 


1章 外壁塗装の必要性、3つの理由

外壁塗装はほぼすべての建物・住宅に必要な工事です。

主に3つ、大きな理由があるからです。

 

塗装が必要な理由

①防水して家の寿命を延ばすため

②補修費用を抑えるため

③見た目を美しく保つため

 

ひとつひとつ見ていきましょう。

 

1-1 防水して家の寿命を延ばすため

クリヤー塗装

外壁塗装は、水を弾く「防水」の効果を持っています。

これが最も重要な塗装の役割で、必要な理由です。

なぜなら、建材の多くは水によって劣化してしまうからです。また日本ではほとんどが木造住宅で、水は木を腐らせて家の寿命を縮めてしまいます

まさに水はお家の大敵なのです。

適切な時期に塗装をすることで、家の寿命を延ばすことができます。

 

日本の住宅の平均寿命は平均26年です。(建設白書 国土交通省 平成8年発表より)

かなり短いと感じますよね。

実はこの数値は「過去5年間で取り壊した建物の平均築年数」であって、家が全て26年程度しかもたない、ということとは違います。

『100年住宅!』などと謳っている大手ハウスメーカーも数多くありますが、決して嘘をついているわけではありません。

これは、「100年放置していい」のではなく、「適切なメンテナンス(塗装)をすれば100年住める」、という考え方なのです。

日本の住宅は本来、塗装して水さえ入れなければ、お孫さんの世代まで長く住める造りになっているのです。

 

1-2 補修費用を抑えるため

修繕費用

外壁塗装をすることで、将来的な補修費用の節約になります。

塗装せずに建材が劣化したり、木が腐ったりしてしまうと、大規模な修繕工事が発生してしまうからです。

 

例えば、人が体調を崩してしまったとき、悪化して大手術になってからでは大変ですよね。

早いうちに医者に行って薬を貰ったり、予防接種をしておく方が、費用が安く済みます。

塗装も同様で、100万円前後の塗装工事をしなかったばかりに、後に様々な不具合を引き起こし、数倍の出費になってしまうのです。

>参考記事

 

塗装しないと具体的にどれくらいの費用が発生するかは、2章で詳しく解説します。

 

1-3 見た目を美しく保つため

ベージュと白の組合せ

塗装をせず放っておくと色褪せしてきたり、汚れが目立つようになってきたりします。

これも塗装が劣化してきたせいです。

毎日帰ってくるご家族の憩いの場ですから、せっかくなら綺麗にしていたいですよね。

買った時にデザインもこだわって選んだ方もいるかと思います。

 

塗装をすることで水を弾く力やツヤが戻り、新築時のような美しい姿を取り戻すことができます

 

塗料のカラーバリエーションは豊富なので、外壁塗装を機に自分の好きな色に塗り替えることもできます。

さらに最近では、ワンポイントのアートペイントなどを加えて、オシャレなデザインを楽しむ人も増えています。

 

>おしゃれな外壁塗装の事例を集めました。気になる方はぜひご覧ください。

 


  • 2章 塗装が必要になる目安時期

結局外壁塗装は、どれくらいの時期、年数でやってあげたら良いのでしょうか?

塗装は家に水を入れないために行いますので、「防水性(水を弾く力)」が切れたタイミングで行うのが一番効率的です。

ここでは一般的に塗装が必要な年数とサイクルについてお伝えしていきます。

 

  • 2-1 新築後57

青いお家

新築の場合は、築5~7年で塗装するのがベストです。

少し早すぎるのでは?と思うかもしれませんが、きちんとした理由があります。

新築のときにされている塗装は、大体このくらいで防水性がなくなってしまうからです。

 

新築時に壁に塗ってある塗料は「水性アクリル系」と呼ばれる、耐用年数の短い塗料が一般的です。

なぜなら、新品の外壁材はアルカリ性が強く、もっと長持ちする油性塗料は分解してしまい塗ることができないからです。

この水性アクリル系塗料は5年前後で防水性が弱まってしまいます

 

塗料の種類

耐用年数

アクリル

3~5

ウレタン

8~10

シリコン

10~15

フッ素

15~20年

無機

20~25

 

そのため、最初の塗装は5~7年目が、家の劣化を最低限に抑えられる最適なタイミングです。

 

2-2 目安になる劣化症状4

塗装時期の目安は、「防水性(水を弾く力)」が切れたタイミングです。

外壁の防水性が切れると出てくる症状をご紹介しますので、お家をぐるっと見てみてくださいね。

 

①チョーキング(粉が手につく)

