和瓦が丸わかり!特徴とメンテナンス方法を知って家を長持ちさせよう

和瓦

和瓦は耐久性と重厚感のある、伝統的なデザインが魅力です。

定期的なメンテナンスを行えば、100年以上も持たせることが出来ます。

この記事では和瓦の特性と、何世代にもわたって長持ちさせるメンテナンス方法を紹介します。

後半では、メンテナンスが必要な症状がどのようなものか、写真を使って説明していきます。

 

お家にあったメンテナンスができるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

 


1章 和瓦の特徴と種類

和瓦の特徴と種類を紹介します。

どのようなものか知っておくことで和瓦のメリットを生かしたメンテナンスが出来るようになります。

 

1-1 和瓦とは

和瓦

和瓦とは、陶器で作られた瓦です。

そのなかでも純和風の家にあう形状で作られたものをさします。

日本瓦、J形瓦(JはJapaneseの略)、和形瓦とも呼ばれています。

純和風の住宅でしか使わないイメージを持たれていますが、洋風の住宅で使われる場合もあります。

和瓦

出典:神清

重さは4045kg/1あります。

日本の住宅で最も多い、スレート(20kg/1)約2倍です。

 

■スレートの屋根スレート屋根

 

1-2【写真付】和瓦の種類は2種類

和瓦には大きく分けて2種類あります。

機能は同じですが、見た目や風合いが異なります。

 

釉薬瓦(ゆうやくがわら)

和瓦

表面にガラス質の釉薬をかけることで、様々な色の瓦を作ることができます。

つやのある風合いと、豊富なカラーバリエーションが特徴です。

鮮やかな色で色あせもしないので、長い間美観を保てます。

 

②いぶし瓦

いぶし瓦

製造の際に、空気を遮断して焼くことで燻したような質感になります。

お寺や神社のような、重厚感のあるイメージにできるので、より伝統的なデザインのお家にしたい方に人気です。

 


2章 和瓦の長所と短所

和瓦の長所を5つ短所を3つ紹介します。

今、和瓦のお家に住んでいる方なら瓦をそのまま生かすことで長所を最大限に生かせます。

また、短所が分かるとそれをカバーするためのメンテナンスを選ぶことができるようになります。

 

2-1 【長所①】屋根の塗装がいらない

和瓦は屋根の塗装は不要です。

なぜなら、雨水が瓦から家の中へ染みこむことがないからです。

ただし、どうしても色を変えたいという方向けに和瓦向けの塗料も販売されています。

屋根の色を変えたい方は塗装で色を変えましょう。

■和瓦に塗装可能な塗料の例

カタログ

出典:大同塗料株式会社

 

2-2 【長所②】100年以上持たせられる

和瓦は耐久性が高く、瓦自体は100年以上長持ちさせられます。

なぜなら1000℃以上の高温で焼いて作られるため、とても硬く強度があるためです。

台風などで強い衝撃を受けると、一部割れてしまう場合もありますが割れてしまったところだけ差し替えも可能です。

適切なメンテナンスさえ行えば、長持ちさせられます。

 

2-3 【長所③】断熱性能や遮音性能に優れている

和瓦は断熱性能に優れているため、夏や冬も快適にすごせます。

また、屋根の雨音が聞こえにくい遮音性にも優れています。

瓦と屋根の下地に空気の層があり、瓦自体も10~20mmと日本で一番多い屋根瓦のスレート瓦の倍以上の厚みを持っている為です。

瓦が厚い分外からの音が室内に伝わりにくくなり、新しい空気が常に通るようになっているので、熱がこもることなく快適にすごせます。

断熱性能とは

断熱性能が高ければ高いほど、外の暑さや寒さが室内に伝わりにくくなります。

その為、夏は涼しく、冬は暖かい状態に保てるので快適に過ごせます。

 

2-4 【長所④】純和風の住宅に合う、重厚感のあるデザイン

和瓦は和風のお家と一番相性の良い屋根です。

他の材質の屋根にも和風のデザインはありますが、同じ風合いを再現するのは難しいです。

そのため、伝統的なデザインにしたい方にとても人気があります。

 

2-5 【長所⑤】色やデザインが豊富

和瓦はカラーバリエーションが豊富で、10色以上から選べる商品もあります。

釉薬をかけて焼くことで、さまざまな色の瓦を製造できるためです。

和瓦

出典:株式会社鶴弥

 

そのため、和風建築以外の建物でも和瓦で施工するケースもあります。

また、色あせも少ないので美観が長持ちするのも魅力の一つです。

 

