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屋根塗装工事の見積もりを取ったら、見積書に「タスペーサー」という見慣れない文字が。
「タスペーサーって何?」
「どんな作業なの?」
「本当にうちの屋根にも必要なの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
タスペーサーなんて普段の生活で使うことは無いですから聞き馴染みがないのも当然です。
ただ実は、屋根塗装を行う予定の方には知っておいてほしい重要なものなんです。
そこでこの記事では「タスペーサー」はそもそもどんなものなのかを初心者の方でも分かるように丁寧に解説していきます。
また、「タスペーサー」が何なのか分かった後に気になるのが、本当にご自宅に必要かどうかですよね。
タスペーサーが必要な屋根の種類や施工できない例外ケースもご紹介しますので、ご自宅の状況と照らし合わせてご確認ください。
記事の後半では、タスペーサーの単価費用相場と、正しい施工方法についてもご紹介します。
ぼったくりの業者や知識のない業者対策になりますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
タスペーサーの知識を付けて大切なお家を守っていきましょう!
目次
1章 タスペーサーとは|雨漏りを防ぐ縁切り部材
タスペーサーとは、セイム株式会社が製造している製品で、屋根と屋根の間に隙間を作るための「縁切り部材」です。
「縁切り」とは、“屋根と屋根の間に隙間を作る作業”のことです。
新築時、屋根と屋根の間には隙間があり、屋根に降り注いだ雨もその隙間から外に流れていきます。
ただし屋根を塗装すると、屋根の縁がくっついてしまい、水がはける道が塞がってしまいます。
この状態を放っておくと屋根の内部に水が溜まり、雨漏りや内部結露を起こす危険性が高まります。
そこで昔から「縁切り」という作業を塗装後に行なっていました。
従来のやり方では「塗膜カッター」というものを使い、塗装が完了した後に手作業でくっついた塗膜を切っていました。
しかし、この方法は時間もかかり、さらに結局塗膜がくっついてしまうことも。
▲塗膜カッターでの縁切り後くっついてしまった屋根
そこで製造されたのが「タスペーサー」です。
タスペーサーは屋根同士の間に挿入するだけで、①塗装後も隙間も確保でき、②時間も短縮され、③見た目も気にならずに縁切りをする事が出来ます。
今ではメジャーになってきてはいるものの、昔からの職人や知識のない業者ではいまだに取り扱っていないケースもあります。
屋根塗装の際には、タスペーサーを使って縁切りをしてくれるか確認しましょう。
2章 タスペーサーが必要な屋根の種類
縁切り部材として活躍する「タスペーサー」がどんな屋根に必要なのか解説していきます。
ご自宅の屋根塗装で必須項目になるのか確認していきましょう!
2-1 入れるべきは「スレート屋根」
タスペーサーの挿入が必要なのは基本的にスレート屋根(コロニアル・カラーベスト)です。
スレート屋根は、薄い屋根材で塗装によって屋根同士がくっつきやすくなるのでタスペーサーが必須になります。
ただし、スレート屋根であってもタスペーサーが挿入できないケースがあります。
次章で詳しく見ていきましょう。
2-2 スレート屋根でも施工不要のケース
一般的にスレート屋根の塗装で挿入されるタスペーサーですが、施工できないケースがあります。
施工出来ない理由と対処方法について解説していきます。
①屋根の傾斜が緩すぎる
屋根の傾斜が3寸勾配(17度)未満の平らに近い屋根の場合は使用できません。
家の図面をお持ちの方は以下の箇所を確認してください。
■立面図 屋根勾配の記載例
参考図の勾配は4寸勾配です。
参考図の4の部分が3未満の数字になっていた場合は3寸勾配未満です。
3寸未満の場合は、塗膜カッターでの縁切りが必要です。
タスペーサーが使用できなくても縁切りは必ず行いましょう。
②屋根材が反っている
屋根が劣化で反りあがり、3~4㎜以上の隙間が空いていた場合はタスペーサーを挿入できません。
なぜなら入れ込んだとしても抜けてきてしまうからです。
隙間が確保されて入れば、塗装後も水がはけるので縁切りの作業は不要です。
ただ、ご自宅の屋根が反っている状態なのかどうかは、屋根の状態を直接見てみないと分かりません。
屋根に登って点検するか、ドローンや高所カメラを使って確認してもらいましょう。
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3章 タスペーサーの単価相場は300~600円/㎡
タスペーサーによる縁切りの単価相場は300~600円/㎡です。
30坪80㎡の屋根の場合は約24,000~48,000円ということになります。
従来の塗膜カッターでの縁切りは作業時間がかかったため600~800円/㎡(80㎡の屋根で48,000~64,000円)程でした。
したがって従来の縁切り作業よりもお得に工事が行うことができます。
4章 タスペーサーの正しい施工方法
タスペーサーの正しい施工方法についてご説明します。
正しい施工方法で挿入しないと、不具合に繋がってしまいます。
知識がない業者や手抜きをする業者に騙されないためにも、正しい施工方法を把握しておきましょう。
4-1 取り付け方
正しい取り付け方について解説します。
取り付け方は、屋根の幅によっても変わります。
ご自宅に取り付けてもらう際は、カタログ通りの正しい方法で施工されるのか写真を撮ってもらってチェックしましょう。
▪幅が60㎝の屋根の場合=シングル工法
60㎝幅のスレート屋根はどちらか片側から10~15㎝のところに一つ取り付けます。
▪幅が90㎝の屋根の場合=ダブル工法
90㎝幅のスレート屋根は両側から10~15㎝のところに一つずつ取り付けます。
4-2 取り付けるタイミング
タスペーサーを取り付けるタイミングについて解説します。
タスペーサーは屋根の下塗り後に取り付けていきます。
ただし、01の場合は高圧洗浄後に取り付けてもOKです。
⋆タスペーサーの種類 タスペーサーの中には01(左)と02(右)という種類があります。 大抵の場合は02を使用しますが、強溶剤の塗料には対応できないので、強溶剤系の塗料を塗る場合は01を使用します。 ※03という種類もありま↓が、現在は生産終了しています。 |
取り付け後はタスペーサーは入れたままです。
数年後、庭に落ちてきたなど外れるケースもありますが、タスペーサーが外れるほどの隙間があるということなので縁切り機能的に問題ありませんのでご安心ください。
まとめ
いかがでしたか。
タスペーサーは屋根塗装後に雨漏りが発生しないように縁切りをするための部材のことです。
従来は「塗膜カッター」で塗装後に塗膜を切っていましたが、現在はほとんどの業者が「タスペーサー」を使用しています。
主にスレート屋根の塗装の際に使用され、単価相場は300~500円です。
知識のない業者に依頼すると、タスペーサーを省かれてしまったり、正しい施工方法で取り付けてもらえないこともあります。
タスペーサーを理解して、スレート屋根の塗装工事を安心して行っていきましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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