チョーキング1

徐々に外壁の艶が弱まってきて、白い壁は白い粉、ピンクの壁はピンクの粉、という風に手に色がつく状態。

専門用語では「チョーキング現象」とも言います。

塗料の成分のうち、防水効果をもっている「樹脂」が減ってくると発生します。

 

探すポイント:南面、ベランダ面など日当たりの良い場所

 

②カビ・コケの繁殖

カビコケ

外壁面が汚れています。緑色はコケ、黒はカビが繁殖している状態です。

カビやコケや湿ってじめじめしたところに根を張りますので、外壁に水が染み込み始めている証拠です。

 

探すポイント

北面、隣家と接している面など日陰になりやすい場所、畑や庭に面した場所

 

③クラック(ひび割れ)

釘回りのクラック

外壁面に細いひびが入っています 。

初めは髪の毛程度の細いひびのため、近づいて見ないと気づかない場合があります。

 

ひび割れの原因は、外壁が水を吸うことで起こる膨張・収縮です。

実は外壁材も、水を吸い込むとわずかに膨らみ、乾くと縮んで元に戻る、というスポンジのような動きをし始めます。

この伸び縮みを繰り返すことでひびが入るので、ひび割れ=壁が水を吸っている状態、ということなのです。

 

探すポイント

南面など日当たりの良いところ、窓サッシの周り、サイディングボードの釘の周り

 

④反り、浮き

サイディング 反り

サイディングボードの場合は、壁の一部が反って浮き上がってくることがあります。

これも、壁が水を吸って伸び縮みしたせいで起こります。

日の当たる面の方が先に乾いて縮むので、表面側に引っ張られて、するめを焼いたときのように反り上がってしまうのです。

外壁が水を吸うようになってしばらく経っている証拠ですので、見つけたら早急に塗装の検討が必要です。

 

探すポイント

南面、ベランダ面など日当たりの良いところ

 

★一部しか症状が出ていなくても、全体を塗装しましょう

お家の面によって日当たりや環境が違うと、劣化状況が異なることも当然あります。

そんなときはどうしたら良いのでしょうか?

一面だけでも症状が出始めたら、お家全体の塗装をしてあげましょう。

日当たりの良い南面はすごく手に粉がつくけれど、北面はそこまで傷んでいない…と思って、北面も症状が進むまで放っておくと、その間に南面は大きな割れや反りが出る可能性があります。

そうなってしまっては結局補修費用が出てしまいますので、一面だけでも気づいたら塗装の検討をしましょう。

人間の健康と同じで、初期症状のうちに手当するのが一番です。

家への負担も経済的な負担も少なく済みますので、一つでも気づいたときには塗装を考えましょう。

 


  • 3章 水をかけてみるだけ!今すぐできる塗装必要性チェック

うちは今現在、塗装って必要なのかな?と疑問に思ったら、まずは水をかけてみましょう!

お花の水やりや洗車のついでに気軽に試すことができます。

分かりやすくてオススメなのは、日当たりのよい南面や西面です。

 

■水玉ができる

水滴、防水

このように「水玉になってすべり落ちる」状態であれば、塗装の必要はありません

なぜなら、塗装が必要なタイミングは「防水性(水を弾く力)」がなくなった時だからです。

例えば、車にワックスをかけたときもこのようになりますよね。

水を弾いてくれていればお家は健康な状態ですので、塗装は不要です。

 

■水が染み込む

外壁の給水

「水をかけたところに染み込む」「かけたところだけ色が変わり、水玉ができない」

この状態であれば、塗装が必要なサインです

雨が降るたびに建材が水を吸っている状態ですので、塗装工事の検討をし始めましょう。

 


4章 塗装しないと発生する修繕費用一覧

外壁塗装をせずに放っておくと、お家はどんどん劣化していき、様々な修繕工事が必要になってしまいます。

具体的にどんな工事でどれくらい費用がかかる危険があるのか、事例をご紹介していきます。

 

工事費用
外壁一部張り替え10万円~
外壁カバー・全面張り替え150万円~
基礎補強工事50万円~
シロアリ駆除工事10万円~
木材の交換・修繕工事20万円~
家の解体・処分100万円~
新築1400万円~

 

① 外壁一部張り替え:10万円~

サイディング 張替え

外壁は塗装しないと防水効果がないため、水を吸い込んで劣化し、ひび割れなどを起こします。

小さなひび数か所程度なら塗装の時に埋めるだけで済みますが、放置して数が増えたり大きな亀裂になってしまったりすると、外壁自体の張り替え・作り直しが必要です。

 

