
訪問してきた屋根の業者に屋根の板金が浮いてるって言われたけど…
「そもそも屋根の板金って何?」
「浮いてると何がだめなの?」
「業者の言っていることは本当なの?」
と心配になって調べているのではないでしょうか。
確かに屋根の上は下からあまり見えないところなので、指摘を受けると心配ですよね。
そもそも屋根の板金とは、屋根の上に設置してある板金のことを指します。
どんな屋根にも板金は設置されていて、雨水を家の中に入れるのを防いでいます。
そんな板金の中にも主に3つの種類があり、それぞれに名称や特徴があります。
今回の記事では屋根板金の3つの種類の特徴・役割などをご紹介します。
また屋根板金の注意すべき劣化症状やメンテナンス方法・費用もご紹介しますので、屋根の板金を指摘されたことがある方やスレート・金属屋根の方はぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 屋根板金の3つの種類と役割
屋根板金には主に3つの種類があります。
各種類の特徴や役割についてご紹介します。
1-1 棟(むね)板金
屋根板金の種類の一つが「棟板金(むねばんきん)」です。
棟板金はスレートや金属屋根の頂点に設置されている板金のことで、瓦屋根のお家には設置されてない場合がほとんどです(代わりに棟瓦があります)。
下から屋根材を葺いた後に雨水が中に入らないように被せていきます。
棟板金の内部には「貫板(ぬきいた)」という板が入っており、屋根材をおさえています。
台風や強風で飛んで行ってしまう被害が多く、注意が必要な部分でもあります。
1-2 谷樋(たにとい)板金
屋根の谷になっているところにある板金が「谷樋板金(たにといばんきん)」です。
谷樋板金は瓦屋根の場合も設置されている板金で、屋根に振った雨や雪を正常に下に流すため役割があります。
1-3 水切り(みずきり)板金
屋根の軒先や壁際に設置する板金を「水切り板金(みずきりばんきん)」と言います。
軒先や壁際にこの水切り板金を付けることにより、隙間からの水の侵入を防ぎます。
※雨押え板金とも言います
2章 屋根板金の注意すべき劣化症状
屋根板金のメンテナンスが必要な症状についてご紹介します。
屋根の板金は水を入れないために設置されているとても重要な部分なので、業者の人に定期的に点検してもらって状態を確認しましょう。
2-1 棟板金の釘抜け
屋根の板金で最も気を付けてほしいところは「棟板金の釘」の部分です。
棟板金は釘で横から固定していますが、築7~10年ほどで板金の熱膨張によって釘が少しずつ抜けてきてしまいます。
◆棟板金の釘が抜ける原因について詳しくはこちら
釘が抜けた状態のまま放っておくと、釘の効きが無くなって板金が浮いてきたり、強い風によって板金が飛んでいってしまうこともあります。
▽台風による板金の飛散
板金は2m以上のものが多いです。万が一、物や人にぶつかっては大変です。こうなる前に気づいてメンテナンスしておくことが大切です。
板金の浮きや飛散はこの「釘の抜け」が原因で起こるので、釘の状態をチェックすることはとても重要です。
抜けているのが確認できた場合は、再び釘を打ち込む工事が必要になります。
★棟板金が飛んでしまったら火災保険を申請しましょう!
台風や強風によって棟板金が飛んでしまった場合は、火災保険で対応できる可能性が高いです。
費用負担を軽減した方はご加入の保険会社に確認してみましょう。
◆火災保険の申請について詳しくはこちら
2-2 貫板の腐食
棟板金の釘が抜けて内部に水が入ったまま放っておくと、棟板金の内部の貫板が腐食してしまう可能性があります。
貫板が腐食してしまうと、棟板金の釘を打ち直しても固定されず飛びやすくなります。
さらに内部の防水シートや屋根材自体も傷んでしまい、最悪の場合はカバー工事や葺き替え工事が必要になってしまいます。
貫板自体が劣化していたら、交換工事を行ないましょう。
2-3 サビの発生
屋根の板金はトタン製のものを使用していた昔と違って、ガルバリウム鋼板製のものが多くなってきているので、サビが発生しにくくなってきてはいます。
ただ、完全にサビが発生しないわけではありません。
サビが発生してしまうと板金自体の耐久性が弱くなってしまうので、サビが少しでも発生していたらサビ止め塗料を使った塗装工事が必要になります。
2-4 ゴミ・落ち葉によるつまり
谷樋板金の周りにゴミや落ち葉が溜まってしまうと、雨水や雪が正常に流れず雨漏りしてしまう場合があります。
公園や神社など木々が多くある環境にお住まいの方は、落ち葉や鳥の巣に注意が必要です。
定期的な点検と掃除をしてもらいましょう。
3章 屋根板金のメンテナンス費用相場
屋根板金のメンテナンス費用相場をご紹介します。
状態が悪くなるほど、かかる費用も大きくなっていきますので、大規模な工事になる前にメンテナンスを行ないましょう。
メンテナンス | 費用相場 |
①棟板金釘打ちコーキング | 2~4万円 |
②板金周りの清掃 | 1~3万円 |
