写真で分かるサイディング凍害の原因と危険性!~補修と対策方法3選

サイディング外壁の大きな割れや塗装の剥がれ…、

それは凍害が原因かも、と言われたけれど、どうしたら良いか分からずお困りの方も多いのではないでしょうか。

 

『凍害』とは、外壁材の中で水分が凍ることで、塗装がボロボロになったり、外壁材が割れてしまったりする症状のことです。

寒い地域では特に起こりやすいですが、実際は全国どこでも発生する危険性があります。

凍害が進行すると大規模な修繕工事に直結するため、早期発見と正しい対処・対策がとても重要になります

 

そこでこの記事では、まず凍害が起こるメカニズムと、起こりやすい条件などの基本知識を図・写真で分かりやすく解説します。

後半では、補修方法と費用相場や、今後の凍害予防策もまとめました。

 

凍害はサイディングに重大なダメージを与えます。

正しく対処するために、ぜひ最後までお読みくださいね。

 


1章 サイディングの「凍害」とは

凍害とは、外壁のひび割れや隙間の中に入った水分が凍ることで起こる傷み症状です。

凍害

 

水は氷になるとき、約10%も体積が増えます。

(製氷皿で氷を作ると、水を入れたときよりかさが増して膨らんでいるのも同じ理由です。)

サイディングの内側に入った水分が凍って膨らむことで、外壁や塗膜を内側から壊してしまうことを凍害と呼びます。

 

例えば冬場の夜に凍って膨らみ、日中は融けて水に戻り、また夜に冷えて凍る…というのを繰り返すことで、少しずつ外壁が傷んでしまうのです。

 

特にサイディングは、経年劣化でのひび割れの他、外壁のつなぎ目にあるコーキング部分や窓サッシの周りなど、隙間になる箇所が多く、そこに水が侵入して凍害が発生しやすいです。

 

■サッシ下の凍害

凍害

窓サッシの下の角は水が伝って流れてくるため、水が大量に溜まりやすく、凍害の被害も多いです。

 

■コーキング付近の凍害

凍害

コーキングと外壁の隙間に水が入り、凍害が起こってボロボロと崩れています。

 

★凍害はほぼメーカー保証の対象外

凍害が起こっても、サイディングメーカーからの保証が受けられる可能性はほとんどありませんのでご注意ください。

凍害による割れは経年劣化と判断され、保証の対象外になることが多いからです。

最大手メーカーのニチハでも10年の製品保証がありますが、対象になるのは「全幅、全厚にわたり割れている状態」などの、製品に問題があって起こった非常に激しい傷みのみです。

ニチハ サイディング保証

出典:ニチハ株式会社

製品保証はありますが、ここに当てはまる状況はなかなか起こりません。

凍害についてはご自身でのメンテナンスや対策が重要になります。

 


2章 凍害が起こりやすい条件

凍害は、「水が凍って起こる」症状のため、地域やお家の造りによって発生しやすい条件があります。

当てはまる場合は特に注意して、お家全体をチェックしてみてください。

 

2-1 寒冷地域

凍害は、東北地方や山間部など、冬場に冷え込む地域で特に発生しやすいです。

しかし寒冷地ではないからといって安心はできません。

水が凍る(=気温が0度以下になる)可能性があるなら、全国各地どこでも凍害の危険性はあるからです。

お住まいの地域に関わらず、注意は必要です。

 

特に凍害の危険度が高い地域については、農林水産省による以下のようなデータがあるので、参考にしてみてください。

1~5の数値が大きいほど凍害の危険度が高まります。

 

■凍害危険度の分布

当該危険度の分布

出典:農林水産省「凍害」(PDFデータ)

 

2-2 湿気の多い箇所

凍害はサイディングのお家のなかでも、水分・湿気が多いところで特に発生しやすいです。

例えば、お風呂場やキッチンなど水回り付近の外壁、北面の外壁やコーキング周辺、窓サッシの下、などです。

 

お風呂やキッチンなどの水回りの外壁

お風呂

水回りは室内の湿気が溜まったり、温度・湿度の差で結露を起こしたりして、サイディングの内側から水が染み込みやすいです。

 

北面の外壁やコーキング周辺

カビコケ

日が当たらない面は湿気が溜まりやすいです。

またコーキングは経年劣化でひび割れ・縮みを起こして隙間を作りやすいため、そこに水が入ってしまいます。

 

窓サッシの下

窓サッシ

サッシの周辺は、サッシの重みや外壁材との間の歪みによって、ひび割れが起こりやすい箇所です。

さらに、雨が降るとサッシを伝って水が集まって流れてきます。

そのため、サッシ下のひび割れには特に水が入り込みやすく、凍害の被害も多くなっています

 

