初めてのベランダ防水工事。
いくら位掛かるのか気になる方も多いですよね。
また、高すぎるのか安すぎるのか分からないと困ってしまいますね。
例えば、10㎡のベランダなら、防水工事の費用相場は約7~15万円程です。
但し工事金額は、どのような工法を使うのかで変わります。
お家に合った工法でないと、防水効果を発揮できずあとから剥がれてしまったりする恐れがあり、直すのにも余計にお金が掛かってしまいます。
そこでこの記事では、ベランダ防水に掛かる費用やその内訳を詳しく紹介します。
また、シチュエーション別であなたのお家にあった工法の選び方をお伝えします。
読むことでお家のベランダにあった工事を適正費用で行うことができます!
是非最後まで読んでみて下さいね。
目次
1章 ベランダ防水の2種類の工法とその費用
ベランダ防水の費用とその内訳を紹介します。
一戸建ての住宅で行われるベランダ防水の方法は、「ウレタン防水」と「FRP防水」の2種類です。
どちらも工期が短いうえに、扱っている業者が多く失敗が少ないため、一般的に広く使用されています。
それぞれの施工費用の相場は以下の通りです。
詳細な内訳は1-1、1-2で紹介します。
■ウレタン防水
工法 | 費用相場 | 耐用年数 |
通気緩衝工法 | 8~15万円 | 10~15年 |
密着工法 | 8~12万円 | 8~10年 |
■FRP防水
費用相場 | 耐用年数 |
10~15万円 | 10~12年 |
※どちらも一般的な10㎡のベランダに施工した場合。
補足:雨漏りしている場合、密着工法はNG ベランダから雨漏りしていることが考えられる場合は、密着工法は避けましょう。 なぜなら、密着工法ではベランダやその内側にある湿気や水分の逃げ道が確保できない為です。 密着工法で施工してしまうと後から膨れたり、剥がれたりする原因となります。 こうなってしまうと再度やり直しが必要となり、余計な費用と時間がかかってしまいます。 失敗しないためにも、お家の状態にあった工法で工事をするようにしましょう。 |
1-1 ウレタン防水工事費用の内訳
ベランダにウレタン防水を施工した場合の内訳詳細を紹介します。
ウレタン防水とは、床にウレタン樹脂でできた防水材を塗装し、紫外線から守るためのトップコートで仕上げる方法です。
材料が液状のため、複雑な形状の場所でも綺麗に仕上げられるのが特徴です。
■通気緩衝工法と密着工法で共通しているもの
内訳 | 単価 |
高圧洗浄 ※高圧洗浄機で汚れを落とします。 | 200~300円/㎡ |
下地処理 | 200円/㎡ |
下地補修 ※膨れやひび割れがあれば補修し平らにしていきます。 | 200~300円/㎡ |
改修用ドレン設置 ※雨樋に水を流す為の排水口です。 | 15,000円/1箇所 |
廃材処分費用 ※工事で発生した材料の処分費です。 | 10,000~30,000円(一式) |
管理費 ※事務処理や施工現場の管理に掛かる人件費です。 | 10,000~30,000円(一式) |
諸経費 ※材料の運搬費等です。 | 10,000~30,000円(一式) |
足場架設 | 700~900円/㎡ |
ウレタン防水 | 4,500~8,500円 |
雨漏りがない場合は「密着工法」、雨漏りがある場合は「通気緩衝工法」と使い分けて施工していきます。
通気緩衝工法は、施工箇所が雨漏りしている場合に行います。
ウレタン樹脂の防水材の塗布に加え、通気緩衝シートや、脱気筒で湿気の逃げ道をつくります。
■通気緩衝工法の場合のみ、必要なもの
内訳 | 単価 |
脱気筒設置 ※湿気を逃がす為のパーツです。 | 10,000~12,000円/1箇所 |
補足:ベランダ防水のみ行う場合、足場がなくても工事できるケースが多いです。 なぜなら、一戸建ての場合は室内からベランダに出入りしたり、外からはしごをかけるだけで出入りが可能なためです。 但し、はしごをかけるスペースがない場合や、はしごが届かない場合は足場が必要となります。 なるべく余計なコストをかけずにメンテナンスをしたい方は、外壁や屋根塗装のついでに防水工事を行うと、同じ足場をそのまま使えて足場代の節約ができますよ。 |
1-2 FRP防水工事費用の内訳
FRP防水をベランダで行った場合の内訳を紹介します。
FRP防水は、ポリエステル樹脂を塗装し、ガラス繊維でできたマットで補強してトップコートで仕上げる方法です。
内訳 | 単価 |
高圧洗浄 ※高圧洗浄機で汚れを落とします。 | 200~300円/㎡ |
下地処理 | 200円/㎡ |
下地補修 ※膨れやひび割れがあれば補修し平らにしていきます。 | 200~300円/㎡ |
改修用ドレン設置 ※雨樋に水を流す為の排水口です。 | 15,000円/1箇所 |
廃材処分費用 ※工事で発生した材料の処分費です。 | 10,000~30,000円(一式) |
管理費 ※事務処理や施工現場の管理に掛かる人件費です。 | 10,000~30,000円(一式) |
諸経費 ※材料の運搬費等です。 | 10,000~30,000円(一式) |
足場仮設 | 700~900円/㎡ |
FRP防水 | 6,000~8,000円 |
2章 【シチュエーション別】適切な工法の選び方
ウレタン防水とFRP防水のなかで、どれがお家にあっているのかをフローチャートを使って紹介します。
あてはまるものを選ぶことで、機能と価格、どちらも両立させられます!
