「あれっ、隙間あいてるけど大丈夫?」
ふとお家のサイディング外壁を見たときに隙間ができていたら、水が入ったりしないかと不安になりますよね。
実はサイディングは、日々の生活による振動や建材の自然な収縮によって、隙間ができることがあります。
このような隙間はもともと構造上できるもので、雨漏りの恐れもほとんどないため、心配する必要はありません。
しかしお家が経年劣化すると、本来無かったはずの隙間ができる場合もあり、こちらは対処が必要です。
そこで本記事では、サイディング外壁にできる隙間の危険度と対処方法を、写真も交えながらわかりやすく解説していきます。
正しく対処しないとお家を傷める原因にもなってしまいますので、しっかりと知識をつけましょう。
目次
1章 サイディングの隙間|雨漏り危険度
サイディング外壁にできる隙間は、大きく3パターンに分けられます。
まずはそれぞれの危険度と発生原因を見ていきましょう。
【危険度・低】横方向の隙間
横方向にできる隙間は、基本的には危険はありません。
実はお家は、建ててから何年もかけて乾燥して収縮したり、人の出入りや生活、物の重みが加わったりすることによって少し動きます。
このとき外壁のサイディングも一緒に動いて、わずかに隙間ができてしまうことがあるのです。
ただ、サイディングは内側で少し重なるような構造になっているため、横の隙間から水が入って雨漏りする…ということは滅多にありません。
■サイディングのお家の断面図
内側で重なってかみ合うような形になっているため、多少の隙間があっても中まで水が入ることはありません。
横方向の隙間はどのお家でも起こりうる症状で、雨漏りする危険も低いですので、心配する必要はないでしょう。
【危険後・中】縦方向(目地)の隙間
注意が必要なのは、縦方向にある目地コーキングの隙間です。
サイディングは縦方向のつなぎ目には重なりがなく、隙間があるとそのまま内側に水が入ってしまうからです。
■コーキングの切れ目
サイディングの奥の素材(青いバックアップ材)が見えてしまっています。
コーキングはゴムのような柔らかい素材ですが、日光の紫外線を浴びることで劣化して、硬くなって縮んできます。
築5~10年ほど経つと、多くのお家でひび割れや隙間の症状が出てきます。
コーキング補修をして水が入らないように対処する必要があります。
【危険度・高】外壁の浮き・反りからくる隙間
縦・横関係なく、サイディングボード自体が少し浮いているせいでできた隙間だった場合は、非常に危険度が高いです。
サイディングの反り・浮きは、外壁の経年劣化症状の中でもかなり進んだ、深刻な状態だからです。
放っておくとどんどんサイディングの劣化が進行して、内部への水の侵入や大きな修繕工事に繋がる危険があります。
実はサイディングの反り・浮きは、防水効果を失った外壁が水を吸い込むことが原因で起こります。
水を吸って膨張→乾くと収縮、という動きを繰り返すうちに反り上がるように変形し、放っておくとさらに隙間が広がります。
また、反りの負荷に耐え切れなくなるとサイディングが割れてしまうこともあります。
■割れてしまったサイディング
端の方が反りに耐え切れず割れています
■大きな隙間
大きくなった隙間やひび割れからは雨が降るたび水が浸入して、内部の木材を傷めてしまいます。
これ以上隙間を広げないためにも、早急に対処が必要です。
専門業者に点検とメンテナンスの見積もりを依頼してください。
>サイディングの反り・浮きの症状について詳しくはこちら
2章 実は、横方向の隙間は埋めない方が良い!
