
そろそろ外壁塗装をやらなければ…
「シリコン塗料を勧められたけど、シリコンって本当に良いものなの?」
「他の塗料とどう違うの?」
と疑問に思われているのではないでしょうか。
シリコン塗料は高い耐候性とお手頃な価格で、外壁塗装でも人気の塗料です。
しかし、シリコン塗料の中でも様々な種類やグレードがあります。
知識がないまま塗料を選んでしまうと、グレードの低い塗料で提案されても気付くことが出来ずに期待以下の耐候性になってしまう可能性があります。
今回はシリコン塗料の特徴から費用相場まで他の塗料と比較しながらご紹介します。
また、費用対効果を高めるために注意する点もご説明しますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 シリコン塗料とは
この章ではシリコン塗料の特徴や他の塗料との違いをご紹介します。
シリコン塗料を勧められても塗料の特徴が分からなかったら不安ですよね。
塗料を選ぶ前にはメリットもデメリットも理解しておきましょう。
1-1 シリコン塗料とは
シリコン塗料とは、シリコン樹脂が混ざった塗料のことです。
アクリルやウレタンよりも耐候性が高く、塗り替えでは約70〜80%の割合で使用されています。
■シリコンの耐久性と費用相場
※単価相場は3回塗りの合計金額です。
1-2 メリット・デメリット
シリコン塗料のメリット・デメリットをご紹介します。
メリット・デメリットを把握することで、シリコン塗料がご自宅に合っているのか判断しやすくなり、他の塗料とも比較することができます。
ご自宅に一番合った塗料を選ぶために、メリット・デメリットはおさえておきましょう。
シリコン塗料全般のメリット・デメリット
■メリット
- ・アクリルやウレタンよりも高耐候
- ・費用対効果が高い
- ・汚れがつきにくい
- ・紫外線に強い
■デメリット
- ・アクリルやウレタンよりも費用が高い
- ・扱いが難しい
- ・年数が経つとひび割れしやすい
シリコンの種類別メリット・デメリット
シリコン塗料は多くの種類がありますが、分類分けをすることが出来ます。
まずは水性 (塗料と水を混ぜて塗装する)か、油性(塗料にシンナーを混ぜて塗装する)かの違いです。
水性は塗料に水を混ぜて塗装するので、臭いが少なく環境にも良いです。
油性はシンナーを混ぜるため臭いはしますが塗膜の強度は高いです。
また水性、油性の中でも、1液型(1つの缶で塗装する)か、2液型(現場で2つの缶を混ぜて塗装する)かで分類できます。
1液型は1つの缶で来るので費用も安く手間も少ないです。
2液型は2つの缶を現場で混ぜる必要があるので費用や手間はかかりますがその分耐久性は高いです。
塗装をする素地の状態によって選択することがあります。
2章 シリコン塗装がおすすめできる人、できない人
シリコン塗装をおすすめするパターンをご紹介します。
シリコン塗料はとても人気ではありますが誰にでもおすすめできるわけではありません。
例えば、5年以内に家を売る・解体する予定がある人にシリコンはお勧めしません。
なぜなら数年で家を手放す予定がある場合は、シリコンではなくアクリルまたはウレタンの耐用年数で十分だからです。
このように、ライフプランによって選ぶ塗料も変わってくるかと思いますので、ご自身のライフプランに合った塗料を選びましょう。
2-1 おすすめできる人
まずはシリコン塗装をおすすめできる人をご紹介します。
子供の進学を控えている人
お子様が小さい、受験を控えているなど今後大きな出費がある人にはシリコン塗料がおすすめです。
シリコン塗料はアクリル・ウレタン塗料よりも高い耐候性なので、次回のメンテナンス時期を先延ばしにすることができます。
また、フッ素や無機塗料よりお手頃な価格なので大きな出費を控えることも可能です。
高い耐候性を求める一方でコストは出来れば抑えたい人はシリコン塗料を選びましょう。
