アスファルトシングルの屋根にしてから約10年、近所を回っていた業者に「屋根が汚れているから、塗装した方がいい」と言われたあなた…
「アスファルトシングルは20年以上もつと言われたけど、本当に10年で塗装が要るの?」
「汚れが気になるから、塗装したいけど、いくらくらいかかるの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
そもそもアスファルトシングルとは… アスファルトが原料のシート状の屋根材で、他の屋根と比べて薄くて軽く、耐震性が高いです。 また、耐久性・防水性に優れており、北米ではとても人気の屋根材です。 濃淡のあるおしゃれな仕上がりのものもあるので、おしゃれな外観にしたい人にもおすすめです。 耐用年数も20~30年と長く、金額もガルバリウム鋼板や軽量瓦よりお得なので、日本でも少しずつ事例が増えてきています |
そんなアスファルトシングルも種類によっては10年ほど経つと汚れや色褪せが気になってくるので、塗装をした方がいいと言われることも多くなります。
しかし実は、アスファルトシングルは塗装をしても耐用年数が長くなるとは限りません。
なぜなら、塗装による効果は美観や、表面の石粒が落ちないようになることくらいだからです。
表面を塗装で保護するだけでは、屋根全体の耐用年数が長くなるとは考えにくく、費用も掛かってもったいないのでおすすめしていない業者も多いです。
ただ、見た目が気になる方や石粒が落ちてくるのが気になる方は塗装をする事で改善できます。
そこで今回は、汚れや色褪せなどの見た目や表面の状態が気になる人に向けて、アスファルトシングルの塗装費用相場や注意点をご紹介します。
また、塗装以外のメンテナンスが必要な劣化症状などもご紹介しますので、耐久性に関係するメンテナンスが気になる方はそちらの章をご覧ください!
ご自宅に合ったメンテナンスで、アスファルトシングルの屋根を長持ちさせていきましょう。
目次
1章 アスファルトシングルの塗装はこんな人におすすめ!
アスファルトシングルの屋根は塗装で耐久性が延びるとは限りません。
塗装をしていても、強い風が吹けば剥がれることもありますし、内部の防水シートが傷んでいれば雨漏りします。
そのため、アスファルトシングルは塗装をしたい理由がある方にだけ、塗装をおすすめします。
今からご紹介する2つ状態のどちらにもあてはまらない方は、屋根の劣化に合わせた塗装以外のメンテナンスを行ないましょう。→4章へ
1-1 汚れや色褪せが気になる
汚れや色褪せ等、見た目が気になる方は塗装で改善することが出来ます。
アスファルトシングルは高耐久の屋根ではありますが、紫外線を浴びることによって色褪せしてしまったり、コケなどが生えて美観を損なうことがあります。
屋根の勾配(傾斜)が急な家ほど、屋根が外から見えやすく汚れなども気になりやすいです。
見た目を綺麗にしたいとお悩みの方は塗装を行ないましょう。
1-2 表面の石粒が落ちてくるのが気になる
屋根材の表面に付着している石粒の落下が気になる方は塗装を行ないましょう。
アスファルトシングルの屋根の表面には色の付いた石粒が付着しています。
石粒があることで、他の屋根にはない意匠性やデザイン性が出ておしゃれに仕上がります。
ただし、この石粒はがっちりと屋根材に固定されているわけではないので、施工中も施工後も少しずつ落ちることがあります。
石粒が落ちてくることで雨漏りする直接の原因にはなりませんが、気になるようであれば塗装することをおすすめします。
石粒はシート状の屋根材を保護しているものでもあるので、塗装して落下を防ぐことで、表面の耐久性が多少上がることも期待できます。
2章 塗装工事の費用相場
アスファルトシングルの塗装費用相場についてご紹介します。
塗装工事を依頼する前に全体を把握しておきましょう。
2-1 工事全体の費用相場
アスファルトシングルの塗装費用相場は約40~60万円程度です。(80㎡の屋根の場合)
使用する塗料によっても費用相場は変動します。
また、大手の会社や、メーカーに塗装工事を依頼すると、中間マージンが発生して相場よりも費用が高くなる場合もあります。
適正価格で行いたい方は、塗装の専門店に依頼することをおすすめします。
2-2 内訳
塗装工事の内訳をご説明します。
見積をお持ちの方は適正価格か見比べてみてください。
作業内容 | 費用相場 |
・足場架設+メッシュシート | 800~1100円/㎡ |
・高圧洗浄 | 200~300円/㎡ |
・塗装(下塗り、中塗り、上塗り) | 2,000~5,000円/㎡ |
・縁切り | 600~800円/㎡ |
★縁切りとは… 屋根材同士の縁を切って、隙間を作る作業です。塗装後は塗料で隙間が埋まってしまうので、縁切りをしないと雨漏りする場合があります。※屋根材の種類によっては不必要な場合もあります。 |
3章 塗料選びの2つの注意点
アスファルトシングルを塗装する際の塗料選びの注意点をご紹介します。
アスファルトシングルの屋根塗装は、他の屋根材よりも全体的に実績が少ないです。
そのため、知識や経験のない職人が塗装すると、適切な塗料を選べず不具合や雨漏りを起こしてしまう場合があります。
綺麗に仕上げてもらうためにも、業者に工事を依頼する前に必ず目を通しておきましょう。
3-1 水性塗料を使用する
アスファルトシングルを塗装する際は、必ず水性塗料で塗装しましょう。
油性(溶剤系)の塗料を使用すると、アスファルトが溶け出してきてしまいます(ブリード現象)。
施工を依頼する業者がきちんと水性塗料で塗装するのか、必ず確認しておきましょう。
▼アスファルトシングルに使用される代表的な塗料一覧
塗料名 | メーカー名 |
水系カスタムシリコン | 水谷ペイント |
水系ナノシリコン | 水谷ペイント |
水系パワーフロン | 水谷ペイント |
水性シリコンベスト | 日本ペイント |
水性ヤネフレッシュ | エスケー化研 |
水性シングルサーフ | エスケー化研 |
3-2 ツヤ消し塗料で塗る
アスファルトシングルを塗装するときは、ツヤ消し塗料で塗装しましょう。
通常屋根の塗装はツヤのある塗料で塗装することがほとんどですが、アスファルトシングルは違います。
アスファルトシングルに、ツヤのある塗料を塗ってしまうと、屋根が塗料を吸い込んでムラのある仕上がりになってしまいます。
したがって、アスファルトシングルを塗装する際はツヤ消し(=エマルション)塗料を選びましょう。
4章 屋根材が傷んだら塗装以外のメンテナンスが必要!
