通りがかりの業者に指摘された屋根瓦の破損。
どうやって直せばいいのか、修理方法をお調べになっているのではないでしょうか。
屋根瓦の修理は、破損状況や劣化具合によってやり方が変わってきます。
状態に合わせた方法でしっかり直すことが大切です。
そこで今回は、屋根瓦の修理方法を、具体的な5つの症状別に紹介します。
ただし屋根瓦の修理は大変危険な作業なので、自分では行わず、専門業者に依頼してください。
記事の後半では、修理の費用相場や業者選びのポイントも一緒にお伝えしますので、
大切な屋根を正しく直すために、ぜひ最後までご覧ください。
目次
0章 DIYでの屋根瓦修理は絶対NG!!
屋根瓦の修理はご自身でしようとはせず、必ず専門業者に依頼しましょう。
屋根の上での作業は大変な危険が伴ううえ、知識・経験がないときちんと直すのも難しいからです。
軽い補修程度なら自分でできるかも?と思われるかもしれませんが、慣れない屋根の上での作業となると、誤って瓦を踏み割ってしまうことがあります。
せっかく直そうとした屋根が余計に傷んでしまうのは本末転倒ですよね。
そして何より、屋根は5~6m以上もの高所です。捕まる場所も風を遮るものもなく、転落してしまう危険性があります。
いくらお家のためとはいえ、ご自身が命に係わる大けがをしてしまったら元も子もありません。
万が一の事故を防ぎ、屋根瓦を確実に修理するためにも、屋根瓦の修理は必ず専門業者に依頼しましょう。
1章 症状別 屋根瓦の修理方法
まずは、屋根瓦の劣化症状別の修理方法を紹介します。
屋根は普段から見えにくい場所ですから、全て業者任せにするのは不安な方もいらっしゃいますよね。
どこにどんな修理が必要なのかを事前に把握しておき、安心して工事に臨めるようにしましょう。
1-1 【割れ】コーキング補修・一部交換
小さなひび割れや欠けはコーキング材(補修材)で補修します。
欠けた破片が残っている場合は、それをそのまま使って接着することができます。
また、大きな割れや欠落だった場合は、瓦自体の差し替え(一枚~)を行います。
1-2 【漆喰の割れ・崩れ】漆喰補修
漆喰とは、洋瓦や和瓦の頂上の瓦同士を固定し、瓦の内部に水がしみこむのを防いでくれているものです。
築7~10年ほどで傷みが進んでくるため、割れたり崩れたりした場合は、劣化した漆喰をはがし、新しい漆喰を塗って補修します。
1-3 【釘の浮き】釘打ち
屋根頂上の瓦や板金などは釘で固定してあることが多いです。
この釘は、建ててから数年経つと地震や強風等で浮いてしまうことがあります。
浮いた釘は打ち込むか、新しい釘やビスに交換して瓦を固定しなおします。
1-4 【棟瓦のズレ】棟瓦積みなおし
棟瓦(むねがわら)とは、頂上にある瓦のことです。
ここがずれたり歪んだりしていると、瓦の落下や雨漏りの原因となります。
修理の際は一度棟瓦部分を解体し、瓦を積みなおすことで修理します。
1-5 【色あせ】屋根塗装
紫外線や雨風によって、瓦が色あせてくることがあります。
色あせは、瓦の保護のために塗ってあった塗膜が弱り始めているサインです。
放置すると瓦から水が染み込みひび割れや雨漏りの原因となるため、高圧洗浄機で洗浄したうえで塗装を行います。
※主にスレート瓦やセメント瓦などに行います。
和瓦や洋瓦は水が染み込んでの劣化はしない材質のため、塗装は不要です。
2章 屋根瓦修理の費用相場
修理方法 | 費用相場 |
瓦補修・一部交換 | 1~3万円/枚 |
漆喰補修 | 2,200~7,000円/m |
釘打ち | 2~3万円/一式 |
棟瓦積みなおし | 8,500~19,000円/m |
屋根塗装 | 40~70万円(80㎡) |
屋根瓦修理の費用相場は上記の表のとおりです。
修理方法や数量によって、費用も大きく変わってきます。
また業者の人件費・使用する材料によっても変動するので、あくまで目安としてご覧ください。
加えて、屋根修理は足場が必要なことがほとんどです。
高所での作業は作業者の安全確保が必要だからです。
足場の費用相場は、一般的な二階建てのお家で約16~20万円ほどです。
補修+足場の金額が全体的な費用と覚えておきましょう。
★火災保険が適用できる可能性あり!