③貫板交換 | 6,000~10,000円/m |
④棟板金交換 | 7,000~12,000円/m |
⑤サビ止め塗装 | 5~7万円 |
★DIYでの補修はNG! 屋根板金のメンテナンスは必ずプロに依頼しましょう。 DIYでの作業は危険です。自分で補修しようと屋根に登り、誤って転落して死亡してしまった実例もあります。 また板金は水が入らないように計算されています。知識のない方が思いつきでコーキング材などを充てんしてしまうとかえって雨漏りしてしまう恐れもあります。 屋根板金のメンテナンス工事は必ず専門知識のある業者に依頼しましょう。 |
3-1 棟板金釘打ちコーキング=2~4万円
棟板金の釘が抜けている場合は棟板金釘打ちコーキング工事を行ないましょう。
この作業のみ行う場合は2~4万円ほどかかります。
棟板金の釘は熱膨張によって出てきてしまうので、釘を打ち直しても再度抜けてきてしまう場合があります。
したがって、釘を打ち込んだ後に、上からコーキングして釘が再度出てくるのを防ぐことが大切です。
塗装工事を検討中の方は、塗装前に釘打ちコーキング工事をやってもらいましょう。
※コーキングすれば完全に釘が抜けなくなるわけではありません。あくまで抜けにくくする、万が一抜けても水が侵入しにくくなる工事です。
★屋根の勾配(傾き)が急な場合等、足場が必要な際は別途費用がかかります。 足場の単価相場は700~900円/㎡です。 (例)2階建て30坪、200㎡の場合 700~900×200㎡=140,000~180,000円 |
3-2 板金周りの清掃=1~3万円
板金周りにゴミや落ち葉が溜まっている場合は清掃が必要です。
清掃のみ行う場合は1~3万円ほどですが塗装工事などのついででお願いする場合は高圧洗浄に含まれたり、サービスで行ってくれる場合もあります。契約前に業者に確認してみましょう。
屋根の点検をして谷樋板金にゴミが溜まっているのが確認できたら清掃を依頼しましょう。
3-3 貫板交換=6,000~10,000円/m
棟板金の内部にある貫板が腐食してしまっている場合は、貫板交換工事を行ないましょう。
費用は1m当たり6,000~10,000円です。(足場代別途)
元々の貫板は木材のことが多いですが、交換の際は、水に強い樹脂製の貫板がおすすめです。
3-4 板金交換=7,000~12,000円/m
板金が台風で飛んで行ってしまった、板金がひどく錆びてぼろぼろになってしまった、などの場合は、板金交換工事を行ないましょう。
費用は1m当たり7,000~12,000円です。(足場代別途)
板金が飛んでしまっている状態の場合は、貫板もすでに傷んでいる場合が多いので貫板交換もセットで行うことが多いです。
3-5 板金サビ止め塗装=5~7万円
板金にサビが発生してしまっている場合は、サビ止めを塗装しましょう。
板金の錆止め塗装のみ行う場合は、5~7万円です。(足場代別途)
屋根を塗装する予定の方は、塗装工事のついでで錆止め塗装が出来るので、よりお安く塗装することが出来ます。板金にサビ止めを塗ってもらえるのか契約前に確認してみてください。
多少のサビであれば塗装でメンテナンス可能ですが、全面的にサビている場合は交換工事をおすすめします。
▽全体が錆びている板金
錆びが進行していて素材そのものが弱っている場合は、塗装しても強度が保てないため、板金交換をします。
4章 築7年を過ぎたら屋根点検をしよう
築7年を過ぎている方は屋根の点検を依頼しましょう。
屋根の板金は、家の中に水を入れないための重要な部分です。
放っておいたままにしていると台風が来た時に飛ばされてしまって雨漏りしてしまう可能性があります。
築7~10年でほとんどのお家は棟板金の釘が抜けてきてしまうので、一度点検して状態を確認しましょう。
まとめ
いかがでしたか。
屋根の板金は、雨水や雪などを家の中に入れないためのとても重要な部品です。
したがって以下の4つの劣化症状に注意が必要です。
- ①板金の釘
- ②貫板の腐食
- ③サビ
- ④ゴミ・落ち葉のつまり
放っておくと板金が飛んでいってしまったり、雨漏りしてしまう恐れもありますので、メンテナンスを怠らないようにしましょう。
メンテナンスの方法には以下の5つがあります。
メンテナンス | 費用相場 |
①棟板金釘打ちコーキング | 2~4万円 |
②板金周りの清掃 | 1~3万円 |
③貫板交換 | 6,000~10,000円/m |
④棟板金交換 | 7,000~12,000円/m |
⑤サビ止め塗装 | 5~7万円 |
長い間放っておくほど状態は悪くなり、費用も増していきますので、築7年を過ぎたら屋根の点検を依頼しましょう。
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最後までご覧いただきありがとうございました!
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