ベランダが傷んできた…。
ウレタン防水の材料さえあれば自分で手入れ出来るかな?
と、考えている方もいるのではないでしょうか。
比較的面積の小さいベランダなら、材料もそろえやすくDIYも可能です。
ここでは、ウレタン防水をベランダに施工する場合に必要な材料を紹介します。
また、その際の手順や失敗を防ぐ為のポイントをお伝えします。
ポイントをおさえておくことで、綺麗に仕上がります。
この記事を読むことで、必要な材料や道具がわかるだけでなく、材料の選定から完成まで、自分で出来るようになります。
初めてでも出来るように、プロが専門知識をわかりやすく説明します!
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 ベランダをウレタン防水する場合の材料、価格、入手方法
初めてのウレタン防水だと、何から買えばいいのか、なかなかわからないですよね。
ここでは、ベランダ防水に必要な材料、値段のこと、入手方法についてまとめました。
プロがおすすめするものを紹介しています。
Web上ですべて手に入るので、ここから揃えてみましょう。
ベランダの面積を測っておきましょう
お家のベランダがどの位の面積なのか、最初に測っておきましょう。
下塗り材や防水材は、面積によって必要な量が異なります。
材料購入の際も、「〇㎡用」など1缶で施工できる面積が記載してある場合もあります。
パッケージや説明書を確認してみましょう。
使用する工程 | 必要なもの |
高圧洗浄(水洗い) :高圧洗浄機で、ベランダに付着している汚れ(コケ、カビ等)を洗浄します。 家庭用のものでも問題ありませんが、ない場合や買うのは予算的に難しい…という場合はデッキブラシと水で洗浄していきます。 | ■高圧洗浄機orデッキブラシ リョービ 高圧洗浄機 AJP-1310(楽天) 吐出圧力(水の勢いがどの位か表します)が7MPa以上ある物を選びましょう。 木柄ナイロンデッキブラシ(モノタロウ) 軽くこすっただけだと落ちないものもあるので、力の入れやすいデッキブラシがおすすめです。 |
養生 :防水材を塗る前に、塗料や防水材の飛散や汚れ防止の為に使用します。 | ■マスカー
幅が1m以上あるものを選びましょう。 ベランダの周りの外壁も無駄なくカバーできます。 |
下地調整 :ウレタン防水の前に下準備として補修します。 綺麗に、そして長持ちするように仕上げるには重要な工程です。 | ■皮スキ 剥がれかかった塗膜を剥がすのに使います。
■シーリング材 「アクリルウレタン系」、「ノンブリードタイプ」と書いてあるものを選びましょう。 また、表面に汚れやシワが出ないので綺麗に仕上がります。
■プライマー シーリング材と下地との接着剤です。
■コーキングガン シーリング材を取り付けて使用します。 重量が軽く、取り扱いやすいものがおすすめです。 |
防水施工 :いよいよ防水の施工に入ります。 広さの限られたベランダで、作業しやすいように道具をそろえます。 | ■バケット、内容器 プライマーやトップコートを入れるのに使います。 いつも使うわけではないのなら、セットになっているものの方が無駄なくそろえられます。
・バケット(写真右、黒い容器) 防水材や下塗り材を入れておくための容器です。ローラーに合ったサイズのものがおすすめです。 ・内容器(写真左、白い容器) バゲットの内側にセットして使います。内容器に材料を入れると洗ったりする必要がなくなり効率が上がります。
■防水ローラー防水ローラー スモール(モノタロウ)
ウレタン防水材のような粘度のあるものでも、作業しやすいローラーです。
ローラーをローラーハンドルに取り付けて使用します。
防水材をむらなく広げて塗るのに使います。 50cmと幅が広いので、効率よく作業ができます。
■刷毛 際や排水溝の周りなどローラーが入りづらい箇所は、ハケで防水材を塗ります。
■コーキングヘラ ソフトコーキングヘラ(モノタロウ) シーリング材をひび割れに充填したあと、これで表面をならします。
■マスキングテープ
