最近ちらっと見えた屋根の状態が、少し心配…
何かあったら怖いからそろそろ点検したいけど、どうしたらいいんだろう?
わざわざ業者に頼むのも不安だけど、自分でもできるの?
…など、気になっている方も多いのではないでしょうか。
屋根の点検は、普段見えない場所だからこそ非常に重要です。
雨や台風などの天候の影響を一番受ける場所ですから、まめに点検しておくに越したことはありません。
そこでこの記事では、住宅メンテナンスのプロが正しい屋根点検の方法を写真付きで伝授します!
具体的な見るべきポイントが分かるようになります。
ただし、やはりご自身で屋根に上るのはおすすめしません。
屋根に上らずにできる安全な点検方法もご紹介しますので、ぜひこちらを実践してみてください。
後半では、屋根点検のタイミングや信頼できる点検・修理業者の選び方、修理の費用相場もまとめました。
最後までお読みいただくことで、屋根の現状が分かり、問題があったときには適切な対処までできるようになります。
大切なお家の屋根のために、ぜひじっくりとお読みくださいね。
★プロの屋根点検は有料・無料どちらもあります 業者による屋根点検費用はその業者次第で、無料のところもあれば有料のところもあります。 見るだけでも有料なのは、屋根点検ははしごを積んだ車での移動や、はしごを押さえる人と上る人の2人分の人件費もかかってしまうからです。 地元のすぐ来れる塗装店や屋根工事会社だと、無料の場合が多いです。 逆に、少し遠くにある会社や、はしごなどの準備が少ないリフォーム会社だと有料が多い傾向にあります。 屋根点検を依頼するときは、念のため「点検だけですが費用はかかりますか?」と確認しておきましょう。 |
目次
1章 建材別:屋根点検の方法とチェックポイント
屋根点検は、屋根材の種類によって見るべきポイントが変わります。
ここでは戸建て住宅で多く使われているスレート屋根・瓦屋根・金属屋根それぞれの点検チェックポイントを解説します。
1-1 スレート屋根
スレート屋根(コロニアル、カラーベスト)は、セメントが主成分の薄い板状に加工された建材です。
現在、日本の住宅の7割近くに使われています。
■スレート屋根を上から見た写真
横長の屋根材が重なってできています。
屋根に上がるときは踏んで割らないように、屋根材の真ん中に足を乗せるようにします。
点検時に見るべきポイントは棟板金、釘、吸水、コケ、ひび、反りです。
棟板金
棟板金(むねばんきん)とは、スレートの頂上にある鉄板の部材です。
実は台風の時などに「屋根が飛んだ」というのは、この棟板金が飛ぶことが大半です。
点検では、板金の浮き、つなぎ目のコーキング劣化、錆びがないかをチェックします。
■棟板金の浮き
強風や釘のゆるみによって、板金が浮いてきています。
■継ぎ目のコーキング劣化
板金同士の境目をつなぐコーキング(ゴム状の素材)が切れて隙間になっています。
放置すると、ここから少しずつ水が侵入してしまいます。
■棟板金の錆び
昔のお家だとトタン製が多いため錆びやすいです。
最近は錆びにくいガルバリウム鋼板が増えましたが、それでも10年以上メンテナンスしていないと錆びることがあります。
釘
棟板金を固定している釘です。
釘の浮き、抜け、錆びをチェックします。
■釘の浮き
建てた当初はきちんと打ち込まれているのですが、板金の熱膨のせいで少しずつ浮いて飛び出てしまいます。
■釘の錆び(スチール釘)
通常、屋根に使う釘は錆びないステンレス製ですが、たまにスチール釘を使ってしまっている場合があります。
スチール釘は錆び崩れてしまうと、そもそも釘の役割を果たさなくなるため、ステンレス釘への交換が必要です。
吸水
スレートに水をかけて、吸い込むか弾くかをチェックします。
新築時は表面の塗装が生きていて、しっかり水を弾く(水玉ができる)状態です。
しかし経年劣化で塗膜が弱まると水を吸いこむようになり、様々な劣化を引き起こします。
コケ
緑、黄色、白のつぶつぶしたものが付着していたら、カビやコケです。
日当りの少ない北面のスレートに繁殖しやすいです(上の写真では左が北面)。
屋根の塗装が切れて水を吸いこみ、スレートが湿った状態になっている証拠です。
ひび
スレートにひび割れが起こっていないかをチェックします。
どの面にも起こり得ますが、特に日当たりの良い南面はひびが起きやすいのでよく見ていきます。
反り
スレートを先端から覗き込むようにして、反りが起きていないかチェックします。