サイディングボードの部分張り替えはおよそ1020万円/

モルタルの左官補修は3,5007,000/ほどかかります。

※サイディングの張り替え費用は、建材のグレードや数量によっても変動します。

 

② 外壁全面張り替え・カバー:150万円~

外壁張り替え

外壁のひび割れや欠損がお家全体に広がっていた場合は、部分的な補修では対処できません。

上から新しい壁を重ね張りするカバー工法や、内側のコンパネなども含めた全面的な張り替え工事が必要です。

特に、内側の防水シートや木材まで水が回って傷んでいた場合は張り替えですべて交換しなければいけません。

傷んだ部材の撤去・処分費もあるので、かなり高額な工事になっていまいます。

 

カバー工事は約150~300万円

張り替え工事は約200~350万円ほどかかります。

※金属サイディングを使用した場合の目安

 

③ 基礎補強工事:50万円~

基礎クラック

劣化場所から侵入した水は、重力に従って下へ下へと流れていき、やがてお家の大切な基礎まで傷めてしまいます。

コンクリートの割れや内部の鉄筋のサビが起こると、耐震性が落ちて非常に危険ですので、約50万円~ほどの補強工事が必要になります。

 

④ シロアリ駆除工事:10万円~

シロアリ

内部に水が浸入して木材を湿らせてしまうと、シロアリが発生します。

シロアリは乾いた木材には見向きもしませんが、湿った木材は大好物なので、どんどんお家を食べていってしまいます。

発見されたら一刻も早くシロアリ駆除消毒をしなければいけません。

費用は5,000~9,000円/坪、一般的な戸建住宅だとおよそ10万円~ほどかかります。

 

⑤ 木材の交換・修繕工事:20万円~

シロアリによる被害

シロアリが発生した場合、すでに食べられてしまった木材の修繕が、駆除とは別に必要です。

どのくらいの被害かにもよりますが、20万円以上は想定しておきましょう。

基礎にある大切な柱などが食べられてしまっていた場合、基礎補強とあわせて100万円以上の工事になってしまうこともあります。

 

⑥ 家の解体・処分:100万円~

解体

外壁材や内部木材の劣化、シロアリの発生などが起こっても放置したり、気づかないままでいたりすると、いよいよお家の寿命は尽きてしまいます。

住めなくなったお家は解体・処分するしかありませんが、これだけでも100万円以上かかることが多いです。

 

塗装しないだけで家に住めなくなる?!大げさに思うかもしれませんが、特にシロアリ被害は深刻です。

阪神淡路大震災のあとに建物を調査したところ、シロアリ被害のあった家は、なかった家に比べて全壊の割合が2倍近く高かったことが判明しています。

 

■シロアリと地震被害の関連性

阪神淡路大震災のシロアリ被害調査グラフ

 

どんなに良い建材でも築浅でも、家のなかに水が入ってシロアリを呼んでしまえば、家が崩れる危険が高まります。

 

⑦ 新築:1400万円~

新築

もし家を壊したあと新たに建て直すとすれば、さらに高額な新築費用がかかります。

また、この間は仮住まいに引っ越さなくてはいけませんから、その準備や費用も必要です。

 

せっかくのお家も、外壁塗装をしないと様々な不具合が出てきて、将来的にたくさんの修繕費用・リフォーム費用が発生します。

一番避けなくてはいけないのは、「まだ大丈夫だろう」と思って何もしないでいるうちに劣化がすすむことです。

 

お家は人間と違って、傷んできたときに声をあげて知らせてはくれません。

私たちがメンテナンス時期をきちんと把握したり、お家からのSOSに気づいたりしてあげることが重要です。

 


5章 外壁と一緒に塗装が必要な部位7か所

お家には、外壁以外にも塗装が必要な部材・パーツがあります。

代表的なものを7つご紹介しますので、塗装を検討するときは、これらも必ず一緒に見積もりに入れてもらいましょう。

 

細かいものは省いたら安くできるかな?と思うかもしれませんが、逆効果です。

外壁とは別にまた塗装しようとすると、その都度足場代や人件費がかかって、余計に高くなるからです。

塗装できる場所はすべて一緒に塗るのが、最もお得に工事できますよ。

 

★塗装が必要な部位

…屋根、破風板、雨樋、雨戸・戸袋、シャッターボックス、鉄・スチール部、木部

 