ひび割れの補修の際に使います。 マスキングは粘着力が強すぎないので、ベランダの表面に跡が残りません。 |
防水施工 :ウレタン防水の一般的な耐用年数は約10年です。 今回は、扱いやすい「プルーフロン1液性」をご紹介します。 硬化剤を施工前に混ぜなくていいため、施工したけどうまく固まらない…などのトラブルを避けられます。 厚みのある塗膜を作ることができるので、プロでない方でも耐久性のある仕上がりにできます。 | ■架台
室外機を置いている箇所は、専用の台で浮かせて施工します。 塗り終わったら細い足先部分だけ修正すれば良いので、作業しやすいです。
■プライマー
ベランダと防水材との接着剤の役割をします。
■防水塗料
下塗りを塗った後、2回に分けて塗ります。 |
トップコート :防水材のみでは紫外線に弱く、すぐにひび割れてしまうため、トップコートで紫外線から守ります。 | ■トップコート プルーフロンC-200専用トップコート(モノタロウ) ※1缶で施工できるのが4㎡のため、一般的なベランダ(8㎡以上)なら2つは必要です。 |
必要なものがそろったら、手順をチェックしてみましょう。
2章 ベランダ防水工事の施工手順と期間の目安
防水工事は、工程が1つでも抜けてしまうと失敗の原因となります。
工事の前にどのような流れで施工するのか確認しておきましょう。
施工にかかる期間の目安は3-4日間です。
雨の日は施工が出来ないため、天気予報を確認し晴れが続いている時期に施工しましょう。
なぜなら、雨の日に施工してしまうと後から剥がれたり、表面が膨れてしまう原因となるためです。
雨の日は避け、一つ一つ確実に行いましょう。
2-1 表面の汚れを落とす(高圧洗浄)
高圧洗浄機、またはデッキブラシを使い、細かい汚れも一緒に落としていきます。
汚れを残さないことで、プライマーや防水材を下地に定着させるためです。
■洗浄前のベランダ
■洗浄後のベランダ 表面の苔、砂埃がなくなるまで洗浄します。 室外機の裏も一緒に洗浄しましょう。 |
2-2 下地調整
剥がれかかっている塗料があったら、皮スキで剥がしていきます。
これをしないまま施工すると、後から防水材が剥がれる原因となるため、必ず行いましょう。
■皮スキで塗料を剥がしている様子 出典:アトムペイント |
また、ひび割れがあればシーリング材で補修します。
シーリング材を使用した場合は、固まるまで24時間置いてから、次の工程に移りましょう。
■シーリング材でひび割れを補修する
出典:アトムペイント
マスキングテープをひび割れ箇所の左右に貼り、シーリング材を充填します。
シーリング材の上から、ヘラでならすと凹凸が目立たなくなり、仕上がりも綺麗です。
2-3 養生
マスカーで窓や周りのベランダ外壁を、防水材で汚れないようにカバーします。
植木やプランターを置いている場合は室内に移動させましょう。
2-4 下塗り材(プライマー)を塗る
下塗り(プライマー)は、下地と防水材との接着剤の役割をしています。
下塗り材がないと、防水材が剥がれてしまいます。
■下塗施工の様子 防水材はコテやローラーで塗布します。 室外機のある箇所は架台(写真右端)に乗せ、浮かせてから施工します。 際の細かいところは刷毛を使って塗っていきます。 |
2-5 防水塗料を塗る
防水塗料は二度塗りして厚みをつくります。
厚みがないと、十分な防水効果が得られません。
缶の中で分離していることがあるため、一度逆さにして数回振ってから使いましょう。
ベランダ床に少しづつ防水材をあけて、スキージーかコテでのばし、ムラが出ないように塗っていきます。
一回塗るごとに、材料ごとに決められた時間を空け(乾燥時間)、次の工程に入りましょう。
その時間を守らないと、防水塗料が完全に固まらないため、表面の剥がれや膨れの原因になります。
例:プルーフロンの乾燥時間
|
2-6 トップコートを塗る
二回目の防水塗料の乾燥が終わったら、トップコート塗料をバゲットにうつし、ローラーで塗っていきます。
トップコートを塗ることで、紫外線による劣化を防ぎます。
