ガルバリウムの屋根・外壁に塗装が必要と業者に言われたあなた。
メンテナンスフリーだと思っていたのに、本当に塗装が必要なの?と疑問に思って調べているのではないでしょうか。
ガルバリウム鋼板は、住宅で使われる建材の中でも一位、二位を誇る優秀な建材です。
しかし、屋根や壁に使われることで紫外線や雨風に何年もさらされることになるため、どうしても劣化はしてしまいます。
そのため、長持ちさせるためには適切な時期での塗装が必要です。
この記事ではガルバリウムに塗装が必要な理由を紹介します。
また、後半では塗装が必要な症状、費用相場も具体的にお伝えしていきます。
あなたのお家ガルバリウムを正しくメンテナンスして長持ちさせられるようになりますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
1章 ガルバリウムに塗装が必要な理由
「ガルバリウム鋼板はメンテナンスフリー」と思われている方も多いですが、実際にはそんなことはなく、ガルバリウムも何もしなければ経年劣化してしまいます。
他の建材より耐久性に優れていますが、雨風や紫外線に何年もさらされることで、表面の塗膜が弱ってしまうからです。
そうなってしまうと、表面にさびが発生し建材自体の耐久性が落ちてしまいます。
実はガルバリウム鋼板のメーカーも、メンテナンスが必要と製品のカタログに記載しています。
■外壁のメンテナンススケジュール ガルバリウム建材の大手アイジー工業の外壁材カタログです。約20年程で塗り替えが推奨されています。
■屋根のメンテナンススケジュール 同メーカーの屋根材の場合です。製品のグレードによりますが、15~20年を過ぎたら塗装をするよう記載されています。。 |
ただ、サイディングやモルタルなどの他の建材が5~7年、長くても10年くらいで塗装が必要になるのに対し、ガルバリウム鋼板の塗り替えが必要になるのは15~20年前後と、耐久性にとても優れていることは間違いありません。
せっかくの優秀な建材ですから、適切な時期で塗装をして、しっかり長持ちさせてあげましょう。
次の章では、塗装のタイミングを見極めるための劣化症状を解説していきます。
2章 当てはまったら塗装必須!劣化症状4つ
今ご自宅のガルバリウムに塗装が必要かどうかは、劣化症状の有無で判断できます。
まずは、以下の4つの症状に当てはまるか見てみましょう。
※屋根はご自身でのチェックが難しいため、専門業者に点検を依頼してくださいね。
2-1 色褪せ
ガルバリウムに色褪せがみられたら、塗装が必要な時期が来ているサインです。
素材を守っている塗膜が劣化している状態だからです。
色褪せだけならまだ初期症状ですが、放っておくと近いうちに表面がひび割れたり剥がれたりする恐れがあります。
そうなると、水が侵入しさびの原因にもなります。
早いうちに劣化を食い止めるため、塗装を検討してあげましょう。
2-2 チョーキング
チョーキングとは、外壁や屋根などを触った際に手に粉が付く現象のことです。
これも建材に塗装されている塗料が、紫外線や酸素などで劣化することで起こります。
塗料が弱っていると水がガルバリウムに直接触れて、さびの原因にもなってしまいますので、チョーキングに気づいたら塗装を検討しましょう。
2-3 コケ
表面にコケが出ている場合も、塗装が必要です。
表面の塗膜が劣化し、コケの胞子が根を張っている状態だからです。
コケがあるということは、ガルバリウムも常に湿気を含んだ状態になっているため、建材自体の劣化の原因にもなります。
特に日の当たりにくい場所にできやすいので、こまめにチェックしておきましょう。
2-4 さび
さびの出方や原因には主に3つほど種類があります。
どの場合もガルバリウムの塗装が必要な時期です。
①赤さび
赤茶色のさびです。
ガルバリウムは、表面に少しくらいの傷がついてもさびないよう加工されています。
しかし、表面よりも深く傷が入ってしまうとそこからさびが広がってしまいます。
②もらいさび
出典:株式会社相澤住建総業
ガルバリウム自体がさびていなくても、さびている金属と触れた状態になっているとそこからさびが広がってしまいます。
この写真では、屋根の上の雪止め金具から、さびが広がってしまっています。
③白さび
海沿いの地域や、高温多湿な状況下で起きやすいさびです。
白い斑点がガルバリウムの表面にできるのが特徴です。
できやすいのは、ひさしの下・軒天など雨があまりかからない所になります。
3章 ガルバリウム塗装の費用相場
塗装の費用は使用する塗料のグレードによって異なり、耐用年数が長いものほど高額になります。
ここでは、屋根と外壁それぞれの費用相場を、塗料のグレード別に紹介します。
※概算の金額となりますので、実際には必ず点検をしたうえで正確な見積を作成してもらいましょう。
■屋根塗装の費用相場(30坪、80㎡の場合)
塗料の種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
ウレタン | 40~45万円 | 5~10年 |
シリコン | 42~50万円 | 10~15年 |
フッ素 | 55~70万円 | 15~20年 |
無機 | 63~80万円 | 20~25年 |
■外壁塗装の費用相場(30坪、150㎡の場合)
塗料の種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
ウレタン | 70~110万円 | 5~10年 |
シリコン | 80~125万円 | 10~15年 |
フッ素 | 90~140万円 | 15~20年 |
無機 | 110~165万円 | 20~25年 |
4章 ガルバリウム塗装の注意点
ここでは、ガルバリウム塗装の注意点を2つ紹介します。
ガルバリウムの塗装は、業者に経験や知識がないと、数年後にすぐ剥がれるなどの不具合が出る可能性があるからです。
工事を依頼する前に以下のポイントを業者に確認しましょう。
4-1 丁寧にケレンをしてもらう
ガルバリウムは、塗装前のケレン(下地処理)を丁寧に行ってもらうようにしましょう。
この作業が抜けてしまうと、塗料がしっかりと建材に密着せず、はがれてしまう原因となるためです。
ケレンとは、専用の道具等でサビや汚れを取り除く作業のことで、下地処理・下地調整とも呼びます。
しっかりした仕上がりにするためにも、見積もり書にこの作業が入っているかを確認しておきましょう。
また、作業中の進捗を写真や作業日報などで残しているところだと、この作業の漏れがないか実際に確認もできて安心です。
4-2 ガルバリウム塗装の施工実績があるところに依頼する
施工はこれまでにガルバリウム塗装の実績があるところに依頼しましょう。
ガルバリウムは他の建材と違って表面がつるつるしていることなどから、相性のいい塗料の選定が必要不可欠だからです。
知識や経験のない業者が誤った塗料で施工してしまうと、いずれ不具合が出てしまいます。
実績があるかどうかは、業者に直接確認したり、実績集等がある場合はそれを見せてもらうと良いでしょう。
まとめ
ガルバリウム鋼板の屋根や外壁も、雨風や紫外線に何年もさらされることで劣化してしまいます。
長持ちさせるためには15~20年頃を目安に塗装が必要です。
具体的な塗装時期は、色褪せ・チョーキング・コケ・さびの症状が出ていないかチェックして判断しましょう。
また、塗装の際は丁寧にケレンをしてもらうこと、ガルバリウム塗装の施工実績があるところに依頼すること、に注意して、不具合が起きない良い工事にしましょう。
ガルバリウムは耐久性が高くとても優れた建材です。
適切な時期に塗装をして、お家をしっかり長持ちさせてあげてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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