2-6 【短所①】初期費用が高額

新築で一から和瓦にしようとすると、1㎡あたり5,500円から13,000円程かかります。

材料費のコストが高いのと、和瓦は専門の施工業者が施工する必要があるためです。

例えば、日本の住宅に一番多い「スレート」の場合、1㎡あたり6,000円程と、和瓦の半分以下の費用です。

あまり初期費用はかけたくない、という方ならスレートや金属屋根など他の屋根材から検討しましょう。

 

2-7 【短所②】重いので家に負担がかかる

和瓦の重さはスレートの2倍になります。

そのため、リフォームで和瓦へのふき替えはおすすめできません。

家が和瓦の重さに耐えられないケースがあるためです。

和瓦以外の和風の外観にリフォームしたいという方なら、金属製のもので瓦のデザインを再現したものがあるのでその中から選びましょう。

 

2-8 【短所③】凍害現象が起こる場合がある

寒冷地の場合は、まれに「凍害現象」が起こる場合があります。

瓦から吸収された水が凍ることで体積が膨張し、内側から瓦を欠けさせてしまう為です。

家の中まで水は侵入しませんが、完全に吸収しないわけではありません。

特に寒暖差の激しい地域で起こりやすい現象です。

放置すると雨漏りの原因となります。

発生した場合は、専門業者に傷んでしまった瓦の交換を依頼することで対処可能です。

 

■凍害現象が発生した和瓦

凍害現象

出典:有限会社宮原窯業

 


3章 当てはまったら補修必須!4つのチェックポイント

和瓦の補修が必要な症状を4つ紹介します。

当てはまったら、業者に補修を依頼しましょう。

自分でチェックできることもありますが、基本的に屋根は見えづらい箇所です。

屋根点検は多くの業者が無料で実施しているので、1度依頼してみましょう。

 

★台風後は必ず屋根点検!

大型台風などが通過した後は、念のためでも屋根点検を業者に依頼しましょう。

気づかないうちに飛来物で瓦の一部が破損してしまっている可能性があるためです。

屋根はどうしても見えづらく、お家の方でも気づかないままになってしまうことが多いです。

そうなると、そこから雨水が侵入し雨漏りしてしまう恐れがあります。

まあうちは大丈夫かな…と思っても、必ず1度は点検を依頼しましょう。

 

3-1 頂上の瓦がゆがんでいる

和瓦

屋根の頂上の瓦(棟瓦)がゆがんでいたら、棟瓦の積み直しが必要です。

瓦の中にある漆喰が剥がれてしまい、固定する力が無くなってしまっているためです。

 

1Fの屋根(下屋根)なら、2Fからチェックできる場合もあります。

棟瓦の積み直しについて詳しくはこちら(4-4)をご覧ください。

 

3-2 瓦が無いor破損している箇所がある

和瓦

瓦が破損していたり、なくなっている箇所がある場合は瓦の交換(差し替え)が必要です。

雹や強風による飛来物の衝撃で割れてしまったり、欠落してしまう場合があります。

放置していればそのまま水が入って雨漏りの原因となってしまうため、見つけたら早急に対応しましょう。

 

差し替えは、建てたときの予備瓦が残っているお家ならそのまま使用できます。

無い場合は同じ形状・似た形状の瓦を取り寄せてもらうことになります。

瓦の交換については、こちら(4-2)をご覧ください。

 

3-3 瓦がずれている箇所が多数ある

和瓦

瓦のズレが多数ある場合は、葺き直し(締め直し)が必要です。

一部だけならそこを差し直せばよいですが、全体的にずれが出ていた場合は、屋根を固定する漆喰や下地が弱っている状態と考えられだからです。

 

放置すると屋根から滑り落ち、人に当たってしまう恐れがあり大変危険です。

早めに業者に補修を依頼しましょう。

葺き直しについてはこちら(4-4)をご覧ください。

 

3-4 瓦の隙間を埋める漆喰が崩れている

和瓦

漆喰が崩れていたら、漆喰補修が必要です。

漆喰が瓦を固定する力が弱くなってしまっているため、強風や地震で瓦が落下しやすくなってしまっているからです。

屋根は高所なので間近でチェックするのは難しいですが、屋根や庭にコンクリートの欠片のようなものが落ちていたら、漆喰が傷んでしまっていることが多いです。

業者に点検と補修を依頼しましょう。

 

漆喰補修については、こちら(4-3)をご覧ください。

 

3-5 雨漏りしている

すでに雨漏りしてしまっている場合は、葺き替えが必要です。

屋根の下地やお家の内部の木材まで傷んでしまっているためです。

 