このほか、帯板の上や水切り板金の周り、ベランダ付近なども水が溜まりやすいです。

水が溜まりやすい場所

「雨のあと特に水が溜まっている」「雨染みができる」ところは、凍害も起こりやすい場所だと考えましょう。

 

2-3 直貼り工法

直貼り工法』とは、サイディングの裏に通気が無いタイプの施工方法です。

水・湿気の逃げ道がないため、内部結露しやすい(湿気が溜まりやすい)という欠点があります。

そのため、凍害も起こりやすくなっています。

 

■直貼り工法の構造

直貼り工法

直貼りはもともと一般的な建築方法で、多くの住宅で採用されていました。

しかし上述の通り凍害や塗装の剥がれなどの不具合も多かったため、2000年以降は『通気工法』という湿気が溜まりにくい工法の家が標準になっています。

 

■通気工法の構造

サイディング通気工法

通気工法はサイディングの裏に空気の通り道があるので、湿気が籠らず、内側からの凍害が起こりにくいです。

 

>直貼りかどうかの見分け方など詳しくはこちらをご覧ください

 


3章 放置はNG!進行するといずれ大規模修繕に

凍害かな?と思う症状を見つけた場合は放置せず、すぐに業者を呼んで補修・メンテナンスを検討してください

凍害は一度発生すると進行が早いうえに、お家の内部まで大きな被害を与えてしまうからです。

 

■サイディングの素地が見える状態

凍害

凍害が起こると、その箇所はサイディングの中の素地がむき出しになってしまいます。

サイディング表面は防水塗装されていますが内部は何も保護されていないため、この部分は今まで以上のスピードで水分を吸収していきます。

すると、また凍ったときの被害が前よりさらに大きくなり、またむき出しの部分が増え…という悪循環で、一気に被害が加速してしまいます。

 

【事例】~ひと冬で大きな被害に~

■窓サッシ下、一年前の点検時

ひび割れ:凍害前

このときは細い一本のひび割れしかなく、お客様は「メンテナンスは来年以降に」と後回しにされました。

■翌年の点検時、凍害発見

凍害

凍害

翌年に点検にお伺いすると、たった1年で大きな割れになっていました

ひび割れに入った水による凍害です。

ひと冬の間で何度も凍結を繰り返し、ここまでの被害になってしまいました。

このお家はもともと外壁塗装だけの予定でしたが、大きく割れたサイディングは張り替え工事となってしまい、数十万円の追加費用がかかりました。

 

また、凍害でサイディングが割れると、そこは壁に穴が開いているも同然です。

サイディング住宅のほとんどは木造ですから、中の木材や柱に直接水が当たり、木を腐らせてしまいます

 

■傷んだ下地(コンパネ)

コンパネの傷み

サイディングの張り替えも、内部の木材の修繕・交換も、数十万円~の大きな工事になってしまいます。

 

このような大規模修繕を避けるためにも、凍害に気づいた段階や、その前のひび割れなどの症状を見つけたときに、すぐ対処することが重要です。

 


4章 凍害の補修方法と費用

凍害が発生した時は、その程度に合わせて補修工事を行ないます。

割れが小さい、ごく一部分だけなら「パテ補修」、

割れが大きい、複数箇所ある、直貼りが原因なら「張り替え工事」となります。

どちらの方法が良いかは、専門業者の点検で判断してもらいましょう。

 

4-1 パテ補修

凍害 パテ補修

割れが小さく、サイディングの一部分のみで収まっている場合は、パテ補修で応急処置ができます。

補修材で割れた部分を埋めて、中に水が入るのを防ぎます。

費用は1万円~/箇所です。

※補修部分の大きさや、人件費などで金額は変動します。

 

ただし、パテはそのままだと数年で劣化してしまうので、剥がれてまたそこから凍害を起こす危険もあります。

そのため、パテ補修は外壁塗装とセットで行うのが望ましいです。

塗装することでサイディング表面に防水効果がもどり、今後の水の侵入やひび割れの発生を防ぐことができます。

また、パテ補修した場所の見た目も目立ちにくくできます。

 

4-2 サイディング張り替え

凍害

割れが大きかったり複数個所にあった場合、また直貼り工法による湿気が原因の場合は、サイディングの張り替え工事を行ないます。

今の傷んだサイディングを剥がして、新しいものと交換します。

費用は10万円前後~/枚ほどかかります。

※サイディングのグレード、サイズにより費用は変動します。

 

