2階の部屋が暑いから、屋根を遮熱塗料で塗ろうと思ってるけど、
白色が一番遮熱効果が高いって本当?
でも流石に目立ちそうで心配…とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
実際、白・ホワイト系の屋根は黒系よりも遮熱効果が高まります。
室内の温度が上がりにくくなるので、熱くなりやすいトタン屋根のお家や、工場などでもよく使われています。
しかし、一般の戸建て住宅では数が少ないのが事実です。
なぜなら、やはり白い色は非常に目立つのと、汚れやすいという欠点があるからです。
この記事では、白・ホワイト系の屋根の特徴をメリット・デメリットとも解説します。
白を選ぶ際はその特性をしっかり理解したうえで決断しましょう。
遮熱の機能性と見た目はどちらも大切ですから、できるだけ両立するためのポイントもお伝えします。
白系に決めた方には、遮熱効果がきちんと発揮される良い工事のコツを紹介しますので、ぜひ実践してくださいね。
また、塗装ではないですが、窓の「遮熱フィルム」というものを最後に少しご紹介します。
涼しく快適に過ごすために役立つものですので、興味のある方は是非ご覧くださいませ。
勇気がいる色選びだからこそ、後悔しない最高の塗装工事にしましょう。
※遮熱塗料とは: 日光の紫外線を反射することで屋根が熱を吸収するのを防ぎ、室内の温度上昇を減らす塗料の事です。 室温の上昇が抑えられるので、暑かったお部屋が過ごしやすくなる、冷房代の節約になる、電気使用が減るのでエコ、等のメリットがあります。 出典:日本ペイント |
目次
1章 白い屋根のメリット・デメリット
まずは屋根を白色・ホワイト系に塗装するメリット・デメリットを押さえましょう。
なぜなら、白の場合は「良いところだけ見て、デメリットを無視する」ことが難しいからです。
お家の塗り替えは住む人の環境と、周りからの見え方どちらも大事なポイントです。
選ぶ際は、きちんと両方の面を理解したうえで決断しましょう。
1-1 ○遮熱効果が高い
白色は、「遮熱効果」が最も高い色です。
なぜなら、暑さの原因である日光を一番反射してくれるからです。
白っぽい明るい色(明度が高い色)ほど、光を反射します。
出典:日本ペイント サーモアイシリーズカタログ
遮熱効果が高まることで、屋根の温度上昇が少なくなり、室内に伝わる熱も減ります。
そうすると、
・涼しく過ごせる(2℃~5℃程度下がる) ・冷房にかかる電気代が節約できる ・電気使用量が減りCO2削減(エコ)につながる |
等のメリットが得られるのです。
日当たりが良いお家ほど、日光により暑くなりやすいです。
涼しく快適に暮らしたい方は、遮熱塗料の中でも白系の色を選ぶのが最も効果的です。
遮熱塗料=日光を反射し、屋根の温度を下げてくれる
白色=その反射効率が最も良い
1-2 △事例が少なく目立つ
白色の屋根のデメリットとして最も大きいのは、「目立つ」ということです。
日本では、屋根は暗い色の方が落ち着きがあるとして好まれるからです。
昔ながらの瓦屋根も、黒や青などの濃い色が多いですね。
近年は洋風建築も増えましたが、それでも屋根は赤茶やグリーンなどの鮮やかな色合いです。
そうするとどうしても白は目立ってしまうのです。
ご近所であまり明るい色合いの家がなく、目立つのは嫌だという方は、白系の屋根は避けたほうが良いでしょう。
地域によっては景観法で、明るすぎる色の使用を制限しているところもあります。 白を検討する際は、念のため市町村等にご確認ください。 |
1-3 △汚れやすい
屋根に限らず、白っぽい色は汚れが目立ちやすいです。
なぜなら、主な汚れとなる土埃は黒~茶系で、白とは正反対の色だからです。
車の車体も、白などは汚れが目立ちがちですよね。
ただ、車なら洗車すれば綺麗に出来ますが、屋根は気軽に洗う事も出来ません。
10年に1度と言われている塗装だからこそ、早い段階から汚れが目立って洗いたくても洗えないというのは辛い物がありますから、
特に見た目を気にされる方は白系は避けましょう
