モルタルのおしゃれなお家に住みたいとお考えのあなた。
「モルタルってどんな種類があるの?」
「種類によってメンテナンス費用や時期は違うの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
そもそもモルタルとは、「セメント」と「水」と「砂」を混ぜたもので作られます。
外壁の他にも駐車場や基礎、タイルの目地等にも使用されるのでDIYにおいてもメジャーな材料です。
- 外壁に使用する場合は、ラス網という金属の網に左官して外壁を作っていきます。
職人の手作業になるため、職人によって仕上がりに差が出ます。
日本では1980年代くらいまでの家屋によく使用されており、築30年前後の住宅に多い外壁の種類です。
現在は昔よりも職人が減ってきているので、モルタル外壁の数は減ってきています。
しかし、他の外壁材にはできない自由度の高いデザインの外壁に仕上げることが出来るため、おしゃれな家にしたい方にはとても人気の外壁です。
また、仕上がりの面だけでなく、機能面にも優れています。
モルタルは防火性が高いので、近隣で火災があっても燃えづらいというメリットがあります。
また、モルタル自体の通気性が高いため、湿気の多い日本に合った外壁です。
そんなモルタル外壁の中にも様々な種類の仕上げ方があり、それぞれに特徴があります。
今回の記事では、モルタル外壁の仕上げ方5つの種類と特徴をご紹介します。
また、モルタル外壁の劣化症状や長くきれいに保つためのメンテナンス方法まで、全て解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 【写真付】モルタル仕上げの5つの種類と特徴
モルタル外壁の種類と特徴についてご紹介します。
各種の仕上がりやメリット・デメリットを比較してみてください。
1-1 リシン吹付
モルタル外壁の仕上げの種類の一つが「リシン吹付」です。
砂を混ぜて吹付けるため、表面がザラザラしており、独特の落ち着いた風合いを出すことが出来ます。
ただ、リシンはリシン自体が固くひび割れが発生しやすいです。
凹凸が多くカビやコケなどの汚れも付きやすいので塗装によるメンテナンスは早めに行うことをおすすめします。
▪メリット
・独特の落ち着いた風合いを出すことが出来る。
・マットで暖かみのある雰囲気に仕上がる。
・初期費用が比較的安い。
▪デメリット
・ひび割れが入りやすい。
・汚れやカビ・コケが付着しやすい
▪費用相場(仕上げのみ)
1㎡あたり1,400~2,000円
※施工面積によって価格は変動します。
▽リシン吹付外壁の家 清潔感のある白色とマットなリシンの相性が◎ 暖かみある柔らかい風合いが特徴的です。 |
1-2 スタッコ仕上げ
「スタッコ」は石灰と水で出来た建築建材です。
スタッコ仕上げはスタッコにさらに骨材を混ぜて5㎜~10㎜程の厚さで吹き付けたもので、高級感・重厚感のある仕上がりになります。
スタッコを吹き付けたあとにローラーで角をつぶしていく仕上げ方もあり、外壁の表面積を増やすことで通気効率を上げ耐久性を上げることが出来ます。
リシンよりも厚いので耐久性はありますが、凸凹しているため汚れやすいです。
▪メリット
・高級感のある仕上がりになる。
・厚みがあるのでひびが入りにくい。
▪デメリット
・汚れやカビコケが溜まりやすい。
▪費用相場(仕上げのみ)
1㎡あたり2,000~2,500円
※施工面積によって価格は変動します。
▽スタッコ外壁の家 重厚感のあるスタッコの外壁でおしゃれな仕上がりに。 モルタルにしかできない丸みのあるデザインともよく合っています。 |
1-3 吹き付けタイル
「吹付タイル」はタイルガンという専用の機材を使用して、3回塗りで仕上げる種類です。
骨材が入っていないため、比較的柔らかくひびが入りにくいです。
耐久性を重視したい方におすすめです。
仕上げ方も様々あり、代表的なのが中粒仕上げと押さえ仕上げです。
▪中粒仕上げ
紙粘土のような材料を吹き付けて凹凸を付けていく方法です。
▪押さえ仕上げ
紙粘土のような材料を吹き付けた後にコテやローラーで表面を押さえ付けていく方法です。
▪メリット
・専用の機材で吹き付けるので立体感のある独特の風合いがでる。
・ひび割れにくく、汚れにくい。
▪デメリット
・施工の際に材料が飛散しやすい。
・施工の際に音が鳴る。
▪費用相場(仕上げのみ)
1㎡あたり2,500~3,500円
※施工面積によって価格は変動します。
▽吹付タイル外壁の家 濃淡のある吹付タイルの外壁で高級感のある仕上がりに。 マットで立体感のあるデザインがおしゃれです。 |
1-4 リシンかき落とし
「リシンかき落とし」とは、リシンを吹き付けた後に剣山などで引っかき、ザラザラとした表面にしていく仕上げ方です。
通常のリシンよりも手間がかかりますが、落ち着いた風合いが出て重厚感のある仕上がりになります。
またかき落としを行なうことで表面積が増えるので、通気効率が高まり外壁が長持ちします。
▪メリット
・重厚感のある仕上がりになる。
・通常のリシンよりも表面積が多くなるため、通気性が高まる。
▪デメリット
・手間がかかるので、リシン吹付よりも費用が少し高い。
▪費用相場(仕上げのみ)
1㎡あたり3,500~4,000円
※施工面積によって価格は変動します。
▽リシンかき落としの家 重厚感のあるリシンかきおとしは和風造りの家と相性が良いです。 かき落とし特有の風合いが出ます。 |
1-5 左官仕上げ
「左官仕上げ」とは、職人がコテで模様を付ける仕上げ方で、おしゃれな雰囲気にしたい方に人気の種類です。
