屋根塗装の相見積もりを取ったものの、業者によって提案してくる塗料はバラバラ…
「水性がいい!」というところもあれば、「油性じゃないとダメ!」という業者もあってどちらを信じればいいのか分からない…
とお困りなのではないでしょうか。
屋根用の塗料にも水性・油性どちらもありますが、どちらかが絶対良いというわけではありません。
そのため、大切なのはご自宅に合った塗料を選ぶことです。
ただ、どちらがお家に合っているかは、水性・油性それぞれの特徴を理解しないと決められないですよね。
そこで、この記事では屋根塗装における水性・油性の比較と、最適な屋根塗料の選び方をご紹介します。
また、プロがおすすめする屋根用塗料を3つご紹介しますので、どうしても決め切れない方は参考にしてみて下さいね。
最適な塗料を選んで、屋根塗装を満足のいくものにしていきましょう!
目次
0章 塗料には水性と油性がある
そもそも塗料には水性と油性があります。
塗料缶はふたを開けてそのまますぐには使いません。通常、1~5%程度薄めて使います。
水性塗料は、塗料缶に水道水で薄めて使用します。
油性塗料は、塗料缶にシンナーで薄めて使用します。
さらに2液タイプの塗料になると、硬化剤がプラスされます。
また、油性塗料は強溶剤と弱溶剤に分けられます。
一般的に戸建て住宅の屋根塗装で使用する油性塗料は弱溶剤系なりますので、
この記事では、水性と油性(弱溶剤塗料)の特徴を解説していきます。
1章 屋根塗装における水性・油性を徹底比較
塗装工事においての水性・油性の違いを比較してご紹介します。
水性・油性で比較すべきポイントは①耐久性 ②費用 ③臭い・環境影響です。
塗料を選ぶ前に、それぞれにどんな特徴があるのか見ていきましょう!
| 水性塗料 | 油性塗料 |
耐久性 | △(種類によって差がある) | 〇(比較的高い) |
費用 | 〇(比較的安い) | △(比較的高い) |
臭い・環境影響 | 〇(臭いが少なく環境に優しい) | ×(臭があり環境に悪い) |
1-1 耐久性
| 水性塗料 | 油性塗料 |
耐久性 | △(種類によって差がある) | 〇(比較的高い) |
まず比較するのは耐久性です。
耐久性を比較すると、油性塗料の方が比較的耐久性が高いです。
そもそも塗料には「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」というグレードがあり、それぞれに水性・油性があります。
油性マジックの方が水性マジックよりも消えにくいように、油性塗料の方が水性塗料よりも紫外線に強く耐久性が高いのが一般的です。
| 水性塗料の耐用年数 | 油性塗料の耐用年数 |
アクリル | 3~5年 | 4~6年 |
ウレタン | 7~10年 | 8~10年 |
シリコン | 8~12年 | 10~15年 |
フッ素 | 15~18年 | 16~20年 |
ただし、水性でも耐久性が高いものもあります。
近年は環境に優しい水性塗料の開発が進み、耐久性が油性に劣らない水性塗料も出てきています。
水性だからダメということはありませんので、塗料のカタログを見て効果を確認したり、業者の施工実績やインターネットの口コミなどを確認してみましょう。
1-2 費用
| 水性塗料 | 油性塗料 |
費用 | 〇(比較的安い) | △(比較的高い) |
次に費用を比較します。
費用に関しては水性塗料の方が比較的安いです。
なぜなら、油性塗料は、塗料缶の他にシンナーと硬化剤もセットで必要になるからです。
ただ、屋根塗装工事にかかるお金は塗料代だけではありません。
水性塗料でも油性塗料でも、足場架設費用や洗浄費用など、運搬費などの諸経費は変わりません。
そのため、安さを重視するなら今後のメンテナンス計画を考慮して決めることをおすすめします。
▪10年以内に家を空ける予定の方の場合 8年もつ水性シリコン塗料40万円 15年もつ油性シリコン塗料60万円 ⇒水性塗料の方がお得 10年くらいで家を空けるのであれば、耐久性が高い塗料を使ってもその分費用がもったいないので水性塗料を選んだ方が費用をおさえられます。
▪15年以上長持ちさせたい方の場合 8年持つ水性シリコン塗料40万円⇒15年持たすためには2回塗装が必要なので80万円 15年持つ油性シリコン塗料60万円⇒15年持たすには1回の塗装が必要なので60万円 ⇒油性塗料の方がお得 長く持たせたいなら何回もやるより、一度で長く持つ油性塗料を塗った方が結果的に費用をおさえることができます。 |
1-3 臭い・環境影響
| 水性塗料 | 油性塗料 |
臭い・環境影響 | 〇(臭いが少なく環境に優しい) | ×(臭いがあり環境に悪い) |
最後に、塗装中の臭いや環境影響に関しての比較です。
まず臭いは、シンナーを使用する油性塗料の方がきついです。
臭いに敏感な方は、気分が悪くなってしまうこともありますので、油性塗料で塗装される際は換気や塗装中の外出などが必要になる場合があります。
また、環境影響も油性塗料より水性塗料の方が環境に優しいです。
油性塗料で使用するシンナーは環境に悪く世界的に使用削減の流れにもなってきているので、今後使用が減っていくことも考えられます。
2章 あなたに合った最適な屋根塗料の選び方
ご自宅の屋根に最適な塗料を選んでいきましょう。
水性塗料を選ぶか、油性塗料を選ぶかはご自身が塗装で何を重視しているかによって変わってきます。
2-1 長持ちさせたいなら油性塗料
耐久性重視で長持ちさせたい方は、油性塗料を選びましょう。
屋根は紫外線を遮るものがないので、一番劣化しやすい場所です。
油性塗料の強靭な塗膜で、長持ちさせていきましょう!
