塗装厳禁!塗装できない屋根材7選&失敗しない正しいメンテナンス

レサス

うちもそろそろ塗装かなと思っていたのに…

「この屋根は塗装できない」という話を聞いて、お困りの方もいるのではないでしょうか。

そもそも、本当にそんな屋根があるのか、何故なのかも分からないと納得いかないですよね。

 

実際に、一般的には塗装できるとされていた屋根の中でも、特定の製品は塗装できない・おすすめしないものがあります

塗装しても強度を維持できないほど傷みやすい弱い素材のため、塗装する意味がないからです。

また、本来は塗装できた屋根でも、劣化が進行しすぎると塗装できなくなってしまいます。

 

この記事では、塗装できない屋根材劣化症状を写真付きで分かりやすく解説します。

ご自宅の屋根が当てはまったという方のために、塗装以外の適切な対処方法(工事方法)もまとめました。

 

ただ、この工事方法は塗装よりも高額になってしまうため、お悩みになると思います。

最後には少しでも費用負担を抑えて工事するコツも紹介しますので、ぜひ実践してみてくださいね。

 

屋根のメンテナンスはお家全体の寿命に関わります。

屋根材に合った、正しいお手入れをしましょう。

 


1章 塗装できない、おすすめしない屋根材7

住宅の屋根材の中には、実は「塗装できない屋根」が多く存在します

そしてそのほとんどは2000年前後に製造された、「ノンアスベスト切り替え時期の製品」です。

 

アスベスト(石綿)は強度が高い優秀な建材で、昔の屋根には一般的に使われていました。

しかし健康への影響から規制されるようになり、2006年にはアスベストの使用が禁止されました。そのため、各メーカーは2000年頃にはノンアスベストにした製品を販売し始めます。

ところが、アスベストを抜いた分強度が低くなり、切り替え当初の製品は特にそれが顕著に出てしまいました。

“塗装しても強度が保てない”“塗装しても劣化を止められない”=塗装する意味がない、という傷み方をします。

そのため、知識のあるリフォーム業者は、このような屋根には塗装をおすすめしないのです。

 

ただ、この時期のノンアスベスト屋根全てが塗装できないわけではありません。

代表的な製品7つご紹介しますので、まずはここに当てはまるのか確認してみましょう。

 

1-1 パミール

ニチハのパミール屋根

  • 製品名:パミール
  • メーカー:ニチハ株式会社
  • 製造期間:19962008

 

パミールは、塗装できない屋根の代表的な存在です。

外壁材の大手メーカー・ニチハの製品で、実際に使用している住宅数もかなり多いとされています。

 

ミルフィーユのように層状にパリパリと剥がれてくる(層状剥離)という症状が特徴です。

8~10年もすると、特に分かりやすく見えるようになります。

 

■層状剥離

ニチハのパミール屋根

ニチハのパミール屋根

塗装をしても屋根材自体が剥がれてしまうので、塗る意味が全くありません。

工事費用が無駄になるだけですので、絶対に塗装しないでください。

 

◆見分け方や特徴の詳細はこちら

 

1-2 レサス

レサス

  • 製品名:レサス
  • メーカー:松下電工株式会社
  • 製造期間:19992006

 

レサスは、松下電工※(現パナソニック)の製品です。

強度が低く、屋根点検で上を歩く際にも割れる危険があるほどです。

細かなひび割れや、扇型に大きく割れるような欠損が多く発生します。

 

■欠損

レサス

塗装しても強度自体は戻せないため、メンテナンスとして塗る意味がありません。

 

※松下電工の外装建材部門は後にクボタ(株)と事業統合し、現在はケイミュー株式会社に社名を変更。

 

1-3 シルバス

シルバス

出典:石川商店

  • 製品名:シルバス
  • メーカー:松下電工株式会社
  • 製造期間:20012003

 

シルバスも松下電工の製品で、レサスの上位商品として発売されました。

レサスと同様に、ひび割れ、欠損が多く発生してしまいます。

 