2-1 洗濯物を干すだけならウレタン防水
費用相場※1 | 8~12万円 |
耐用年数 | 8~10年 |
メリット | ・液状の防水材を使う為、複雑な形状のベランダにも対応可能。 ・比較的安価に済むため、リフォームする人にも人気。 |
デメリット | ・熱を加えたり、重いものを乗せると劣化がはやまる。 ・防水材の乾燥が遅く、工事に時間がかかる。 |
工事期間※2 | 2~4日 |
※1一般的な一戸建てのベランダ10㎡の場合
※2晴れの日が続いた場合。
ベランダは洗濯物を干す以外では使わない方なら「ウレタン防水」がお勧めです。
なぜなら、あまり物を置いたり、大人数で出入りする予定がないのであれば、十分な耐久性を保てるからです。
また、ベランダ防水の中で比較的安価に済ませられるメリットがあります。
但し、表面が柔らかく火に弱い為、重量物を置いたり、外でBBQ等をすると傷んでしまう恐れがあり不向きです。
さらに、雨漏りしてないなら「密着工法」、雨漏りしているなら「通気緩衝工法」と使い分けると失敗してしまうリスクを防げます。
2-2 BBQやガーデニングを楽しみたいならFRP防水
費用相場※1 | 10~15万円 |
耐用年数 | 10~12年 |
メリット | ・ガラス繊維を使って施工するため、耐久性があり熱にも強い。 ・ウレタン防水よりも、工期が早く済ませられる。 |
デメリット | ・下地の材質や状態によっては施工できない場合がある。 ・施工中に臭いが発生する。 |
工事期間※2 | 1~2日 |
※1一般的な一戸建てのベランダ10㎡の場合
※2晴れの日が続いた場合。
ベランダにプランターを置いてガーデニングをしたり、BBQ等を楽しみたいという方なら「FRP防水」がおすすめです。
なぜなら、熱や薬品に強い防水材だからです。
この防水なら表面に火花や肥料が飛んでも傷みにくいので、安心して楽しめます。
また、硬くて丈夫なので、ベンチなどを置きたい方にもおすすめです。
必要最低限しか使わないけれど長持ちさせたい方も、FRPにしておくと、ウレタン防水よりも長持ちさせられます。
3章 雨漏りしている場合の追加で掛かる費用目安
万が一、ベランダからの雨漏りがあった場合、追加工事が必要となります。
一般的によくあるのは、
- ・ベランダ周りの外壁張り替え工事
- ・笠木(手すり)の修繕・交換
です。
それぞれの詳細を解説していきます。
3-1 ベランダの周りの外壁の張り替え:約10~20万円
サイディングという外壁材を使用している場合は、張り替えが必要となる場合があります。
建ててから年数が経過しているお家の場合、外壁の表面が劣化して水を多く吸ってしまっているためです。
水や湿気を含んだままにしていると、外壁から侵入した水で家が内側から傷んでしまいます。
張り替えにかかる金額の目安は、ベランダの周りのみであれば約10~20万円程です。※10㎡程度の外壁の場合。
工事に掛かる内訳は以下の通りです。
内容 | 費用目安 |
足場代 | 700~900円/㎡ |
養生代 ※周りが汚れないようにするために、ビニール等でカバーします。 | 200~300円/㎡ |
材料撤去・処分費 | 800~1,000円/㎡ |
施工費 | 6,000~8,000円/㎡ |
ビス・シーリング代 ※外壁を固定するためのビスやシーリング材の費用です。 | 800~1,000円/m |
諸経費 | 30,000円(1式) |
3-2 ベランダの笠木や防水紙の交換:約7~19万円
実はベランダの雨漏り原因で良くあるのが、”笠木”という部分です。
|
笠木自体が経年劣化で錆びたり、固定している釘まわりに隙間ができ、そこから雨水が侵入して雨漏りするケースがあります。
水の侵入度合いによっては、笠木本体のほかに、内側にある防水紙や下地板も一緒に交換します。
費用の目安は約7~19万円程度です。
工事の内訳は以下の通りです。
内訳 | 費用目安 |
材料費 | 20,000~100,000円 |
施工費用 | 30,000~50,000円 |
撤去処分費用 | 20,000~30,000円(1式) |
諸経費 | 5,000~10,000円(1式) |
※3m程度のベランダ笠木の交換の場合の概算。
どのような笠木に交換するのかで、価格は大きく変わります。
交換する際は、錆に強いステンレス製がお勧めです。
4章 適正価格で施工してくれる業者を選ぶ為の3つのポイント
適正価格で施工してくれる業者の選び方を紹介します。
