外壁塗装は約10年に1度の高額な工事。
しかし塗装に関する知識をつける場はそうないので、不安や心配を抱えている方は多いです。
そして皆さんは共通して「失敗したくない」というお気持ちをお持ちだと思います。
ところが外壁塗装の知識がないと、注意をしようとしていても“失敗したかも…”と思うことが起きてしまうかもしれません。
そこで今回は、外壁塗装を失敗しないために、実際に起きた失敗例を元に、その原因まで事前知識としてお届けします!
事前に知識を持っておけば注意すべき点が分かりますし、「これって失敗?」と思う節があっても、原因が分かれば対処ができます。
更には外壁塗装を失敗しないためのポイントも解説。
最後までお読みいただくことで、外壁塗装を失敗しないための事前知識がしっかりつきますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1章 本当にあった外壁塗装5つの失敗事例
外壁塗装については、初めてなら特に分からないことが多いものです。
先に外壁塗装をされて「失敗した」という方の声が多く聞かれる例を知っておけば、それだけでも自分の失敗を防ぐことができますので、1つずつ見てみましょう。
よく聞かれる5つの失敗例は以下の通りです。
・高額な工事になってしまった=「金額の問題」 ・仕上がりが想像と違った=「色選びの問題」 ・近隣住民からクレームが出てしまった=「工事対策の問題」 ・数年で塗装が剥がれてしまった=「施工不良の問題」 ・DIYで塗装して仕上がりが失敗した=「知識・技量不足の問題」 |
それぞれ発生してしまう原因がありますので、発生しないように原因から注意をしていきましょう。
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事例1:高額な工事になってしまった
1つめは、「高額な工事になってしまった」という失敗例です。
それぞれ予算がある中で、実際に見積や契約をしてみたら、想定よりも工事金額が高くなってしまったという事例です。
高額になってしまう原因は、自分の考えが及ばなかったこともあれば、業者の境遇や善し悪しが理由のものもあります。いずれも工事前に知っておけば防ぐことができますので、見ていきましょう。
原因①:家が傷みすぎて修理費が高くなった
適切な工事時期を過ぎてしまうと家の傷みが進行してしまい、修理費が高くなります。
家は日々劣化するので、何かが壊れてから塗装をしようとすると、まず修理をしなくてはいけません。
そのため、修理費が工事代金に上乗せされるので、高くなってしまいます。
例えば…
・雨樋が割れてしまっていたので交換した
・大きなヒビの穴埋めが必要になった
・ウッドデッキなどが腐っていて交換が必要になった
といった理由で追加の修理費用が発生することがあります。
家が傷みすぎていると、塗装だけでなく修理費が掛かるので、高額な工事になる可能性が高いです。
そのため、修理が不要の段階で塗装をしておくと高額になることも避けられるでしょう。
>塗装の時期について詳しく知りたい方はこちら!
原因②:中間マージンが上乗せされた
大手企業などに塗装をすると、下請け会社が工事をすることになるため、費用も高くなります。
下請け会社に依頼する時に、中間マージンが発生するためです。
特に塗装を専門としていないハウスメーカーや、最近では大手家電屋やホームセンターなどに工事を依頼すると、実際の工事は下請けに発注するため、金額が割高になってしまいます。
そのため、塗装工事は塗装専門店にお願いするのがおすすめです。
▲塗装専門店とそれ以外の金額の違い
原因③:悪徳業者だった
悪徳業者だった場合は、費用が高額になる可能性が高いです。
悪徳業者は自分たちの利益しか考えていませんから、様々なところで金額を水増ししている可能性があります。
数量の水増しや単価の水増し、不明な費目の追加など、不明瞭な金額が最もらしく提示されます。
悪徳業者には引っかからないように十分注意しましょう。
>悪徳業者に騙されないための自衛策はこちら!
