うちもスレート屋根にしようかな…と思ったとき、そもそもどのような屋根なのか、どんな特徴があるのかも気になりますよね。
この記事では、これから新築でスレートの屋根にする方や、リフォームでスレート屋根にふき替えを考えている方に向けて、この屋根ならではのメリットやデメリットを紹介します。
また、工事の費用相場や、工事後にスレートを長持ちさせる方法も解説します。
定期的なメンテナンスをすることで、雨漏りを防ぎ、家や屋根が傷むのを防ぐことができますので、長く大事に使ってあげましょう。
安心してスレートの屋根を選ぶために、是非最後まで読んでみて下さいね。
目次
1章 屋根をスレートにするメリット・デメリット
これから屋根をスレートにするメリット、デメリットを紹介します。
どちらも知っておくことで、安心して屋根材を選びましょう。
デメリットもきちんと分かったうえで選べば、こんなはずではなかった…という失敗を防ぐことが出来ます。
1-1 メリット3点
①軽いので家に負担がかかりにくく、地震に強い
スレートの重さは和瓦の半分(21kg/約1㎡)と非常に軽量な為、家への負担がかかりにくいというメリットがあります。
しかも、家の上が軽くなると、そのぶん地震の際の揺れが小さく済みます。
そのため、耐震性を高める目的で和瓦からスレート屋根への葺き替え工事を行うケースもあります。
②様々なデザインの家に合わせやすい
スレート屋根は洋風、和風、どのテイストのお家にも合わせやすいです。
何故なら、とてもシンプルなすっきりしたデザインのためです。
また、商品によっては10色以上製造されており、さらに塗装で色を変えることも出来ます。
新築時もリフォームの際も、お家の雰囲気に合った色を楽しむことができます。
③工事後も相談できる業者が多くて安心
スレート屋根なら、万が一破損してしまったり不具合が発生しても、相談できる業者が多いです。
なぜなら比較的施工が容易なので、扱える業者自体が多いためです。
逆にあまり普及していない屋根材だと、取扱店もなく、メンテナンスの際に困ってしまう場合があります。
スレート取扱いのある業者は、探せばお家の近くに支店があることも多いので、何かあった時はすぐ点検や補修を依頼することが出来てとても安心です。
1-2 デメリット2点
①経年劣化で割れや雨漏りが起こる
何もメンテナンスをせず放置すれば、スレートが割れてしまったり、傷んだ箇所から雨漏りが発生してしまいます。
なぜなら、年数が経つとスレート表面が劣化して、水を吸う状態となってしまうためです。
スレートはセメントが主成分なので、水を吸うとわずかに膨らみ、乾燥した際には縮みます。
こうした伸び縮みを繰り返すようになると、負荷に耐えきれず、ひび割れてしまいます。
ひびは放置すれば当然中に水が入ってきてしまいますから、雨漏りの原因になるのです。
それを防ぐためには、最低でも10年に一度の塗装や補修が必要です。
塗装や補修をすることで、再度水が屋根から入らない状態にできます。
雨漏りを防ぎ、屋根やお家を長持ちさせるためにも定期的に補修や塗装を行いましょう。
②衝撃で割れることがある
スレートは比較的新しいものでも、割れてしまうことがあります。
薄くて軽い分、外部からの衝撃には弱いためです。
積雪の重み、台風などで倒れたアンテナがぶつかった等、強風や雪が原因になることが多いです。
割れたままにしていると、そこから雨水が入ってしまう恐れがあります。
早めに補修し、それを防ぐためには年に一度、割れている箇所がないか点検を行う必要があります。
点検は業者に依頼すれば無料で行ってもらえることが多いです。
割れたままにしないためにも、定期点検は必ず依頼しましょう。
◆割れてしまった場合の補修について詳しくはこちら
2章 スレート屋根への葺き替え事例
スレートへの葺き替え工事の事例を紹介します。
ここで紹介するのは、スレート屋根から、ケイミュー株式会社が製造した「コロニアルクァッド」というスレートの一種の屋根材に葺き替えを行った事例です。
◆製品公式ページ:ケイミュー株式会社
■施工前
■施工後(屋根色:アイリッシュグリーン) この事例では、屋根のふき替えだけでなく、外壁塗装も一緒に行っています。 落ち着いたグリーンの屋根を選ぶことで、明るい外壁の色がより素敵に見せられます! |
事例でこの屋根材が選ばれたのは、軽量で地震に強いだけでなく、独自の固定の方法で、強風でのずれや飛散を防止する効果を持っているためです。
これにより、強風時にスレートが近隣に落下してしまったり、万が一人に当たってしまったりする事故を防ぐことが出来ます。
また、ずれや飛散が防げることで隙間ができにくくなるため、雨漏りするリスクを減らし長持ちさせられます。
スレート屋根を選ぶ際は、価格や見た目だけでなくどのような機能も持っているのかを知っていると、よりお家にあったものを選ぶことができますよ。
3章【状況別】スレート屋根にする場合の費用相場
これからスレートの屋根にする場合の費用を、葺き替え・新築の場合でそれぞれ紹介します。
どのくらいかかるのか知っていると、お金の計画も立てやすくなります。
3-1 既存の屋根からスレートに葺き替える
既存の屋根からスレートにふき替える場合は、約100~200万円程掛かります。
費用の内訳は以下の通りです。
施工費 | 5,000~8,000円/㎡ |
