屋根瓦の漆喰が劣化していると言われたけど
「そもそも瓦の漆喰ってどの部分?」
「補修が必要な劣化なの?」
と疑問に感じているのではないでしょうか。
瓦の漆喰はあまり目立つところではないので、劣化していると言われても具体的に想像しにくいですよね。
ただ、漆喰は築7~10年ほどで劣化し始めるので定期的な点検や補修が必要な部分になります。
とはいっても、まず漆喰というものがどこの部分でどんな役割があるのか分からないと、補修の必要性も理解しづらいと思います。
そこで今回の記事では、瓦の漆喰について場所や役割、補修すべき劣化症状をご説明します。
また、実際に補修が必要な場合の補修方法や費用相場についてもご紹介します。
記事の後半では補修工事がお得になるケースや屋根を長持ちさせるためにすべきことについてもご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 瓦屋根の漆喰とは
まず”瓦屋根の漆喰”についてを、基礎知識と劣化症状からご説明します。
どんな役割をしているのか、いつお手入れが必要なのかを把握しましょう。
1-1 漆喰とは
漆喰とは石灰が主成分の建材で、防水や接着の機能があります。
屋根においては頂上の瓦と瓦を接着し固定して、さらに瓦の内部の★葺き土に水が浸透するのを防いでくれています。
★漆喰の内側の葺き土(ふきつち) |
1-2 補修が必要な劣化症状
続いて、漆喰の補修が必要な劣化症状をご紹介します。
劣化したまま放置してしまうと、雨が入り込んで雨漏りの原因になったり、欠けた漆喰が雨どいに詰まり水はけが悪くなってしまう場合があります。
まずは点検をしてもらい、同じ症状が確認できたら補修工事を行ないましょう。
※ご自身で屋根に上るのは大変危険です!点検は必ず専門業者に依頼しましょう。 |
ひび割れ
漆喰の寿命は7~10年ほどです。劣化が進むと地震の揺れなどでひびが入ります。
放置しているとだんだんと欠けていってしまうので、ひび割れが発生していたら漆喰補修工事を行ないましょう。
欠け
ひび割れが進行していくと欠けてきてしまいます。
欠けてしまうと雨水がどんどん内部に侵入してしまうので、早めの補修工事が必要になります。
棟瓦のズレ・歪み
大きな地震の影響や漆喰の経年劣化で棟瓦が歪んでしまっている場合は、棟瓦取り直し(積み直し)が必要になります。
ズレや歪みを放置すると瓦の落下の危険性もありますので、点検でズレや歪みが見つかったら補修工事を行ないましょう。
2章 漆喰の補修方法
漆喰が劣化したときの補修方法をご紹介します。
劣化の程度によって補修方法は変わってきますので、劣化具合に合った補修工事を依頼できるように各補修工事の大まかな内容を確認しておきましょう!
★DIYでの補修はNG! 瓦の漆喰の補修をご自身でDIYで行うのはやめましょう。高所作業は大変危険です。 万が一足を滑らせて屋根から落下してしまうと、命に関わるケガを負う危険性があります。 また、漆喰の補修は塗る厚さを間違えるとかえって剥がれてしまうなどの不具合が起こるの恐れがあるため、補修工事は必ずプロに依頼しましょう。 |
2-1 漆喰詰め直し工事
漆喰のひび割れ、欠けなどの劣化が見られたら、漆喰の詰め直し工事を行ないましょう。
工事の流れ
1、漆喰を剥がす
2、漆喰の内部にある葺き土をスプレーで湿らせる
3、新しい漆喰を塗って完了
費用相場(1mあたり)
2,200~7,000円
※費用は足場代を含まない金額です。
※施工範囲や屋根の状態、使用する材料等によって費用は変動します。
2-2 棟瓦取り直し(積み直し)工事
瓦の漆喰が劣化したことで、瓦自体がズレてしまっている状態の場合は、棟取り直し工事が必要になります。
工事の流れ
1、既存の瓦を取り外す
2、瓦の内部(漆喰・葺き土)の撤去
3、新しい木材を入れて漆喰を詰める
4、瓦を再度積んで完成
費用相場
8,500~19,000円
※費用は足場代を含まない金額です。
※施工範囲や屋根の状態、使用する材料等によって費用は変動します。
3章 漆喰補修にかかる費用相場
瓦の漆喰補修工事にかかる費用相場についてご紹介します。
既に見積もりを取っている方は見積もりと見比べてみましょう。
※足場代を含まない金額です。
※単価は屋根の状態や棟瓦の枚数、使用する材料によって変動します。
漆喰詰め直し工事
1m当たりの単価相場は3,000~7,000円です。
棟の長さが10mの場合は、棟の両側を施工するので10×2=20mが施工の長さになります。
20×単価(3,000~7,000)=60,000~14,000円です。
棟瓦取り直し工事
1m当たりの単価相場は8,500~19,000円です。
棟の長さが10mの場合は、
10×単価(8,500~19,000)=85,000~190,000円です。