横方向の隙間は雨漏りの危険はないと分かっていても、「見た目が気になるから埋めてほしい」という方もいるかもしれません。
しかし横方向の隙間は、できるだけ埋めないことをおすすめします。
埋めることでかえって雨漏りのリスクが高まってしまうからです。
サイディングと内壁の間には1~2センチのスペースがあり、通気ができるようになっています。
横の隙間は、ここを通る内側の湿気を逃がす役割もしているのです。
■サイディングの通気
万一この隙間を塞いでしまうと、中に湿気がたまって内部結露を起こし、内壁や構造の木材を傷めてしまう原因になります。
横の隙間は通気のために必要なため、埋めないように注意しましょう。
※どうしても見た目が気になるときは、通気ができるところは残して部分的に埋める場合もあります。 ごく一部を埋めるだけなら、周りのほかの継ぎ目から通気できるので問題ないことが多いです。 例えば玄関まわりなど、どうしても人目につくから見た目を整えたい、というときは、コーキングやパテで埋めて上から周りと同色に塗装しましょう。 |
3章 危険度が高い隙間は補修+塗装で対処
症状 | 対処方法 | 費用 |
縦方向(目地)の隙間 | ・コーキング補修+塗装 | 700~900円/m+外壁塗装費用 |
浮き・反りによる隙間 | ・ビス打ち+塗装 | 1~2万円/箇所+外壁塗装費用 |
・サイディング一部張り替え+塗装 | 5~10万円/枚+外壁塗装費用 |
1章で紹介した「縦方向(目地)の隙間」「外壁の浮き・反りによる隙間」は、どちらも外壁塗装と一緒に補修を行いましょう。
ただ補修をするだけでは応急処置にしかならず、どのみちあとで塗装メンテナンスも必要になるからです。
二度手間になっては、職人の人件費や足場代なども二重にかかって結局費用がかさみます。
また、塗装することで補修後の見た目も目立ちにくくできます。
隙間ができるということはお家の劣化が進んできている証拠ですので、早めに塗装することでお家全体をしっかり保護してあげましょう。
【縦方向(目地)の隙間の対処方法】
目地コーキングが劣化して隙間になっていた場合は、基本的にコーキングを交換し、その上から外壁塗装を行います。
■目地コーキングの打ち替え
※窓サッシ周りなどは、内側の防水紙を傷つけないために交換ではなく増し打ちにすることがあります。
新築時のコーキングはむき出し状態だったので、紫外線を直接浴びて劣化も早く現れてしまいます。
ただ交換しただけだとまた同じようにすぐ劣化してしまいますので、メンテナンスは外壁塗装とセットで行いましょう。
塗装が効いているうちは紫外線を遮ってくれて、その分コーキングを長持ちさせることができます。
【浮き・反りによる隙間の対処方法】
サイディングの浮き・反りが起こっていた場合は、程度によって対処方法が異なります。
浮いたサイディングが手で押して戻るようなら、ビス打ちをしたうえで外壁塗装をしましょう。
■ビス打ち
押しても戻らないほど反っている、無理に押し込むとかえって割れそう、という状態なら、サイディングの部分張り替えを行ないましょう。
■部分張り替え
どちらも補修後に塗装をするのは、見た目の問題と今後の反りを止めるためです。
ビス打ちも部分張り替えも、そのままでは補修した箇所だけ必ず目立ってしまいます。
また、反りはサイディングの防水切れによって起こりますから、外壁塗装をして防水してあげなければ、再び吸水して反りが進行し続けてしまいます。
綺麗に直して、今後また隙間ができないようにするためにも、しっかりと外壁塗装も行ってあげましょう。
4章 築10年を超えていたら専門業者で点検を
サイディングの隙間には、心配いらないものと危険なもの、両方あることをご紹介しました。
ご自宅の状態がどっちなのかの正確な判断はなかなか難しいですから、隙間を見つけたお家が築10年を超えている場合は、一度外壁塗装の専門業者に点検してもらいましょう。
隙間の危険度の判断だけでなく、このぐらいの年数になるとほかの経年劣化も進んでいる可能性が高いので、まずは見てもらうに越したことはありません。
サイディングは、耐震性や耐火性などが高いとても優れた外壁材です。
劣化も初期症状のうちに気づいて塗装メンテナンスをしてあげれば、張り替えなどの大掛かりな工事をせずとも長く使い続けられます。
隙間やそれ以外の症状からのSOSサインを見逃さず、適切な時期にお手入れをしてあげましょう。
★サイディングの点検・塗装はユーコーへ! 当ブログ運営元のユーコーコミュニティーでは、外壁・屋根の無料点検診断を行っています。 サイディングのメンテナンスについても詳しい専門スタッフが、普段なかなか気づかないような箇所や小さな初期症状まで丁寧に点検し、ご報告させていただきます。 また、点検時に撮った写真もすべて点検報告書にまとめて、無料でお渡ししています! お家の状態が気になっているかたは、ぜひお気軽にご相談ください。
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まとめ
サイディングの隙間は、主に3種類に分けられます。
- 【危険度・低】横方向の隙間
- 【危険後・中】縦方向(目地)の隙間
- 【危険度・高】外壁の浮き・反りからくる隙間
横方向の隙間は、サイディングの通気の役割もあるので、埋めないように注意しましょう。
縦方向(目地)や反りによる隙間は、補修しただけでは見た目も悪く、根本的な解決ができません。
そのため、補修は外壁塗装とセットで行いましょう。
また危険度の判断は専門家でないとなかなか難しいです。
築10年を超えていた場合は、まずは塗装の専門業者に点検してもらいましょう。
サイディングの隙間は状態をきちんと見極めて、適切な対処を行ってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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