決定版!屋根の葺き替え費用から注意点まで、安心工事徹底ガイド

屋根の葺き替え

業者から「屋根の葺き替え」をすすめられたけど、そもそも葺き替えってどんなものか良く分からない…

とお困りの方も多いのではないでしょうか。

 

葺き替えとは、現在の屋根を撤去し、新しい屋根に付け替える工事です。

劣化や雨漏れして塗装・補修では直せなくなってしまったときや、

重量が軽いものに交換して耐震性を高めたいときに行うことが多いです。

 

しかし、一生で何回も経験することがない工事なのであまり馴染みがなく、

また塗装などのメンテナンスと比べて費用も高額になるため、不安を抱える方が多いと思います。

 

そこでこの記事では、屋根の葺き替えについて、プロの目線で詳しくご紹介いたします。

費用種類工事内容について知って、我が家に最適な葺き替え工事をしましょう。

また最後には、近年の屋根リフォームでは主流になっている「カバー工法」についても簡単にお伝えします。

7章 現在の屋根が瓦以外の方は、カバー工法の方が安く収まる!

 

屋根はお家の生命線です。

葺き替えについて知ることで、長く安心してお住まいいただけるようになりますので、ぜひじっくり読んでみてくださいね。

 

1章 屋根の葺き替え費用

屋根の葺き替え

屋根の葺き替え費用は、現在の屋根材葺き替え後の屋根材が何かによって大きく変わります。

なぜなら、屋根には様々な種類があり、「撤去費用」と「本体施工費用」がそれぞれ違ってくるからです。

 

実際には建材や屋根の面積によって大きく異なりますので、まずは項目それぞれの相場を知っておきましょう。

 

1-1 項目別の費用相場

・撤去費用

葺き替えには、まず既存の屋根を撤去処分する必要があります。

日本の住宅で使われる一般的な屋根は、瓦、スレート、トタンです。

それぞれの撤去費用を見ていきましょう。

現在の屋根材

撤去、処分費用/

3,000~5,000

スレート

2,000~4,000

トタン

1,200~3,000

 

・葺き替え材費用

新しくする屋根材も、実はたくさんの種類があります。

ここでは、実際の葺き替えでよく選ばれる代表的な4種類の相場をご紹介します。

各屋根材の特徴は、2章をご覧ください。

葺き替え材

施工費用/

金属

5,000~10,000

アスファルトシングル

5,000~8,500

スレート

4,500~8,000円

軽量瓦

6,000~12,000

 

・その他施工費

葺き替え工事には、他にもいくつか必要な工程があります。

それぞれの費用を見ていきましょう。

工事内容

施工費用/

足場代

600~800

下地板補修

2,000~4,000

ルーフィング

(防水シート)

500~1,500円

アスベスト処理費※

1,000~3,000

2006年以前に製造されたスレート屋根は、アスベストが含まれている可能性があります。

そのまま撤去・処分すると健康被害が出るため、飛散の防止や適切な処分のために追加で費用がかかります。

 

1-2 良くある見積もり事例3

それでは実際の見積りは大体どんなふうになるのか、3つの事例を見ていきましょう。

あなたのお家に近いものを参考にしてみてくださいね。

 

①スレート→金属屋根

見積もり例1

 

②瓦→アスファルトシングル

見積もり例2

 

③瓦屋根→軽量瓦

見積もり例3

 

良くある事例をご紹介いたしました。

ご自身のお家に近いものをご参考にしてみてください。

大体の金額も分かったところで、次の章では、少しでも費用を減らすための知識をお伝えしていきます。

 

2章 かしこく費用負担を減らす、保険や補助金制度

2-1 火災保険の適用

もし台風や大雨、大雪の影響で屋根が傷んで葺き替えることになった場合、火災保険が適用できる可能性があります。

あまり知られていませんが、火災保険の適用範囲には「風災」や「雪害」が含まれることが多いからです。

台風被害

 

