新築でもリフォームでも使われる「金属サイディング」
断熱性や遮音性が高く、軽量で地震にも強いので年々リフォームで使用する方が増えています。
▼リフォーム用の外壁材の市場規模と素材別シェア
そんな人気の金属サイディングですが、実は定期的な塗装メンテナンスが必要です。
なぜなら、塗装をしないとサビが発生し脆くなってしまうからです。
この記事では金属サイディングの塗装の必要性から、適切な塗装時期、費用相場、注意点まで、
金属サイディングの塗装についての知識をご紹介します。
正しい知識も持つことで、ぼったくりや手抜き工事を防ぐことが出来ますので、実際の塗装工事にお役立てください。
さらに記事の最後では、塗装以外のメンテナンス方法もご紹介。
ご自身でできる日々のお手入れもありますのでぜひ最後までご覧くださいね。
目次
1章 金属サイディングは塗装が必要!
金属サイディングは防水性も高く、メンテナンスフリーと思われがちですが、実は定期的な塗装が必要です。
なぜなら、表面に塗装された塗料が紫外線によって劣化してしまうと金属部分に雨水があたりサビが発生してしまうからです。
サビが発生してしまうと、見栄えも悪くなりますし、建材自体の耐久性も低下してしまいます。
最悪の場合、破損・穴あきなどの症状が出てしまうこともあります。
穴が開いた部分から雨水が入ると、お家を支える柱や躯体の木に水が染み込み、腐ってしまいます。シロアリも寄ってくる危険性があるので要注意です。
▼シロアリが通った道(蟻道)がある家
金属部分が破損し、内部の柱にシロアリが通った道が出来ています。
お家を水から守るためにも、外壁材を綺麗な状態で長持ちさせるためにも、
金属サイディングは定期的に塗装することが大切です。
2章 金属サイディングの塗装時期
金属サイディングの塗装時期についてご紹介します。
適切なタイミングを逃してしまうと、外壁材の耐久性も落ちてしまいます。
どんな状態になったら塗装が必要なのかを知って、最適な時期に塗装していきましょう!
2-1 目安は築10~15年
金属サイディングの塗装目安時期は築10~15年です。
このくらいの年数になってくると、外壁材に塗られていた塗料が紫外線によって劣化し、色あせてきます。
ただし、金属サイディングの中にも種類があります。
代表的なガルバリウム鋼板は10~15年で塗装が必要ですが、素材によっては10年よりも早くに塗装が必要になる場合も。
※トタン製の場合は、サビが発生しやすいので5~7年で塗装が必要になります。
※アルミ製・ステンレス製のものは塗装をしても剥がれやすいので基本的に塗装はしません。
2-2 塗装が必要な劣化症状
塗装時期も知っておいて損はないですが、あくまでも目安です。
実際にどんな症状が出ていたら塗装が必要になるのか、具体的な劣化症状についてご紹介します。
■色あせ(チョーキング)
金属サイディングの表面に塗装されている塗料は、水を弾く油と色を付ける粉を混ぜ合わせて出来ています。
紫外線によって油分だけ飛んでしまうと、残るのは粉だけになり、雨と一緒に流れて色あせが起こります。
手で触ると粉が手に付く状態です。
色あせが起きていたら塗装が劣化している状態なので、再塗装を行ないましょう。
■サビ(赤さび・白さび)
表面に赤または白くサビが生えることが多いです。
特に傷がついた部分などはサビが生えやすくなっています。
サビは放っておくと広がり見た目を損ないます。
さらに、耐久性も落ち、破損してしまう原因にもなります。
破損すると塗装しても直すことが出来ないので、早めの塗装が大切です。
■剥がれ
過去に塗装したことがある場合は、剥がれてきたら再塗装の時期です。
塗料と外壁の密着性が落ちてくると剥がれてきてしまいます。
見た目も損なわれてしまうので、剥がれてきた塗膜をきちんと処理して塗装を行ないましょう。
3章 塗装費用は70~160万円
金属サイディング外壁塗装の費用相場は70~160万円です。
中でも90~140万円が中心価格となっています。(2階建て30坪の場合)
また坪別の費用相場は以下の通りです。
塗装費用は、使用する塗料のグレードや外壁の大きさ、劣化状況によって変動します。
ご自宅の正しい見積もりを知りたい方は、きちんと点検してもらった上で費用を出してもらいましょう。
>塗装費用や具体的な工事内訳についてはこちらの記事をご覧ください。
4章 金属サイディング塗装の3つの注意点
金属サイディングを塗装する上で知っておきたい注意点を解説していきます。
ご自身でも知っておくことで、悪い業者に騙されるリスクを減らすことが出来ます。
注意ポイントを把握して、後悔のない工事にしていきましょう。
4-1 洗浄後、完全に乾燥してから塗装をする
塗装前の高圧洗浄後、完全に乾燥してから塗装作業をしてもらいましょう。
なぜなら、乾いていない状態のまま塗装してしまうと、
・塗料が垂れやすくなる
・塗料が乾きにくくなる
・剥がれやすくなる
などの恐れがあるからです。
手抜き業者や品質の悪い業者の場合は、外壁に水滴がついているのに塗装作業に入ってしまうこともあります。
乾燥している状態の外壁かチェックして塗装してくれる業者だと安心です。
4-2 下地処理をきちんとする
金属サイディングは塗装前に下地処理をきちんとすることが重要です。
下地処理とは
・サビをケレン(やすりで削る作業)して表面を整える
・剥がれている塗料を除去する
などの処理のことです。
下地処理を行なわないと、塗料の密着性が下がり剥がれの原因になります。
塗装を長持ちさせるためにも下地処理はとても大切な作業です。
4-3 サビ止め効果のある塗料で塗装する
金属サイディングの塗装ではサビ止め効果のある塗料で塗装しましょう。
金属はどうしても年数が経つとサビが発生してしまいます。
外壁にサビが出てきたら、見た目も損なわれますし、耐久性も落ちてしまいます。
そのため、サビ止め塗料で塗装して、サビの発生を防ぎましょう。
塗料にもよりますが、
下塗り(サビ止め塗料)→中塗り(一般的な塗料)→上塗り(一般的な塗料)
という流れが一般的です。
5章 塗装以外のメンテナンス方法
金属サイディングの塗装以外のメンテナンス方法をご紹介します。
日々のお手入れ方法から軽い補修、大きな修繕方法など金属サイディングならではのメンテナンスについてご紹介しますので、チェックしていきましょう!