塗装以外のメンテナンスが必要な状態についてご紹介します。
塗装はあくまでも見た目の改善が目的です。
実際に、屋根がめくれてしまった、雨漏りしてしまった等、耐久性に問題が発生した場合に必要なメンテナンスについてご説明しますので、屋根を長持ちさせたい方はぜひご覧ください。
4-1 屋根材の一部めくれや剥がれ=補修
屋根材の一部がめくれてしまった、剥がれてしまった等の傷みが出た場合は、一部張り替え補修を行ないましょう。
アスファルトシングルは、耐風性があまり高くないので、下から巻き上げる強風で、屋根材がめくれてしまうことがあります。
めくれの範囲が広いと内部の防水シートがむき出しになり、雨漏りしてしまいます。
したがってめくれや剥がれなどの症状を発見したら早急に補修を行ないましょう。
費用は一枚あたり4,000~10,000円ほどです。
屋根の傾斜が急だったり、立地によっては、一部補修でも足場が必要な場合もあるので、まずは点検と見積もりを依頼しましょう。
4-2 屋根材自体の経年劣化=カバー
屋根材自体が20年を過ぎて経年劣化してしまった場合は、上からカバー工事を行ないましょう。
カバー工事の場合は、葺き替え工事と比べて、もともとある屋根材の撤去作業がないので費用をおさえることが出来ます。
費用は100~150万円前後です。カバーする際に何の種類の屋根を乗せるかによっても費用が変動します。
◆屋根カバー工事について詳しくはこちら
4-3 雨漏りの発生=葺き替え
雨漏りが発生した場合は、葺き替え工事が必要になります。
アスファルトシングル自体は20年~30年持つものもありますが、屋根の内部の防水紙は20年前後で劣化してしまう場合があります。
屋根の状態が良くても防水紙が傷んでいれば雨漏りは発生します。
雨漏りが発生したら、防水紙や内部の野地板(のじいた)交換・補修が必要になるので、カバーではなく、葺き替え工事が必要です。
費用は150~200万円前後です。カバー工事同様、新規の屋根材によって費用は変動します。
◆葺き替え工事について詳しくはこちら
5章 施工後10年経ったら定期点検を依頼しよう
施工後10年を過ぎたら、点検を行ないましょう。
アスファルトシングルは、耐用年数が20~30年と長いですが、施工してから10年経ったあたりで色褪せや汚れなどが目立ってくる場合があります。
また、台風などの強風が去った後に一部がめくれてしまっている場合もあります。
一部の劣化の段階で気付くことで、大きな工事を避けることが出来、費用も余分にかからず長持ちさせる事ができます。
屋根の上は特に普段見ることが出来ない場所でもあるので、台風の去った後や施工後10年を過ぎたら定期的に点検することをおすすめします。
◆無料の屋根点検をご希望の方はこちら
まとめ
いかがでしたか。
アスファルトシングルは、保証が20年、30年も付くほど高耐久の屋根のため、基本的に塗装をしなくても長持ちしますが、築10年ほどで色褪せや汚れが気になる場合もあります。
そのため、見た目が気になる方は塗装を行ないましょう。
塗装工事の費用はおおよそ40~60万円程度です。
塗装工事の際は以下の2点に注意してください。
- ①水性塗料を使用するか
- ②ツヤなし塗料で塗装するか
また、一部の剥がれや全体の劣化等、見た目ではなく耐久性に心配な部分が出てきたら、塗装工事以外の工事が必要になります。
ご自宅の屋根の状況に合ったメンテナンスを行ないましょう。
また、屋根の上は普段見えない場所なので、台風が去った後や築10年経ったタイミングで屋根点検を依頼することもおすすめです。
高耐久のおしゃれな屋根を長持ちさせていきましょう!
最後までご覧くださりありがとうございました。
◆屋根塗装の際は必ず足場を立てましょう。安くても絶対に削ってはいけない理由はこちら
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