屋根を業者に見てもらったら、モニエル瓦だから葺き替えしかできない、と言われたけど
「モニエルって本当に葺き替えが必要なの?」
「葺き替え工事にはどれくらい費用がかかるの?」
と気になって調べているのではないでしょうか。
そもそもモニエル瓦とは、セメント瓦の一種で、正式には「乾式コンクリート瓦」と呼ばれます。
耐震性・断熱性に優れていて、デザイン性にも優れた屋根材です。
ただし、メーカーが解散したことで現在は製造されていません。
モニエル瓦は主成分がセメントで出来ているので、水を吸うようになるとカビコケの繁殖や色褪せ・割れ等が発生しメンテナンスが必要になります。
メンテナンス方法には、「葺き替え」の他に「塗装」もありますが、屋根の状態によっては「葺き替え」でなくてはいけない場合もあります。
そこで今回はモニエル瓦の葺き替えすべき状態をご紹介します。
また、葺き替え工事の費用相場やお得にするコツ・工事の流れ・業者選びのポイントについてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 本当に葺き替えが必要?モニエル瓦状態チェック
まずはご自宅のモニエル瓦が本当に葺き替えが必要な状態か確認しましょう。
モニエル瓦の葺き替えが必要な状態をご紹介します。
■瓦が多数割れている
モニエル瓦は現在製造されていないので、割れてしまうと同じものに交換することが出来ません。
所々、違う瓦になってしまうので、割れが4、5か所と多数ある場合は葺き替えをおすすめします。
■築20年を過ぎている
築20年を過ぎている場合は、葺きかえ工事がおすすめです。
なぜなら、モニエル瓦の下に葺かれている防水シートが20~30年ほどの耐久性だからです。
塗装してモニエル瓦自体を雨から守っても、数年で内部の防水シートが劣化して雨漏りが発生し、葺き替え工事が必要になってしまったらもったいないですよね。
そのため、築20年経っている場合は葺き替え工事を検討しましょう。
■雨漏りしている
雨漏りしている状態の場合は必ず葺き替え工事が必要です。
モニエル瓦の下に葺かれている防水シートが経年劣化で破れてしますとそこから水が入っていきます。
放っておくと、屋根を支える柱などの木部まで水が浸透して腐ってしまうので早急な対応が必要です。
雨漏りが確認できた時点で点検をしてもらい、原因が屋根にあれば葺き替え工事を行ないましょう。
◆ここまで紹介した状態に当てはまらない方は、塗装でのメンテナンスも検討してみてください。
2章 葺き替え工事の費用相場
モニエル瓦の葺き替え工事の費用相場をご紹介します。
葺き替え工事は安い工事ではないので、適切な相場を把握して、損をしないようにしましょう。
2-1 【屋根材別】工事全体の費用相場
まずはモニエル瓦を葺き替えたときの工事費用を屋根材別でご紹介します。
①ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は葺き替えで使用されることが多い高耐久の屋根材です。
モニエル瓦からガルバリウム鋼板への葺き替え工事の費用相場は120~200万円で、屋根材の機能や屋根の形状によって費用は変動します。
■メリット
・高耐久で長期間メンテナンスが要らない。
・軽量なので耐震性が高い。
・シンプルなデザインなのでどんな家にも合わせやすい。
■デメリット
・20年ほど経つと色あせや錆が発生する場合がある。
・20年以上お家を保たせたい人
・シンプルなデザインが好みの人
②アスファルトシングル
アスファルトシングルは柔軟性のあるゴム状シートの屋根材です。シートに石材等を圧着させています。
アスファルトシングルへの葺き替え工事の費用相場は120~190万円です。
■メリット
・軽量で耐震性が高い
・デザイン性が高く、洋風のデザインに合う
・シート状の柔軟な屋根なので、複雑な屋根の形にも対応できる。
・高耐久なので長期間メンテナンスが要らない
■デメリット
・断熱性がない
・塗装が出来ないので色が変えられない
・20年以上お家を保たせたい人
・洋風のデザインにしたい人
・複雑な屋根の形の人
③軽量瓦
出典:ケイミュー『ルーガ』
軽量瓦は従来の和瓦や洋瓦の重いというデメリットを払拭した瓦です。
軽量瓦への葺き替え工事の費用相場は130~240万円です
軽量瓦には様々な種類があるので、種類によって費用が変動します。