10年前後で家を空ける予定がある人
10年以内に引っ越すかもしれない、子供と同居して家を空けるかもしれないという方はシリコン塗料を選びましょう。
アクリルやウレタン塗料を選んでしまうと家を空けるタイミングの前に塗装の機能がなくなってしまう可能性があります。
また、仮に家を売る場合も綺麗な状態の方が建物の価値が上がります。
10年間、美観や防水機能を保たせるためにシリコン塗料をおすすめします。
2-2 おすすめできない人
次にシリコン塗装がおすすめできない人をご紹介します。
耐久性関係なく金額を抑えて塗装したい人
長く持たなくてもいいからとにかく費用をおさえて塗装をしたい人にはシリコン塗装はおすすめできません。
(新築売買時、家を売りに出す場合など)
費用をおさえたい方にはお金をかけずに塗装ができるアクリル塗料・又はウレタン塗料がおすすめです。
できるだけ高耐候な塗料を使いたい人
お金をかけても耐候性がある塗料を選びたい方にはシリコン塗料はおすすめできません。
なぜならシリコン塗料よりも耐候性がある塗料があるからです。
最後のメンテナンスにしたい方や、費用よりも耐候性を重視したい方にはフッ素塗料や無機塗料をおすすめします。
3章 シリコン塗装の費用事例3選
シリコン塗料で外壁塗装を行った場合の費用事例をご紹介します。
外壁塗装で気になるのがやはり金額ですよね。
今回は具体的な事例を3つご紹介しますので、ご自宅に合った見積事例をご参考にしてみてください。
※外壁のみ塗装する場合の見積です。
3-1 サイディング、2階建て(40坪)、塗装面積160㎡
※3回塗り油性シリコン
3-2 モルタル、2階建て(35坪)、塗装面積180㎡
※3回塗り水性シリコン
3-3 多色柄サイディング、2階建て(30坪)、塗装面積140㎡
※2回塗り油性シリコン(クリヤー塗料)
4章 シリコン塗料の中にもグレードがある
シリコン塗料の中でもグレードの高い塗料・低い塗料が存在します。
なぜなら、少しでもシリコン樹脂が含まれていれば”シリコン塗料”と呼べるからです。
グレードの高いシリコン塗料を選ぶためにはシリコン含有率が高いものを選ぶのがおすすめです。
4-1 ローグレード塗料をハイグレード塗料の金額で提案してくる業者に注意!
低いグレードのシリコン塗料を高いグレードのシリコン塗料の金額で提示してくる業者に注意しましょう。
塗装工事の見積もりを取る際に、ほとんどの業者がシリコン塗料のグレードについて詳しい説明をしてくれません。
そのため、自宅にシリコンが塗られていることは知っていても、具体的にどの塗料が塗られたのか知らない方も多くいらっしゃいます。
そのため高い耐候性のシリコン塗料の金額で、低い耐候性のシリコン塗料を塗られてしまうこともあります。
4-2 損しないために塗料の説明を必ず受ける
見積を取る際は必ず何の塗料なのか詳しい説明を受けましょう。
シリコン塗料だからと言って、すべてが高い耐候性を持っているわけではありません。
提案された塗料はメーカー名、塗料名を聞いてカタログをもらうようにしましょう。
使用する塗料について見積に記載がない、説明がない場合は要注意です。
■耐久性が高い代表的なシリコン塗料
※記載されている塗料はあくまで代表的な塗料名です。塗料については詳しく説明してくれる業者に相談しながら決めていきましょう。
5章 【塗料別】外壁シリコン塗装事例
シリコン塗料を使って施工した事例を塗料ごとにご紹介します。
シリコン塗料には様々な種類があり、仕上がりの風合いも塗料ごとに異なります。
塗装後の風合いも塗料を選ぶ際のポイントになりますので、気に入った仕上がりのものを探してみてください。
SPパワーシリコン(菊水化学工業)
■白の外壁で明るい印象に
色番号:KW170D
ツヤのある塗料で新築以上の輝きになります。高耐久のシリコン塗料です。
ロイヤルセラクリヤー(菊水化学工業)
■透明の塗料でサイディングの柄を維持!
