築10年を過ぎ、家を建てたハウスメーカーから“定期点検”のお知らせが…
自分で見たところ特に気になるところはないし、本当に必要なのか分からない。
「本当に外壁の点検って必要なの?」
「そもそもどんな点検をするの?」
「自分でもチェックできるの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
確かに外壁は自分でも確認できる場所なので、定期的な点検が本当に必要なのか疑問ですよね。
点検に来てもらっても、業者によっては10分程度周りをまわって「大丈夫でした。」で終わる場合も。
それでは本当にきちんとした点検をしてもらえたのかも分かりません。
ただ、外壁は専門家によるしっかりとした定期点検が必要です。
なぜなら外壁を長期間持たせるためにはメンテナンスが必要だからです。
メンテナンスのタイミングを逃すと、大規模な修繕工事が必要になる場合もありますので、将来の大きな出費を抑えるためにも丁寧な点検をする事をおすすめします。
そこで今回は外壁点検の必要性や外壁点検で業者が行う3つのことをご説明していきます。
また記事の後半ではメンテナンスが必要な外壁の劣化症状や、丁寧な点検をしてくれる業者を見極めるポイントについてもご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
定期的に丁寧な点検を行って外壁のメンテナンス時期を逃さないようにしていきましょう!
この記事では戸建ての住宅の外壁点検について、メンテナンスの専門家の目線でご紹介していきます。 |
目次
1章 外壁は専門家による点検が必須!
外壁は専門家による点検が必要です。
点検をする理由は「塗装などのメンテナンス時期を見極め、外壁を長く持たせるため」です。
どんなに良い外壁材を使用していても、劣化してしまえば耐久性は下がってしまいます。
外壁の耐久性を維持していくためにも、現時点での劣化状態や破損などがないのかのチェックが必要になります。
万が一メンテナンスの時期を逃すと、外壁の劣化が進み、塗装ではなく交換工事などの大規模な工事が必要になってしまう場合があります。
大きな出費を抑えるためにも点検目安時期になったらメンテナンスの専門家による点検を依頼しましょう。
■外壁別点検目安時期
外壁種類 | 点検目安時期 |
サイディング | 築5~7年 |
モルタル | 築5~7年 |
ALC | 築7~10年 |
タイル・金属 | 築7~10年 |
※上記の年数の前後で劣化症状が発生してきます。
2章 外壁点検で業者が行う3つのこと
この章では外壁点検の内容をご紹介します。
丁寧な業者であれば、60分前後点検時間を要します。
基本的には業者が家に上がることは無く、こちらで準備するものもありません。
ただし、家周りに物があると外壁の状態を確認しづらいので、事前に家周りは綺麗にしておくことをおすすめします。
外壁点検で業者が行うことは主に以下の3つです。
✓外壁の状態チェック ✓家全体の計測 ✓外壁材やパーツの素材の確認 |
2-1 外壁の状態チェック
まず一つ目は、外壁の状態チェックです。家を一周回り、劣化症状が出ていないかなどのチェックを行ないます。
外壁は吸水をし始めてから劣化が始まるので、外壁が水を吸う状態になっていないか、霧吹き等で水をかける場合もあります。
(下記写真参照)
水をかけてみて外壁が水を吸収する状態であれば塗装によるメンテナンスが必要な状態です。
また、プロが特に注意して確認するところが以下の箇所です。
・太陽が当たる南面やベランダの外壁
・太陽が当たらない北面の外壁
・窓サッシの下
・外壁を留めている釘の周り
・目地
太陽が当たる部分は紫外線により、塗料の劣化が早いです。
また、何かで固定されている部分(窓や外壁の釘など)も歪みが生まれやすく、ひびが入りやすいです。
外壁点検と一緒に屋根も見てもらうのがおすすめ! 外壁を点検してもらう際は屋根も点検してもらいましょう。 屋根は特に自分で確認できない場所なので劣化に気が付かずに雨漏りしてしまうこともあります。したがって外壁同様、屋根も定期的な点検を依頼しましょう。
※屋根に登られたくない方には「ドローン」での屋根点検がおすすめです。 屋根に登られるのが心配な方はドローン点検がおすすめです。ドローンであれば屋根に登られることなく、屋根や2階周りの状態を確認することが出来ます。 ◆ドローンを使った屋根点検について詳しく知りたい方はこちら |