台風や大雪などの天災が原因で屋根瓦が破損してしまった場合、火災保険の保険金を使って修理ができる可能性があります。
あなたのお家でも適用されるかどうかは、加入している保険の内容や工事金額等によって変わってきます。
詳しい条件や申請方法については、こちらの記事をご覧ください。
3章 屋根瓦修理を依頼する業者選びのポイント
屋根瓦の修理は、劣化の状態や規模によって適切な修理方法も金額も異なるため、正しい知識・経験を持った業者に依頼することが重要です。
そのためここでは、安心して屋根瓦修理を任せられる業者選びのポイントを紹介します。
適正価格で適切な修理を行ってくれる業者を見極めるため、ここで紹介する3点は必ずチェックしましょう。
3-1 屋根に登るorドローンなどでしっかり屋根点検してくれる
屋根修理は見積もりの段階で、はしごで直接屋根に登ったり、ドローン・高所カメラ等を使ったりして、細かく写真を撮影しながら丁寧に点検してくれる業者を選びましょう。
なぜなら、屋根瓦の状態は実際に見てみなくては、どのように修理するのが適切か判断できないからです。
ちゃんと見てもいないのに「通りがかりに見えたんですけど、すぐ直さないとまずいですよ!」と脅すようなことをいう悪徳業者もいますから、信頼性を見極めるうえで点検はとても重要です。
点検で撮影した写真を印刷などしてきちんと共有してもらえると、業者の嘘やごまかしがないこともわかって一層安心ですよ。
もし、見積の依頼をしたときに”地上から見える範囲を見ただけ”、”そもそも屋根点検をしてくれない”ような場合は、その業者は避けて改めて別のところに依頼するようにしましょう。
3-2 軽補修から葺き替えまで幅広い工事実績がある
屋根瓦の軽い補修から全体の葺き替えまで、様々な内容の工事実績を持つ業者に依頼しましょう。
なぜなら、軽補修しか経験がないor葺き替え等大規模な工事しかやってないという極端な業者だと、あなたのお家の屋根の状態に適した提案をしてくれない恐れがあるからです。
本当は軽補修で済むのに大掛かりな工事を提案されたら費用が高額になってしまいますし、
逆にしっかり直さないと意味がないのに簡単な修理で済まされて、結局数年後にまた傷んできては困りますよね。
屋根瓦の修理はその状態によって、適切な方法、工事規模が変わってきます。
そのため、様々な工事の経験のある業者の方が、よりあなたのお家の屋根にあった提案をしてくれます。
業者を選ぶ際は、幅広い工事の経験があるに依頼しましょう。
3-3 車で30分以内に会社がある
屋根修理は、会社、支店、事業所などが車で30分以内程度の、近くにある業者に依頼しましょう。
なぜなら、あまりにも遠い所だと対応に時間がかかってしまったり、工事費用以外にも出張費が上乗せされてしまったりする可能性が高いからです。
屋根は特に、台風等の天災といった、予想外の出来事の影響を受けやすい場所です。
今回の修理が終わっても、また何か気になることがあった時に気軽に相談できると安心ですよね。
大事なお家の屋根を任せるからこそ、将来も長く付き合えるような、地元の業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
屋根瓦の修理方法は症状によって様々です。
ご自宅の屋根にはどんな症状が出ているか確認して、修理を行いましょう。
DIYは大変危険なので、必ず専門業者に頼んでくださいね。
業者選びのポイントは、以下の3つです。
・屋根をしっかり見て点検してくれる
・軽補修から葺き替えまで幅広い工事実績がある
・車で30分以内に会社がある
屋根は普段見えない場所です。
正しい修理方法を知り、安心して依頼できる業者を見極め、しっかり直してもらいましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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