ウレタン防水をDIYしてみたいけれど、どんな塗料がいいのか分からない…という方も多いのではないでしょうか。
たくさんの種類の塗料が販売されていると、迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、DIYでウレタン施工を考えている方向けに塗料選びのポイントを3つ紹介します。
また、そのポイントにあてはまるおすすめ塗料も一緒にお伝えします。
どれがいいのか分からない…とお悩みの方も、この記事を読むことでぴったりな塗料を選ぶことができるようになります!
ぜひ最後まで読んでみて下さいね。
目次
1章 ウレタン防水塗料の種類
ウレタン防水塗料は、一般的に「ウレタン防水材」と呼ばれています。ウレタン樹脂で出来た液状の材料で、屋上やベランダの防水工事に使用されています。
耐用年数は8~10年程度です。
防水材は様々なメーカーから販売されていて、種類も豊富です。
しかし、DIY用のウレタン防水材を選ぶ際に知っておくべき種類の分け方はシンプルです。
「1液性と2液性」、そして「特殊機能の有無」です。
それぞれを解説していきます。
① 1液性と2液性
ウレタン防水材は「1液性」と「2液性」に分けられます。
1液性は、材料1缶をそのまま使って施工できるもので
2液性は、ウレタン樹脂を固める為の硬化剤を入れないと施工が出来ない防水材です。
■1液性と2液性の違い
| 1液性 | 2液性 |
硬化剤 | 不要(手間がかからない) | 要(手間がかかる) |
防水材の価格 | 比較的高い | 比較的安い |
※硬化剤…防水材を固めるための材料
※価格は20kg(2液性の場合は硬化剤とセットで)購入した場合の概算
■1液性の防水材 1液性の場合は「1液」や「1液性」または「1成分形」とパッケージに記載されています。
■2液性の防水材 出典:PAINTJOY(楽天) 2液性の場合は、パッケージに「2液型」or「2成分形」と記載されています。主剤と硬化剤の2つセットで使用します。 |
2液性はコストを抑えた施工が可能ですが、慣れていない方には不向きです。
防水材に混ぜる硬化剤の適正量は細かく決められており、分量を間違えたり、しっかり混ざっていないと塗膜が固まらないなどの不具合が起きてしまうからです。
1液性は2液性よりも割高ですが、硬化剤がいらない分慣れてない方でも失敗しにくいのが特徴です。
業者が施工する場合は2液性の防水材が多く選ばれていますが、DIYをされる方なら1液性がおすすめです。
②特殊効果の有無
ウレタン防水材の中には、遮熱効果(太陽の熱を遮って、室内の温度を下げる効果)のある製品や、歩きやすくなる滑り止め材(骨材など)が入っているものがあります。
屋上防水をされる方なら、お部屋の暑さ対策に遮熱タイプの防水材、
ベランダの使用頻度が高い方なら、滑りにくいタイプの防水材、
など、欲しい機能が入っているものを選ぶと、より使いやすいベランダや屋上にできます。選ぶ際は、どんな機能を持っているのかもみてみましょう。
★品質重視なら、業者に施工を依頼しよう
金額よりも品質を大事にされる方なら、専門業者に施工を依頼しましょう。
防水工事は工程ごとに必要な材料の数量や、乾燥させる時間、手順が細かく決められています。そのため、普段作業をされない方が行うと失敗してしまう恐れがある為です。
少しでも工程に抜けがあると、折角DIYしても剥がれてきてしまい、直すのに余計な時間やお金が掛かってしまいます。
頑張ればDIYも可能ですが、失敗のリスクを避けて品質を重視したい場合は、専門業者に依頼をしましょう。
2章 【DIYにおすすめ!】ウレタン防水塗料の選び方
DIYする方向けのウレタン防水塗料の選び方を2つに絞って紹介します。
ウレタン防水塗料は、様々な種類のものが販売されています。
数あるなかで失敗しにくいものを選ぶために把握しておきましょう。
2-1 一液性と記載があるものを選ぶ
パッケージや説明書に「一液性」と記載されているものを選びましょう。
一液性の塗料なら、他の材料を塗料に混ぜて施工する必要がないからです。
塗料により二液性というものもありますが、「硬化剤」という塗料を固めるためのものを決められた比率で混ぜてから塗装する必要があります。
二液性塗料は、硬化剤の比率を間違えてしまったり、混ぜ方にムラができてしまうと施工後に不具合がおこる原因となります。
DIYをするなら、失敗の少ない一液性のものを選びましょう。
2-2 下塗り材+防水塗料+トップコートがセットになっているものを選ぶ
DIYでウレタン防水をするときは、「下塗材+防水塗料+トップコート」という3種類の塗料がセットになっているものを選びましょう。
実はウレタン防水工事は単に防水材を塗るだけではできず、この3種の塗料を手順に沿って塗る必要があるからです。
セットをおすすめする理由は主に3つあります。
①各塗料それぞれ同じ施工面積に必要な量で揃えてあるので材料に無駄が出にくい ②下塗り材やトップコートが無いと、施工後に不具合が発生する原因となる ③ウレタン防水用でも、違うメーカーのものだと相性が合わない恐れがある |
一部の塗料だけ中途半端に余らせてしまってはもったいないですし、組み合わせを間違えて失敗してしまっても大変です。
より手軽に良い施工をするためにも、3点セットのものを購入しましょう。
★施工できる面積の目安は「塗布量」をチェック! 1セットでどの位の広さまで施工できるのかは、基本的にはパッケージ表面にかいてあります。 ただ、中には少し分かりにくいところに記載してある場合もあります。 その際は、塗料のパッケージやカタログにある「塗布量」の項目をチェックしてみましょう。 塗布量とは、1㎡あたり何Kg使ってください、という指示です。ここを見れば、そのセットで何㎡まで塗装できるのか分かります。
■塗布量の記載された説明書 出典: EF水性ウレタン防水材ミズハ
上の説明書の場合、10㎡塗装する場合は、
が必要となります。施工したい面積に合った量の材料を購入し、材料に過不足がないようにしましょう。 |
3章 【状況別】DIYにおすすめ!ウレタン防水塗料3選
2章でお伝えした塗料選びのポイントを元に、プロの目線でお勧めの塗料を紹介します!