仕上げの模様の種類は様々ありますので、デザインに合わせてご自宅に合った模様を選ぶことが出来ます。
有名な左官仕上げ材としてはアイカ工業の「ジョリパット」等があります。
▪メリット
・模様が付けられておしゃれに仕上がる。
・手作業なので味が出る。
▪デメリット
・左官作業なので、職人によって仕上がりに差が出る。
▪費用相場(仕上げのみ)
1㎡あたり2,400~4,500円
※材料や模様によって差が出ます。
※施工面積によって価格は変動します。
■他の柄
▪連波
出典:アイカ工業
扇形の模様が特徴的です。暖かみのある印象に仕上がります。
▪グラディウス
出典:アイカ工業
細かい模様でモダンな雰囲気を出すことが出来ます。
▪さざ波
出典:アイカ工業
個性的な四角い模様でインパクトを出すことが出来ます。
▽左官仕上げ外壁の家 左官仕上げのモダンなお家。 ネイビーとホワイトの組み合わせもおしゃれです。 |
2章 モルタル外壁の劣化症状
モルタル外壁の劣化症状を4つご紹介します。
美観はもちろん、耐久性の面でも劣化症状を見逃さないことは大切です。
特に築5年以上経っているモルタル外壁の方は注意してみてみましょう。
2-1 吸水・チョーキング
乾いた外壁を触った時に手に粉が付く現象を「チョーキング現象」と言います。
手に粉がついてしまったら、家の耐水性は低下しています。
モルタルは水に弱いので、防水性が低下すると水を吸い込んでしまいます。
ご自宅の壁に水をかけて、色が変わって水を吸い込んでしまっていたら、メンテナンスの時期が来ています。
2-2 ひび割れ(クラック)
水を吸い込むようになると、水を含んで膨張、乾いて収縮を繰り返し、ひびが発生します。
特にリシンの場合はひび割れが入りやすく、築3~5年ほど経つとひび割れが徐々に目立ち始めます。
0.5㎜以下のヒビ割れであれば、塗装で補修できますが、0.5㎜以上の深いものになるとコーキングなどで補修をしてから塗装をする必要があります。
▽0.5㎜以上のひび割れ
クラックスケールという道具でひび割れの幅を測ります。
2-3 カビ・コケの繁殖
モルタルは他の外壁材よりも表面が凸凹しているため、カビやコケの胞子が付きやすいです。
特にリシン吹付やスタッコ吹付はカビ・コケが付着しやすいので早めのメンテナンスが必要です。
また外壁の種類だけでなく立地によっても症状が出る時期に差が出てきます。近くに森や川があって湿気が多いところでは築3~4年でカビ・コケが気になってくることもあります。
カビやコケが繁殖すると、見た目もモルタルの強度も低下してしまうので、放っておかずに洗浄して塗装することが大切です。
2-4 爆裂
モルタルが内部からの力で崩れてしまうことを「爆裂」と言います。
モルタルのひびが大きくなると雨が降った時に雨水が入り込みます。
すると内部のラス網という金属の網が錆びてしまいます。
金属は錆びが発生すると体積が増えるため、モルタルを押し出してボロっと崩れてしまいます。
この爆裂現象が起きた場合は、ラス網の交換、モルタル左官が必要になります。
3章 綺麗に保つメンテナンス方法
モルタル外壁を綺麗に保つためには、メンテナンスが必要です。
メンテナンス方法・時期・費用についてご紹介します。
3-1 塗装
モルタル外壁の主なメンテナンス方法が「塗装」です。
塗装をする事で、外壁や家全体を水から守って長持ちさせる事が出来ます。
モルタルは築5年を過ぎたあたりから劣化症状が出てくるので築7~10年までに塗装を行うことをおすすめします。
劣化症状が出ているのに放っておくと、補修が必要になってしまい補修跡が目立ったり、補修で済まない大掛かりな大工工事や左官工事が必要になる場合もあります。
まずは築7年あたりで、外壁の点検をしてもらいましょう。
★モルタルのマット感を維持できる骨材入りの塗料も 艶のある塗料で塗装すると、モルタル特有のマットな風合いが損なわれてしまいます。 マットな仕上がりのままきれいにしたい方には、骨材入りの塗料がおすすめです。 |
◆モルタル外壁を塗装したい方はこちらの記事をご覧ください。
3-2 部分補修
細かいひび割れや剥がれが気になる人は部分補修をして外壁の中に水が入らないように対策しましょう。
外壁の補修はコーキングなどを用いることもありますが、ホームセンターなどに売っているモルタルでも補修が可能です。
ただしDIYでの補修は、「補修材がうまく入らない」「補修跡が目立つ」など、思い通りにいかない可能性もあります。仕上がりを重視したい方はプロに依頼するのがおすすめです。
◆モルタル外壁を自分で補修したい方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
■1章まとめ
モルタル外壁の仕上げ方には5つの種類がありそれぞれ仕上がり・特徴・注意点が異なる。
■2章まとめ
モルタル外壁の劣化症状は以下の4つ。
・吸水・チョーキング
・ひび割れ(クラック)
・カビ・コケの繁殖
・爆裂
■3章まとめ
モルタル外壁を綺麗に長持ちさせるメンテナンスには塗装と部分補修という方法がある。
細かな違いが分かったでしょうか?
モルタルの素敵な風合いを守ってこまめなメンテナンスを行ないましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました!
◆汚れにくい外壁にしたい方はこちらの記事をご覧ください。
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