申請のやり方

①保険会社に連絡して被害内容を伝え、保険適用できるかを聞く

②申請書類を送ってもらう。

③屋根工事の業者から「被害写真」「見積書」をもらう。

  • ④申請書類をご自身で記入する
  • ※保険代行業者というものもありますが、費用が掛かります。
  • 書類は難しいものではないので、ご自身での記入、申請をおすすめします。

⑤保険会社へ申請を送り、現地調査(鑑定)をしてもらう。

⑥保険金の確定、入金

詳細は保険会社や保険内容によって異なりますので、まずは保険会社に聞いてみましょう。

 

2-2 自治体の補助金

重たい瓦屋根を軽量のものに葺き替える場合、耐震補強工事として補助金がもらえる場合があります。

ご自宅に適用できる補助金制度があるかどうか、各自治体に問い合わせてみましょう。

例:神奈川県市町村地域防災力強化事業

耐震改修工事の場合、最大で25万円の補助 など

 

参考サイト

地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト(平成30年度版)

こちらのサイトでは、地方公共自治体による支援制度を検索できます。

お住まいの都道府県をクリック

→①耐震化 にチェック

→検索ボタンを押してください。

 

3章 葺き替え屋根材の種類と特徴

葺き替えする屋根材にも、実はたくさんの種類があります。

その中でも今回は、実際に人気の高い代表的な4種類についてご紹介します。

それぞれ特徴、メリットデメリットがありますので、比較して選びましょう。

 

  • ※屋根の勾配
  • 屋根の勾配(傾き)によって使える屋根材が限られることがあります。
  • なぜなら、勾配が違うと水はけが変わるため、屋根材によって雨漏れしやすくなったりする危険があるからです。
  • そのため今回は「必要勾配」も記載しています。
  • 実際には、屋根材メーカーや商品によって少しずつ違いがありますので、大体これくらいなら我が家は使えるんだな、と認識しておくと良いでしょう。
  • 屋根の勾配

 

3-1 金属屋根はシンプルがお好みの方にお勧め

金属屋根

金属屋根は、一般的には「ガルバリム鋼板」屋根のことです。ガルバ屋根、などども言います。

アルミニウム・亜鉛合金めっきの加工金属で、さびや腐食に強い金属です。

デザイン シンプルですっきりした見た目。表面は平滑なものが標準だが、細かい凹凸をつけて落ち着いたデザインにした高級タイプもある。
単価 5,000~10,000/
耐久性 20~30
メリット 価格と性能のバランスが良い。非常に軽量で地震の際の負担が少ない。トタンよりも錆びにくく、耐候性が高い。
デメリット 薄い金属のため、雨音などが響く可能性がある。(厚みのあるもの、断熱材付のものであれば軽減される)。色褪せすることがあるため、見た目が気になる場合は再塗装が必要。
必要勾配 1寸勾配以上

 

3-2 アスファルトシングルは洋風のおしゃれな外観に

アスファルトシングル屋根

アスファルトシングル屋根とは、シート状の屋根材です。

もともと北米で長らく使われていて、柔軟性のあるシートにアスファルトや石材の砂粒を圧着しています。

デザイン 洋風でおしゃれな外観。カラーバリエーションも豊富にある。複雑な形の屋根(半円、ドーム型など)にも対応しやすい。
単価 5,000~8,500/
耐久性 15~30
メリット 価格と耐久性のバランスが良い。非常に軽量で地震の際の負担が少ない。色褪せしにくい。
デメリット 商品によってグレードの幅がある。塗装が適さないため、再塗装で色を変えることができない。断熱性がない。
必要勾配 2.5寸勾配以上

 

3-3 スレートは和洋問わないスタンダード

スレート屋根

スレート屋根は、セメントが主成分で、現在日本ではもっとも多く使われている屋根材です。

セメントを薄くして焼き固めており、軽量で、施工もしやすいため比較的安価です。

デザイン 様々な形状、カラーバリエーションが製造されており、種類が豊富。
単価 4,500~8,000/
耐久性 10~15
メリット 安価で新築にも使用されることが多い。
デメリット 紫外線や風雨の影響を受けやすく、ひび割れや反りが起こる。定期的に塗装メンテナンスが必要。
必要勾配 3寸勾配以上