もともとはすべてまっすぐに整っていたはずですが、吸水しはじめると少しずつ変形して浮きあがってきます。
日当りの良い南面だと見つけやすいです。
※パミール屋根
スレートの先端がめくれ上がるように、層状に剥がれたりしていた場合、そのスレートは「パミール」という種類の屋根の可能性があります。
塗装メンテナンスができず、カバーか葺き替え工事が必要になりますのでご注意ください。
◆パミールについて詳しくはこちら
1-2 瓦屋根
瓦(和瓦、洋瓦)は粘土を焼き固めたもので、日本建築で古くから親しまれてきました。
最近は使うお家が減っていますが、メンテナンスさえしていれば100年近く使える優れた建材です。
■瓦屋根を上からみた写真
一枚一枚、下から順に積み重ねてあります。
瓦の先端に体重をかけないように注意して歩きます。
点検で見るべきポイントは、棟瓦の漆喰、ビス、番線、瓦のズレ、割れです。
漆喰
漆喰とは、瓦と瓦の隙間を埋めて固定している部分です。
崩れたり剥がれたりしていたら補修が必要です。
■崩れた漆喰
白い破片が落ちていたら、漆喰の可能性が有ります。
ビス
屋根の頂上にある棟瓦(むねがわら)は、上からビスで固定されている場合があります。
風雨や地震の揺れなどによって浮くことがあるので、見ておく必要があります。
番線
番線という針金で瓦を固定していることがありますが、これも経年でズレたり切れたりしていないかチェックします。
瓦のズレ
瓦がズレたり、棟が歪んだりしています。1か所あると全体に複数見つかる場合があるため注意が必要です。
瓦の割れ
台風などで飛んできたものによって割れたり、倒れたアンテナによって瓦が割れることがあります。
◆セメント瓦・モニエル瓦の場合はこの他にカビコケなども出ていないかチェックします。詳しくはこちら。
1-3 金属屋根
金属屋根は、昔はトタン、最近はガルバリウム鋼板が主流になっています。
軽量で地震に強いため、新築やリフォームでも少しずつ増えています。
■金属屋根を上から見た写真
点検で見るべきポイントは、棟板金、釘、色あせ、錆びです。
棟板金
屋根の頂上にある部材です。点検では、板金の浮き、つなぎ目のコーキングの劣化が無いかチェックします。
釘・ビス
棟板金を釘やビスで横から留めています。どちらも浮きやゆるみが無いかを確認します。
■ビスの抜け
穴だけ開いていて、ビスが留まっていません。施工時のミスが考えられます。
色あせ
屋根全体の色あせ状態をチェックします。
特に日当たりの良い南面は色あせしやすいです。
錆び
表面に錆が出ていないかチェックします。
物がぶつかって凹んだところにできやすい他、アンテナの足などから錆が移る(もらい錆び)こともあります。
★その他一緒に見ておくべきポイント
屋根点検の時は、屋根本体以外に破風板、軒天、雨樋も一緒に確認しておきます。
屋根と同じく普段あまり見えないところなので、異常がないかきちんとチェックしておくと安心です。
破風板
屋根の側面についている板状の部材です。
日差しや雨風を受けやすいため、隙間や剥がれが無いかチェックします。
■破風板のコーキング劣化
境目のコーキングが劣化して、ひび割れてしまっています。
軒天
屋根からはみ出た裏側部分です。
染みや剥がれが出ていた場合、屋根から雨漏りしている可能性が高いです。
雨樋
詰まり、歪みがないかチェックします。
雨樋に異常があると水があふれて外壁や周りのものを汚したり、おかしなところに水が回って雨漏りにつながることもあります。
神社や公園など木々が多い面は特に落ち葉が詰まりやすいため、要確認です。
屋根のみの点検ではなく「お家の高所点検」と思って、すべてチェックしていきます。
普段見えないところだからこそ、問題の芽は早いうちに見つけておくことが重要です。
2章 自分でのぼって点検はNG!3つの理由
プロが実際に行う点検のポイントをご紹介しましたが、一般の方が屋根に上るのは大変危険です。絶対にのぼらないでください。
3つ重大な理由があるからです。
高いところは得意だから!と思っても、絶対にやめてください。
プロでも研修や訓練をして、屋根用の滑り止め靴やヘルメットなど装備も整えた上で点検をしています。
なぜ屋根点検が危険なのか、起こりうるリスクを解説していきます。
2-1 高所なので非常に危険
一つ目に、屋根の上は高所で不安定で、大変危険だということです。
一般的な2階建て住宅だと、屋根の上は6~8mの高さがあります(平屋でも3~5mです)。