そのままにしているとさらに傷みが進んでしまうため、葺き替えで新しい木材へ交換する必要があります。

葺き替えについてはこちら(4-5)をご覧ください。

 


4章 家を長持ちさせるメンテナンス5

和瓦に必要な5つのメンテナンスと費用相場を紹介します。

表面の塗装は必要ありませんが、瓦を固定する漆喰や部材は経年劣化してしまうためです。

知っておくと、適切なメンテナンスで雨漏りも防げるので屋根だけでなく家全体を長持ちさせられます。

 

4-1 10年に一度の屋根裏点検:地元業者なら無料

10年に一度は屋根裏の点検を、専門業者に依頼しましょう。

瓦の表面から水が浸み込む心配はありませんが、屋根裏にある防水紙が傷んだままになっていると、雨漏りの原因となるためです。

ほとんどの業者が無料で実施しているので、お近くの業者がおすすめです。

 

築年数の古いお家だと、瓦の隙間から水が入ってくる場合があります。

雨漏りを防ぎ、長持ちさせるためにも必ず点検は依頼しましょう。

 

4-2 瓦の交換:1~5万円/枚

和瓦

割れてしまっているものがある場合は交換が必要です。

割れたところから雨水が侵入し、雨漏りの原因となるためです。

アンテナが強風で倒れてしまったときや、雹など物がぶつかったことが原因で割れてしまうケースが多いです。

台風や雹のあとは必ず点検を依頼し、割れている場所は早めに交換を行いましょう。

 

4-3 漆喰補修:2,200~7,000円/m

漆喰補修

漆喰とは、瓦と瓦の隙間を埋めて固定する役割をしています。

崩れていたり、剥がれていたら補修が必要です。

そのままにしておくと隙間から水が入り、雨漏りの原因となるためです。

コンクリート片が屋根の近くに落ちていたら、崩れた漆喰の可能性が高いです。

業者に点検や補修を依頼しましょう。

 

漆喰の劣化や補修について詳しくはこちらをご覧ください。

 

4-4 葺き直し(締め直し):10,000~18,000円/㎡

和瓦

葺き直しとは瓦を一度剥がし、補修を行ってから、再度瓦をもとの場所に積みなおす工事です。締め直し、とも言います。

この工事ができるのは、和瓦が何十年と使用できる高い耐久性を持っているためです。

元の瓦をそのまま使用できるので、瓦の処分費用新しいものを取り寄せるコストが抑えられます。

コストを抑えて長持ちさせたいなら、締め直しでお家を長持ちさせましょう。

棟瓦部分のみ行う場合は、積みなおしとも言う

和瓦

瓦の頂上部分の瓦(棟瓦)のみ締めなおす場合は、積みなおしと呼ぶ場合があります。

台風で棟のみ崩れてしまうことがあるため、この部分だけ行う場合があります。

 

4-5 葺き替え:100~200万円

屋根葺き替え

雨漏りしてしまった場合や、耐震性能を高めたい場合は屋根のふき替えを行いましょう。

雨漏りしている場合は、屋根の下地を交換する必要があるためです。

また、和瓦よりも軽い屋根材にすることで地震の際の揺れを軽減する効果も得られます。

屋根材にはいくつか種類があり、見た目や機能も異なります。

費用相場は、80~100㎡の屋根でおよそ100~200万円ほどになります。

 

良く選ばれる屋根材や葺き替え費用については、こちらの記事をご覧ください。

 


まとめ

和瓦は、他の屋根材に出せない風合いや重厚感のある雰囲気が魅力です。

屋根材の中で耐久性が一番高いため、定期的な点検適切なメンテナンスで長持ちさせられます。

耐久性以外にも、遮音性や断熱性の高さを持っているので、何世代にもわたって快適に暮らすことができます。

ただ、重たく耐震性には注意しなければならないのが難点です。

 

メンテナンスが必要な症状は、以下の4つです。

  • ①頂上の瓦がゆがんでいる
  • ②瓦が無いor破損している箇所がある
  • ③瓦がずれている箇所が多数ある
  • ④瓦の隙間を埋める漆喰が崩れている

 

高所のため自分でチェックするのは難しいです。

多くの業者は無料で点検を行っているので、一度依頼してみましょう。

 

メンテナンスが必要な状態で放置すると、そこから雨水が侵入し、雨漏りの原因となります。

早めに適切なメンテナンスを行うことで、雨漏りを防止し、お家全体を長持ちさせていきましょう。

 

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