塗装の見積もりを依頼した業者に‶オリジナル塗料″を勧められた…。
「オリジナル塗料って良いものなの?」
「耐久性が高いと言われたけど本当?」
とオリジナル塗料に疑問を持って調べているのではないでしょうか。
外壁塗装業者の中には、その施工業者でしか扱っていないオリジナルの塗料を勧めてくるところがあります。
ただ、外壁塗装の専門家としては「オリジナル塗料」はあまりおすすめできません。
この記事では、外壁塗装におけるオリジナル塗料がどんなものなのか2パターンご紹介。
悪質なパターンもありますので、事前に把握しておきましょう。
また、おすすめできない3つの理由も解説していきます。
塗料提案は業者を選ぶ要素の一つになりますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
1章 外壁塗装における「オリジナル塗料」とは
外壁塗装で業者に勧められるオリジナル塗料には「OEM商品」と「既存製品のラベルを貼り替えて使用」の2つのパターンがあります。
この章では、それぞれどういうものなのか解説していきます。
業者に騙されたり、塗料選びを失敗したりするのを防ぐために、まずはオリジナル塗料について知っていきましょう!
1-1 メーカーに委託「OEM商品」パターン
まず一つのパターンが、塗料メーカーに塗料を製造してもらう「OEM商品」の場合です。
OEMとは、「Original Equipment Manufacturing(Manufacturer)」の略で、メーカーが、他社ブランドの製品を製造すること(あるいはその企業)です。
外壁塗装のオリジナル塗料と言っても、塗装業者の方で製造しているわけではありません。
塗料開発・製造にはたくさんの資金が必要になるので、一般的な塗装業者では製造する事は出来ないのです。
塗装業者が、塗料メーカーに塗料を発注し、オリジナルラベルを貼って使っています。
オリジナル塗料のほとんどの場合がこちらのパターンになります。
※ハウスメーカーが言う「外壁専用塗料」もOEM商品! ハウスメーカーが外壁塗装で提案してくる、専用塗料も実はOEMの製品です。 「うちの外壁にはこの塗料しか塗れない」というのは過剰なセールストークです。 ハウスメーカーの外壁であっても、その塗料しか塗れないということはありません。 建てたところで塗装したいけど、OEMの塗料が心配という方は、塗装専門店からも見積もりを取ってまずは比較してみることをおすすめします。
>外壁塗装をハウスメーカーに依頼しようか迷っている方はこちらの記事をご覧ください。 |
1-2 既存製品のラベルを無断で貼り替えるパターン
もう一つが、「すでにある製品の塗料をラベルだけ貼り替えて使っている」パターンです。
これは、OEM商品よりも悪質なのでやっている業者の数は多くはありません。
既に製造・販売されている塗料を、ラベルだけ貼り替え「オリジナル塗料」として使います。
良い塗料として選んだ「オリジナル塗料」が、実は安価な塗料または余った塗料だったということも。
業者にとっては利益が増えるため、悪質な業者はこういったパターンで「オリジナル塗料」を勧めてきます。
オリジナル塗料が、OEM製品なのかラベルを貼り替えただけのものなのかは、こちら側は判断することが出来ません。
しかし、提案する塗料のカタログがない・見せない場合は、ラベル貼り替えパターンのことが多いのでより注意が必要です。
2章 オリジナル塗料はお勧めできない!3つの理由
オリジナル塗料=グレードの低い、悪質な塗料というわけではありません。
ただ、塗装の専門家としてはおすすめできません。
その理由を3つ解説していきます。
2-1 耐用年数や効果が信頼できない
おすすめできない理由の一つが、耐用年数や効果の信頼性がないことです。
オリジナル塗料は、施工業者がメーカーに発注して製造しているため、どんな成分なのかお客様側は分かりません。
業者が「この塗料は30年以上もちます!」「低汚染機能があります!」と言われても、
その塗料はその業者でしか扱っていないので、第三者目線での評価がなく、信頼性に欠けます。
そもそも塗料メーカーが販売している塗料の中にも、30年持つ塗料は現時点でありません。
それにも関わらず、塗装業者のオリジナル塗料で30年持つ塗料があるでしょうか。
もしあったらとっくにメーカーで製造・販売していますよね。
オリジナル塗料は、どんな成分や効果があってどのくらい持つのか不明瞭なところがあるので、おすすめできません。
2-2 妥当な価格か判断できない
オリジナル塗料は、成分や効果などが不明瞭なので、塗料自体の価格が妥当なものなのかも判断できません。
メーカー製品の塗料であれば、インターネットで⋆材工価格を調べることが出来ますが、オリジナル塗料はそれが出来ません。
※材工価格…塗料のみ価格でなく、塗料代と職人の塗り費用(人工)が合計されたもの。メーカーが設定している価格。
▼関西ペイントの材工価格例
出典:関西ペイント
高耐久塗料だからと高い費用を払ったけど、実際は普通の耐久性の塗料だったということも。
知らない間にぼったくりに遭ってしまうこともあるので、注意が必要です。
※メーカー塗料の製品でも、材工価格が記載されていないケースもあります。
2-3 施工実績が少ない
オリジナル塗料は、その業者でしか扱っていないので、全国的にみると施工実績が少ないです。
そのため、万が一その塗料で不具合やクレームが発生していても、外部に情報が流れにくいので気付くことが出来ません。
塗料は複数の施工店で実績が多いものが安心なので、メーカー製品の塗料がおすすめです。
>安心の大手塗料メーカーと代表的な塗料についてはこちら
3章 メーカー製品の塗料を提案してくれる業者を選ぼう
外壁塗装はメーカー製品の塗料を提案してくれる業者を選びましょう。
オリジナル塗料が一概に悪いというわけではありません。
しかし、どんな成分が入っているか不明だったり、適正価格か判断できなかったりと、心配な事が多いです。
そのため、インターネットでも調べられる有名メーカーの塗料を提案してくれる業者がおすすめです。
さらに、1社だけでなく複数の塗料メーカーの塗料を提案してくれるとより安心です。
なぜなら、外壁の状態や顧客のニーズ(何年もたせたい!など)によって、おすすめの塗料は変わるものだからです。
「どんな家にもこのメーカーのこの塗料が一番おすすめ!」ということはありません。
あなたのお家に最適な塗料を選びたい方は、複数のメーカー塗料を提案してくれる業者を選びましょう。
>外壁塗装の塗料についてより詳しく知りたい方はこちら
まとめ
いかがでしたか。
外壁塗装のオリジナル塗料は、
OEM商品の場合と既存製品のラベルを貼り替えて使う場合があります。
どちらであっても、選んだお客様側は塗料の本当の成分や耐久性、価格を調べることが出来ません。
また、施工実績も全国的にみると少なく塗装してみないと分からないという心配もあります。
そのため、塗装の専門家としてはおすすめできません。
全てのオリジナル塗料が悪質とは限りませんが、
安心して塗装工事を行なうためには、メーカー製品の塗料を提案してくれる業者を選びましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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