※屋根の角度や、周りの建物の関係で屋根がほとんど見えないお家の場合は、見た目の心配がいらない為、白系でも不安が少なく塗装できるでしょう。 ■K・K様(横浜市戸塚区) 色も汚れも見えにくい、傾きの少ないトタン屋根のお家です。
■T・S様(相模原市南区) 前の道が狭く、下からでは屋根がほとんど見えないため、白に近いペールグリーンで塗装しました。 |
2章 機能性と見た目を両立する2つの工夫
遮熱効果の高い色で塗装したい、でも悪目立ちするのは嫌だ・・・
という方が多いですよね。
ここでは、少しでも見た目のデメリットを解消し、効果の高い色で塗装するための工夫を2つご紹介します。
機能性も、見た目も、お家にお住まいの方にとっては重要事項です。
両立させるために、ぜひ実践してみてくださいね。
2-1 周りから見えやすい下屋根は濃い色に変える
屋根は、一番上を「大屋根」、1階と2階の間にあるものを「下屋根」と言います。
下屋根は濃い色にして、大屋根だけ遮熱効果の高い明るい色にしてみましょう。
下屋根の方が圧倒的によく目に入りますし、家の作りや住宅の密集具合では大屋根は見えにくいことも多いからです。
この色分けだけで、周りから見て浮きにくくなります。
日光が一番当たるのは大屋根ですから、下屋根の色を変えたからと言って遮熱効果が大きく下がるということもありません。
塗装会社に依頼する際、「目立たないように下屋根だけ色を変えたい」と伝えてみましょう。
■大屋根と下屋根の色を変えたお家
|
2-2 グレーなど中間色を使う
遮熱効果のメリットと見た目のデメリットのバランスを取りたい場合は、
黒と白の間であるグレーのような、中間色を選んでみましょう。
真っ白でなければ遮熱効果が全く無い、という訳ではないからです。
遮熱塗料は、黒に近い色でも、一般塗料の黒色より室内の温度を下げてくれる効果があります。
ワントーン暗くした程度の色味であれば、十分に遮熱効果を発揮してくれます。
出典:関西ペイント アレスクールシリーズカタログ
青いグラフが遮熱塗料の日射反射率、赤が通常塗料です。遮熱塗料であれば、左側の暗い色(黒に近い色)でも、通常よりもはるかに日光を反射する効果があることが分かります。
出典:スズカファイン ワイドエポーレクールシリーズカタログ
反射率の高さで3段階に色を分けているカタログです。真っ白以外でも、最高ランクの反射率80%以上の色が7つもあります。中ランクでも65%以上あるので、遮熱効果は確かですし、色の種類もさらに豊富になります
真っ白でなく、少しでも色味が入れば、汚れも目立ちにくくなります。
また、カラーバリエーションも増えて外壁の色合いとも併せやすいので、
「悪目立ち」ではなく、「おしゃれ」なイメージにすることができますよ。
■T・H様(相模原市南区) 爽やかな水色が、イエローの外壁と良く合っています。
■Y・T様(座間市東原) ライトグレーの屋根ですが、外壁のベージュと近い明るさなので優しい雰囲気にまとまっています。 |
3章 遮熱効果が最大限発揮される工事にする3つのコツ
遮熱塗料で塗装しようと決めたら、施工業者がより良い工事をしてくれるよう、3つのことをやってもらいましょう。
なぜなら、どんなに高機能な塗料を選んでも、工事が良くないとその性能が発揮できないからです。
より高品質な工事にしてもらって、快適なお家を作りましょう。
3-1 工事中に毎日作業報告をもらう
屋根の塗装をする際は、ご自身でも工事の工程・進み具合を把握できるよう作業報告をもらいましょう。
なぜなら、良い塗装工事にするには、正しい工程が重要だからです。
作業報告の中でチェックすべきなのは、
・3回塗りしているか ・乾燥時間は空けているか |
の2点です。
塗料は一般的には3回重ねて塗りますが、1日で一気に3回塗れるわけではありません。
1回塗るごとにきちんと乾かす必要があります。
こうしないと、性能を発揮するための膜厚(塗料の膜の厚さ)が確保できないのです。
規定の塗り回数や乾燥時間は、塗料カタログに記載があります。
もし分からなくても、「1日1工程」ならおよそ問題ないでしょう。
作業報告には、「工程看板」や「作業日誌・記録書類」を毎日書いてもらうと分かりやすいでしょう。