ベランダ防水は、本当に正しい工事が行われているのかを仕上がりのみで判断するのが難しいです。
ここにあてはまる業者を選ぶことで、高品質な工事にしていきましょう。
4-1 見積もりの内訳や詳細を記載してくれる
何にいくらくらい掛かるのかを、詳しく記載してくれる業者を選びましょう。
項目ごとに金額が分かることで、それぞれ適正価格で見積もりをしてもらえているかや、工事に必要な材料や工程が見積もりから抜けてしまっていないかが分かるからです。
金額の安さだけで選んでしまった結果、正しい手順で工事がされておらず防水効果を発揮できない仕上がりになってしまった…という失敗もあります。
必ず、合計金額だけをみて選ぶのでなく、内訳やそれぞれの項目が適正価格かどうかも確認してから工事を依頼するようにしましょう。
4-2 見積もり前に、最低でも30~60分程度現地調査をしてくれる
見積もり前に、30~60分程度の現地調査をしてくれる業者を選びましょう。
なぜなら、このくらいの時間をかけないと施工箇所の正確な面積や、どの位劣化してしまっているのかがきちんと把握できないためです。
たとえば、本来よりも大きい面積での見積もりだった場合、余計に費用を取られて損をしてしまいます。
少なすぎても、工事中に材料が足りなくなってしまって後から追加費用が掛かってしまう恐れがあります。
また、施工箇所の状態を把握しておくことで適切な工法や材料を提案してもらえるので、工事後も不具合が起こってしまうリスクを抑えられます。
4-3 自社職人で施工を行っている
自社職人で施工を行っている会社を選ぶと、コストを抑えつつ質の良い工事にできます。
なぜなら、防水工事は専門の知識やノウハウがないと高品質な工事に出来ないためです。
また、塗装工事と比べるとまだまだ出来る人が少ない為、別の会社に手伝ってもらっている業者も多いです。
自社の職人の施工でないと、その分余計にコストがかかってしまいます。
HPなどに自社職人で施工している旨が記載されていることもありますが、
無い場合は、自社の職人で施工しているかどうか担当者に直接聞いてみましょう。
5章 工事前に必ずするべき2つの質問
5-1 工事中にその日の進捗を報告してもらえる?
その日どんな作業をしたのか報告してもらえるか確認しましょう。
その際、以下のような回答だと理想的です。
口頭以外にも、作業日誌にその日の作業内容や進捗を職人や現場監督が記入して報告します。
日中、お仕事やお出かけで留守にする方も多いと思いますが、作業日誌に書いてもらうと後から内容を見返せるので、留守中も安心して工事を任せられます。
また、内容が分かれば工程に抜けがないかの確認も出来ます。
例:伝言ノート このサイト運営会社のユーコーコミュニティーでは、工事の進捗の報告に伝言ノートを使用しています。 職人や現場監督が、その日行った工事内容を記入するだけでなく、お客様が気になったことを記入いただける、交換ノートのような役割を持っています。 このノートがあることで、ご不在の間も後から工事の進捗を確認できるだけでなく、行ってほしいことの伝え漏れを防げるメリットもあります。 |
5-2 点検時や施工中の写真はもらえる?
点検時や施工中の写真は撮ってもらえるかどうか確認しましょう。
写真があると、施工前後の状態が後からでも把握できるので、工事してもらった箇所に抜けがないかわかるからです。
その際、以下のような回答だと理想的です。
ただ撮ってもらうだけでなく、多く撮ってもらうことで様々な角度から見ることができて分かりやすいメリットがあります。
また、使用した材料やその量も分かる写真だと、適正な量を使って施工しているかが分かります。
安心して任せられるようにするため、必ず写真を撮ってもらえる業者に依頼しましょう。
まとめ
ベランダ防水の費用は、どのような工法を選ぶかで変わってきます。
お家の状態や、どんな風に使っているかで選ぶことで、本当に適正価格の良い工事にしましょう。
特にベランダ防水は、工事後の仕上がりだけでは正しい工事をしてもらえているか判断が難しいです。
その為、価格だけで施工業者を選んでしまうと失敗してしまう恐れがあります。
安いかどうかでなく、お家にあった提案をしてくれているかどうかで選び、費用と質、どちらも満足いく工事にしていきましょう。
◆ベランダ防水が必要な時期は、床下の点検をした方が良い時期と重なります。
大事なお家を支える部分ですので、ぜひこの機会にチェックしてみて下さい。
→床下点検は必要!自分でもできる点検方法と確認すべき5つのポイント