■メリット
・軽量なので耐震性が高い
・高級感・重厚感のあるデザイン
・高耐久なので長期間メンテナンスが要らない
■デメリット
・費用が他の屋根材よりも高い。
・屋根の形状によっては施工できない場合もある。
・20年以上お家を保たせたい人
・高級感・重厚感のある家にしたい人
④スレート(コロニアル)
スレート(コロニアル)は最も新築で用いられることが多い屋根材です。
定期的なメンテナンスが必要になるので、葺き替えなどのリフォームで使用されることが少ないです。
スレート(コロニアル)への葺き替え工事の費用相場は100~140万円です。
■メリット
・他の屋根材よりも安い
・軽量なので耐震性が高い
■デメリット
・定期的(7~10年ごと)にメンテナンスが必要
・劣化すると割れやすい
・工事をできるだけ安く済ませたい人
・10年以内に家を手放す人
2-2 工事の内訳
モニエル瓦葺き替え工事の内訳をご紹介します。
見積を貰った時に比較して、各工事内容の見積金額が妥当なものか判断していきましょう。
特に足場費用は業者によって費用が変動します。
ハウスメーカー等の大手企業の場合は中間マージンで足場費用も高くなります。
反対に安すぎる場合は、安全性に欠けた足場を使用される場合もあるので、どんな足場を使用するのかも確認しましょう。
※屋根材は、施工費を含む本体代です。
※家・屋根の形状などによって各費用は変動します。
3章 工事をお得にするコツ
モニエル瓦の葺き替え工事を少しでもお得にするコツをご紹介します。
葺き替え工事は屋根のメンテナンスの中でも特に費用がかかります。
少しでも費用をおさえるためにぜひ参考にしてみてください。
3-1 相見積もりをとる
葺き替えの工事を依頼する際は、相見積もりを取りましょう。
相見積もりすべき理由は「比較ができる」ことです。
使う屋根材が一緒でも、業者によって設定単価に差があります。
また大企業のように下請けを使っている業者は中間マージンが発生するため、単価が倍近くあることもあります。
適正価格で工事の中でもより費用をおさえて工事してもらうためにも、3社ほど相見積もりを取り比較してみましょう。
3-2 補助金・助成金を使用する
葺き替え工事を行う前に、お住いの市区町村で補助金や助成金がもらえるか確認してみましょう。
屋根の葺き替え工事の場合、条件に合えばお住まいの市区町村から補助金や助成金がもらえる場合があります。
条件は市区町村によって違うので、こちらのサイトからお住いの地域の条件を検索してみてください→検索サイト
◆補助金について申請方法など知りたい方はこちらをご覧ください
3-3 外壁のメンテナンスと一緒に行う
屋根の葺き替えは外壁のメンテナンスと一緒に行うことをおすすめします。
なぜなら、外壁のメンテナンスでも屋根の葺き替え工事でも「足場架設」が必要になるからです。
外壁と屋根の工事を別で行えば、足場も2回必要になりますが、同時に行うことで1回分を節約できます。
足場費用は工事費用全体の約10%を占めているほどの高額な作業なので、同じタイミングでメンテナンスをして工事費用をお得にしていきましょう。
◆外壁の塗装リフォームについて詳しくはこちら
4章 モニエル瓦の葺き替え工事の流れ
モニエル瓦の葺き替え工事の流れをご紹介します。
工事にかかる期間は屋根の大きさにもよりますが、約7~10日です。
雨天の場合は作業が出来ないので、天候によっては長引く可能性もあります。
1、足場架設
屋根の葺き替え工事を行う前に足場架設を行ないます。
架設の時間は家の大きさにもよりますが、半日~1日です。
2、既存瓦の撤去・処分
モニエル瓦の撤去作業を行ないます。撤去作業は2~3時間で行います。
3、野地板増し張り・交換
モニエル瓦を撤去した後は野地板(のじいた)(防水シートの下にある板)の増し張り又は交換を行います。
特に雨漏りをしている場合は防水シートだけでなく野地板も傷んでいる場合があります。
新しい野地板を設置していくことで強度が増します。
野地板増し張り・交換作業は2~3時間で行います。
4、新規防水シート設置
野地板の作業が終わった後は新しい防水シートを葺いていきます。
防水シートを葺いたら、軒先に水切り板金を取り付けます。
この防水シートが葺かれていないと、雨が降った時に雨漏りしてしまうので、モニエル瓦を撤去してから防水シートを葺くまでは1日で終わらせる事が多いです。