原因④:後から追加工事をしてしまった
後から追加で工事を依頼してしまった場合も、トータルでの工事費が高くなってしまいます。
最初から工事に入れていれば全体的な予算が最初に分かりますが、
後から追加になりがちな事例としては
・ベランダの防水も必要だと後から知って、追加工事をした。
・床下のシロアリ消毒もする時期だと気付き、後から依頼した。
・工事中に塗装だけではなく修理が必要な場所が見つかり、追加修理工事をした。
などがあります。
ご自身が最初から見積に入れていなかったことで追加工事になったり、業者の点検不足から追加修理が必要になったりするケースまで様々です。
後から追加工事を依頼して、当初の予算から大幅にオーバーしないように、見積段階から追加工事が不要なよう対処していきましょう。
>見積段階から適切な工事内容が反映されているかチェックするにはこちら!
原因⑤:不要な工事が入っていた
不要な工事が入っている場合も、工事費用は高くなってしまいます。
通常は必要ない工事やオプション工事など、素人では判断がつかない余計な工事が入っているということもあるからです。
例えば…
・外壁の飾りタイルの塗装表記があった→タイル自体は塗装が不要な材質なので、やらなくて良い作業です。
・3年前にシロアリ消毒をやったが、今回も見積りに入っていた→シロアリは5年に1度が適切サイクルです。
といったケースがあります。
本来必要ない工事が契約に入っていることで、余計に工事費用が高くなってしまいます。
事例2:仕上がりが想像と違った
2つ目の事例は、「仕上がりが思ったものと違った」という失敗です。
全体の色の雰囲気や塗料の見え方など、なかなかイメージしにくいものですが、塗ってからではやり直しがききません。
イメージと違って失敗した、ということにならないように、どんな失敗があるのかチェックしていきましょう。
原因①:カラーシミュレーションをやらなかった
カラーシミュレーションをせず色決めをしてしまうことで、仕上がりの失敗に繋がってしまいます。
希望の色を家の全体に当てはめた完成イメージは、カタログだけではそう分からないものです。
希望の色が実際に大きな家に表現されたときに、カタログで見た色と印象が違う…となることはあります。
家全体の雰囲気がどう変わるのか、色を決める前にカラーシミュレーションを数パターン実施してもらい、完成イメージを具体的にしていくようにしましょう。
>カラーシミュレーションについて詳しく知りたい方はこちら!
原因②:周囲との調和を考えていなかった
自分の好きな色を選ぶ余り、周囲の家の雰囲気から浮いてしまい景観が乱れたという失敗もあります。
自分の家のことだけを考えてしまうと、住宅街や街並みと言った景観との調和を忘れがちだからです。
周りの家の雰囲気や、街並みの自然環境・公共物など、景観と調和が取れるような色味かどうかもしっかりと考え、景観のバランスが取れる色選びをしましょう。
>周囲との調和についてもっと考えたい方はこちら!
原因③:大きい色見本を確認しなかった
色選びは塗料のカタログから選びますが、同じ色の大きいサイズの見本を確認しなかったことによる失敗もあります。
塗料カタログの色見本はとても小さいチップなので、実際に一戸建ての建物にあてがった時に、どうしても色の印象が異なって感じます。(色の面積効果と言います)
その結果、中には違う色を塗られた!と思う方もいるくらい、印象に差が出てしまうことも…
カタログだけでなく、A4サイズ程度の大きなサイズの色見本も見て、実際に壁にあてがってみる事で、そうした失敗は防げます。
>色見本の詳しい見方はこちら!
>失敗事例から学ぶ色選びのポイントについてはこちら
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事例3:近隣住民からクレームが出てしまった
3つ目は、近隣からクレームが出てしまう失敗です。
工事をする以上、工事が始まる前から終わりまで、ご近隣の方には何かと負担いただくことがあります。
そのためちょっとした気遣い不足やすれ違いが、今後の近隣関係にヒビを入れてしまうこともあるので、事前に失敗しないためのチェックをしていきましょう。
原因①:近隣への挨拶が不十分だった
工事の1週間前から、工事を担当する業者がご近隣の家々に工事の案内挨拶をすることが多いです。
ですがこの挨拶が適当だと、大切なことが近隣に伝わっていなくて、工事が始まってから急なお願いや我慢を強いることになってしまいます。
工事前には、足場架設用のトラックの駐車や工事音がすることなど、事前に伝えておくことでトラブルにならない情報をお伝えします。
こうした案内や挨拶が不十分だったことで、近隣の方がなんとなく嫌な気持ちになったり、非協力的になってしまったりすることがあるので、挨拶は大切です。
>工事の挨拶に関して詳しく知りたい方はこちら!