  • ① 屋根

塗装した屋根

屋根はお家で最も太陽が近く、また遮るものがない場所です。

屋根の劣化は雨漏りにも直結してしまいますので、建材によっては外壁と同様に塗装が必要になります。

また、2メートル以上の高所工事の場合は必ず足場が必要になります。

つまり、2階建て以上のお家であれば必ず足場を組むことになるのです。

外壁と屋根を一緒に塗装すれば足場代金は一回で済みますので、トータルコストを抑えるためにも一緒に行うのがおすすめです。

 

  • ② 破風板

破風板

破風板

破風板(はふいた)とは、屋根の先端にある板材のことで、風や雨の吹込みを防止してくれる部位です。

ボード材や木でできているため、経年劣化ではがれたりひび割れたりしてしまいます

雨が当たりやすい場所なので、きちんと塗装をしないと雨漏れの原因もなります。

 

  • ③ 雨樋

雨樋

雨樋(あまどい、とよ)とは、屋根に降った雨を地面に流す部材です。

一般的には塩化ビニル樹脂でできています。

初めは少し弾力があるのですが、紫外線を浴び続けると樹脂が抜けて固くなり、割れやすくなります。

(古いプラスチックが壊れやすいのと同じ状態です)

 

大雨、大雪などの際に重みに耐えられず割れるケースが多いです。

塗装をすることで紫外線から保護されるため寿命が延び、補修・交換費用を抑えられます。

 

  • ④ 雨戸、戸袋

雨戸と戸袋

雨戸(あまど)・戸袋(とぶくろ)とは、遮光や防犯、目隠しのために窓についている部材です。

開け閉めに動かすのが雨戸で、それを収納する部分を戸袋といいます。

雨戸・戸袋の枠部分は窓サッシと同じくアルミ製がほどんどですが、表面の波打っている部分だけ鉄製の場合があります。

鉄は放っておくと錆びてしまうため、塗装することで劣化を防ぐことができます。

 

  • ⑤ シャッターボックス

シャッターボックス

最近の住宅では、雨戸の代わりにシャッターを使用することも多いです。

こちらも枠はアルミサッシですが、シャッターを収納する上部のボックスが鉄製のことがあります。塗装で錆びを防いであげましょう。

 

ただ、シャッター表面自体は塗装しないことをお勧めします。

ぐるぐると巻きとるように収納されるため、塗膜の厚みで故障してしまう危険があるからです。また塗装がまだらに剥げて見た目が悪くなってしまいます。

塗装はシャッターのボックス部分のみにしましょう。

 

  • ⑥ その他 鉄、スチール部

窓のひさし、霧よけ 

換気フード

鉄・スチールの部分は錆びてしまうため、基本的に塗装してあげるのが良いでしょう。

小さな庇(ひさし)や換気フードなどがスチール製の場合があります。

 

逆に塗装をお勧めしないのはアルミ、ステンレス部分です。

こちらも同じく金属ですが、スチールとは違って錆びません。

また塗装をしても非常に剥がれやすいため、塗ると逆に見栄えが悪くなってしまいます。

金属部分を見分けるには、磁石を使ってみましょう!

  • スチール:磁石がつきやすい
  • アルミ・ステンレス:磁石がつきにくい

という性質の違いで大体判別ができます。

 

  • ⑦ その他 木部

木の玄関軒

玄関まわりや窓枠などは、おしゃれで重厚感が出るため木材を使用する場合があります。

木は水が当たり続けると腐ってしまいますので塗装をして保護してあげましょう。

 

通常の塗装は色で塗りつぶしてしまうものですが、透明な専用塗料を使うことで木の風合いや木目をそのまま残すことができます。

ただ、劣化が進んでいると専用塗料は使えない可能性も出てくるので、木目を活かしたい場合は早めに専門業者に相談すると良いでしょう。

 


まとめ

外壁塗装は、お家を守るため、余計な出費を防ぐため、また美しく保つ為に必要なメンテナンスです。

放置すると家に水が入り様々な劣化を起こして、数百万円の修繕費用がかかったり建て替えが必要になったりしてしまいます。

そのような事態にならないためにも、適切な時期での塗装が必要なのです。

塗装の時期は築後5~7年、あるいは劣化症状を見て判断しましょう。

 

また、外壁だけでなく他の部位も塗装が必要なものがあります。

お家全体をしっかり塗装メンテナンスしてあげましょう。

 

塗装はお家にとって非常に重要な工事です。

その理由や適正な時期を理解し、余計な費用をかけないでお家を長く大事にしてあげてくださいね。

 

◆塗り替えで一番人気なのはシリコン塗料です。特徴や費用、事例などをまとめていますのでぜひご覧ください。

外壁塗装で選ばれるシリコン塗料とは:特徴から費用相場まで徹底解説

 

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