前から気になっている雨漏り、何とか出来ないかな?
自分で直せないか調べている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、雨漏りはDIYで応急処置の修理が出来ます。
但し、できる箇所とできない箇所があります。
理由は2つあります。
一つは、お家の雨漏りの原因となっている箇所が屋根や2階の外壁等、はしごや足場がないと届かない場所の場合、安全に作業するのが難しいためです。
足元が悪く、滑りやすいため転落による大けがの原因にもなります。
二つ目は、屋根の修理の際に適切でない箇所を補修してしまい、水の逃げ場がなくなりかえって悪化させてしまうケースがある為です。
雨漏りは原因となっている箇所が複数あることが殆どです。
屋根だけでなく、外壁やベランダの劣化や隙間が原因となっている場合もあります。
DIYで出来る対策は、安全にできる範囲のなかで、原因と考えられる箇所を修理することで雨水の侵入を防ぎ、お家を守ることです。
この記事では、お家の雨漏りの中でDIY出来る場所や原因、その対策まで紹介します!
DIYで雨水からお家を守れるよう徹底解説するので、ぜひ最後まで読んでみて下さいね。
DIYできない箇所(屋根や2Fなどの高所)に関しては、こちらの記事をご覧ください。
↓費用相場だけでなく、業者選びのポイントも分かるので失敗しない工事にできます。
目次
1章 DIYできるのは外壁とベランダ周り
DIYで雨漏り補修ができるのは、1階外壁とベランダです。
なぜなら、はしごや足場を使わなくても安全に作業が出来るためです。
以下の表で3つのポイントをまとめて紹介します。
①お家で雨漏りが起こりやすい箇所
②DIYで補修ができるかどうか
③考えられる雨漏りの原因と対策
補修できる場所だけでなく、考えられる原因やその対策がわかればより適切な補修ができるようになります。
★雨漏り原因にある『防水切れ』とは、屋根や外壁の表面が劣化し、水を吸う状態を指します。 建ててから何年も紫外線を浴びることでこの状態になります。 立地条件により多少前後しますが、早くて3~5年ほどで防水切れを起こします。 放置すると、ひび割れや隙間以外にも屋根・外壁の表面からも水が浸み込み、雨漏りの原因となりお家の寿命を縮めてしまいます。
■防水切れを起こしている外壁(写真上)と屋根(写真下) 水をかけた際に、その場所だけ色が濃くなり浸み込むのが特徴です。 |
次の章で、修理方法や用意するものを紹介します。
適切な修理で、雨漏りからお家をまもりましょう。
2章 【場所別】修理方法と必要なもの
修理方法や必要なものを、修理する場所ごとに紹介します。
また、どのような状態なら修理が必要なのかも写真を使ってお伝えします。
あてはまる場所があれば修理を行い、雨水の侵入を防ぎましょう。
2-1 【外壁・サッシ廻り・ベランダ笠木】隙間とひび割れを埋める
ひび割れや隙間があれば、補修材で埋めて雨水の侵入を防ぎましょう。
まずはひび割れしやすい箇所を紹介します。
補修する前に全体をチェックして、まとめて直すと良いでしょう。
■外壁やそのコーキング(目地)
外壁の中でも、特にひび割れや隙間が多いところを6箇所紹介します。
①ひび割れたコーキングと外壁
②隙間の空いたコーキング
③裂けてしまったコーキング
【コーキングとは】 サイディングという外壁材の継ぎ目にある、ゴム状の目地です。 地震の際のクッションの役割や雨水の侵入を防ぐ役割を持っています。 但し、新築時はなにも塗装がされていないので年数が経つと硬くなり、割れてきてしまいます。 その際に隙間ができ、雨が侵入することで雨漏りが発生します。 |
④外壁の釘の周り
⑤配管の周り
⑥水切り(一番下のコンクリートの部分の真上の金属パーツ)の周り
■サッシ廻り
ドアや窓サッシの四隅で、ひび割れている箇所を補修しましょう。
窓やドアを伝って、水が侵入することで雨漏りの原因となるためです。
■ベランダ笠木
ベランダ外壁の一番上にある仕上げ材です。
お家によっては、この上に手すりがついている場合もあります。
劣化や破損で隙間やひびができ、雨水が侵入することで雨漏りの原因となります。
少しでもひび割れがあれば埋めていきましょう。
修理で用意するもの(外壁・コーキングともに共通)
- ・シーリング材
- (変性シリコーン、ノンブリードタイプと記載があるもの)
- 変成シリコーンシーラントノンブリードタイプ(モノタロウ)
- 価格:499円(税別)