1日間で撤去~防水シートを葺く工程まで行うので、大きな屋根だと職人は3~5人ほど必要になります。
5、新規屋根 葺き上げ
新しい屋根を下から葺き上げていきます。
新しい屋根を葺く作業は屋根の大きさにもよりますが3~5日ほどです。
6、役物・板金設置
最後に役物・板金などの細かい部品の取り付けを行ないます。
※役物とは、屋根に付ける板金や雪止め等の付属品を指す言葉です。
役物・板金取り付け作業の所要日数は1~2日ほどです。
7、足場解体
最後に足場を解体して終了です。
5章 安心して任せられる業者選びのポイント
モニエル瓦の葺き替え工事を任せられる業者選びのポイントをご紹介します。
屋根工事の業者はたくさんいますので、きちんとした工事をしてくれる業者を選んでいきましょう。
5-1 点検と報告が丁寧
モニエル瓦の点検と点検結果の報告が丁寧な業者を選びましょう。
モニエル瓦は状態によっては葺き替えではなく塗装工事も選ぶことが出来ます。
ただ、屋根の状態はお客様自身が登って確認することが出来ないので、「葺き替えじゃないとできない」と言い切る業者もいます。
口頭だけでなく、きちんと屋根の状態を写真に撮って分かりやすく説明してくれる業者を選びましょう。
★このサイトを運営しているユーコーコミュニティーでは、点検時にお撮りした写真を、アルバムにして無料でお渡ししています。 モニエル瓦の状態を確認したいと思った方はぜひお気軽にお申込みください。 |
5-2 詳細な見積もりをくれる
モニエル瓦の葺き替えの時は、詳細な見積もりをくれる業者を選びましょう。
業者によっては「屋根 葺き替え工事1式=○○円」とだけ記載されている場合もあります。
これだと数量があっているのか、どんな材料を使うのか、適正な単価で出された見積もりなのか確認できないですよね。
①施工する面積や数量、②どんな材料を使うか、③単価相場はいくらなのかがきちんと記載されている見積もりをくれる業者を選びましょう。
▼見積例
5-3 モニエル瓦の工事実績がある
工事を依頼するときは、モニエル瓦の施工実績がある業者を選びましょう。
知識や経験がない業者の場合は、モニエル瓦はすべて葺き替えることを勧めてきます。
塗装も出来るのか、葺き替えでないといけないのかきちんと判断するために、モニエル瓦の工事をしたことがあるのか業者に直接確認してみましょう。
5-4 工事中の写真をくれる
施工中の様子を写真撮影し、渡してくれる業者に依頼しましょう。
屋根の工事は特に、お客様が確認できない場所なので、手を抜かれてもすぐには気付けません。
そのため、工事中でも工程ごとに写真を撮ってくれる業者だと安心です。
また、職人にとっては屋根の上にカメラを持って行って工程ごとに写真を撮るのはかなり面倒な作業です。
したがって、それでも写真を撮ってくれる業者はかなり良心的で、丁寧な作業をしてくれることが期待できます。
まとめ
いかがでしたか。最後にこの記事をまとめます。
■1章まとめ
モニエル瓦は状態によっては塗装でのメンテナンスも可能なので、葺き替え工事を行う前に状態のチェックが重要。
葺き替え工事が必要な状態は下記の3点。
- ①モニエル瓦が多数割れている
- ②築20年以上経っている
- ③雨漏りしている
■2章まとめ
モニエル瓦の屋根材別費用相場は以下の通り。
■3章まとめ
モニエル瓦の葺き替え工事をお得にするための方法は以下の3つ
- ・相見積もりをとって比較した上で決める
- ・補助金・助成金を使用して費用負担を減らす
- ・外壁のメンテナンスと一緒に行い、足場費用を節約する
■4章まとめ
モニエル瓦の葺き替え工事の流れは以下の通り。
■5章まとめ
葺き替え工事は様々な業者が行っているので、丁寧な作業で安心して任せられる業者を選ぶことが重要。
以下の4点を基準にして選ぶことがおすすめ。
- ①点検と報告が丁寧
- ②詳細な見積もりをくれる
- ③モニエル瓦の工事実績がある
- ④工事中の写真をくれる
モニエル瓦で建てたこだわりのお家を長く素敵に保たせていくために、適切なメンテナンスを行なっていきましょう!
最後までご覧くださりありがとうございました!
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