 

3-4 瓦(軽量瓦)は重厚感ある趣にしたい方へ

軽量瓦

(写真:ケイミュー『ルーガ』

軽量瓦は、従来の和瓦(粘土瓦、陶器瓦など)の弱点である重さを解消した瓦です。

厚み、重厚感はそのままに、セメントが主成分のため、粘土を焼いた瓦よりも軽くなります。

※メーカーによっては金属製の瓦もあります

デザイン 重厚感があり、和風建築に非常に適している。
単価 6,000~12,000/
耐久性 20年~40
メリット 非常に耐久性が高く、メンテナンス回数が少なく済む。
デメリット 費用が高額。屋根の形状によっては施工できない場合がある。
必要勾配 3~4寸勾配以上

 

4章 葺き替え工事の工期、工程

屋根の葺き替え工事は、およそ1020日ほどかかります。

使う屋根材や屋根の大きさによっても変わってきますが、工程(工事の流れ)は大体同じです。

ここでは、実際の工事の流れを見ていきましょう。

 

4-1 足場架設

足場着工

期間:1

屋根工事は高所作業のため、安全にすすめるための足場が必要です。

組み立てには数時間かかるため、基本的にはこの日は組み立て作業で終了です。

 

4-2 既存屋根の撤去

屋根の撤去

屋根の撤去

期間:12

今ある屋根材を取り外していきます。

重たい瓦や、複雑に組み合った形の屋根の場合は2日以上かかる場合があります

 

4-3 下地板の増し張り/張り替え

下地板

期間:1

屋根材の下の板(コンパネ等とも呼ばれます)を補強します。

劣化が進んでいた場合は、新しく張り替えます。

 

4-4 ルーフィング(防水シート)張り

ルーフィングシート

期間:1

防水性を持たせるためのシートを張ります。

 

4-5 屋根取り付け工事

屋根の取付

期間:23

屋根本体を葺いていきます。

下の方から一枚ずつ重ねて固定、重ねて固定、…という作業です。

 

4-6 役物(角・先端部など)の取り付け

役物取付

期間:1

屋根の先端や棟(頂上)、壁との境目など、水が入らないように部品を設置します。

板金や専用の部材を使っていきます。

 

4-7 手直し・足場解体

屋根の葺き替え

期間:1

全体点検をして、足場を解体します。

最後にまわりの清掃などを行い、完了です!

 

5章 梅雨時期は避けるべし

雨

葺き替え工事を検討する場合は、梅雨時期は避けましょう。

雨の日は雨漏れしないためと、職人の安全のために、作業をストップするからです。

 

もし工事途中で雨が降った場合は、ブルーシートなどを被せて応急処置をして、中に雨が入らないようにします。

ストップした分工期は伸びてしまいますので、早い完工をご希望の方は、梅雨や台風時期は避けましょう。

 

6章 業者選びのポイント

屋根の葺き替えをする際は、しっかり業者を選びましょう。

なぜなら、葺き替え工事は知識・技術がいる上に、大きな工事で周りへの影響もあるため、業者の質で工事の満足度が左右されるからです。

安心して頼める業者のチェックポイントをまとめましたので、一緒に見ていきましょう。

 

6-1 施工実績の写真がある

葺き替えは屋根工事の知識、経験がとても重要です。

「実際に工事した実績、写真を見せてください」と聞きましょう。

件数が多いだけでなく、きちんと工事中の写真を見せてくれる会社を選ぶとベストです。

なぜなら、「うちは100件以上やっています!」と言っても、下請けに全て任せている場合もあるからです。

きちんと施工実績があれば、工事中の経過写真などもあるはずです。

下請けに流さず責任を持ってやってくれるところが一番安心です。

件数と、写真を見せてくれる会社を選びましょう。

葺き替え工事の写真

 