★別途費用 足場代 屋根の工事は高所作業なので、基本的に足場が必要になります。 1㎡あたりの単価相場=700~1,100円 1軒あたりの足場代の相場15~25万円 |
4章 火災保険で工事がお得になるケース
火災保険で漆喰の補修工事がお得になるケースをご紹介します。
火災保険は名前の通り火災が起きたときのみに適応される保険だと思われがちですが、実は他にも適応されるケースがあります。
保険が適応できれば費用負担をゼロにできる場合もありますので、ケースに当てはまったら、施工業者と保険会社に火災保険を活用したい旨を伝えましょう。
4-1 自然災害による破損の場合
台風や強風、落雷・積雪などの自然災害によって漆喰が破損してしまった場合は、火災保険が適応されます。
ただ地震による破損の場合は地震保険に入っていなければ適応されませんのでご注意ください。
4-2 外部からの物体落下等による破損の場合
外部からの物体落下等による破損の場合は火災保険が適応されます。
(例)外から飛んできたボールが屋根に当たって瓦や漆喰が破損してしまったなど。
経年劣化ではなく、外部からの予期せぬ破損の場合は火災保険を活用しましょう。
申請のやり方 ①保険会社に連絡して被害内容を伝え、保険適用できるかを聞く ②申請書類を送ってもらう。 ③屋根工事の業者から「被害写真」「見積書」をもらう。
⑤保険会社へ申請を送り、現地調査(鑑定)をしてもらう。 ⑥保険金の確定、入金 ※詳細は保険会社や保険内容によって異なりますので、まずは保険会社に聞いてみましょう。 |
5章 漆喰補修を依頼する際の業者選びのポイント
漆喰の補修工事を依頼する業者の選び方についてご紹介します。
瓦屋根を長持ちさせるために、優良業者を選んでいきましょう。
5-1 工事実績がある業者を選ぶ
まずは、漆喰補修工事の実績がある業者を選びましょう。
中には、専門外のため実は漆喰工事をしたことがない、知識のない業者も存在します。
漆喰の補修工事の施工実績があるか、まず業者に確認してみましょう。
5-2 工事中の写真を撮ってくれる業者を選ぶ
工事中の写真を撮ってくれる業者を選びましょう。
なぜなら屋根の上の工事はお客様が確認しにくい場所だからです。
しかし、業者によっては一枚も写真を撮らずに工事を終える業者も存在します。
そのため一枚でも写真を撮って見せてくれる業者を選ぶと安心です。
★施工アルバムでもっと安心! 弊社ユーコーコミュニティーでは、工事中に写真をお見せするだけでなく、工事完了後にアルバムにしてお渡ししています。 工事前と工事後が見て分かるので安心していただいています。 |
5-3 アフター体制がきちんとしている業者を選ぶ
アフター体制がきちんとしている業者に依頼しましょう。
屋根は最も雨風の影響を受けるため、工事が完了しても数年で気になることが出てくる場合もあります。
業者を選ぶ際にはアフター体制についても確認し、工事が終わってからも年に一度のペースで定期的に屋根の点検をしてもらいましょう。
★アフター専門の部署があるとより安心! 一例として、弊社ユーコーコミュニティーにはアフターメンテナンス専門部署を設置しています。 アフター専門部署があると、屋根のことだけでなく家全体の相談にも乗ってもらえるので、困ったことがあった時に安心です。 |
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
■1章まとめ
漆喰とは石灰の混ざった建材で、瓦の同時の接着や防水の役割がある。
ひび割れ・欠け・棟のズレなどの劣化が確認できた場合は補修が必要になる。
■2章まとめ
漆喰補修の方法は2種類あり、状態によって必要な補修方法が変わる。
ひび割れ・欠けなどの軽度の劣化の場合は「漆喰詰め直し工事」が必要。
棟のズレ・漆喰の崩れなどの劣化の場合は「棟瓦取り直し(積み直し)工事」が必要になる。
■3章まとめ
「漆喰詰め直し工事」の単価相場は3,000~7,000円
「棟瓦取り直し(積み直し)工事」の単価相場は8500~19,000円
■4章まとめ
漆喰の劣化経年劣化ではなく、以下のどちらかのケースであれば火災保険が適応され工事費用がお得になる。
- ①自然災害による破損の場合
- ②外部からの物体落下等による破損の場合
■5章まとめ
漆喰の補修を依頼する際の業者を選ぶときは、
- ①工事実績がある
- ②工事中の写真を撮ってくれる
- ③アフター体制がきちんとしている
以上の3点が揃っている業者を選ぶと安心。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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