注意:変性シリコーンタイプのものでないと、後で塗装をする際に補修箇所の上からそのまま塗装が出来なくなってしまいます。 また、「ノンブリードタイプ」でない場合、後から汚れが付着し目立ってしまいます。 |
・ヘラ(コーキングをならすためのもの)
- ソフトコーキングヘラセット(モノタロウ)
- 価格:479円(税別)
- 柔らかい素材のものだと、補修の際に外壁を傷つけないですみます。
・コーキングガン
- コーキングガン(モノタロウ)
- 価格:199円(税別)
・古くなったタオルや布
コーキングの補修をする際に必要なもの
- ・プライマー(接着剤)
- ボンドシールプライマーN7#(楽天市場)
- 価格:486円(税込)
外壁とシーリング材を接着し、水の侵入を防ぎます。
刷毛が付属している種類のものを選ぶと、刷毛を買う手間が省けます。
- ・マスキングテープ
- マスキングテープ(モノタロウ)
- 価格:349円(税込)
マスキングテープがあれば、シーリング材がはみ出すのを防げるので綺麗に仕上がります。
また、外壁を傷めないために,粘着力が強すぎないものがお勧めです。
補足:作業前にシーリング材をコーキングガンに取り付ける シーリング材はコーキングガンに取り付けて使用しましょう。 こうすることで、均等にシーリング材を充填することができるので綺麗に仕上がる為です。 以下で取付方法を紹介します。 作業前に行っておくことで、外壁と目地を効率よく補修できます。
①コーキングガンの後ろのレバー(親指の掛かっている場所)を押します。 ②レバーを押しながら、棒を後ろに引きます。
③一番後ろまで引けたら、シーリング材を取り付けます。
④親指でレバーを押しながら、棒がコーキングの底に当たるまで押し付けます。 この後、数回トリガーを押すと、シーリング材が出てきます。
出典:シャープ化学工業株式会社 |
外壁のひび割れ修理方法
①汚れや水分をふき取り、綺麗にする
②ひび割れにそって、シーリング材を充填する
シーリング材の先端を斜めに切断して使います。
この際、シーリング材の量が足りないと、効果を十分に発揮できません。
充填した際に、少し盛り上がる程度まで充填しましょう。
③ヘラで平らにならし、完成
充填したシーリング材をヘラで平らにならします。
この際、押し込むように行うとヒビを埋めやすくなります。
コーキング(目地)のひび割れ修理方法
外壁の目地を補修する場合の方法を紹介します。
ここでは、既存のコーキングの上から補修材を使用する、「増し打ち」という方法を紹介します。
劣化したコーキングを一度剥がしてから補修する方法もありますが、
特にサッシ廻りは、劣化したコーキングを剥がす際に失敗してしまうと、隙間ができてしまい雨漏りが悪化する原因となる為です。
①目地の両端にマスキングテープを貼る
この際、端を折り曲げておくと、作業後に剥がしやすくなります。
②プライマーを塗布する
③上からシーリング材を充填する
目地に沿って、上から下に充填していきます。
この際、力を入れすぎないようにするとシーリング材が一度に出すぎないため、綺麗に仕上がります。
④ヘラで平らにならす
充填した後、そのまま上からヘラで平らにならします。
⑤テープをはがす
平らにならしたあと、時間を置かずそのままテープを剥がします。
時間が経つと、テープにはみ出したシーリング材が固まり綺麗に仕上がらないためです。
2-2 【ベランダ床】床全体のひび割れを塞ぐ
ベランダ床の表面がひび割れや剥がれをあるなら、上から防水シートをはり、水の侵入を防ぎましょう。
この方法で応急処置は出来ますが、この症状が出ているなら、劣化が進行している証拠です。
後日必ず、ベランダの塗り替えや補修を専門業者に依頼しましょう。
風や雨にさらされたり、人や物の重みが何年もかかると表面がひび割れや剥がれが発生し、雨漏りの原因となるためです。
また、いま傷んでいる箇所を塞いでも他の場所が剥がれてきてしまう為、再発の防止にはならないためです。
ベランダ床は約10年位でひび割れや剥がれが発生します。
10年に1度、補修や塗り替えをすることで、ひび割れの再発を防ぐだけでなく、そこから雨漏りしてしまうのを防げます。
雨漏りの原因をなくすためにも、塞いだ後そのままにせず、業者にベランダの塗り替えや補修を依頼しましょう。
用意するもの
- ・防水シート
- 万能防水シート ファストフラッシュ(Yahoo)
- 価格: 1,620円(税込)
