外壁塗装で避けたいのが手抜き工事。
ただ、知識がないと手抜きをされたかどうかも分からないまま工事が終わってしまうことも。
長持ちする高品質な塗装をしてもらうためには、手抜き工事がどんな場面で起こるのか知っておくことが大切です。
そこでこの記事では、外壁・屋根塗装工事で注意すべき15の手抜き事例をご紹介。
適切な工事と手抜き工事の違いを知って、騙されないように備えていきましょう!
また、実際に手抜き工事に気付いたときの対処方法や、手抜き工事をされないための対策方法も解説します。
この記事を読めば、ご自宅の塗装での手抜き工事を防ぐことができます。
大切なお家の塗装工事を満足したものにできるよう、ぜひ最後までご覧ください。
1章 外壁・屋根塗装で注意したい15の手抜き事例
外壁・屋根塗装工事で、よくある15の手抜き作業の事例をご紹介します。
手抜きをされると、どんな悪影響があるのかも一緒に解説していきますので、見ていきましょう!
1-1 簡易的な足場を使う
工事の際に、簡易的な足場を使う業者には注意しましょう。
簡易的な足場とは、鉄パイプを繋ぎ合わせただけの足場です。(▼単管足場)
単管足場は足元が悪く、安全性も低いので、職人も丁寧に作業するのが難しいです。
しかし、コストが安いので、あえて単管足場を使う業者もいます。
ただ、単管足場を使っての高所作業は、労働安全衛生法でも禁止されています。
実際に見つかってしまうと、工事がストップしてしまう恐れもあります。
外壁・屋根塗装工事の際は、クサビ式(ビケ)足場という丈夫な足場を使う業者を選びましょう。
▼正しい足場=クサビ式(ビケ)足場
足場に板が設置されていて、歩けるようになっています。
安定して作業が出来るので、安全性・品質の高い工事に出来ます。
>外壁塗装の足場についてはこちらの記事もごらんください。
1-2 高圧洗浄をしない
塗装する前には、高圧洗浄で表面の汚れを落とすことが必須です。
しかし、手抜きをする業者の中には工期を短縮するために、適当に洗浄を行なうケースや、そもそも洗浄作業をしないケースもあります。
外壁が汚れたまま塗装をすると、塗料の密着性が下がり、数年で剥がれてしまうなどの原因になります。
高圧洗浄は塗装工事に必須の重要な作業なので、手を抜く業者に注意しましょう。
>高圧洗浄についてはこちら
1-3 養生が万全でない
養生とは、塗装しない部分に塗料が飛ばないようにするための作業です。
塗装工事の仕上がりに大きく関わる重要な作業ですが、手を抜く業者もいます。
例えば、足場の養生シート。一般的には4面に張って近隣に塗料や高圧洗浄の水が飛ばないようにします。
しかし、中には1面にしか養生シートを張っていない業者もいます。
▼悪い例:足場の養生シート
この状態で塗装工事をすると、近隣宅に塗料が飛んでトラブルになります。
また、一般的には、窓や換気口、エアコンの室外機、車、土間など、外壁以外の部分に塗料が付かないように養生を行ないます。(▼良い例)
しかし、作業を省くために養生を十分にしないまま塗装をする業者も。
養生をしないまま塗装するとあちこちに塗料が飛んでしまいます。
丁寧に養生しない業者にも注意が必要です。
>外壁塗装の養生についてはこちらの記事もご覧ください。
1-4 ひび割れ補修をしない
塗装作業の前に、ひび割れ補修をしない手抜き業者がいます。
ひび割れを埋めないまま塗装すると、塗装をしてもひびが浮き出てしまいます。
お家を水から守るために塗装したのに、ひび割れが出て再び水を吸い込むようになってしまったらガッカリですよね。
お家を長持ちさせるためにも、細かいひび割れ補修もしてくれる業者が安心です。
★付帯物も塗装前の下地処理が必要 破風板や雨戸、シャッターなどの付帯物も塗装前の下地処理が必要です。 下地をヤスリなどで滑らかにすることで、塗料が密着しやすくなり、はがれにくくなります。 手を抜かれやすい部分なので、注意しましょう。 >ケレンについてはこちらの記事をご覧ください。 |
1-5 コーキングを交換していない
サイディング外壁やALC外壁を塗装する際は、目地(コーキング)の交換も行います。
しかし業者の中には、
・元のコーキングを撤去せずに新しいコーキングを上から打つ
・交換しているが細かい部分はそのままになっている
・コーキングがはみ出している
など手抜き作業をするところがあります。
古いコーキングを撤去しないと、コーキングの劣化も早まり剥がれやすくなります。
また、見た目も損なってしまうので、コーキング作業が雑な業者に気を付けましょう。
場所によっては、交換ができず「増し打ち」をする場合もあります。
>打ち替え・増し打ちの正しい分け方は以下の記事をご確認ください。
1-6 塗り回数が少ない
外壁・屋根塗装は基本的に3回塗りです。
ただ、工期を短くする、塗料代を削減するために塗り回数を減らしてしまう業者がいます。
塗り回数が少ないと、塗装の耐久性が低下してしまいます。
外壁塗装作業が1日で終わっているなどの場合は工程が省かれている可能性が高いです。
1-7 塗料を薄めすぎている
塗料を規定以上に薄められてしまうのも、手抜き工事の一つです。