透明の塗料で本来の柄をいかして塗装することが出来ます。クリヤー塗装をご希望の方は外壁にひびが入る前に塗装することをおすすめします。
アレスダイナミックトップ(関西ペイント)
■こだわりの色分けがおしゃれな外壁
色番号:白(KR110)×茶(KP185)
フッ素に劣らない耐久性で人気の塗料です。ツヤ有とツヤ無が選べます。
グラナダフレッシュ(菊水化学工業)
■ブルーグレーのマットな仕上がり
色番号:65-60B
モルタル特有のマットな風合いを保つことが出来るモルタル壁専用のつや無し塗料です。
ナノコンポジットW(水谷ペイント)
■ブラウン×ホワイトがおしゃれな仕上がり
色番号:白(NC21)×茶(NC24)
ツヤがおさえられた塗料でマットな仕上がりになります。汚れにくい塗料なので白い外壁でも安心です。
6章 お得に良い工事をしてもらうコツ
外壁塗装工事をよりお得に高い品質で行ってもらうためのコツをご紹介します。
耐候性の高いシリコン塗料を使用しても、雑な工事内容・作業で本来の耐候性が発揮できなかったら元も子もないですよね。
より費用対効果を高めるためにもポイントをおさえていきましょう。
6-1 詳細な見積もりをもらう
見積を貰った時は、①詳細な施工場所の記載があるか、②詳細な数量の記載があるか、③使用する塗料名の記載はあるかの3点を確認しましょう。
詳細な記載がないと、工事が始まってから、「ここもやってもらえると思ってたのに!」とトラブルになり追加料金が発生してしまう場合もあります。
◆参考
6-2 仕様通りの塗装で保証書をもらう
塗ってもらう際は必ず仕様通りの塗装で、保証書をもらいましょう。
なぜなら、仕様通りの塗装をしないと本来の耐候性を発揮できないからです。
シリコン塗料は通常だと下塗り1回の上塗り(主剤)2回の計3回塗りですが、その仕様を守らない悪徳業者も存在します。
また、塗料を乾かす時間なども決まっています。使用する塗料の仕様に合った工事をしてもらった上で保証書を発行してもらいましょう。
また、施工店からの保証書が出てもその会社が廃業してしまったら意味がないので、使用する塗料メーカーからも保証書が発行されるとさらに安心です。
業者を選ぶ際にはメーカーからの保証が出るかどうかも確認してみましょう。
“保証年数が長すぎる業者に注意”
保証年数が他の会社よりも長い業者に注意しましょう。
シリコン塗料の耐用年数は10~15年ですがこれはあくまでも期待される年数なので保証する期間はこれより短くなります。
【一般的なシリコン塗料の保証年数:5~7年】
シリコン塗料で10年以上の保証を出している業者は、5年以内に計画倒産をする可能性もありますので注意してください。
◆参考
6-3 “クサビ式足場”で安全に作業してもらう
外壁塗装で必要になる足場の代金は工事費用の10~20%を占めるので、できれば費用を削りたいのが本音だと思います。
中には「★単管(たんかん)足場」というパイプをつなげただけの簡単な足場で、足場代を節約する業者もありますが、それはとても危険です。
「単管足場」は「労働安全衛生法」で禁止されており、安全が確保されていません。
また見つかると工事がストップしてしまう可能性もあります。
費用が多少かかっても足場は「★クサビ式(ビケ)足場」を使用する業者にお願いしましょう。
足場の種類については見積書に記載してもらってください。
★単管足場
★クサビ式(ビケ)足場
まとめ
いかがでしたか。
シリコン塗料は高い耐候性とお手頃な価格で人気の塗料です。
長く持たせたいけどあまり費用をかけたくない方には、費用対効果抜群のシリコン塗料がおすすめします。
しかし、全てのシリコン塗料が高い耐候性を持っているわけではありません。
シリコン塗料なら大丈夫だと安心せず、メーカー名や塗料名、耐久性を説明してもらった上で選んでいきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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