それぞれのおすすめポイントや、その防水材ならではの機能を一緒に掲載しています。欲しい機能やお家に合わせて選びましょう。
◆塗料を購入したあとの詳しい施工手順については、この記事をご覧ください。
①小さい面積を無駄なく施工したい方におすすめ
フローン01ベランダセット
商品名 | |
施工できる面積 | 1セット5㎡程度 |
おすすめポイント | 下塗り、防水材、トップコートが入ったセットです。少量なので小さいスペースを手軽にDIYしたい方におすすめです。 |
②滑り止め効果が欲しい方におすすめ
ニッペホーム 水性屋上防水塗料セット
商品名 | ニッペホーム 水性屋上防水塗料セット (Amazon) |
施工できる面積 | 16~20㎡程度 |
おすすめポイント | 国内の大手老舗メーカー日本ペイントの販売するDIY用塗料です。トップコートは無く、防水塗料を2回重ねて塗るタイプなので、材料が2缶だけとシンプルです。 |
③遮熱対策と滑りにくさも両立させたい人におすすめ
EF水性ウレタン防水材ミズハ
商品名 | |
施工できる面積 | 10㎡程度 |
おすすめポイント | 遮熱効果あり+滑りにくい仕上がりにできるのが特徴です。日当りの良い南のベランダなど、下のお部屋の暑さ軽減と、ベランダの歩きやすさ両方を求めたい方におすすめです。 |
4章 ウレタン防水材を使用・保管する際の注意点3つ
ウレタン防水材を使用・保管する際の注意点を3つ紹介します。
対策方法も一緒にお伝えするので、実践するだけで仕上がりの不具合を防げます!
4-1 水が入らないようにする
防水材を使って施工する際や保管する際は、材料に水が入らないようにしましょう。
水が入ることで、施工箇所の仕上がりに悪影響を及ぼしたり、防水材が傷んで使えなくなってしまう恐れがあるからです。
せっかく購入した防水材が傷んだり、綺麗に仕上がらなかったら勿体ないですよね。
保管する際は、
- ①しっかり蓋を閉めてから保管する
- ②雨がかからない場所(ガレージなど)で保管する
この2点を押さえておくようにしましょう。
また、雨の日や湿気の多い日は施工を避けましょう。
注意!防水材は余っても数日しかもたない 防水材は余っても数年後にまた使う、ということができません。 ここで紹介した1液性防水材は、湿気に反応して固まる作用があるためです。 基本的には使う分だけ購入し、余ってしまった分は自治体のルールに従って処分しましょう。 |
4-2 下塗り材、防水塗料、トップコートが混ざらないようにする
使用した下塗り材、防水塗料、トップコートが混ざらないよう保管しましょう。
なぜなら、それぞれが違う役割をもった塗料であり、少しでも異物が混ざってしまうと本来の性能を発揮できなくなってしまうからです。
施工・保管の際のポイントは
- ①違う材料が付着したハケやローラーを使いまわさない
- ②購入した時の容器に入れたまま保管する
の2点です。
異物が入るのを防ぎ、失敗してしまうのを防ぎましょう。
4-3 火を使う物を近くに置かない
防水材を保管したり施工に使用する際は、近くで火を使うのはやめましょう。
なぜなら、ウレタン防水は耐火性がないため、表面が焦げてしまう可能性があるからです。
万が一引火すると火事の原因にもなってしまいます。
安全や綺麗な仕上がりの為にも、防水材や施工した箇所には火を近づけないようにしましょう。
まとめ
ウレタン防水をDIYするなら、
- ①一液性と記載があるもの
- ②下塗り材+防水塗料+トップコートがセットになっているもの
を選びましょう。扱いやすく失敗するリスクを減らす事ができます。
中には遮熱や滑り止めなどの機能付き防水材もありますので、さらにご希望に合った塗料を選ぶことができます。
施工・保管する際の注意点は以下の3点です。
- ①水が入らないようにする
- ②下塗り材、防水塗料、トップコートが混ざらないようにする
- ③火を使う物を近くに置かない
塗料選びと扱いの注意点を押さえて、ウレタン防水のDIYを成功させましょう!
お読みいただきありがとうございました。
◆DIYはちょっと大変そうだな…と言う方は、専門業者に依頼しましょう。業者依頼のポイントや費用はこちらをご覧ください。
→ウレタン防水の適正単価と見積もりで分かる優良業者の見分け方