2-2 家全体の計測
続いて外壁の面積やパーツの数量などの計測をしていきます。
塗装などのメンテナンスが必要な状態の場合、気になるのがいくらかかるのかということだと思います。
見積りを出すためにはより詳しい外壁の面積と、その他で塗装する付帯(パーツ)の数量を計測していきます。
外壁の面積は同じ坪数であっても変わってきますので、一軒一軒丁寧に確実に計測することが大切です。
※家に図面があればコピーして渡すことでより詳しい正確な面積を出すことが出来ます。
図面を取っておいてある方は業者に提示するとスムーズです。
◆ご自身でも外壁の面積を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
2-3 外壁材やパーツの素材の確認
外壁材や塗装するパーツの素材の確認も重要です。
素材ごとにメンテナンス方法は異なります。
素材をきちんと確認しないと、メンテナンス後に不具合が起きてしまう場合があるので素材の確認もきちんとしていきます。
3章 この症状が出たらメンテナンス!外壁劣化チェック5つ
塗装メンテナンスが必要な外壁の劣化症状を5つご紹介します。
自分でもできるチェック箇所をご紹介しますので、お時間のある時にぜひ確認してみてください。
3-1 チョーキング・吸水
外壁を触ったときに、手に色の付いた粉が付着することを「チョーキング現象」と言います。
これは、建てたときに塗装された塗料の防水性がなくなった証拠で、水をかけると外壁が水を吸い込んでしまいます。
この状態になったら既に塗装メンテナンスの時期が来ています。
外壁が水を吸い込むと耐久性も下がってしまいますので、水を吸い込まないように再塗装を行ないましょう。
▼水を吸い込んだ外壁の写真
水をかけた部分の色が変わっていて、水を吸い込んでいるのが分かります。
3-2 カビ・コケの繁殖
カビやコケが繁殖していたら、外壁が水を吸ってしまっている状態です。
カビ・コケの胞子は常に空気中に漂っていて、外壁が水を含んだ状態でいると繁殖してしまいます。
特に北側や日当たりの悪い面はカビ・コケが繁殖しやすい場所です。
カビやコケは吸い込み続けると身体にも悪影響を与える場合があります。きれいに洗浄して上から再塗装することが重要です。
▼放っておくとコケが根を張る
コケを放置していると外壁に根を張って、塗装ではメンテナンスができない状態になります。
上記の写真のような状態までいくと外壁の張り替え工事が必要です。
3-3 目地のひび割れ
目地が固く縮んでひびが入っている状態の場合は、外壁との隙間から雨が入って外壁材を劣化させてしまうので早めのメンテナンスが必要になります。
特に紫外線の当たる南面や2階周りは劣化が早いので注意してみてみましょう。
劣化が確認できたら、現状の目地を取り除いて新しい目地をいれるメンテナンスを行ないましょう。
◆目地の劣化症状やメンテナンスについて詳しく知りたい方はこちら
3-4 外壁のひび割れ
外壁にひびが入っていたら、すでに水を吸う状態になっています。
どの外壁材も丈夫ですが、水を吸い込む状態になると、水を吸い込んで膨張、乾いて収縮を繰り返し、外壁に動きが出てひび割れが発生してしまいます。
特に、窓サッシ周りや外壁を固定している釘の周りは、ひび割れは入りやすいところなので、注意して確認してみてください。
▼釘周りのひび割れ
サイディングを固定している釘の周りにひびが入っています。
▼サッシ下のひび割れ
窓サッシの下部分に大きなひび割れが入っています。
3-5 浮き・反り
外壁が浮いて見える状態になっていたら、外壁が反ってきています。
水を吸い込むことで外壁が膨張し、太陽によって表面から乾くので反ってしまいます。
一度反った外壁は元に戻すことが出来ないため、反りの状態がひどければ交換が必要になる場合もあります。
少しでも浮いているように感じたら、これ以上反りがひどくならないように塗装をすることが重要です。
4章 点検が丁寧な優良業者を選ぶ4つのポイント
点検を依頼すべき優良業者を見極めるポイントをご紹介します。
リフォーム業者の中には契約をしつこく迫るような悪徳業者も存在しますので、お客様目線に立った優良業者を選んでいきましょう!