原因②:施工中の配慮が不十分だった
施工中の配慮が不十分だったことによるトラブルで失敗したというケースもあります。
主に業者の施工によるトラブルが原因で、例えば隣家に対して
・高圧洗浄の汚れが飛んで、洗濯物を汚してしまった
・塗料が隣家の車に飛んで汚してしまった
・工事で出たテープなどのゴミが飛んでしまっていた
といったことがあるからです。
洗濯物などは事前の挨拶で部屋干しにご協力いただいたり、塗料やゴミの飛散については施工業者がカーシートを掛けたり、1日の終わりの片付けで見廻りをして気遣う部分です。
ご近隣に工事作業で迷惑が掛からないよう、業者には近隣へ配慮をした施工をしてもらうようにしましょう。
原因③:トラブル発生時の対応が不十分だった
工事中にご近隣と何らかのトラブルが発生してしまった際の対応で失敗してしまったというケースです。
職人が道を塞いで駐車していて困る、うちの植栽にペンキが飛んでいる、などのクレームに対して、施工業者や施主の対応が遅いと、更なるトラブルになりがちです。
特に近隣から指摘を受けた際に、施主と施工業者がしっかり連携してトラブルに対して向き合うようにしないと、後々近隣との関係にわだかまりが残ってしまいます。
トラブル発生時には早めの対応をしていきましょう。
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事例4:数年で塗装が剥がれてしまった
4つ目の失敗例は、塗装後に数年で剥がれてしまったというものです。
10年持つと思っていた塗装が数年で不具合発生となると、失敗したと思うものです。
どんな原因があるのかを押さえておいて、工事前から注意できるようにしましょう。
原因①:下地処理が不十分だった
下地処理が不十分な状態で塗装されてしまうと、数年で剥がれる原因になります。
塗料がちゃんと密着するように、下地処理として高圧洗浄やケレン(旧下地を剥がす)作業をしますが、それが不十分だと、塗料が剥がれやすくなってしまいます。
下地処理の重要さを理解している業者に依頼をしないとこうした失敗に繋がりやすいので、契約前には下地処理について質問をし、回答が納得いくか見てみるのも良いでしょう。
>下地調整作業(ケレン)について詳しく知りたい方はこちら
原因②:手抜き工事をされてしまった
手抜き工事をされてしまうと、数年で塗装が剥がれてしまうということも起きます。
剥がれの他、変色や仕様通りの耐久年数を発揮しないなど、手抜き工事による悪い効果は多くあります。
手抜きも一見すると綺麗な塗装に見えるので、素人目では分かりにくいことも多いです。
例えば、故意的に塗料の用法を守らなかったことで、コストは安く、請求はそのまま(または水増し)ということをされてしまいます。
手抜きをする業者はお金さえ儲けられれば良いという考え方で工事をしているので、そうした業者に間違っても依頼しなように自衛が必要です。
>手抜き工事の事例と対策はこちら
原因③:塗料選びを間違えてしまった
塗料選びを間違えてしまうと、塗装後すぐの剥がれの原因になってしまいます。
外壁材にはその素材や状態に適した塗料の下塗り材・上塗り剤があります。
それを希望の塗料を使いたいからという理由で、仕様を多少捻じ曲げてでも異なる塗料を使ってしまうと、数年で不具合に繫がってしまいます。
逆に業者が適切な塗料選びが出来ない場合も同じことが言えますので、塗料のカタログなどを見て仕様が自分の家に適切なものなのかを確認するのは重要です。
関西ペイント:アレスダイナミックトップカタログより
▲塗料のカタログには、必ずこのように塗装の仕様が記載されています。
どんな下地(建材)に使えるのか、どんな下処理をするのか、塗料は何を使うかが記載されているので、ここを確認すれば塗料選びを間違えることはなくなります。
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事例6:DIYで塗装して仕上がりが失敗した
5つ目は、自分で塗装をしようとしたものの、仕上がりが失敗してしまった、というケースです。
ご自身で戸建て全てを塗装しようとする方は少ないですが、その中でもDIYが失敗してしまう理由を知る事で失敗を回避することができますよ。
