屋根塗装をお考えのあなた。
「どうせ塗るなら断熱塗料で塗ってみたいけど、実際に効果はあるの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
断熱塗料とは「外部からの熱伝導をおさえ、屋内の暖かい空気を逃がさない機能」がある塗料です。
この記事では断熱塗料の効果(メリット)とデメリットを遮熱塗料と比較して解説していきます。
効果を感じやすいお家の特徴や、おすすめの断熱塗料もご紹介しますので、ご自宅に最適な塗料なのか判断していきましょう。
ただし、断熱塗料を塗っただけでは十分な断熱性は確保できません。
もし確実に断熱効果を得たいのであれば、塗装だけではなく断熱工事も一緒に行うことをおすすめします。
そこで記事の後半では、断熱性を高める工事について解説します。
断熱性をより向上させたい方は、チェックしてみてください。
目次
1章 「断熱塗料」の特徴を「遮熱塗料」と比較して解説!
| 断熱塗料 | 遮熱塗料 |
効果 | 熱や冷気の侵入を防ぎ、室内の温度を逃がしにくくする。 | 熱を反射し、屋根や外壁の表面温度を下げる。 |
費用相場 | 約3,500~4,000円/㎡ | 約2,300~3,500円/㎡ |
メリット | 断熱効果だけでなく、遮熱効果も兼ね備えている。 | 断熱塗料よりも費用が安い。 |
デメリット | 一般的な塗料よりも費用が高い。 | 断熱機能がない。 |
断熱塗料のメリット・デメリットを解説していきます。
選ぶ前に把握しておきましょう。
1-1 メリット|断熱効果で1年中快適な室温
断熱塗料のメリットは断熱効果+遮熱効果で一年中快適な室温になるという点です。
断熱塗料には遮熱効果も含まれているため、夏場は太陽の熱を反射して室内温度の上昇を防ぎ、冬場は室内の暖房を外に逃がさない断熱機能を発揮します。
遮熱塗料には、ほとんどの場合断熱効果は含まれないので、冬場の室内の保温はできません。
1-2 デメリット|費用が比較的高い
断熱塗料のデメリットは比較的費用が高い点です。
一般的な屋根塗料(遮熱塗料)よりも1.1~1.2倍ほど費用がかかるので、あまりお金をかけたくない方や、10年未満で家を手放す予定の方にはあまりおすすめできません。
塗料を選ぶ際は、塗装予算や今後のライフプランも考慮して選んでいきましょう。
◆遮熱塗料と断熱塗料の違いについてより詳しく知りたい方はこちら
2章 断熱効果を感じやすい家
断熱塗料の効果を感じやすいお家の特徴を2つご紹介します。
塗料を選ぶ前にご自宅が効果を得やすい住宅なのかチェックしておきましょう!
2-1 金属屋根の家
金属屋根の家は断熱効果を感じやすいです。
金属屋根は熱伝導率が高いので、暑さや寒さが室内に伝わりやすくなっています。
そのため、断熱塗料を塗ることで、塗る前と比較して室内温度の変化が感じやすくなります。
2-2 断熱性の低い家
断熱性があまり高くない家も効果を感じやすいです。
壁が薄い・屋根の断熱材が薄いなど元々の断熱機能が低いお家だと、室内温度も外の気温に左右されます。
そのため、断熱塗料を塗ることで、塗る前よりも室内温度を快適に保つことが出来ます。
3章 おすすめの断熱塗料3選
この章では、おすすめの断熱塗料を3つご紹介します。
断熱塗料を使いたい!とお考えの方はぜひ参考にしてみて下さいね。
3-1 キルコ
まずご紹介するのが株式会社シンマテリアルワンの「キルコ」です。
高い断熱性と遮熱性で、室内温度を保つことが出来ます。
さらに、耐久年数も15年以上と高耐久なので、長持ちさせたい方におすすめです。
また、伸縮性が高いので、熱によって伸び縮みする金属屋根の動きにも追随します。
▼約200~250%の伸び率
またキルコはトップコートを塗ることで艶を出すことが出来ます。
トップコートを塗ることでより長い耐久性が保たれるのが魅力です。
3-2 ガイナ
出典:株式会社日新産業
続いてご紹介するのが株式会社日新産業の「ガイナ」です。
断熱塗料の中で最もシェアがある塗料で、屋根の他にも外壁や室内にも塗装する事が出来ます。
また、断熱効果だけでなく、遮熱効果・遮音効果・消臭効果・結露防止などの機能もあるので、様々なお悩みを解決してくれます。
▼ガイナの遮音実験
出典:株式会社日新産業
ガイナを塗ったフライパンをハンマーでたたくと音エネルギーは1/100に。
ただし、施工するのが難しく、経験がないと表面が凸凹になってきれいに仕上がらない場合があります。
ガイナを塗りたいのであれば、丁寧な施工をしてくれる業者に依頼することが重要です。
3-3 ロハスコート
出典:株式会社OKUTA
最後にご紹介するのが株式会社 OKUTAの「ロハスコート」です。
断熱性・遮熱性はもちろん伸縮性に優れています。
▼200%以上の伸び率
出典:株式会社OKUTA
気温の変化で動きが出る金属屋根にも追随できるため、ひび割れが起きにくいです。
また、こちらも「キルコ」同様に、トップコートを塗ることで艶を出すことが出来ます。
耐久性が高い分、費用も高いですが、耐久性や美観を長持ちさせたい方にはおすすめです。
4章 注意!断熱塗装に過度な期待はNG!