2-2 臭い・環境に配慮したい方は水性塗料
臭いや環境に配慮したい方は、水性塗料を選びましょう。
ただし、グレードの低い水性塗料を選んでしまうと、すぐに塗り替え時期が来てしまいます。
そのため水性塗料の中でも、耐候性が付く効果も高いものを選ぶことをおすすめします。
3章 プロが勧める屋根塗料4選
この章では、塗装のプロがおすすめする屋根塗料を、水性油性それぞれご紹介します。
ご自身で塗料を選べずお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
3-1 優れた遮熱性が魅力|RSルーフ2液シリーズ
出典:関西ペイント
種類 | 油性 |
グレード | シリコン・フッ素 |
特徴 | 遮熱効果が高い |
まずご紹介するのが、関西ペイントの「RSルーフ2液シリーズ」です。
RSルーフ2液にはシリコン・フッ素グレードのものがあります。
最大の特徴は、優れた遮熱性です。
赤外線を効率よく反射する特殊な顔料を配合しており、屋根の表面温度の上昇を防ぎます。
金属の屋根にはとくに効果を発揮しやすいので、金属屋根の方や、日当たりが良く夏場は暑さでお困りの方におすすめの塗料です。
3-2 断熱効果アリ!|快適サーモシリーズ
出典:水谷ペイント
種類 | 油性 |
グレード | シリコン・フッ素 |
特徴 | 断熱効果がある |
続いてご紹介するのは水谷ペイントの「快適サーモシリーズ」です。
快適サーモシリーズには、シリコン・フッ素グレードのものがあります。
下塗り塗料が断熱効果を有したものなので、遮熱性だけでなく断熱性も高い塗料です。
断熱性があると、夏の暑さだけでなく、冬の寒さも緩和されます。
冬場の寒さが気になる方におすすめの塗料です。
3-3 水性でも高耐久|ルーフピアニ
出典:水谷ペイント
種類 | 水性 |
グレード | シリコン |
特徴 | 耐候性・耐汚染性が高い |
続いてご紹介するのが、水谷ペイントの「ルーフピアニ」です。
ルーフピアニは、水性シリコン塗料です。
水性塗料ですが2液硬化システムにより、油性に劣らない優れた耐久性を発揮します。
また、耐汚染性も高いので汚れにくい屋根になります。
臭いや環境影響が気になるけど、長持ちさせたい方にピッタリの塗料です。
3-4 ナノルーフシリーズ
出典:水谷ペイント
種類 | 水性 |
グレード | フッ素/無機 |
特徴 | 高耐久。遮熱つき、艶なしなどバリエーションあり |
最後にご紹介するのが、水谷ペイントの「ナノルーフシリーズ」です。
高耐久を追求した水性屋根塗料で、遮熱効果のありなし、艶のありなしを選べる等のバリエーションがあります。
水性かつ優れたコストパフォーマンスを求める方におすすめです。
また、屋根塗料の艶なしは珍しいため、塗り替え後シックな風合いにしたい方にも人気です。
まとめ
いかがでしたか。
屋根塗装における水性と油性の違いは以下の通りです。
| 水性塗料 | 油性塗料 |
耐久性 | △(種類によって差がある) | 〇(比較的高い) |
費用 | 〇(比較的安い) | △(比較的高い) |
臭い・環境影響 | 〇(臭いが少なく環境に優しい) | ×(臭いもするし環境に悪い) |
最近では高耐久な水性塗料も出てきていますが、まだ油性塗料の方が耐久性が高いものが多いのが現状です。
耐久性を重視するのではあれば、油性塗料を、
臭いや環境影響を気にするのであれば、耐久性の高い水性塗料を選ぶのがおすすめです。
納得のいく塗料を選んで、屋根を長持ちさせていってくださいね。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
◆屋根塗装の耐用年数と塗料選びについて知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
⇒屋根塗装の耐用年数一覧と我が家に合った塗料選び3つのポイント
◆屋根の色について悩んでいる方はこちらの記事をご覧ください。
⇒[プロ直伝]屋根塗装の色はこう決める!事例付き人気色&成功ガイド