6-2 近隣への挨拶回り、気配りをしてくれる

葺き替え工事はご近隣への挨拶も業者側でしっかりやってくれるところにしましょう。

なぜなら、葺き替えは足場を組んで、屋根材の撤去や組み立てでホコリも飛び、作業音も出てしまう、大きな工事だからです。

事前の工事日程の連絡

作業車の駐車場所・時間は近所迷惑にならないか

隣家にホコリが飛ばないような養生(ビニールや布の覆い)

など、気配りしなければいけないことがたくさんあります。

 

経験のある会社であれば、挨拶用の粗品(タオル等)や、お知らせの手紙のテンプレートなどが整っています。

「近所への挨拶はやってくれますか?」と聞いて、そうした挨拶の用品を見せてくれるところなら安心でしょう。

工事前の挨拶

さらに慣れている会社だと、「近所に車の出入りが多い方や、小さいお子さんがいるところはありますか?そうしたお家は工事を気にすると思うので、少し離れていても一言挨拶に行きますよ」などと丁寧な気遣いをしてくれるところもあります。

ここまでやってもらえればご近隣に迷惑をかけずにすすめられ、非常に安心できますよね。

今後も長く住むお家ですから、ご近所も大事にしてくれる会社を選びましょう。

 

6-3 家から1時間圏内にある

葺き替え工事の依頼は、地元の会社を選びましょう。

なぜなら、大事な屋根の工事中に何かあった際すぐ駆けつけてもらえるからです。

車で1時間以内くらいを目安にしておくと良いでしょう。

 

突発的な雨や強風などは、近年の日本ではもう珍しくないですよね。

遠くから来てくれている場合だと、万が一の際、せっかく工事を始めたのに対応が間に合わなくて雨漏れしてしまった、という事にもなりかねません。

 

また、工事が終わった後も頼りやすい、というメリットもあります。

屋根はご自身で見たり登ったりがあまりできない場所です。

例えば台風でアンテナが倒れたとか、瓦が一枚割れてしまったとか、そういった緊急の際に慌てて業者を探す手間がなくなります。

地元密着の会社

お家を守ってくれている屋根の工事です。

長い付き合いができて、困った時に頼れる距離にある会社を選びましょう。

 

7章 現在の屋根が瓦以外の方は、カバー工法の方が安く収まる!

屋根を交換する「葺き替え工法」に対し、

屋根をそのまま重ねる「カバー工法」というものがあります。

こちらは既存の屋根材の撤去・処分がないため、その分費用がお安く収まります。

また、工期も12日は短くなります。

現在の屋根がスレート、トタン、金属系のお家はこのカバー工法ができる可能性があるので、出費をお安く抑えたい方は、ぜひ業者さんに聞いてみてください。

 

ただし、以下の場合は施工できませんのでご注意ください

カバー工事ができないケース

・屋根が瓦の場合

・劣化が進行している場合

瓦は非常に重たいので、さらに上に重ねてしまうのは耐震性、お家の強度の点から非常に危険です。

もともとが軽量なスレートや金属のお家だからこそできる工事という事を知っておきましょう。

 

また、劣化が激しい屋根の場合は下地などまで傷んでいる可能性が高いです。

そのまま上に重ねてしまうと、結局雨漏れしてしまうので、カバー工法が施工可能かは業者にきちんと点検してもらいましょう。

 

まとめ

いかがでしたか?

屋根の葺き替えはどうしても金額がかかる工事です。

しかし、特徴やメリットデメリットを知っておけば、ご自身の好みに合う屋根を選ぶことができます。

雨漏れや耐震の心配がなくなりますし、見た目が一新されるのもとても嬉しいものです。

外壁塗装も一緒に行う方も多いですが、そうすると全体が保護されて安心できますね。

 

そして、業者選びもとても重要です。住む人のこと、お家の将来を考えてくれる業者を選びましょう。

大事なお家で長く暮らすために、ぜひお役に立てていただければと思います。

お読みいただきありがとうございました。