業者から、「そろそろ屋根を塗り替えた方がいい」と言われたあなた。
塗装の寿命ってどれくらい?本当に我が家の屋根も塗り替えしないといけないの?と疑問に思っているのではないでしょうか。
屋根塗装の寿命は、使った塗料のグレードによっておよそ決まっています。
寿命が来たら次のメンテナンスが必要です。
寿命を過ぎたのに放っておくと、雨漏りや大きな修繕工事につながってしまうので、寿命時期をきちんと知っておき、適切なタイミングでメンテナンスすることが重要です。
そこでこの記事では、屋根塗装の寿命を塗料別に紹介します。
また、見た目で分かる寿命が来ているサインも一緒にお伝えしますので、前回の塗料が良く分からないという方はこちらも参考にしてください。
さらに、次の塗り替えを検討する方のために、ライフプラン別におすすめ塗料も紹介します。
寿命について正しい知識を得て、適切なメンテナンスをするために、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 屋根塗装の寿命は約8~25年
屋根塗装の寿命は、塗料のグレードによって異なります。
なぜ年数に幅があるのかというと、グレードによって紫外線への強さ(耐候性)が違ってくるからです。
■塗料の寿命
塗料のグレードが高いと、その分長持ちしますが金額は高額になります。
※アクリル塗料は新築時にはよく使われますが、再塗装にはほとんど使われていません。
屋根にどの塗料を塗装したかは、塗装工事の契約書類を確認するか、前回塗装を依頼した施工業者に聞いてみましょう。
ただし、この年数はあくまで目安です。
次の章から、見た目でも判断できるサインを紹介します。
あなたのお家の屋根塗装が、本当に寿命なのか見てみましょう。
2章 塗装の寿命が来ているサイン4つ
ここでは、見た目で分かる屋根塗装の寿命が来ているサインを紹介します。
ただし、ご自身で屋根に登るのは危険なので、必ず業者に点検してもらうようにしましょう。
2-1 苔・カビ
屋根塗装に寿命が来ると、カビ・苔が繁殖します(↑写真の黄色っぽいブツブツがカビや苔です)。
塗装の防水効果が切れることで雨水を吸い込むようになり、屋根が常に湿った状態となるからです。
カビ・苔が根を張ると、屋根の中に入り込むことになるので、屋根材自体の耐久性も落ちてしまいます。
繁殖が進む前に、再塗装が必要です。
2-2 ひび割れ
本来屋根材は簡単にひび割れない、頑丈な建材です。
しかし、塗装に寿命が来ることで水を吸い込んで屋根自体が『膨張』し、乾いたときには『縮む』、というのを繰りかえすことでひび割れてしまいます。
ひびを埋めても、屋根が水を吸っている限りは別の場所が再びひび割れてしまいます。
根本的な解決の為、ひび割れを見つけたら塗装を行いましょう。
2-3 吸水
雨が流れたところが、黒い染みのようになっています。そこに水が染み込んでいる、という状態です。
これも塗装が劣化して寿命を迎え、雨水を弾かなくなったためです。
この状態を放置すると、屋根材からお家の中に雨水が染み込み、雨漏りの原因となります。
雨漏りしてしまうと、塗装では直せません。
屋根材が水を吸いこむようになったら、、早めに再塗装を行いましょう。
★塗装が健康な状態 塗装が生きており防水効果が発揮されていると、水は玉になって弾かれます。 |
2-4 塗装の剥がれ
塗料が剥がれてきてしまっています。
何年も直射日光を浴びることで、塗料が劣化してしまった為です。
こうなってしまうと、剥がれた箇所から雨水が染み込んでしまい屋根材自体の耐久性が落ちてしまいます。
雨漏りの原因にもなりますので、早めに塗装を行いましょう。
3章 寿命が来たらメンテナンス必須!