斜めにローラーを動かして塗ると、ムラなく綺麗に仕上がります。
2-7 養生をとる
トップコートが完全に乾いてから養生を取りましょう。
トップコートが固まっていないと、足跡がついてしまう恐れがあるためです。
室外機をもとに戻すのもこのタイミングで行いましょう。
この工程が終わったら完成です。
3章 自分で施工する際に気を付けるべき3個のポイント
失敗を防ぐ為のポイントを3つ紹介します。
抜けのない工程と、このポイントさえ押さえれば綺麗に仕上がります。
業者に依頼する場合も低質なところだと以下のポイントが抜けている場合があるので、注意が必要です。
しっかり押さえておきましょう。
3-1 完全に乾かしてから施工する
洗浄が終わった後は、最低でも1日はあけて施工しましょう。
なぜなら、湿気や水分が残ったままだと表面が膨れてしまう原因となる為です。
ベランダは周りが壁に囲まれている分、湿気が抜けにくく、雨の日の後も濡れたままになっていることが多いので、注意が必要です。
綺麗な仕上がりにするために、完全に乾いてから施工しましょう。
3-2 剥がれかかっている場所は完全に剥がす
施工前に表面の塗料が剥がれかかっている箇所は、皮スキで剥がしましょう。
傷んだ塗膜の上からそのまま施工してしまうと、防水材が定着しないため後から剥がれてしまうからです。
完全に剥がしてから施工することで、失敗も防げるだけでなく、後からやり直す手間も省けます。
必ず剥がれかかっている箇所は完全に剥がしましょう。
3-3 材料ごとに決められた分量を守る
ベランダの面積を測っておき、適切な量を使いましょう。
なぜなら、防水材は厚みがないと本来の効果を発揮できないためです。
面積に合った防水材、下塗り材の量を用意することで、十分な厚さの防水層を作ることができるため失敗を防げます。
必ず、面積に合った必要量を確保しましょう。
4章 ここまで読んで難しいなと感じたら、専門業者に依頼した方が安心
ちょっと自信ないかも、難しいな…と感じたら、
自分で施工するよりも専門業者に依頼しましょう。
綺麗に仕上げるには技術が必要で、仕上がりにムラがあれば剥がれてしまい、やり直しに余計な費用な時間がかかってしまう為です。
下記の表で、自分でする場合と業者に依頼する場合を比較しています。
※自分で行う場合、高圧洗浄機を購入するかどうか、材料によって価格は大きく変化します。
項目 | 自分で施工する | 専門業者に依頼する |
価格 | 約2.4~6.3万円程度 (8㎡のベランダ) | 約4.5~6万円程度 (8㎡のベランダ) |
メリット | 自分の都合の良い時期に工事出来る。 業者選びの手間を省くことが出来る。 | 材料の手配から完成まで全て任せられる。 ノウハウや技術があるので失敗してしまうリスクを避けられる。 |
デメリット | 経験や知識がない状態で行うと綺麗に仕上がらないことがあり、やり直しが必要になるケースがある。 そのための余計な費用が掛かり、かえって高くなる恐れがある。 | 業者選びに時間がかかるケースもある。 春や秋の繁忙期になると、希望の時期に工事が出来ない恐れがある。 |
自分で行うと、一から材料をそろえなくてはならないため、業者よりもかえって高くなってしまうこともあります。
また、技術のある業者に依頼する方が失敗も防げます。
少しでも難しいなと感じたら、無理に行うことはせず、専門業者に依頼しましょう。
まとめ
いかかでしたか?
ベランダ防水は材料を揃え、手順を知れば自分で行うことができます。
ただし、塗り方や下地調整など技術が必要な部分もあり、慣れない作業で失敗してしまう恐れもあります。
重要なのは剥がれてしまったり、表面が膨れてしまう等の失敗をしないことです。
確実にお家を守るために、少しでも難しいかも?と感じたなら専門業者に防水工事を依頼しましょう。
失敗しない工事で、やってよかったと思えるものにしましょう。
◆やっぱり業者に依頼しようという方はこちらをお読み下さい
→ウレタン防水の適正単価と見積もりで分かる優良業者の見分け方
お読みいただきありがとうございました。