大きなスリットの入ったおしゃれなデザインですが、そのせいで一層割れやすいです。

通常のスレートに必要な「縁切り」や「タスペーサー」の作業でも割れが起きやすいため、やはり塗装はおすすめしません。

 

1-4 コロニアルNEO

コロニアルNEO

  • 製品名:コロニアルNEO
  • メーカー:クボタ株式会社
  • 製造期間:2001~現在は製造中止(明確な年月不明)

 

コロニアルNEOは、クボタ(現ケイミュー)の製品で、現在最も普及している屋根材「カラーベストシリーズ」の商品です。

細かなひび割れや先端の劣化、崩れが起きやすいです

 

■ひび割れ

コロニアルNEO

10年を超えると、全面的にひび割れが発生してしまいます。

 

ただ、コロニアルNEOは他の屋根材に比べると不具合の報告が少ないです。

まだ築年数が浅いお家など、状態によっては塗装で持たせられる可能性がありますので、点検してみて業者と相談しましょう。

 

1-5 アーバニーグラッサ

アーバニー

  • 製品名:アーバニーグラッサ
  • メーカー:クボタ株式会社
  • 製造期間:20012005

 

アーバニーグラッサは、単にアーバニーと呼ばれることもあるクボタの製品です。

うろこのように入り組んだデザインが特徴です。

その分強度も低く、細かなひび割れや欠損が多く発生します。

部分差し替えや補修がしにくいため、塗装もおすすめしません。

 

■滑落

アーバニー

先端部が割れてそのまま滑落してきた、という事例が多く見られます。

 

1-6 ザルフグラッサ

ザルフグラッサ

  • 製品名:ザルフグラッサ
  • メーカー:クボタ株式会社
  • 製造期間:20012005

 

ザルフグラッサ(ザルフ)もクボタの製品です。

コロニアルNEOと似た形状ですが、こちらの方がややスリット幅があります。

ひび割れが多く起こるほか、劣化が進むとパミールのような層状剥離も発生することがあります。

 

■欠損

ザルフグラッサ

特に両端部分がひび割れ、欠落しやすいです。

 

1-7 セキスイかわらU

セキスイかわらU

  • 製品名:セキスイかわらU
  • メーカー:積水屋根システム株式会社
  • 製造期間:19902007

 

セキスイかわらUは、大手ハウスメーカーの積水グループの住宅で長く使われていた屋根材です。U瓦とも呼ばれます。

もっと古くから販売されていましたが、1990年からノンアスベストに切り替わっています。

ひび割れの他に、表面塗膜の剥がれが発生するのが特徴です。

 

■塗膜の剥がれ

セキスイかわらU

塗装前の高圧洗浄のときに表面がさらに剥がれ、素地がむき出しになってしまうため、塗装しても強度が保てません。

 

★屋根材の判断は専門家の点検で!

ご自宅の屋根材が上記のような製品に当てはまるかは、専門業者にきちんと点検してもらって判断しましょう。

設計図面に違う製品名が書いてあったからうちは問題ない、といって全く見ずに判断してはいけません

図面と実際の使用建材が異なることもあるからです。

例えば、『図面では別の屋根材名だったのに見てみたらパミールだった』、という事例に、筆者自身も出会ったことがあります。

設計の最終段階や工事中の急な仕様変更などは意外と発生します。

屋根については、建材も症状も必ずチェックが必要です。きちんと点検してもらいましょう。

 


2章 他の屋根でも!塗装注意な劣化状態

1章でご紹介した屋根材以外でも、塗装できないと言われることがあります。

“塗装しても強度が保てない”ほど、屋根の経年劣化が進んでしまった場合です。

どんなに良い屋根材でも、適切な時期にメンテナンスをしなければ劣化していくからです。

 

具体的には、

・ひび割れ・欠損が多い

・前回の塗膜が酷く剥がれている

・下地が傷んでいる

という状態です。

 

ひび割れ・欠損

屋根のひび割れ

屋根全体に多数のひび割れがある状態です。

数か所程度なら補修した上から塗装で良かったのですが、見渡して一面に発生しているくらいだとかなり屋根が弱っているため、塗装をおすすめしません。

 