ただし、直貼り工法から通気工法に作り替える場合は、通気層分の数センチ、外壁が外に張り出すことになります。

すると1枚だけの張り替えは難しいため、外壁1面、あるいは全面の張り替えが必要になり、費用も高額になりますのでご注意ください。

 


5章 凍害の予防策3

凍害の補修を行った方、またはこれから凍害が起きないように対策したい方のために、予防策を3つご紹介します。

大切なのは、サイディングに水を入れない・湿気を溜めないことです。

ぜひ実践してみてくださいね。

 

5-1 定期点検で初期のひび割れを見つける

住宅の点検

一番早くお金もかけずにできるのは、サイディングの定期点検で劣化の初期症状を見つけることです。

凍害の多くは、小さなひび割れや劣化部分に水が入ることから始まるからです。

小さなひび割れのうちに補修して埋めるなどすれば、中に水が入るのを防げます。

特に凍害が起きやすい、窓サッシの下や、北面のコーキング周りなどは、ひび割れがないかチェックしましょう。

 

■サッシ下のヒビ

ひび割れ

とても見えにくい、髪の毛程度の細いひび割れ(ヘアークラック)も初期症状です。しっかり近づいて確認しましょう。

 

■コーキングの縮み

コーキング 割れ

サイディングの目地にあるコーキングも、経年劣化で縮んで硬くなり、ひび割れます。

 

もしも劣化があったら、水が入らないようにコーキング材などで補修します。

ホームセンターで材料を買ってご自身でもできますが、少しでも隙間があると水は入ってしまうため、住宅メンテナンスの専門業者に依頼するのをお勧めします。

 

5-2 適切な時期に外壁塗装して水を入れない

サイディング塗装

長期的なメンテナンスとしてできる凍害予防が、外壁塗装です。

外壁塗装は「防水」の役割をもち、サイディング自体の劣化を防いでくれるものだからです。

 

サイディングはセメントが主成分のため、水を吸うと膨張・乾くと収縮、という伸び縮みの動きをします。

新築時は表面が防水塗装されており水を弾きますが、塗装が経年劣化して防水効果がなくなると、サイディングの伸び縮みが始まります

この伸び縮みを繰り返すことで、少しずつ負荷がかかって各所にひび割れが起こります

つまり、サイディングに水を吸わせなければ、伸び縮みも起きないため、そもそもひび割れないのです。

 

塗装の防水効果が切れたタイミングでまた次の塗装をすることが、ひび割れ予防=凍害予防になります。

点検をお近くの塗装業者に依頼し、適切な時期で塗装工事を行ないましょう。

 

>ご自身で点検する場合はこちらの記事をご覧ください。

 

5-3 通気工法にリフォームする

ご自宅が直貼り工法だった場合は、通気工法に全面リフォームする必要があります。

直貼りだけどまだ凍害は発生していない…という方も、湿気が溜まりやすい構造なのは確かなので、いつ凍害が起こるかはわかりません。

大がかりな工事になってしまいますが、根本的な対策としてはこれしかありません。

 

寒冷地では、一般的な窯業系サイディング(セメントが主成分)ではなく、凍害に強い金属サイディングの使用が増えています。

また、窯業系サイディングでも「凍害に強い」という製品が発売されています。

 

■ニチハ オフセットサイディング

ニチハ オフセットサイディング

出典:ニチハ株式会社

通気工法リフォームの際は、こうした凍害に強いサイディングを選ぶと一層安心です。

 


まとめ

凍害とは、外壁の中に入った水分が凍ることで起こる傷み症状です。

サイディングでは、経年劣化でひび割れた箇所やコーキングの周りなどで発生しやすいです。

凍害が起こりやすい条件としては、

寒冷地域/湿気の多い箇所/直貼り工法

というものがあります。

 

凍害は一度症状が出ると進行が早く、大規模修繕にも直結します。

見つけたらすぐ対処したり、発生しないように予防したりすることが重要です。

補修方法は2種類あります。

  • ・パテ補修:1万円~/箇所
  • ・サイディング張り替え:10万円前後~/枚

どちらの方法で対応するかは、業者に点検してもらって決めましょう。

 

凍害の予防策としては、

  • ・定期点検で初期のひび割れを見つける
  • ・適切な時期に外壁塗装して水を入れない
  • ・通気工法にリフォームする

という方法があります。

 

凍害はサイディングのお家に重大なダメージを与える傷み症状です。

適切な対応をするために、お役に立てれば幸いです。

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

 

◆サイディングは適切な時期での塗装がとても大切です。具体的なポイントや費用相場などはこちらもご覧ください。

サイディング塗装の全てが分かる!失敗しないために重要な5つの項目

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