これだけ高いところに立ち、しかも屋根は勾配(傾き)がありますから、ちょっとでも足を滑らせてしまえば重大な事故は避けられません。
さらに、周りには遮るものが何もないため、地上よりも風も強く吹く可能性があります。
高いうえにとにかく不安定な場所なのです。
せっかくお家の事を心配して点検したのに、そのせいで悲しい事故が起こってしまっては意味がありませんよね。
安全のために、ご自身での屋根点検は避けてください。
2-2 屋根を傷めるリスクがある
二つ目の理由は、屋根材を踏んで傷めてしまう可能性があるからです。
屋根材は普段上にものが載らない場所ですから、歩き方、重心のかけ方を間違えれば割れたり傷付けたりしてしまうことが十分ありえます。
特に「点検しよう」と思うくらいの年数の屋根は、劣化して弱くなっている事が多いため、注意が必要です。
点検しようとしたせいで屋根を傷めてしまっては元も子もありません。
きちんと屋根の事を熟知したプロにのぼってもらう必要があります。
2-3 専門家でないと細かい症状に気づけない
三つ目は、点検をしても細かい初期症状までなかなか気づけないという点です。
屋根点検で一番重要なのは、“初期症状”を発見することです。
なぜなら、誰でも見て分かるような大きな劣化は、見つけた時点ですでに事態が大きくなっているものだからです。
点検で見つけるべきは、大きな補修工事にならないうちに対処できる小さな初期症状なのです。
きちんと点検したいとお考えの方は、まめに健康診断をしている方と同じで、「何かあってからではなく、大事になる前に気付きたい」という方が多いのではないでしょうか。
初期症状を見つけるのは、危険な高所で慣れない動きをしている状態ではとても難しいです。
大切なお家のサインをしっかり見つけるためにも、屋根点検はプロに依頼するのがベストです。
■ぱっと見では特に異常がなさそうな屋根ですが…
↓
■実は初期のヒビ割れが隠れていました
3章 比較的安全にできる自主点検の方法
きちんとした屋根の点検はプロに依頼すべきですが、それでもやはりご自身で状況を確認したいと思います。
ここでは、直接屋根に上らずにできる自主点検の方法をご紹介します。
無理のない範囲でチェックしてみて、少しでも気になる箇所があったら業者を呼んで本格的に見てもらいましょう。
3-1 2階の窓から1階屋根を見る
まず一番手軽にできるのは、大屋根(一番上の屋根)ではなく、下屋根(1階と2階の間にある屋根)を見てみることです。
2階のお部屋の窓やベランダから下屋根が見える場所を探してみましょう。
【注意点】
見たりや写真を撮るときに、窓から身を乗り出しすぎないようにご注意ください。
3-2 ベランダに脚立を立てて覗き込む
大屋根を見たい方は、ベランダを利用してみましょう。
ベランダ内に脚立を立てて一人がしっかりと抑え、もう一人が脚立に乗ってゆっくりと屋根を覗き込んでください。
屋根の傾斜にもよりますが、下端~中ほどまでの様子を確認できます。
ベランダは南面についているお家が多いですから、屋根も日が良く当たることで起こるひび割れ・反りなどの劣化が見つけやすいです。
【注意点】
・ベランダに屋根がついているお家や、脚立を立てる幅が無い場合は実施できません。
・ベランダ内も高さがあります、安全のために2人で行ってください。
・脚立の天板(頂点部分)には立たず、2段目以下に足をかけてください。
出典:労働安全衛生総合研究所
3-3 坂道やご近所の家から見る
屋根全体の様子を見るには、外からの確認が必要です。
近くに坂道や小高くなっている公園などがあれば、そこから屋根の様子を見てみましょう。
遠目での確認にはなりますが、全体の汚れや色あせ、目立つ瓦のズレなどが無いかをチェックできます。
また、ご近所に仲の良い方がいらっしゃったら、その人のお家の2階やベランダから見せてもらうのも有効です。
【注意点】
・坂道、道路、などから見る場合は車の通行などにご注意ください。
・目視では見にくいので、カメラのズーム機能を使って撮影するのをおすすめします。
3-4 屋根裏を見る
立地やお家の造りでどうしても屋根の様子を見るのが難しい場合は、屋根裏点検をしてみましょう。
屋根裏には点検口から入ります。
点検口は、2階の押し入れやクローゼットの天井についていることが多いので、探してみましょう。
■屋根裏の様子
屋根裏では、水がまわっている場所がないかをチェックしてください。