塗料には塗料ごとにどのくらいの水(又はシンナー)と混ぜるのかの希釈率が定められています。
しかし手抜きをする業者は塗料代を削減するために、決められた分量以上に塗料を薄めてしまいます。
薄めすぎた塗料で塗装すると、塗膜が薄くなって数年で塗装が劣化してしまう恐れも。
心配な方は塗料の重さや希釈を測っている業者を選ぶと安心です。
1-8 乾燥時間を置かずに塗り重ねる
乾燥時間を置かずに塗装されているケースがあります。
塗料を乾かさないまま、次の工程に行くと塗料の密着性が弱まります。
本来の耐用年数より短い年数で剥がれてしまうので注意が必要です。
塗料によって差がありますが、工程間で2~8時間ほど乾燥が必要です。
そのため、適切な施工をすると2~3日はかかります。
3回塗りなのに1日で終わった、などの場合は乾燥時間を置いていない可能性が高いです。
1-9 塗り分けが雑で汚い
色の塗り分けが雑な業者も手抜きと言えます。
塗り分けする際に、マスキングテープなどで綺麗に線を出さずに、ガタガタになってしまっているケースや、はみ出しているケースもあります。
塗装工事では、見た目(仕上がり)も重要なので、丁寧に仕上げてくれない業者に注意しましょう。
1-10 細かい塗り残しが多い
手抜き業者は細かい部分の塗り残しが多いです。
なぜなら、外壁には、塗りにくい部分があり、手抜き業者はそこを丁寧に施工しないからです。
特に、配管の裏、雨樋の裏など見えにくい部分は手を抜かれやすいです。
↑手が届く範囲は綺麗に塗ってくれる業者だと安心です。
1-11 別の塗料で塗装する
悪質な業者によっては、契約した内容と違う塗料を使って塗装する業者もいます。
安い塗料を使ってより利益を出すのが狙いです。
塗装工事中は、お家を留守にしている方もいますし、家にいても作業をずっと見張ることもないので、このような手口が出来てしまうのです。
1-12 屋根の釘を打っていない
屋根の頂上には板金がかぶせられています。
その板金は釘で固定されているのですが、太陽の熱で熱膨張を起こすことで、徐々に抜けてきてしまいます。
そのため、塗装のタイミングで釘を打ち直すことが重要です。
抜けたまま放っておくと、板金が浮いてきて強い風が来た時に飛ばされてしまいます。
手抜き業者は、そのことを知っていながらも、手間を省くために、釘を打たずに塗装します。
屋根は特に普段見えない部分なので、細かいところも丁寧に施工してくれる業者だと安心です。
>屋根の釘についてはこちらの記事もご覧ください。
1-13 縁切りをしていない
縁切りをしない手抜き業者に注意してください。
縁切りというのは、塗料でくっついてしまった屋根瓦同士の縁を切る作業のことです。(スレート屋根の場合のみ)
この縁切り作業を行なわないと、雨が正常に捌けず、雨漏りの原因になってしまいます。
雨漏りの恐れがあるにも関わらず縁切りをしないのは完全に手抜きと言えます。
▼縁切り(タスペーサー挿入)の様子
縁切り方法には、塗装後にカッターで塗膜を切る方法と、下塗り後にタスペーサーという部材を入れる方法があります。
>詳しくはこちらの記事をご覧ください。
1-14 見積もりに書いてあることをやらない
手抜き業者では見積もりに記載されていることをやらないケースがあります。
「見積書には書いてあるに、下塗り塗装をしていない」
「外壁と一緒に塀も洗ってくれると書いてあるのに洗っていない」
などです。
工事中すべて業者任せで、作業の確認をしないでいると手を抜かれやすくなってしまいますので、注意しましょう。
1-15 雨天でも塗装する
雨が降っているのに塗装作業をしている手抜き業者に注意しましょう。
塗装工事は、少しの雨でも塗装はNGです。
なぜなら、
・塗料が流れて膜厚が薄くなってしまう
・塗料が十分に乾燥せず剥がれやすくなる
などの恐れがあるからです。
雨が降っても無理やり作業を継続するのは手抜き作業と言えます。
品質よりも自分達の工期短縮を優先する業者には注意しましょう。
2章 手抜き工事をされてしまった時の対処方法
工事中や工事後、手抜き工事をされてしまった時の対処方法をご紹介します。
万が一、手抜き工事の被害に遭ってしまった時に備えて、対処方法を覚えておきましょう。
2-1 業者にやり直しを依頼する
まずは業者や職人に直接やり直しを依頼する方法です。
「3回塗りと聞いていたのに、2回しか塗っていないので、やり直しをしてください」
「塗り分けが汚いので、塗り直してください。」
などと具体的に伝えましょう。
業者によっては支払いを済ませた途端、逃げてしまうところもあります。
見積もりに記載されている工事をやってもらえていないなどの場合は、支払いを済ませる前に業者に伝えましょう。
2-2 第三者機関に相談する
業者に直接言いづらい、言ったのに対応してもらえないなどの場合は、第三者機関に相談しましょう。
第三者機関には以下のようなものがあります。
・独立法人国民生活センター(消費者センター)
・弁護士 等
国民生活センターでは、ADR(裁判外紛争解決手続)も行なっています。