同じ商品で大きさが異なるものが数種類出ているので、ひび割れの範囲にあわせて選びましょう。
- ・ローラー
- デッドニング用ローラー(モノタロウ)
- 価格:496円(税込)
ベランダ修理方法
①ひび割れや剥がれが出ているところの汚れを落とす
②シートを貼る
③ローラーで空気を抜き、圧着
その後、表面の保護フィルムを剥がして完成です。
2-3 【ベランダ】排水口(ドレーン)を掃除する
ベランダの排水口(ドレンとも言います)も掃除を行いましょう。
排水口に落ち葉や泥等が詰まっていると、雨水がうまく流れず、外壁と排水管のつなぎ目から雨漏りを起こす場合があります。
大雨が降ったとき、ベランダに水たまりができる場合は、排水口が詰まっている可能性があります。
雨漏りを防ぐためにも必ず掃除を行いましょう。
用意するもの
・掃除機
普段使っている室内用のもので掃除できます。
隙間用ノズルを使うと、排水口周りに溜まったゴミを綺麗にしやすくなります。
コードレスタイプだと、ベランダでも使いやすいです。
ノズルがない場合は、トイレットペーパーの芯で代用可能です。
注意:鳥の糞は掃除機で吸わない! 鳥の糞がある場合は掃除機でなく、濡らしたキッチンペーパーでふき取っておきましょう。 なぜなら、雑菌が含まれているため、掃除機を使うと排気口から菌が広がってしまうためです。 固まって取れにくい場合は、クエン酸小さじ1/2杯と水100mlを混ぜたものを振りかけて数分置くと、掃除しやすくなります。 |
- ・ほうき・ちりとり
- ひとり立ち溝ちりトリーナ(モノタロウ)
- 1,290円(税別)
化学繊維のものだと、強度もありつつ表面が傷つきにくいのでおすすめです。
また、ちりとりとセットになっていると、次に掃除するときも使いやすいです。
・新聞紙
掃除の手順
①ほうきとちりとりで、まわりのゴミや落ち葉を掃き掃除する
この際、泥が溜まっていたら一緒に取り除きましょう。
濡れた状態で行うと取りづらくなってしまうので、ベランダが乾燥した状態で行いましょう。
② ①の掃き掃除でうまく取れない砂埃がある場合、少し濡らした新聞紙をちぎって、床にまき、掃き掃除する
こうすることで、埃を絡めとることが出来ます。
③残ったゴミを掃除機で吸い取り、完了
ポイント:排水口の上に物は置かない! 排水口の上は何もない状態にしておきましょう。 なぜなら、上から物を置くことでベランダに溜まった水の逃げ場がなくなり雨漏りが悪化してしまう原因となるからです。 ゴミや落ち葉が詰まっているか確認する際に、上に物がない状態にしておきましょう。 |
3章 DIYは晴れの日に行おう!
雨の日や、雨予報の出ている日は避けて修理を行いましょう。
補修箇所が濡れていると、補修材が定着せず効果を発揮できない為です。
また、排水口を掃除する際も濡れているとベランダに落ち葉がくっついてしまい、掃除しづらくなってしまいます。
綺麗に仕上げ、水の侵入を防ぐためにも晴れの日に行いましょう。
4章 正確な原因の調査は業者に依頼
雨漏りの正確な原因の調査は、必ず業者に依頼しましょう。
なぜなら、目視だけでは正確にどこからどのように雨漏りしてしまっているのかが分からないためです。
また、原因が分かれば修理した場所以外に直すべきところはないかも分かるので、よりお家に合った対策をすることが出来ます。
調査してみると、雨水の侵入箇所がいくつも見つかったケースもあります。
普段気づかない屋根やその周りが原因になっていないかもわかります。
修理するべきところに抜けが出ないよう、必ず原因の調査を依頼しましょう。
↓正確な原因の調査方法や、業者選びの方法は以下の記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか?
材料や行う場所などの条件が合えば、雨漏りをDIYで修理することが可能です。
外壁やその目地、ベランダ、窓サッシ廻りを確認してみて、ひび割れや隙間があれば補修材で修理を行いましょう。
小さな隙間でも、雨が入る場所をなくしていくことで雨水がお家の中に侵入するのを防ぐことが出来ます。
ただし、正確な侵入経路の特定は目視のみでは難しいので、必ず業者に依頼し、原因を特定しましょう。
原因を知ったうえで修理すれば、修理すべき場所に抜けが無くせます。
よりお家にあった雨漏り対策をして、お家を長持ちさせましょう。
◆参考記事
業者に修理を依頼した場合の費用をまとめています。DIYで直らないときはすぐにプロに相談しましょう。