天井に染みがあったり、断熱材がひどく湿っている場所があったら、屋根に異常があって雨漏りしている可能性があります。
【注意点】
・必ずマスクを着用しましょう。天井裏は非常に埃っぽいです(断熱材が敷き詰められていることもあります)。
・誤って天井床を踏み抜かないように、太い木材の梁(はり)や桁(けた)部分を慎重に歩きましょう。
★プロならではの屋根点検:ドローンや高所カメラ
塗装会社や屋根工事会社では、直接屋根にのぼる以外にも様々な点検方法を実施できるところもあります。
例えば、「ドローン」を使って空撮したり、長い棒の先端にカメラをつけて上まで伸ばす「高所カメラ」を使ったりして、写真を撮影する点検です。
機材の導入+使いこなすための練習・講習が必要なので、全ての業者ができるわけではありませんが、安全に点検できるため近年注目されています。
■ドローンで上空から点検
■高所カメラで地上から点検
当サイト運営のユーコーコミュニティーでも、ドローンや高所カメラでの点検も実施しています。
興味のある方はぜひ一度お問い合わせください。
4章 屋根点検に最適なタイミング
屋根点検の実施には、おすすめの時期・タイミングがあります。
普段見えないうえに風雨の影響も受けやすい場所ですので、適切な時期に点検をして、何かあってもすぐ対応できるようにしましょう。
4-1 3~5年に一度
まず重要なのは定期点検です。
神経質になって毎年毎年見る必要はないですが、3~5年に1回程度のサイクルで業者に見てもらうと安心です。
このくらいの間隔で見ておけば、経年劣化がどの程度進んでいるのかのチェックができます。
最近は気温上昇や紫外線の増加など、昔とは環境が変化しているため、屋根の劣化スピードも変わっていくことが予想されます。
定期的な点検で状態を確認していきましょう。
4-2 台風や大雪などの災害後
定期点検に加えて、台風や強風、大雪などの自然災害のあとも点検してもらうのが安心です。
お住まいの方でも屋根の上のことは意外と気づかない事例も多いからです。
実際に当社でも、「屋根が割れて落ちてきたから見てほしい」とご依頼いただいて行ってみたら、割れていたのはそのお宅ではなく、お隣のお家の屋根だった(お隣さんは自宅の屋根が割れたことに気づいていなかった)というようなことが多々ありました。
特にご近隣などで被害の話を聞いた方は、「まさかうちは大丈夫よね」とは思わずに、念のためでも見てもらいましょう。
もちろん、「庭に屋根の部材ではないかと思われるものが落ちていた」「瓦がズレているように見える」など、ご自身が気になることがあったらすぐに点検を依頼しましょう。
せっかく気づいたのに放っておいてはもったいないですし、特に問題なくて安心できるに越したことはありません。
大切なお家の健康診断ですので、災害後のタイミングはしっかり見てもらいましょう。
5章 信頼できる点検・修理業者を選ぶポイント
よく、「訪問業者が屋根点検をすすめてきて、言われるまま点検をお願いしたら、脅しのようなことを言って契約を迫ってきた…」という話を耳にします。
残念ながらこういう悪徳業者も確かにいるのが現状です。
しかし大切なお家のこと、大きなお金が絡んでくることですから、万が一にもこうした業者に引っかかるのは避けなければなりません。
そこでこの章では、きちんとした点検・誠実な対応をしてくれる業者を見極めるためのチェックポイントを3つに絞ってご紹介します。
屋根の状態を正しく見てくれて、これからのあなたにとって最善の提案をしてくれる業者をえらびましょう。
5-1 軽補修から葺き替えまで幅広い工事実績がある
まずはその業者の実績を確認しましょう。
屋根の補修工事は何件くらいやっていますか?と聞いて、はぐらかされたり口ごもったりする場合は注意してください。
ホームページの確認や、地元での実績が分かるパンフレットをもらって確認しましょう。
また、件数が多いだけでなく、軽補修から大きな工事(葺き替えなど)まで、工事種類に幅があるところだと一層安心です。
屋根は大きな工事になりやすい箇所ではありますが、部分補修で済むケースも多々あるからです。
不安をあおって大がかりな工事ばかりすすめる業者ではなく、
屋根の状態やご家庭の状況も考えて、大小様々な選択肢の中からその時できる最善の提案をしてくれるのが良い業者です。
工事の実績は必ずチェックしておきましょう。
(部分補修などの費用相場は6章をご覧ください。)
5-2 細かく写真を撮ってくれる