原因①:自分でも大丈夫と過信してしまった
DIYで塗装をしようと考える方は、多少なりとも腕に自信がある方が多いです。
ですが、家具やエクステリアと戸建ての塗装は勝手が違います。
足場は必ずクサビ式の物を建てて施工しないと事故や施工不良の元になります。
その他、補修が必要かどうか、下塗りは何を使えば良いか、塗料は何缶あればいいか、希釈はどう計算すればいいか…など、DIYでやられる方はここまで細かくお考えでないことも多いです。
そのため、自分で出来ると思ったのに仕上がりの塗料の液だれが汚い、1年で変色してしまった、などの不具合が起きてしまいます。
戸建て塗装はDIYでなく、専門家にお任せすることをお勧めします。
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2章 外壁塗装を失敗しないための4ポイント
外壁塗装を失敗しないために押さえてほしい4つのポイントがあります。
どれもちょっと頑張れば注意できるものばかりですので、工事を成功させるためにもぜひ実施していきましょう。
2-1 依頼する業者はちゃんと調べよう
外壁塗装を依頼する業者については、事前にちゃんと調べましょう。
最近ではインターネットの普及に伴い、ホームページや口コミなどの情報が手に入りやすいです。
どの様な工事をするのか、保証はどうなっているのか、実際の評価はどうなのか、など事前に知っておくことで業者選びに役立ちます。
またインターネットで分からなかった情報については、直接業者に尋ねても全く問題ありません。
不明瞭な点が残らないように、まずは依頼する業者について事前にしっかり調べておきましょう。
2-2 契約はじっくり考えてから
契約は焦らず、じっくり考えてから決めましょう。
急いで決めてしまうと、トラブルや失敗に繋がりやすいためです。
特に「月内に決めてもらえればこの金額でやります」「今日お返事もらえれば○%引きで頑張ります」など、返事を急がせる営業トークをする業者には要注意です。
慌てて契約して失敗をしてしまっては元も子もないので、焦らずじっくり考えてから契約をしましょう。
2-3 担当者と連絡をマメにしよう
業者を決めたら、担当者とはマメに連絡を取りましょう。
連絡を密にすることで、トラブルや失敗を防ぎやすいからです。
例えばこちらが「○○だろう」と思っていても、業者の認識が異なることで失敗してしまうことがあります。
中には塗料の色が違っていたなんて、大きな間違いが起きてしまうこともあり得ますので、担当とはマメに連絡を取り合って逐一確認をすると失敗を防げるでしょう。
2-4 塗装の基礎知識をつけよう
外壁塗装を失敗しないために良い業者を選ぶことも大切ですが、ご自身が基本的な知識を持っておくことも有効です。
知識があれば、業者に言われたことを全て鵜呑みにして失敗した、ということは避けられるからです。
逆に言われていないことでも、基礎知識があれば自ら業者に質問をして解決ができます。
専門的にたくさんの知識を取り入れる必要はありませんが、要所要所で注意すべき点などを知っておくことで受け身になりすぎず、失敗を防ぐこともできます。
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まとめ
いかがでしたか?
外壁塗装の失敗事例で多く聞かれるのは5項目あります。
事例1:高額な工事になってしまった
事例2:仕上がりが想像と違った
事例3:近隣住民からクレームが出てしまった
事例4:数年で塗装が剥がれてしまった
事例5:DIYで塗装して仕上がりが失敗した
失敗をしないためには、4つのポイントに気を付けましょう。
・依頼する業者はちゃんと調べよう
・契約はじっくり考えてから
・担当者と連絡をマメにしよう
・塗装の基礎知識をつけよう
事前に失敗例を知っておくことと、失敗しないためのポイントを押さえておくことで、あなたの外壁塗装工事を成功させてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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