もうすぐ自宅も築10年、訪問してきた業者に「そろそろ塗装した方がいい」と言われて、
「サイディング外壁に塗装工事って本当に必要なの?」
「うちは高耐久のサイディングだから建てたときにメンテナンスがいらないって言われたけど…」
と気になって調べているのではないでしょうか。
確かに急に知らない業者に「塗装した方がいい!」と言われても、怪しいし信用できないですよね。
実際にそこまで劣化していないのに、大げさに伝えて不安をあおる業者も少なくありません。
ただし、日本の住宅の約7割に使用される「窯業系サイディング」外壁は塗装によるメンテナンスが必須です!
なぜなら窯業系サイディングは紫外線や雨水によって劣化してしまうからです。
ただ塗装をせずに放っておいて劣化してしまうとなぜ悪いのか具体的に想像できないと思います。
そこでこの記事では、窯業系サイディングに塗装が必要な2つの理由と、サイディングが劣化する時期・具体的な症状、塗装しなかったサイディングの末路をご紹介します!
また記事の後半では、サイディングを塗装した場合にかかる費用や、塗装の出来を左右する業者選びのポイントについてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
納得のいくメンテナンスで、大切なご自宅を守っていきましょう!
目次
1章 サイディング外壁は塗装が必須!2つの理由
サイディング外壁には塗装によるメンテナンスが必要です。
この章ではその2つ理由について詳しくご紹介していきます。
1-1 見た目を綺麗に保つため
1つ目の理由は「見た目を綺麗に保つため」です。
サイディング外壁は経年劣化してくると、色褪せてきたり、コケが繁殖したり汚れてきてしまいます。
そこで塗装することによって新築以上の輝きを取り戻すことが出来るのです。
また、サイディング外壁であれば様々なデザインがあり、タイルやレンガのようなデザインの外壁の方も多くいらっしゃると思います。
たくさんの色を使っている“多色刷り”と呼ばれるサイディングは一般的な色付け塗装をすると柄を塗りつぶしてしまうことになるので、クリヤー塗装がおすすめです。
▼クリヤー塗装
色褪せた多色柄サイディングもクリヤー塗装で柄を生かしたまま新築時以上の輝きになります。
ただし、このクリヤー塗装はあまりにも劣化しすぎるとできない場合があります。
したがって新築の時と比較して、「汚れてきたな」「色褪せてきたな」と感じたら綺麗な見た目を維持するためにもなるべく早めに塗装を行ないましょう。
◆クリヤー塗装について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
1-2 外壁の耐久性を維持するため
2つ目の理由は「外壁の耐久性を維持するため」です。
窯業系のサイディングは高耐久のものであっても必ず劣化します。
なぜなら、サイディングに塗装されている塗料が紫外線によって劣化するからです。
新築時、色を付ける「粉」と水を弾く「樹脂(油)を混ざった塗料が塗装されています。
しかし、紫外線を長い期間浴びることで「樹脂(油)」が分解されてなくなり、「粉」だけの状態になって雨水を吸収するようになります。
サイディングはセメントが主成分で出来ており、水に弱いです。
したがってサイディングが水を吸う状態になると雨が降るたびに外壁が水を吸ってもろくなり、耐久性が落ちてしまいます。
サイディングの耐久性を保つためには防水性を維持するメンテナンス=塗装が必要です。
2章 サイディングが劣化する時期と症状
窯業系のサイディングボードは築5年~7年で劣化が始まります。
実際にサイディングを製造している大手のニチハのカタログにも再塗装の目安時期について下記のような記載があります。
▼ニチハのカタログより抜粋
ただし、サイディングの劣化は家の立地条件や、使用しているサイディングの種類によって劣化速度が変わってくるので、症状を見逃さないことが重要です。
ご自宅が築5年以上経っている方は、以下の劣化症状がないか確認してみてください。
▪色褪せ・チョーキング
水をかけたときに色が濃くなる。壁を触った時に手に粉が付く。
▪ひび割れ
釘まわりやサッシ周りにひび割れがある。
▪カビ・コケ
外壁が緑色や黒色に汚れる。
▪コーキングのひび割れ
サイディングとサイディングの間のゴム材(コーキング)にひびが入る。
▪反り・浮き
サイディングが浮いているように見える。
以上のような劣化が見られたら、症状が悪化する前に再塗装工事を行なうことが大切です。
※サイディングの種類によっては劣化症状が出にくい場合があります。特殊な種類のサイディングは、メンテナンスに注意が必要なのでプロに点検を依頼しましょう。
