屋根を点検してもらったら、うちの屋根は“コロニアルNEO”だから塗装はできないと言われた…
「コロニアルNEOって何?」
「本当にうちはコロニアルNEOなの?」
「なんで塗装が出来ないの?」
と疑問に思って検索されているのではないでしょうか。
コロニアルNEOはクボタ株式会社(現ケイミュー株式会社)が開発したアスベストが入っていないスレート屋根の種類です。
普通に生活していく中でなかなか耳にしない言葉だと思うので、ご自宅がそうだと言われてもすぐに信用できないですよね。
この記事では塗装が出来ないと言われるコロニアルNEOについての基礎知識とご自宅がコロニアルNEOかどうか見分けるために特徴的な劣化症状をご紹介します。
また記事の後半では、コロニアルNEOの正しいメンテナンス方法をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
適切な判断で大切なお家の屋根を守っていきましょう!
目次
1章 塗装NGの“コロニアルNEO”とは
コロニアルNEOはクボタ株式会社(現ケイミュー株式会社)が平成13年頃に販売したスレート屋根材です。
当時アスベストによる身体への悪影響が問題となっていたため、アスベスト(石綿)が入っていない=ノンアスベストの屋根材として開発されました。
ただ、築8~10頃になると無数のひび割れや大きな欠けが目立つなどの不具合が報告され現在では製造が中止されています。
現時点でメーカーはリコールを発表しておらず、無償で交換してもらうことは難しいです。
築10年ほどで劣化症状がみられることから塗装をしても意味がないとされ、「塗装できない屋根」の一つになっています。
他にも同じくクボタ株式会社の「アーバニーグラッサ」「ザルフグラッサ」やニチハ株式会社の「パミール」なども築10年程度で無数の劣化症状が報告されていることから「塗装できない屋根」とされています。
※ただし、物件によっては劣化症状が出ていない場合もあり塗装が出来る場合もあります。屋根の状態にあったメンテナンスを行ないましょう。
◆塗装が出来ない屋根についての詳細はこちら
2章 コロニアルNEOを判別!3つの症状
コロニアルNEOの3つの特徴的な劣化症状をご紹介します。
一つでも症状があればコロニアルNEOの可能性があるので、ご自身の目で確認しましょう。
※症状の状態は物件によって差があります。
2-1 方向性のない無数のひび割れがある
方向性のない無数のひび割れがある場合はコロニアルNEOの可能性が高いです。
耐久性が弱いコロニアルNEOはすぐにひびが入ってしまうため、塗装の際に屋根に登った時にも人の重さで割れてしまう場合があります。
すぐに雨漏りするわけではありませんが、放っておかずに適切なメンテナンスが必要です。
▼無数のひび割れ
2-2 無数の大きな欠けがある
大きな欠けが無数にあるのもコロニアルNEOの症状の一つです。
欠けたまま放っておくと、屋根材の内側に敷かれている防水シートが紫外線や雨風を直接受けて劣化してしまうので、雨漏りしやすくなってしまいます。
1.2枚程度の割れであれば部分交換ができますが、コロニアルNEOなどの耐久性が弱い屋根の場合は交換してもきりがないので、全体のメンテナンスが必要になります。
▼大きな欠け
2-3 一枚ごとに変色している
コロニアルNEOは一枚ごとに変色する場合もあります。
全部のコロニアルNEOが変色するわけではないですが、変色が見られたらコロニアルNEOの可能性があります。
放っておくとひびや欠けが増えてしまうので、屋根全体の劣化状態も確認しましょう。
★ご自宅の図面にも屋根材名の記載がある 家の図面をお持ちの方は、屋根材名が記載されている場合があります。 ただ、コロニアルNEOであっても別の屋根材名称が記載されている場合もありますので図面だけで判断するのは危険です。 屋根の状態をしっかり点検してもらいましょう。 |
3章 メンテナンスはカバー工事か葺き替え工事
コロニアルNEOの屋根は塗装ではなく、カバー工事か葺き替え工事が必要になります。