5-1 定期的な水洗い
金属サイディングの日々のお手入れ方法は「定期的な水洗い」です。
最低でも年に1回は手の届く範囲で水洗いして汚れを落としましょう。
塩害の被害に遭いやすい沿岸部にお住まいの方は、1~3か月に1度は外壁に付いた塩分を洗い流すことをおすすめします。
ただし、外壁を水洗いする際は高圧洗浄機などの外壁を傷つけてしまう道具は使わないようにしましょう。
外壁が傷ついてしまうとそこからサビが発生しやすくなります。
ホースを水道に繋いで、優しく洗い流す程度でお手入れを行なってみて下さい。
5-2 軽補修
外壁に少し傷が付いてしまった場合は、軽補修を行ないましょう。
放っておくと、サビが発生しやすくなるので、小さな傷でも補修は必要です。
▪傷が付いて塗料が剥げてしまった部分を塗料で補修します。
小さい傷であればご自身でも補修できます。
プロに依頼すると2,000~10,000円/箇所ほどです。
▪小さい凹みが出来てしまった場合は、リペア業者に板金補修をしてもらいましょう。
費用は3~7万円/箇所です。
5-3 カバー(又は張替)
金属サイディングの寿命は約30~40年程です。
金属サイディングの劣化が進んできたら、カバー又は張り替えを行ないましょう。
カバー工事 | 150~200万円(2階建て30坪の場合) |
張替工事 | 200~300万円(2階建て30坪の場合) |
上記の金額はお家全体を工事した場合の費用です。
一部だけ交換したい、外壁一面だけカバーしたいなどの場合は数万円~数十万円でできます。
「寿命は来ていないけど車でぶつけて一部破損してしまった」などの場合は、部分的な工事を行ないましょう。
>外壁のカバー工事についてはこちら
>外壁の張り替え工事についてはこちら
6章 築10年過ぎたらまずは点検しよう
金属サイディング外壁は、築10年を目安にメンテナンス業者に点検を依頼しましょう。
塗装の時期は10~12年ですが、すでに劣化症状が出ているケースもあります。
小さい傷などに気付かないまま放っておいてしまうと、サビが発生して広がってしまう恐れも。
うちはまだ全然きれいだから大丈夫と思っていても、念のためでも点検してもらうと安心です。
★点検は写真を撮ってくれる業者に依頼しましょう! 小さい傷や高所の劣化症状などはご自身では見つけにくいです。 点検時に業者に写真を撮ってもらい、自分の目で確認しましょう。
当サイトを運営するユーコーコミュニティーでは、点検の際に50~100枚ほど写真を撮ってお客様にお渡ししています。 普段見ることが出来ない2階周りや、屋根の様子も確認できますので、大変好評いただいています。 お家の状態を見てほしい方は、ぜひお気軽にお申込みください。(東京・神奈川エリア限定) |
まとめ
いかがでしたか。
金属サイディングは、素材にもよりますが塗装が必要です。
築10~15年ほど経つと、
・色褪せ(チョーキング)
・赤さび・白さび
・剥がれ
などの症状が出てきます。
劣化症状が見られたら、早めに塗装を行ないましょう。
金属サイディングの塗装費用は70~160万円です。
費用は外壁面積の大きさや塗料グレードによって変動します。
金属サイディングを塗装する上での注意点は以下の3点です。
・完全に乾燥してから塗装をする
・下地処理をきちんとする
・サビ止め効果のある塗料で塗装する
きちんとした知識のある業者でないと、誤った作業をされてしまいます。
ご自身でチェックするためにも注意点は把握しておくと安心です。
また、塗装以外のメンテナンス方法は以下の3つです。
・定期的な水洗い
・軽補修
・カバー(又は張替)
自分でもできるものから大規模なものまであります。
金属サイディングを長持ちさせるために定期的なお手入れを行なっていきましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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