裁判を起こさず、本人同士での和解に仲介してもらえる制度です。
実際に外壁塗装工事で手抜きをされた消費者が、業者に対して工事費の全額払い戻しを要求し、無事お金が戻ってきたケースもあります。
当事者での解決が難しいと感じたら、第三者機関を頼りましょう。
3章 手抜き工事をされないための5つの対策
手抜き工事を避ける、5つの対策をご紹介します。
手抜きを見極める、適切に対処することも大事ですが、一番は手抜き工事をされないことです。
誰でもできる対策で、手抜きを回避していきましょう。
3-1 60~90分かけて点検してくれる業者を選ぶ
見積もり段階で60~90分かけて、丁寧に点検してくれる業者を選びましょう。
手抜き作業をする雑な業者は、事前点検も適当です。
10~30分かけて、お家周りをぐるっと回って終わり、というところもありますし、お家の大きさだけ測る業者もいます。
もちろんお家の大きさが分かればある程度の見積もりは出すことが出来ます。
しかし、劣化状況が分からなければ、適切なメンテナンスはできません。
そのため、60~90分かけて、お家がどんな状態なのかを事前に点検診断してくれる業者を選びましょう。
屋根塗装をされる場合は屋根の点検も必須です。
直接登るか、ドローン、高所カメラで状態を見てもらいましょう。
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3-2 詳細な見積もりをもらう
金額の内訳や作業内容などが詳細に記載されている見積もりをもらいましょう。
業者によっては、何回塗りで塗装されるかの記載がなかったり、どの塗料を使うか記載されていなかったりと、大雑把な見積もりを渡してきます。
こういった雑な見積もりで契約してしまうと、工事が始まってから業者と認識の違いでトラブルになりやすいです。
また、万が一、1章でご紹介したような手抜き作業をされても、「見積もりにも契約書にも書いていません」と逃げられてしまう恐れもあります。
適切な作業を行なってもらうためには、詳細な見積もりをもらうことが大切です。
>外壁塗装の見積もりの注意点についてはこちら
3-3 価格だけで業者を決めない
塗装を依頼する業者を金額だけで決めるのは避けましょう。
安い業者は安くできる理由が必ずあります。
・塗料を薄めて使っている
・安い塗料で塗っている
・簡易的な足場・養生で工事している 等
安さだけでなく、スタッフの対応、塗装工事の実績数、クチコミなどもチェックした上で業者を選ぶことをおすすめします。
>外壁塗装の業者の選び方についてはこちら
3-4 説明や報告をマメにもらう
工事の説明や作業の報告はこまめにもらうようにしましょう。
工事のことを全て業者に任せてしまうと、「このお客さんは何をやっても気付かないだろう」と手を抜かれやすくなってしまいます。
またご自宅の状態や工事内容を知らないと、実際に手抜きがあった時に気付くことが出来ません。
丁寧な工事をしてもらう為にも、
・点検・見積時にご自宅の劣化状況をきちんと確認する。
・劣化状況に適した補修・メンテナンス方法を説明してもらう
・内容に納得した上で契約する
・工事中は作業報告をもらう
など、業者任せでなくご自身でもチェックして品質の高い工事にしていきましょう。
3-5 工事中の作業の様子を写真に残してもらう
塗装工事が始まったら、各作業の様子を写真で残してもらいましょう。
下塗りの写真や、屋根塗装の写真など、工事中ご自身で見ることが出来ない作業は特に写真があると安心です。
▼参考写真
ユーコーでは、各作業の写真を残しています。
このような写真があれば、普段見ることが出来ない屋根の様子や細かい部分の塗装の様子もよくわかります。
手抜きをする業者は、職人以外にチェックする人がいないことや、職人も作業の様子を残さないことが多いです。
そのため、こちらが頼まなくても写真を撮ってくれる業者や、職人以外もチェックに来て写真を撮ってくれる業者は、特におすすめです。
契約する前に、作業中の写真を撮ってくれるのか確認しましょう。
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まとめ
いかがでしたか。
外壁・屋根塗装工事における手抜き作業の事例には下記のようなものがあります。
1、簡易的な足場を使う |
もし手抜き作業をされてしまったら、業者にやり直しを依頼するか、第三者機関に相談して対応してもらいましょう。
また、こういった手抜き作業をされないためには、以下のことに気を付けましょう。
・60~90分かけて点検してくれる業者を選ぶ
・詳細な見積もりをもらう
・価格だけで業者を決めない
・説明や報告をマメにもらう
・工事中の作業の様子を写真に残してもらう
手抜きをする業者だけでなく、丁寧に作業をしてくれる業者もいます。
そういった優良業者を見極めて、最高の塗装工事にしていきましょう!
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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