ふと自宅のモルタル外壁を見ると小さいひび割れが…
「このひび割れ放っておいて大丈夫?」
「なんでひび割れが入ったの?」
「自分で直せるの?」
と気になっているのではないでしょうか。
大切なご自宅にひびが入ってしまったら心配ですよね。
一方で小さいひびなら放っておいてもいいのでは?と思っている方もいるかもしれませんが、モルタルのひび割れは放置せずに補修・修繕をする事が大切です。
なぜなら小さいひび割れでも放置すると広がっていき雨漏りの原因になってしまう場合もあるからです。
ただ、モルタルのひび割れの対処は状況や原因によっても変わってくるので、この記事ではモルタルにひび割れが入る主な3つの原因をご紹介します。
さらに状況に合った適切な補修方法やご自身で補修する際の手順も解説していきます。
この記事を読めば、モルタルにひび割れが入ってしまった際の適切な処置が分かるようになりますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 モルタルとは
モルタル壁とは、セメント・水・砂を混ぜたものをラス網という金属の網に左官した外壁のことです。
そして強度を上げるために、上から補強ネットを施し、最後に模様となる仕上げを行ないます。
▼モルタル壁の構造
仕上げ方によって、家の模様や色が変わっていくので外観にこだわる方に人気の外壁材です。
モルタルは耐火性や通気性が高く、デザイン性にも優れています。
ただし主成分のセメントは水を吸ってしまうと劣化して脆くなってしまうので5~10年ごとの塗装によるメンテナンスが必要になります。
2章 モルタルにひび割れが入る主な3つの理由
モルタルにひび割れが入る主な3つの理由をご紹介します。
原因によってはすぐに補修がいる緊急性が高い場合もあるので、どんな原因があるのか確認しておきましょう。
2-1 モルタル自体の乾燥
モルタルにひび割れが入る原因の一つが「モルタル自体の乾燥」です。
実はモルタル外壁は築後も2~3年は乾燥し続けます。
そのため、築2~3年の新築であっても乾燥で収縮して細かいひび割れが発生することがあるのです。
このひび割れは緊急性は低いので、すぐに塗装や補修が必要になるわけではありません。
しかし、年数を重ねると徐々にひび割れが広がってしまうので、外観を綺麗に保ちたい方は築5~8年頃に塗装メンテナンスを行なうことをおすすめします。
2-2 紫外線・雨による経年劣化
モルタルにひび割れが入る原因の二つ目が「紫外線・雨による経年劣化」です。
築5~8年を過ぎると、モルタルの防水性が紫外線によってなくなってしまいます。
防水性が無くなると、雨や雪などが降った時に水分を吸収して膨張、乾いて収縮を繰り返しひび割れがいたるところで発生します。
特にひび割れが入りやすいのが、2階周りやベランダ、窓サッシの周りです。
築5~8年以上でのモルタルのひび割れは経年劣化が原因のことがほとんどなので、早期に塗装をして防水性を蘇らせることが大切です。
2-3 地震の揺れなどの自然災害
三つ目の原因は「地震の揺れなどの自然災害」です。
建物自体が地震の揺れで動きが出てしまうと、歪みに耐え切れずひびが入ってしまう場合があります。
ひび割れをそのままにしてしまうと、また地震が来た時にさらにひびが入ってしまうので、ひび割れはすぐに補修する事が大切です。
◆上記3つの原因以外でもひび割れが入る場合があります。より詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
3章 ひび割れを放置すると雨漏りの原因になる
モルタル外壁に入るひび割れはあまり気にされず放っておく方も多いですが、それは危険です。
なぜなら、ひび割れを放置するとそこから徐々に水を入れて雨漏りの原因になってしまうからです。
まず、モルタルにひびが入ると雨が降るたびに少しずつ水を内部に吸収していきます。
この状態が何年も続くと内部のラス網という金属が錆びてしまいます。
錆が発生すると体積が増えてしまい膨らんでしまうので、内側からモルタルを落としてしまいます。
この状態を爆裂と言います。
▼爆裂
この状態になると雨が降ったときに直接内部へ雨が浸水してしまいます。
雨漏りが発生すると柱などの木材が腐ってしまうため、木材交換やモルタル左官のやり直しなど大掛かりな修繕が必要になります。
さらに、水を含んだ柱を求めてシロアリが寄ってくる可能性もあります。
▼シロアリに食べられてしまった柱
大切なおうちを長持ちさせるためにも小さいひび割れを見逃さず、補修・メンテナンスを行なうことが大切です。
4章 状態別メンテナンス方法
ひび割れの状態別メンテナンス方法をご紹介します。
ご自宅の症状に合ったお手入れで家を長持ちさせていきましょう。
4-1 0.3㎜以下のひび割れは塗装でメンテナンス
0.3㎜以下の劣化によるひび割れは塗装でメンテナンスを行ないましょう。