屋根塗装の寿命が来ていることが分かったら、できるだけはやくメンテナンスが必要です。
理由は2つあります。
一つ目は、放っておくと雨漏りの原因となるためです。
寿命が過ぎた状態のままにしていると、屋根だけでなく家の中にまで雨水が染み込んでしまいます。
その結果、お家自体の寿命が大きく縮んでしまいます。
二つ目は、将来余計なメンテナンス費用がかかってしまうためです。
劣化が進むと、いずれ塗装できない状態になってしまい、葺き替えやカバー工法が必要になる恐れがあります。
例えば、屋根塗装だけであれば約60~80万円※ですが、葺き替えなどの大きな工事だと200万円近くかかってしまいます。
(※塗り面積が80~100㎡のスレート屋根の場合)
どのようなメンテナンスが必要かは、お家の状態によって異なります。詳しくみてみましょう。
3-1 まだ劣化が少ない状態|塗装
ひび割れなどがまだ少なく、ある程度の強度が残っているなら、補修と塗装を行います。
塗装が一番コストを抑えられる工事なので、この状態でメンテナンスを行うのが理想的です。
再度塗装をすることで、再び水を弾くようになるため、屋根を長持ちさせられます。
工事を行う場合の費用相場は、約60~80万円です。(塗り面積80~100㎡の場合の概算)
3-2 全体のひび割れが多い|屋根カバー
屋根全体がひび割れていた場合は、屋根カバーを行います。
あまりに屋根が弱った状態で塗装をおこなっても、耐久性が保てないからです。
屋根カバーとは、既存の屋根の上に金属等でできた新しい屋根材をかぶせる工法です。
葺き替えと違い、既存の屋根を剥がして処分する必要がないので、コストを抑えることができ、最近人気が高い工法です。
工事を行う場合の費用相場は、約80~150万円です。(80~100㎡の場合の概算)
>屋根カバーについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
3-3 雨漏りしている|屋根葺き替え
屋根が雨漏りしているなど、中まで傷んでいる場合は、屋根葺き替えを行います。
雨漏りしている状態でカバーや塗装を行うと、木材に染み込んだ湿気が逃がせず、さらに屋根やお家が傷む原因となるためです。
屋根葺き替えは、屋根をすべて剥がしてから新しい屋根材で屋根を葺き直す工法です。
工事を行う場合の費用相場は、約100~200万円です。(80~100㎡の場合の概算)
>屋根葺き替えについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
4章 【ライフプラン別】おすすめ屋根塗料3選
屋根塗料は、種類によってそれぞれ寿命(次に塗り替えるタイミング)が違います。
塗料を選ぶときは、皆さまのライフプランにあった寿命の塗料を選ぶのがベストです。
よくあるパターンを3つほどご紹介しますので、ぜひ最適な塗装をしてくださいね。
4-1 10年以内にお家を手放す予定の方|ウレタン塗料
お引越し等・売却等でお家を10年以内に手放す予定があるなら、ウレタン塗料がおすすめです。
ウレタン塗料の寿命は約8~10年で、最低限もたせられますし、比較的安価に塗装できるためです。
寿命は他の塗料より短いですが、費用相場が1,700~2,300円/㎡ですので、グレードが上のシリコン塗料(2,300~3,500円/㎡)や、無機塗料(4,300~5,500円/㎡)よりもお手頃な価格で塗装が可能です。
これから先、長く住む予定が無いけれど今塗り替えはしておきたいという方なら、ウレタン塗料を選びましょう。
4-2 進学等の大きな出費に備えたい方|シリコン塗料
お子さんの進学等があって塗装にお金をかけたくない、でも10年くらいは持たせておきたい、という方ならシリコン塗料がおすすめです。
ウレタンよりも長く、10~15年持つので次回の塗り替えを先延ばしにできるからです。
この年数であれば、例えば小学6年生のお子さんがいらっしゃるご家庭なら大学生や社会人になるまで持たせられます。
大きな出費を抑えつつ、塗装を長持ちさせたいという方なら、コストと寿命のバランスが良いシリコン塗料を選びましょう。
4-3 これで最後の塗装にしたい方に|無機塗料
なるべく足場を建てる回数を減らしたい方や、これで最後の塗装にしたい!という方は無機塗料がおすすめです。
耐用年数が20~25年と、現在販売されている屋根塗料で一番長持ちするためです。
■塗料別の工事回数・費用
無機塗料の塗装費用は4,300~5,500円/㎡と、塗料の中で一番高額ですが、長持ちする分、将来の工事回数を減らせます。
安い塗料でたくさん塗り替えるよりも、工事の総額は低くなり、コストパフォーマンスが良くなるのです。
もう工事はしたくない、コスパの良い工事をしたい方なら無機塗料をえらびましょう。
5章 3~5年に一度は屋根点検をしてもらおう
屋根は高所の為、普段は状態が分かりづらいです。
3~5年に一度は、屋根の点検を施工業者に依頼しましょう。
屋根は台風等の自然災害で気づかないうちに破損しやすい場所なので、定期的に見ておくことで、何かあっても早期発見できるからです。
気付かないうちに傷んでいた、雨漏りしてしまった…となっては、せっかく塗装をしたのに残念ですよね。
塗装でお手入れしてあげたからこそ、そのまま放置せず、数年に一回は屋根点検を依頼しましょう。
※塗装したばかりの屋根は滑りやすく、のぼって点検するのはプロでも大変危険です。 無理に毎年みてもらう必要はありませんので、数年おきや気になることがあったとき、台風のあとなどに業者を呼びましょう。 |
まとめ
【1章まとめ】
屋根塗装の寿命は約8~25年です。
寿命が来る年数に幅があるのは、塗料のグレードにより、寿命が異なるためです。
【2章まとめ】
見た目で分かる、塗装の寿命が来ているサインは以下の4つです。
- ①苔・カビ
- ②ひび割れ
- ③吸水
- ④塗料の剥がれ
【3章まとめ】
寿命が来ていた場合は適切なメンテナンスが必要です。
劣化が少ない状態なら塗装、
全体の割れが多い場合は屋根カバー、
雨漏りしている場合には屋根葺き替え が必要です。
お家の状態にあったものを選びましょう。
【4章まとめ】
屋根塗料はあなたの将来のライフプランにあったものを選びましょう。例えば、
10年以内にお家を手放す予定の方なら、ウレタン塗料、
進学等の大きな出費に備えたい方なら、シリコン塗料、
これで最後の塗装にしたい方であれば、無機塗料がおすすめです。
【5章まとめ】
塗装後はそのままにせず、3~5年に一度は屋根点検をしてもらいましょう。
屋根はお家の耐久性にかかわる大切な場所です。
塗装に寿命が来たタイミングで塗装し、長持ちさせましょう!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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