基礎や外壁のクラック(=ひび割れ)が気になってきた…
「このまま放っておいて大丈夫?」
「自分でも補修できるの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
そもそも「クラック」とは、リフォーム用語でお家の外壁や基礎・ブロック塀に生えた「ひび割れ」のことを指します。
小さいクラックだと気にされない方もいらっしゃいますが、その感覚は危険です。
クラックを見つけたら、放置せずに専門業者に点検を依頼しましょう。
なぜなら何もせずに放っておくと、雨漏りや地盤沈下する可能性が高くなるからです。
また、雨漏りや地盤沈下の修繕には、50~100万円ほどの多額の施工費用がかかってしまう場合もあります。そうなる前に補修することが重要です。
とはいっても本当に細かい小さいクラックもわざわざ業者を呼んで補修しなければいけないの?と思われる方もいるかと思います。
出来ればお金をかけずになんとかしたいのが本音ですよね。
そこで今回はすぐに補修すべきクラックの症状とプロに補修を依頼したときの費用相場をご紹介します。
さらには自分で補修したい方のために、補修の流れとDIY補修におすすめの補修材もご紹介しますのでぜひ最後までご覧ください。
小さいクラックでも放っておかずに、お家を丈夫にきれいに保っていきましょう!
目次
1章 補修必須!「構造クラック」の主な症状
まず、この章では補修必須の「構造クラック」についてご紹介します。
クラックには、表面だけがひび割れている「ヘアークラック」と、家の構造が影響してできた「構造クラック」があります。
「ヘアークラック」は、0.3㎜以下のひび割れのことを言い、この時点での補修は必要ありません。
一方で「構造クラック」は構造が影響してできたクラックですので、放っておくとクラックが大きくなり雨漏りや地盤沈下などを引き起こします。
ご自宅のクラックを確認し、「構造クラック」の症状と見比べてみましょう。
1-1 幅0.3㎜以上、深さ0.5㎜以上のクラック
幅0.3㎜以上、深さ5㎜以上のクラックは「構造クラック」です。
原因としては建設時の欠陥工事、経年劣化、地盤沈下など様々ですが、建物が動きをもつことでクラックが入っていきます。
放っておくとクラックの幅や深さが広がり、雨水が浸入してしまいますので、0.3㎜以上のクラックを見つけたらすぐに業者に点検してもらった上で補修を行いましょう。
■外壁
■基礎
1-2 細かい無数のクラック
同じ場所に細かい無数のクラックがある場合は注意が必要です。
通常は0.3㎜以下の小さいひびであれば補修の必要はありませんが、1mの中に3つ以上クラックが入っていたら「構造クラック」の可能性が高いです。
同じ場所に力が加わっている状態で、地盤が歪んでいるなど家の構造に問題がある場合もありますので、放っておかずにまずは専門業者に見てもらいましょう。
1-3 真横に延びるひび割れ
真横にクラックが入っていたら、構造的に問題がある場合があります。
専門業者に見てもらった上ですぐに補修をしましょう。
また横クラックは放っておくと、雨が降った時に内部まで水が回ってしまいます。
なぜなら横クラックは縦のクラックよりも吸水する量が多いからです。
基礎であれば中の鉄骨が、モルタル壁であれば中のラス網(金属網)が錆びてしまいます。
内部が錆びると補修ではなく、鉄骨交換や、モルタル壁の左官のし直しが必要になり、直すだけで20万~50万ほどかかる場合もあります。
■基礎
■外壁
2章 クラックを放置すると家が倒壊する
家の様々な場所のクラックを放置すると家が倒壊する恐れが出てきます。
なぜなら、クラックの隙間から雨水などを内部に浸透させることで、基礎の中の鉄骨や壁の中の木材が腐ってしまうからです。
基礎が弱くなり、家の中の木が腐ってしまうと、家全体の耐震性が低くなり地震が来た時に簡単に倒壊してしまう家になってしまいます。
この章では、場所ごとにクラックを放置するとどんなデメリットがあるかご説明します。
大切な家を守っていくために、クラックを見つけたら補修をしましょう。
2-1 外壁=雨漏り
外壁のクラックを放置すると雨漏りします。
クラックの隙間から少しずつ雨水が入り、中の木材を腐らせます。
そして木が腐るとやってくるのがシロアリです。
シロアリによって木を食べられてしまった家は、地震に耐えられずに倒壊してしまいます。
0.3㎜以上のクラックが見つかったら、専門業者に点検してもらいすぐに補修してもらいましょう。
■内部腐朽
■シロアリ
◆外壁のクラックについて詳細はこちら
2-2 基礎=地盤沈下の可能性
基礎のクラックを放置すると地盤沈下の可能性が高くなります。
なぜなら基礎のクラックは構造上か施工不良が原因のことが多いからです。
通常の基礎であれば滅多にクラックが入ることはありません。
基礎の表面のクラックはほとんどが基礎の上に塗られた化粧モルタルの劣化が原因なので、表面の化粧モルタルを補修するか左官し直すのが良いでしょう。