屋根点検をしてもらうときは、必ず詳細に写真を撮ってもらいましょう。
点家結果と見積もり内容が適切かどうか判断するためです。
例えば、大きなひび割れの写真を1枚もってきて、「これがあちこちにあったので全部葺き替えないとダメです!」と言われても、全体の写真が無ければ本当かどうか分かりませんよね。
やらなくて良い工事をさせられるのは非常にもったいないです。
また逆に、小さな初期症状が無かったかどうかも、数枚の写真からでは分かりません。
大きな損壊は誰でも確認できますが、小さな劣化を見逃して後々大きな工事に発展してしまっては意味がありません。
屋根点検できちんと写真を撮ると大抵30枚以上になります。
具体的に細かく、あなたのお家の屋根の状態が分かるように、写真を撮ってくれる業者を選びましょう。
■屋根点検の写真
ご自宅の屋根のどの方角・どのあたりかわかるように、背景(周りの景色)なども入っているとわかりやすいです。
5-3 火災保険の提案をしてくれる
これは台風や大雪などの災害が原因と思われる屋根破損があった場合ですが、業者の方から火災保険の提案をしてくれるところは安心でしょう。
きちんとした会社であれば、火災保険を使った方が皆様にとって良いことだと分かっているからです。
こちらが言い出すまで何も言わない場合は、そもそも屋根修理の経験があまりない可能性があります。
また逆に、「火災保険があるからタダで直せます!」と最初から”無料”と言い切るところも危険です。
火災保険で下りる金額は加入している保険の内容によって大きく変わるため、必ず全額下りるとは限らないからです。
「全額下りるか一部のみかは申請しないと分かりませんが、どちらにせよ保険を使った方がお得にできることは確かですから、まずは保険会社に問い合わせましょう」と、アドバイスしてくれるところなら安心です。
正しい知識、経験を持って助言をしてくれる、信頼できる業者を選びましょう。
◆火災保険の申請方法について詳しくはこちら
★注意!「雨漏りが絶対に直る!」「完全アフター保証!」は悪徳業者の可能性あり
雨漏りに困って屋根修理を検討したときに、「ここを直せば絶対に雨漏りがとまります!」「何かあってもアフター保証で全部対応しますから平気ですよ!」など、“これで絶対大丈夫”と言い切る業者は注意しましょう。
なぜなら、雨漏りの原因特定・修理はプロでも非常に難しいからです。
本当に屋根に詳しいプロほど、100%雨漏りがなくなるとは断言できないのです。
アフター保証も実際には適用範囲や免責事項が決まっていて、必ず有償になるラインがあります。雨漏りがとまるまですべて無償ということはまず不可能です。
大げさなことをいう業者ではなく、まずは今回きちんと点検したうえでの提案をし、今後も親身になって相談に乗ってくれるところへ依頼しましょう。
6章 屋根修理の費用相場
最後に、大小さまざまな屋根修理の費用相場をご紹介します。
業者に修理見積もりをもらったときに、適正価格かどうかの目安にしてくださいね。
■スレート屋根の場合
■瓦屋根の場合
■金属屋根の場合
※金額はすべて、屋根面積75~80㎡の場合の参考価格です。
※足場代を含まない金額です。
まとめ
屋根の点検チェックポイントは、スレート・瓦・金属屋根など種類によって異なります。
それぞれに症状が出やすい場所をしっかり確認しましょう。
ただし、ご自身で屋根にのぼるのは大変危険です。
自主点検は、
- ・2階の窓から1階屋根を見る
- ・ベランダに脚立を立てて覗き込む
- ・坂道やご近所の家から見る
- ・屋根裏を見る
などの安全な範囲で行い、より詳細な点検はプロに依頼しましょう。
屋根点検のタイミングは、3~5年に一度の定期点検と、台風大雪などの災害後がベストです。
業者を選ぶときは、
- ・軽補修から葺き替えまで幅広い工事実績がある
- ・細かく写真を撮ってくれる
- ・火災保険の提案をしてくれる
の3点をチェックして適切な点検、修理をしてもらいましょう。
大切なお家の屋根のために、お役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
◆点検して経年劣化が見られたら、全体メンテナンスの時期です。塗装やカバー、葺き替え工事を行いましょう。
・屋根の塗り替え工事を徹底解説!塗装時期・費用相場から業者選びまで
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