仮設足場 | 600~800円/㎡ |
既存の屋根材の撤去費用 | 2,000~5,000円/㎡ |
※アスベスト処理費 | 1,000~3,000円/㎡ |
(30坪、120㎡の屋根の場合)
古い屋根材を撤去する必要がある為、新築でスレートにするよりも高くなる場合があります。
※アスベスト入りスレート屋根だった場合のみ発生する費用です。
既存の屋根が2006年以前に製造されたスレート屋根の場合はアスベストが含まれている可能性があります。 この種類のスレートだった場合、そのまま撤去処分するとアスベストが飛散し、健康被害がでる恐れがあるので、飛散防止や適切な処分のために追加費用(アスベスト処理費)がかかります。 |
アスベストが含まれた屋根材か否かで費用が変わってくるため、点検の際には必ず業者に確認をとりましょう。
補足:葺き替えを行う場合、別の屋根材も候補に入れておこう
葺き替え工事を検討されているなら、スレート以外の建材も候補に入れておきましょう。
見た目や材質が建材によって異なるため、お家の状態や外壁の雰囲気にあったものを選べるからです。
スレート以外の屋根材で行った場合の葺き替え工事の価格や、それぞれの建材について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
3-2 新築でスレート屋根の家にする
新築でスレート屋根にする場合にする場合は、約110~180万円程掛かります。
費用の内訳は、以下の通りです。
施工費 | 5,000~7,000円/㎡ |
仮設工事費用 | 本体工事費用(家そのものを建てる費用)の2%~5% |
(30坪、120㎡の屋根の場合)
新築工事の際は、足場代単体でなく、工事で使用する仮設水道、電気、仮設トイレなどと一緒に「仮設工事費用」として請求されることが多いです。
また、屋根の形状により、施工費がこれよりも高額になる場合があります。
なぜなら、形状が複雑になると施工の手間だけでなく材料も多く必要になる為です。
そのため、屋根の形状まで決めてないという方なら切妻or寄棟の屋根がお勧めです。
■屋根の形状 出典:LIXIL |
切妻屋根と寄棟屋根は屋根の形状の中でも一番シンプルなため、材料や手間を必要最小限に抑えられます。
また、シンプルな形状は継ぎ目が少なくでき、雨漏りのリスクを少なくできるメリットがあります。
ただし、雨漏りのリスクを減らすには、片流れ屋根は避けておきましょう。
なぜなら、軒先がほぼない作りのお家が殆どのため、屋根に当たった雨水がそのまま外壁に流れて当たり、外壁から雨漏りしてしまうリスクが他の形状よりも大きいためです。
屋根材だけでなく、屋根の形状も選ぶことでコストを抑えつつ、長持ちさせられるお家にしていきましょう!
3章 10年に1度は再塗装が必要
スレートは10年に1度は再塗装が必要となります。
なぜなら、紫外線や雨風を浴びることで表面が劣化し、水を吸う状態となってしまうためです。
1章で紹介した、雨漏りの原因となる経年劣化は、この再塗装で止めることが出来ます。
但し、劣化を永久にとめられるものではないので塗装後も定期的なメンテナンスをしていく必要があります。
スレートを長持ちさせるためにも、必ず定期的に再塗装を行いましょう。
◆スレート屋根の塗装の時期や費用についてはこちら
4章 年に1度の点検で長持ちさせる
工事が終わったら、最低でも年に1回は定期点検を依頼しましょう。
依頼する業者は、屋根の施工をしてくれた業者がベストです。
理由は2つあります。
1つめは、屋根の施工をしてくれた業者はお家や屋根の状態も把握しているので、
点検するだけでなく、メンテナンスが必要な状態ならそのタイミングで提案をしてくれるからです。
2つめは、屋根は台風や積雪などの影響を一番受けやすいからです。
新しくスレート屋根にしたばかりのお家でも、台風で飛んできたものがぶつかったり、雪の重みでスレートが割れてしまうケースがあります。
割れてしまったスレートをそのままにしていると、そこから水が侵入します。
新しい屋根やお家でも雨漏りしてしまい、修繕費用が余計に掛かってしまいます。
年に1回点検をしていれば、割れを早期発見でき、補修も依頼できるので、放置してしまったことが原因で傷むのを防げます。
お家を長持ちさせるためにも、必ず定期点検を依頼しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
スレートは軽くて地震に強いだけでなく、施工できる業者が多いので、万が一不具合があったときも相談しやすいところが魅力の建材です。
また、商品によって持っている機能や長所も少しずつ異なります。
デザインだけでなく機能面も知ったうえで選ぶとよりお家に合ったものを選べます。
但し、せっかく新しいスレート屋根にしても、点検やメンテナンスをしないままにしてしまうと経年劣化して、雨水の侵入を止められず雨漏りの原因となってしまいます。
スレートのもつメリットを最大限に生かすためにも、年に1度の定期点検で、傷みは早期発見と早めのメンテナンスを行いましょう。
お読みいただきありがとうございました。
◆スレートは塗装メンテナンスで長持ちさせる屋根です。塗装の種類や選びかたはこちら
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