■工程看板 先の予定が分かるだけでなく、毎日更新してもらえば雨天などによる工期のずれにも対応できます。 また、ご近隣にも見えるところに置いてあれば周りの方へのお知らせにもなります。
■記録ノート(作業日誌) 職人や監督に直接書き込んでもらうので、進捗がリアルタイムで分かりやすいです。 書面なら後で読み返すこともできて安心です。 |
塗る回数を省かれるのはもってのほかですし、
きちんと乾かさなければ塗料の性能や耐用年数も弱まってしまいます。
正しい工事をしてもらい、作業報告でそれが分かるようにしておきましょう。
注意!足場に上るのは大変危険です。絶対にご自身で上って見るのはやめましょう。 |
3-2 工事の様子を写真に撮ってもらう
工事中は作業の様子を工程ごとに撮影しておいてもらい、すべて提出してもらいましょう。
実際の屋根の様子は、ご自身では見て確認ができないからです。
3-1でお伝えした作業報告と合わせて写真もあれば、いつ何回目の塗りが進んだのかが明確になります。
また、写真を通して見られているとなれば、職人さんも気を入れて作業してくれます。
万が一にも手抜きをされる心配は少なくなるでしょう。
安心して屋根塗装を進めるためにも、ぜひ写真は撮ってもらいましょう。
3-3 塗料使用量が正しいか記録をもらう
遮熱塗装の際には、実際に使った塗料の量を教えてもらいましょう。
塗料が性能を発揮するためには、決められた正しい量を守る必要があるからです。
どの塗料も、「1㎡あたりこのくらい塗ってくださいね」という量が、カタログに書いてあります。
薄めてしまってはもちろん効果も弱まりますし、厚く塗りすぎても仕上がりが悪くなります。
しかし、絵具と違い、塗料は薄めても色が変わらないため、見た目だけではプロでも判別ができません。
実際使った量を知る必要があります。
はかりを使って計量している様子を写真に残してもらったり、
記録用紙にまとめてもらうとわかりやすいでしょう。
■はかりでの計量
■塗料記録シートの例 |
メーカーが定めたルールをきちんと守って施工しているか知る為に、使用料の記録をもらいましょう。
4章 涼しく過ごす快適アイテム:窓の遮熱フィルム
ここをお読みの方は、屋根塗装でお部屋を涼しくしたいとお考えだと思うのですが、
塗装以外でもできるものとして、「遮熱フィルム」をご紹介いたします。
遮熱フィルムとは、窓に貼って日光を遮断することで、室内の温度上昇を抑える効果のあるものです。
出典:ダスキン
こちらは色ではなく、透明度をお選びいただくようになります。
色の濃い(透明度が低い)ものほど遮熱効果が高まります。
日差しの入る南側はお庭などになっている方も多いと思いますので、
窓から見える景色やお部屋の明るさなどを考慮して選びましょう。
フィルムは内装リフォーム業者に依頼できますが、
屋根塗装の会社が内装も一緒に扱っていて対応できる場合もあります。
塗装工事の依頼するときにぜひ業者さんに聞いてみてください。
価格:20,000円~ |
また、もっと手軽に通販やホームセンターで購入して、ご自身で貼ることもできます。
価格:980円 |
さらに、窓フィルムには遮熱性能以外にも、様々な機能を持った製品があります。
- ・家具の日焼け、色あせ防止
- ・ガラスの飛散防止(災害対策)
- ・強度アップ(防犯対策)
- ・プライバシー保護
- など
ご自身の希望に合った機能の製品を選ぶことができます。
遮熱フィルムは、遮熱塗装と組み合わせての効果アップも狙えますので、
快適な住まいづくりにぜひお役立てください。
まとめ
いかがでしたか?
白い屋根に塗り替える際は、メリットとデメリットをしっかり理解したうえで決断しましょう。
工夫を取り入れることで、見た目と機能を両立させることも十分可能です。
屋根を遮熱で白系にするのであれば、外壁塗装の色選びはより自由にしてみて、楽しんでできると良いですね。
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これからも長くお住まいになるお家です。
今回の屋根塗装を通して、より快適で過ごしやすい素敵なお家にしてくださいね。
お読みいただきありがとうございました。