ここまで屋根に断熱塗料を塗った際の効果やおすすめの塗料をご紹介しましたが、断熱塗料に過度な期待はおすすめしません。
なぜなら、断熱塗料を屋根に塗るだけでは、十分な断熱効果は得られないからです。
屋根を断熱塗料で覆っても、窓などの開口部分や塗料に含まれる樹脂を伝って熱が逃げてしまいます。
また、屋根に十分な断熱材が含まれていれば、断熱塗料の効果は感じにくくなります。
実際に塗った方の意見も、「塗る前よりも涼しくなった!」「暖房代が減った!」という方もいれば、「何も変わらない」と効果を実感できない方もいて、感想は様々です。
もし塗装で断熱効果を得たいのであれば、屋根よりも室内壁に断熱塗料を塗るのがおすすめです。
さらに断熱性を上げたいのであれば、塗装だけではなく次章でご紹介する断熱工事も一緒に行なうと良いでしょう。
5章 塗装以外の断熱性を高める工事
断熱効果を高める工事をしたい方は、塗装ではなく断熱工事を行ないましょう。
具体的な工事をご紹介していきます。
5-1 断熱工事
工事の種類 | 価格相場 | 工期 |
屋根カバー・張替工事 | 約20,000~30,000/㎡ | 5~7日 |
外壁の断熱工事 | 約4,000~30,000円/㎡ | 2週間~1ヶ月 |
天井の断熱工事 | 約4,000~8,000円/㎡ | 2~4日 |
床下の断熱工事 | 約4,000~8,000円/㎡ | ・床下から断熱材を追加する場合1~2日 ・床材の張り替えも行う場合=3~6日 |
断熱工事は場所によって変わります。
屋根の断熱性を高くしたいのであれば、既存の屋根の上から断熱材入りの新しい屋根を被せるカバー工事、又は張り替え工事を行ないましょう。
他にも外壁や天井・床下など室内の断熱性を高める工事があります。
どれか一つでも効果がありますので、断熱性を高めたい方は上記の工事を検討されると良いでしょう。
5-2 窓の断熱工事
工事の種類 | 価格相場 | 工期 |
断熱フィルム | 15,000円~/箇所 | 半日 |
ペアガラス | 約5~10万円/箇所 | 半日 |
二重窓 | 約5~7万円/箇所 | 1日 |
窓の交換 | 約10万円~/箇所 | 1日 |
窓は熱が逃げやすい場所なので、窓の断熱工事もお勧めです。
断熱フィルムは15,000円からでき、最も手軽に試せる工事です。
寒冷地で日常的に寒さにお悩みの方は、ペアガラスにしたり、二重窓にする工事を行うと効果が得られます。
ご自宅に大きい窓がある・窓が多いなどの場合は窓の断熱工事を行なって断熱をしていきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
屋根の断熱塗料には、
断熱効果+遮熱効果が得られるメリットと、費用が比較的高いというデメリットがあります。
断熱塗料の効果をより感じやすいのは以下の特徴のある家です。
・金属屋根の家
・断熱性が低い家
断熱塗料には様々種類がありますが、おすすめの塗料は以下の3つです。
・ガイナ(株式会社日新産業)
・キルコ(KRC)
・ロハスコート(株式会社 OKUTA)
ただし、断熱塗料を屋根に塗装しただけでは、十分な断熱効果を得ることはできません。
よって過度な期待はしない方が良いでしょう。
もし冬場の寒さにお悩みなのであれば、以下のような断熱工事を行ないましょう。
・屋根、外壁、天井、床下の断熱
・窓の断熱
断熱塗料は効果はあるものの、感じやすさはお家や人によって異なります。
すでに、それなりの断熱性があるお家の場合は、一般的な屋根塗料を、
金属屋根or断熱性が低いお家の場合は断熱塗料を選ぶなど、状況に合わせて最適な塗料を選んでいきましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
◆遮熱塗料の効果について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
⇒これで完璧!屋根の遮熱塗料の効果から費用まで全てわかる基礎ガイド