3章 塗装しなかったサイディングはボロボロに…
万が一劣化しているのに塗装を行わずに放っておくと、硬くて丈夫なサイディング外壁がボロボロになってしまいます。
▼水を含み続けたサイディング(築24年塗装なし)
▼剥がれたところにコケが生えたサイディング
サイディングがボロボロになると、塗装で修繕することが不可能になります。
なぜなら水を含んでしまったサイディングに塗装しても、内部の水分が抜けきらずに塗装後に塗膜を押し出して剥がれや膨れになってしまうからです。
▼塗装後に内側からの水分によって表面が剥がれたサイディング
上記写真のような状態が広範囲であった場合は塗装ではなく、サイディングの張り替えが必要になるので塗装の約1.5~2倍の費用がかかります。
劣化が進行する前にメンテナンスを行ないましょう。
◆サイディングを放置した場合の劣化症状が見たい方はこちら
★さらに放置すると家全体の耐久性が落ちる! 水を含んだ状態をさらに放っておくと表面だけでなく内部にも水が周り、家を支える柱や木枠が腐食していきます。 ▲水がまわって腐朽した木部 ▲サッシ周りの外壁から水が周り、木部が腐食した写真
最悪の場合は湿った木を求めてやってきたシロアリに木を食べられてしまいます。 ▲シロアリに食べられた床下の柱 シロアリに柱の木を食べられた家は耐震性が著しく低下し、地震が来た時に簡単に倒壊してしまいます。 日本は地震が比較的多いですし、いつ来るかもわかりませんから、地震が来た時に十分に耐えられる強度を保つことが大切です。 |
4章 サイディング塗装工事の費用相場
サイディング外壁の塗装工事の費用相場をご紹介します。
おおよその費用相場を知っておくことで、安い工事で手を抜かれたり、高い工事で損することも防ぐことができます。
選ぶ塗料によって費用相場が変わってくるので塗料別にご紹介します。
▪塗料の耐久性と費用の比較表
塗装で使用される塗料の耐久性は樹脂(油)の種類で決まります。
「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」は有機物の樹脂で、耐久性が良いほど費用も高くなります。
「アクリル」は耐久性が低いので再塗装で用いられることはほぼありません。
そして最近人気の「無機塗料」はガラスのような紫外線で劣化しない無機物を有機物と混ぜて製造された塗料で、フッ素を上回る耐久性です。
▪塗料別の費用相場表
※上記の表はおおよその費用です。実際の費用は坪ではなく面積で出してもらいましょう。
◆より詳しい費用とお得にするポイントが知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
5章 まずはプロに外壁総点検を依頼しよう!
サイディング外壁に塗装が必要だということが分かったら、まずご自宅の外壁の状態を確認することが大切です。
塗装専門業者に点検を依頼しましょう。
一言で窯業サイディングといっても使用している種類や立地条件によって劣化症状は変わってきます。
ご自身でチェックされるのもいいですが、築5年を過ぎたら塗装のプロに外壁の総点検を依頼することをおすすめします。
また、点検を依頼する際は、以下の3点を確認しておきましょう。
①地元の会社か、実績はあるか ②点検にどのくらい時間をかけるか ③点検時に写真を撮ってくれるか 業者選びに迷ったらユーコーへ⇒無料点検フォーム |
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
▪1章 まとめ
サイディング外壁に塗装が必要な理由は以下の2つ
・見た目を綺麗に保つため
・外壁の耐久性を維持するため
▪2章 まとめ
サイディングが劣化する時期は築5~7年で、劣化すると
・色褪せ
・ひび割れ
・カビ・コケの発生
・コーキング劣化
・反り
などの症状が発生する。
▪3章 まとめ
塗装しなかったサイディングは耐久性が下がって脆くなり、ボロボロになってしまう。
この状態をさらに放っておくと、家の柱や木枠が腐ってシロアリが寄ってくる。
サイディングがボロボロになると、塗装ではメンテナンスが出来ないため工事費用が莫大になる。
▪4章 まとめ
サイディング外壁の塗装工事の費用は使用する塗料や家の大きさで変わってくる。
主な相場は以下の通り。
▪5章 まとめ
サイディング外壁は築5年を過ぎたら塗装のプロに総点検してもらうのがおすすめ。
窯業系のサイディング外壁は塗装が必須です。
劣化症状がおこる前に塗装して家を綺麗に保っていきましょう。
最後までご覧くださりありがとうございます。
◆後悔のない塗装工事にしたい方はこちらの記事をご覧ください。
⇒サイディング塗装の全てが分かる!失敗しないために重要な5つの項目