しかし万が一、内部の基礎から外部までひびが貫通している場合は補修ではなく大規模な基礎工事が必要になります。
外からではなく、床下に潜るとヒビが発見できます。
ご自身で潜るのはあまりお勧めできませんので、業者に床下点検も一緒にしてもらうのが良いでしょう。
基礎は家全体を支えている重要な場所になりますので、クラックを見つけたら自分で判断せず、専門業者にしっかり点検してもらいましょう。
出典:熊本シロアリ駆除.com
◆基礎のクラックについて詳細はこちら
2-3 ブロック塀=倒壊
ブロック塀のクラックは放置せずに補修しましょう。
なぜならブロック塀はクラックを放置すると倒壊する危険性があるからです。
ブロック塀は道路面に立っていることも多いので倒壊するととても危険です。
万が一、負傷者が出たら責任はブロック塀の所有者にいきます。
クラックが見つかったら専門業者に点検・補修を依頼しましょう。
◆ブロック塀のクラック補修について詳細はこちら
3章 補修方法と費用相場
クラックの補修方法とプロに補修を依頼したときの費用相場についてご紹介します。
クラック補修方法は「U字カットシール補修」と「左官補修」が主な補修方法です。
各補修方法の費用をご説明します。
3-1 U字カットシール補修=1~2万円
U字カットシール工法での補修費用相場は1か所あたり約1~2万円程度です。
ただ、遠くにある業者は出張費だけで数万円かかる場合や点検だけでお金がかかる場合もありますので、地元の業者に依頼することをおすすめします。
■見積もり例
- ・外壁のひび割れ補修2か所
- ・外壁タッチアップ(補修箇所の塗装)
3-2 左官補修=5~10万円
左官作業の費用は家の広さにもよりますが、約5~10万円程度です。
基礎の場合、基礎モルタルのクラックが進行すると剥がれてしまうことがあります。
その場合はモルタルを一度剥がして新たに左官します。
■見積もり例②
・基礎モルタル左官工事(全面)
4章 DIYでもできる!クラック補修の流れ
この章ではクラック補修の流れをご紹介します。
今回紹介する補修方法は「U字カットシール工法」です。基礎や外壁のクラック補修で用いられます。
クラックが入っているところをあえて広げてカットし、シーリングなどの補修材を入れることで奥まで補修材が入り込み密着性が高まります。
業者に依頼する方も流れは把握しておきましょう。
① クラック部分の汚れを落とす
水洗いして汚れを落とします。
汚れを落とすと補修材の密着性が良くなります。
② クラックが入ったところをU字にカットする
専用の器具を用いてクラックに沿ってクラックを広げるようにカットします。
(カットした断面がU字に見えることから、U字カットと呼ばれます)
カットすることで、奥までシーリング材を入れることが出来ます。
■専用器具の例 ディスクグラインダ(電動カッター) |
③ プライマーを塗る
U字に削った溝にシーリングのプライマー(下塗り材)を塗布します。
プライマーを塗るとシーリング材と素地の密着性が高まります。
④ シーリング材を充てんする
クラックに沿ってシーリング材を充てんします。
「構造クラック」は家の構造が原因で出来たクラックなので、補修後も同じ場所に負荷がかかる可能性があります。
そのため、がっちり固めるのではなく、シーリング材などの動きを緩衝するものを打ち込んでいきます。
シーリングを打ったら、ヘラやウエス(布)などで均(なら)します。
シーリングはすぐに乾いてしまうので、打ち込んだら時間を置かずに奥まで押し込むように均していきます。
※「ウエス」はいらない布で代用できます。
⑤ モルタルを充てんする
シーリングを均した上から次はモルタル材を充てんし、ヘラやウエス(布)で均(なら)します。
似た色を使用すると補修跡が目立ちにくいです。
⑥ 完成
モルタル材が奥まで入って馴染んだら完成です。
上から塗装をすると補修跡も目立たず、新たなクラックも防ぐことが出来ます。
ただ、DIY補修は応急処置でしかありませんので、補修後1年以内には専門業者に点検してもらいましょう。
ちょっと難しそうかな、と感じた方は、補修方法の①、⑤、⑥だけを行いましょう。
U字カットは専門的な技術なので、不安ならプロに依頼した方が失敗も少ないです。
5章 DIY補修におすすめの補修材
DIYで補修する場合は補修材の選び方にご注意ください。
素材に合った補修材でなければ、不具合が起きる可能性があります。
補修材を選ぶ際は、対応素材を確認しましょう。
■基礎・ブロック塀用補修材
ワンタッチ壁用補修材
520円(税別)
コンクリート壁用樹脂モルタル
689円(税別)
■外壁用補修材
ボンドコークホワイトNB
739円(税別)
まとめ
クラックは見つけたら補修をしましょう。
なぜならクラックが入るのは建材が劣化し始めているサインだからです。
放っておくと家全体の耐久性に関わる重大な劣化になってしまいます。
気になるクラックを見つけたら専門業者に適切な補修をしてもらいましょう。
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