4-1 メンテナンスを専門にしている
築10年前後の点検の際はメンテナンスを専門にしている塗装会社やリフォーム会社を選びましょう。
建てたハウスメーカーや工務店で点検をしてもらう方も多いですが、メンテナンスの知識がない担当だった場合は細かいところまで確認してもらえない場合があります。
また実際にメンテナンス工事をすることになった場合、メーカーは下請けに依頼するため、中間マージンが発生し、費用が相場の倍近くになることもあります。
そのため、メンテナンスを専門にして自社で施工している業者に依頼することをおすすめします。
4-2 地元での実績がある
地元での実績がある業者に依頼しましょう。
塗装などのメンテナンス工事は口コミで評判が広がることも多いので、実際に施工した現場が多くある業者ほど安心できます。
業者のホームページなどを検索し、実績をきちんと紹介しているか確認しましょう。
4-3 点検に60分以上かけてくれる
点検に60分以上かけてくれる業者を選びましょう。
外壁の点検は状態を確認したり、細かく外壁の面積等を図る必要があります。
細かく図らないと、正確な費用を提示できません。
業者の中には、坪単価で金額を提示してくる場合もありますが、正確な数値を出さないと工事中に塗料が足りなくなってしまい追加料金を請求される、などのトラブルが発生する場合があります。
点検を依頼する前に、通常点検にどのくらいかけているのか確認してみてください。
4-4 写真を50~100枚撮って渡してくれる
写真を50~100枚とたくさん撮って渡してくれる業者に依頼しましょう。
写真を撮ってもらうことで、外壁の状態がより分かり、症状が出ていたところをメンテナンス後にきちんと治っているか確認することが出来ます。
中には契約しないと写真をくれない、そもそも写真を撮っていない等、お客様に状態を確認させない業者もいます。
点検を依頼する前に、写真がもらえるのか、何枚ほどもらえるのか確認しておくことをおすすめします。
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まとめ
いかがでしたか。
外壁の点検は、家の状態を確認して適切なメンテナンスをするためにとても大切です。
外壁の点検目安時期が来たら専門家に点検を依頼しましょう。
●専門家による点検の内容は以下の3点です。
・外壁の現在の状態チェック
・家全体の計測
・外壁材やパーツの素材の確認
基本的に家の中に入ることは無く、こちらで準備も必要ありません。
図面があればより詳しい面積を出すことが出来ます。
●自分でも外壁のチェックをすることが出来ます。
①チョーキング・吸水
②カビ・コケの繁殖
③目地のひび割れ
④外壁のひび割れ
⑤浮き・反り
以上5つのどれか一つでも確認できたらメンテナンスが必要になりますので、タイミングを逃さないように注意しましょう。
●点検を依頼する業者選びのポイントは以下の4つです。
・メンテナンスを専門にしている
・地元の実績がある
・点検に60分以上かけてくれる
・点検時に写真を50~100枚撮って渡してくれる
業者の中には悪徳業者や知識のない業者も多数いますので、その中から優良業者見極めていきましょう。
最後までご覧くださりありがとうございました!
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