0.3㎜以下の小さいひび割れを「ヘアークラック」と言います。
築後5~8年以上経って、ヘアークラックが発生してきた場合は、外壁全体が劣化してきています。
0.3㎜以下のひび割れであれば、塗装の下塗りでひび割れを埋めることが出来るので、これ以上ひびが大きくなる前に塗装を行ないましょう。
◆モルタル外壁の塗装の費用や注意点などが知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
4-2 0.3㎜以上のひび割れは補修+塗装
0.3㎜以上の劣化によるひび割れは、補修を行った上で塗装が必要です。
幅0.3㎜以上、深さ0.4㎜以上のひび割れを「構造クラック」といいます。
「構造クラック」は塗装を行なっても完全にひびが埋まらない場合があるので、塗装をする前にコーキング材などの補修材で埋めてから塗装を行ないましょう。
ただし、補修を行うと塗装後に補修跡が目立ってしまう場合があります。
したがっておうちを綺麗に保ちたいのであれば、「構造クラック」になる前に塗装しましょう。
4-3 経年劣化以外のひび割れは一部補修
新築時(築1~5年)で地震や外部からの衝撃でひびが入ってしまった場合は、状態が悪くなる前に一部補修を行ないましょう。
放置してしまうとそこから中に水が入ってモルタルだけでなく、ラス網や防水シート、柱まで傷んでしまいます。
ひび割れであれば補修材での補修、壁が欠けてしまったら左官補修などを行ないましょう。
5章 DIY補修の手順
DIYで補修をしたい方向けにモルタル補修の手順をご紹介します。
ただし、ご自身での補修はあくまでも応急処置です。
他にもひび割れが入ってしまっている場合もありますので補修後1年以内に点検してもらうことをおすすめします。
■必要なもの
・補修材
・ヘラ
■手順
手順は全3工程です。
作業は天候が良く風も強くない日に行ないましょう。
①表面のほこりを払う
表面にほこりがあると剥がれやすくなってしまうので、軽く掃除をします。
②ひび割れにそって補修材を充てんする
補修材を入れすぎると補修跡が目立ってしまうので注意しましょう。
補修材はコーキングを使用しても良いですが、簡単に細かく丁寧に充てんできるボンドコークがおすすめです。
▼ボンドコーク
コニシ/ボンドカベコーク
出典:モノタロウ
③ヘラで延ばす
奥まで補修材を押し込むようにして延ばすことで、補修跡が目立ちにくくなります。
④乾かして完成!
◆ひび割れ以外の補修方法も知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
6章 ひび割れを見つけたらプロに点検を依頼しよう
ひび割れを見つけたら、プロに点検を依頼しましょう。
ひび割れが入る原因としては「乾燥」「地震」などもありますが、ほとんどが「経年劣化」によるものです。
一か所ひび割れを見つけたら、他の場所にもひびが入っている可能性が高いです。
2階以上の高所などなかなかご自身で確認できない場所もあるので、プロに点検してもらいましょう。
また、点検の際はひび割れだけでなく以下の症状が出ていないかも確認してもらいましょう。
・モルタル壁を触った時に手に粉が付く
・カビやコケが生えている
・モルタルが剥がれている
ご自身ではあまり気付かない初期症状も含めて、写真に撮ってもらい後日状態を説明してもらいましょう。
▼点検写真アルバム
当サイトを運営しているユーコーコミュニティーでは点検時に50~100枚ほど外壁の状態を写真におさめてアルバムにして後日お渡ししています。
ご自身でも家の状態が細かく知ることが出来るので、好評いただいています。
点検アルバム付き無料点検を希望される方はこちらからお申込みください。
まとめ
いかがでしたか。
モルタルのひび割れが主に「乾燥」「経年劣化」「地震」などが原因で起こります。
中でも紫外線や雨などでの「経年劣化」が原因でのひび割れが多く放っておくと雨漏りなどに繋がってしまう場合があるのでメンテナンスが必要です。
0.3㎜以下のひび割れは「塗装」を、0.3㎜以上のひび割れは「補修」した上で「塗装」を行なって外壁を綺麗に保っていきましょう。
応急処置としてのDIY補修は可能ですが、あくまでも一時的な補修なのでひび割れが見つかったら業者に点検を依頼して、適切なメンテナンスを行なっていきましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
◆モルタル外壁のひび割れ以外の劣化症状について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
⇒モルタル劣化の原因がわかる!メンテナンス時期の症状5つ&補修方法
◆モルタル外壁の寿命が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
⇒モルタル外壁の寿命は30年!時期の目安&寿命を延ばすコツ徹底ガイド