塗膜剥離

屋根 剥離

以前の塗装の品質が悪く、全体的に膨れや剥がれが起こっています。

塗装するためには非常に丁寧に高圧洗浄したり、手作業で削り落としたりして、表面を整えなければなりません。

また、剥がれ箇所からずっと水が染み込み続けていたのなら、表面を整えたところで屋根材が弱っているので、結局塗装はおすすめできません。

 

下地の傷み

防水シート交換

20年以上メンテナンスしていないと、表面の屋根材だけでなく、その下にある下地や防水シートも弱っていきます。

すでに屋根から雨漏りしていた場合は、塗装では対処できないことがほとんどです。

また、トタンなどの薄い屋根材だと、点検で上を歩くだけでフカフカとした感触がして、中の木材が傷んでいるのが分かることがあります。

 

このような状態は、特に20年以上何もメンテナンスしていないと起こる可能性が高いです。

もっと早くにやっていれば塗装で済んだのに、時期を逃したせいでできなくなってしまった…とならないように、早め早めに点検しておきましょう。

 

◆屋根の塗装時期やチェックポイントについてはこちら

 


3章 塗装できない屋根の対処法

屋根塗装が出来なかった場合の選択肢は二つあります。

①カバー工法(重ね葺き)

②葺き替え(交換)

です。

 

それぞれの特徴や工事内容、費用についてご紹介しますので、ご自宅に適した方法を選びましょう。

 

3-1 コスパがよく人気なのはカバー工法

屋根カバー工法

近年非常に事例が多くておすすめなのはカバー工法(重ね葺き工法)です。

カバー工法とは、元々ある屋根の上にまた新たな屋根材を重ねる工事です。

費用相場は、約80~150万円です。

30坪、屋根面積80100㎡とした場合の概算)

 

葺き替え工事と比べ、屋根材の撤去処分費がないため、約2030万円ほどが安くなります。

耐久性は使う屋根材によって多少変わりますが、2040年ほど持つものが一般的です。

こちらは葺き替え工事と年数は変わりませんから、安く同じ年数持つので、とてもお得です。

 

屋根材

施工単価/

耐用年数

金属

8,000~12,000

20~30

アスファルトシングル

7,000~10,000

15~30

軽量瓦

8,000~15,000

20~40

※工事費用は、上記の屋根施工費のほかに、「足場代」「ルーフィング(防水シート)貼り」などがかかります。

 

ただし、すでに屋根の劣化が激しく、屋根から雨漏りしてしまっていたり、屋根の下地まで傷んでしまっていた場合は、カバーはできません

屋根に残った水分をそのまま閉じこめてしまうことになるからです。

該当する方は、次の葺き替え工事の項目をご覧ください。

 

◆カバー工事についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

 

※1-7セキスイかわらUのカバー工法は、専用の「カバーメタル」という屋根材でのみ可能ですが、メーカーのセキスイ(セキスイルーフテック)を通しての施工しかありません。

製品やデザインが限られ、他社との比較もできないため、かわらUの場合は葺き替え工事をする方が多いです。

カバーをご希望の方はセキスイのアフターサービス窓口へ直接お問い合わせください。

 

3-2 雨漏りしている・下地が劣化しているなら葺き替え

ルーフィングシート

屋根の剥がれや割れから水が侵入して、雨漏りを起こしていたり、屋根の下地まで湿気を帯びて傷んでいた場合は、葺き替え工事」をしましょう。

葺き替え工事とは、現在の屋根を撤去し、新しい屋根に付け替える工事です。

屋根材のさらに中にある下地板も補修・交換するので、まさに屋根丸ごと取り替えです。

費用相場は100万円~200万円です。

30坪、屋根面積80100㎡とした場合の概算)

 

使える屋根材はカバー工法のものと特に変わりはありませんが、新しい素材は今の屋根より軽いことがほとんどですので、屋根全体が軽くなり、耐震性が高まるというメリットがあります。

 

◆葺き替え工事についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

 