それぞれの工事についてご紹介していきます。
3-1 コスパで選ぶなら:カバー工事
カバー工事とは、既存の屋根の家から、新しい屋根をかぶせる工事です。
工事費用は約100~150万円です。(80㎡の屋根)
既存屋根の撤去費用が節約できるため、葺き替え工事よりお得にできます。
ただし、すでに雨漏りしている場合はカバー工事が出来ません。
費用をお得にしたいのであれば、雨漏りする前に工事しましょう。
また、上から被せるので出来るだけ軽い金属屋根などがおすすめです。
▼施工例
◆詳しい施工内容や費用が知りたい方はこちら
3-2 雨漏りしているなら:葺き替え工事
葺き替え工事とは、既存の屋根を撤去して新しい屋根を葺く工事です。
工事費用は約150~200万円です。(80㎡の屋根)
既存屋根の撤去費がかかるので、カバー工事より費用は掛かりますが、雨漏りの修繕や内部の状態を確認できるので確実に直したい方にはおすすめです。
新しい屋根を葺き上げるので、どんな屋根でも選ぶことが出来ますが、こまめなメンテナンスが必要な「スレート」やスレートより重い「瓦屋根」などはお勧めできません。
▼施工例
◆詳しい施工内容や費用が知りたい方はこちら
4章 嘘の報告をしてくる業者に注意!
ここまで塗装が出来ないコロニアルNEOについてご紹介してきましたが、「塗装が出来ない」と嘘の報告をしてくる業者もいるので注意しましょう。
本当は塗装が出来るスレート屋根なのに「塗装が出来ない」と言ってカバー工事や葺き替え工事を勧めてくる悪徳業者もいます。
こういった詐欺に遭わないためには自分の目で屋根の状態を確認することが大切です。
ただ屋根の上は危険で登ることが出来ないので、屋根を点検してもらう際に自宅と分かる点検写真をもらうようにしましょう。
屋根に登られたくない、急勾配で登れないなどの場合は高所カメラやドローンで写真を撮ってくれる業者だと安心です。
口だけの報告や1~2枚の接写写真(ご自宅か分からない写真)などでの結果報告をしてくる業者は疑った方が安全です。
点検してもらった業者が怪しいなと感じたら他の業者にも点検してもらうことをおすすめします。
★屋根点検ならユーコーコミュニティーへ! 弊社ユーコーコミュニティーでも屋根の点検・工事を行なっています。 コロニアルNEOの実績もあるので種類の判断もお任せください。 急勾配の屋根には高所カメラ・ドローンでの対応も可能です。 点検後に無料で点検アルバムを贈呈致しますのでご希望の方はこちらからお申込みください。 |
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
▪1章 まとめ
コロニアルNEOとは平成13年頃にクボタ株式会社(現ケイミュー株式会社)から発売されたノンアスベストのスレート屋根。
築8~10年で無数のひび割れや欠けが報告されたことから塗装が出来ない屋根とされ製造が中止になった。
メーカーはリコールを発表していないので無償で交換してもらうことは難しい。
▪2章 まとめ
コロニアルNEOは以下のような症状がある。
・方向性のない無数のひび割れがある
・無数の大きな欠けがある
・一枚ごとに変色している
▪3章 まとめ
コロニアルNEOのメンテナンス方法は以下の2つ。
・カバー工事(約100~150万円)
・葺き替え工事(約150~200万円)
▪4章 まとめ
業者の中にはコロニアルNEOでないのに「塗装が出来ないからカバーか葺き替えをした方がいい」と嘘の報告をしてくる悪徳業者もいる。
塗装が出来ないと言われたら、証拠となる写真(ご自宅と分かる写真)をもらって自分の目で確認することが大切。
自宅の屋根の状態を知らずに工事してしまうと後悔する場合があります。
業者任せにせず、ご自身で適切な判断をしていきましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
◆同じく塗装が出来ないニチハの「パミール」についてはこちら
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