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4章 費用負担を抑えて工事するコツ

カバー工法や葺き替え工事は、塗装と比べるとどうしてもお金がかかります。

本当なら塗装で済ませるつもりだったのに、これでは予算オーバー…とお困りの方も多いと思います。

そこで最後に、できるだけ工事の費用負担を減らすためのアドバイス3つまとめました。

 

一番避けるべきなのは、「お金が貯まるまで待とう…」と後回しにすることです。

その間にどんどん劣化が進んで、下地の劣化や雨漏りが発生してしまうと、修理費用はさらに膨れ上がってしまいます。

こうなっては本当にもったいないですよね。

 

最小限の費用でメンテナンスをするためにも、お得に工事するコツを押さえておきましょう。

 

4-1 リフォームローンを利用する

お金 家

まとまったお金の工面が難しい、という方は、一度リフォームローンの活用を検討してみましょう。

高額な工事費用も分割で支払うことで、負担感を減らすことができます。

また、月々払いは家計のやりくりも考えやすくなります。

 

【ローンを申し込めるところ】

・住宅ローンと同じ金融機関

・銀行ローン

・施工業者が提携するクレジットローン …など

 

また、支払回数についても30回、60回、120回など選択できます。

ご家庭の状況や将来計画に合わせて回数も設定しましょう。

 

さらに、工事費用の「一部だけ」をローンにすることもできます。

【例】130万円の屋根工事を 頭金:50万、ローン:80万 にして支払う

 

全額をローンにするのはちょっと不安だな…と思う方もこれなら検討しやすいですね。

自分に合ったローン利用で、上手にやりくりしながら屋根の工事を行ないましょう。

 

◆ローン利用のポイントや事例などはこちら

 

4-2 一緒に外壁塗装をする

塗装の種類

屋根の工事を行なうときは、同時に外壁塗装(外壁のメンテナンス)も行いましょう

なぜなら、足場の組み立てが1回で済むからです。

 

足場代がお得

屋根工事のみでも外壁塗装のみでも、足場は必須です。

足場費用は一般的な2階建てのお家で1020万円ほどかかります。

これが2回から1回に減らせるのは、とても大きいですよね。

 

足場を立てるときは、一緒にできる工事はすべて行ってしまうのがベストです。

屋根工事をするときは、外壁塗装も合わせて見積もりを作ってもらいましょう。

 

◆外壁塗装の費用相場はこちら

 

4-3 自治体の補助金を利用する

お金

屋根工事をすることで耐震性の向上・エコ・節電など、住まいの環境を向上させることが認められた場合、自治体によっては補助金がもらえることがあります。

ご自宅に適用できる補助金制度があるかどうか、各自治体に問い合わせてみましょう。

 

例:神奈川県市町村地域防災力強化事業

耐震改修工事の場合、最大で25万円の補助 など

 

◆参考サイト

地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト

こちらのサイトでは、地方公共自治体による支援制度を検索できます。

 

やり方:

お住まいの都道府県をクリック

→①耐震化 にチェック

→検索ボタン をクリック 

で探してみてください。

 

◆補助金についてより詳しい内容ややり方については、以下のページもお読みください。

 


まとめ

「塗装できない屋根」というのは意外と多く存在します。

2000年前後のノンアスベスト切り替え時期の製品で、

  • ・パミール
  • ・レサス
  • ・シルバス
  • ・コロニアルneo
  • ・アーバニー
  • ・ザルフグラッサ
  • ・セキスイかわらU

は特に注意しましょう。

 

また、他のどんな屋根材でも、劣化が進みすぎると塗装できません。

メンテナンス時期を逃さないようにしましょう。

 

塗装できない屋根は、「カバー工法」か「葺き替え」での対応となります。

どうしても塗装よりお金がかってしまいますが、後回しにすると余計に費用がかかる危険があります。

お得に工事するコツを押さえて、できるだけ早くメンテナンスしてあげましょう。

 

大切なお家の工事のお役に立てていただければ幸いです。

最後までお読みくださりありがとうございました。

 

◆屋根はまず点検することが重要です。見方など詳しくはこちら

プロ直伝!適切な屋根点検の方法と失敗しない業者見極め3つのコツ

 

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