お家の屋根や外壁・窓サッシ・ドアの修理(リフォーム)方法の一つに「カバー工法」というものがあります。
聞いたことはあっても詳しい内容は分からない方も多いのではないでしょうか。
カバー工法とは、簡単に言えば既存のもの残したまま、新しいもの取り付ける工事です。
年々工事件数は増えており、修理(リフォーム)方法としてはメジャーになってきています。
ただ、一言で「カバー工法」と言っても、カバー工法ができる場所は様々あり、場所によって工事にかかる費用や注意点は異なります。
そこでこの記事では、屋根・外壁・窓サッシ・ドアの4つの場所別に、費用相場と注意点を解説していきます。
あなたが知りたい場所のカバー工法についてチェックしてみてくださいね。
目次
1章 カバー工法とは?
カバー工法とは、「既存のものを撤去せずに、新しいものを上から被せる工事」です。
住宅の屋根・外壁・窓サッシ・ドアなどで用いられることが多く、交換工事と比べると手間や撤去費用がかからないため工事全体の費用を安く抑えられます。
ただし、既存の建材の状態によっては、カバー工法が出来ない場合もあります。
場所別の詳細な注意点などは各章で解説していきます。
2章 【屋根】のカバー工法
住宅の屋根のカバー(重ね葺き)工事について解説していきます。
屋根のカバー工事は、一般的に塗装では状態が改善しない、以下のような状態の時に行ないます。
・屋根材の割れが全体に広がっている
・不良建材が使用されている
それでは費用と注意点を見ていきましょう。
2-1 費用相場|100~250万円
屋根のカバー工事には、100~250万円ほどかかります。(2階建て30坪の場合)
工事費用は新しい屋根材の種類によって変動します。
▼屋根材の種類
種類 | 単価相場 | 耐用年数 |
ガルバリウム鋼板 | 5,000~10,000円/㎡ | 20~30年 |
ジンカリウム鋼板 | 8,500~15,000円/㎡ | 30~50年 |
アスファルトシングル | 5,000~8,500円/㎡ | 15~30年 |
軽量瓦 | 6,000~12,000円/㎡ | 20~40年 |
★費用負担をおさえたい方はこちらの記事をご覧ください。
2-2 注意点|施工できないケースがある
屋根のカバーは、雨漏りしている屋根には施工出来ません。
なぜなら、カバーしてしまうと、屋根に含まれた水分が屋根の内部に閉じ込められ、柱が腐朽してしまうからです。
そのため、雨漏りが発生しやすい築20~30年経った屋根では、きちんとした点検が必要になります。
水が滴るほどでなく、天井に雨染みが付いている程度であってもカバーでなく葺き替え工事を行いましょう。
また、瓦屋根もカバー工法は出来ないので注意しましょう。
>屋根カバー工法についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
3章 【外壁】のカバー工法
この章では、外壁のカバー工法について解説していきます。
外壁のカバー(重ね張り)工事は、屋根カバーと同様に
・外壁全体にひびが入っている。
・外壁が剥がれている、欠けている
などの塗装では直せない劣化がある場合に行ないます。
また、寒冷地では、断熱性を高めるためにカバーする場合もあります。
それでは費用と注意点を見ていきましょう。
3-1 費用相場|150~200万円
外壁のカバー工事の費用相場は150~200万円です。(2階建て30坪の場合)
ただし、お家の形が複雑だったり、グレードの高い外壁材を選んだ場合は200万円以上かかる場合もあります。
外壁材ごとの耐用年数と単価は以下の通りです。
カバーで使用される外壁材 | 単価相場 | 耐用年数 |
金属サイディング | 5,000円~10,000/㎡ | 30~40年 |
窯業系サイディング | 3,000〜5,000円/㎡ | 30~40年 |
樹脂サイディング | 4,000~9,000円/㎡ | 30~40年 |
>費用負担を減らしたい方には補助金がおすすめ!
3-2 注意点|通気を確保して施工する
外壁のカバー工法で注意してほしいのが、通気の確保です。
新しい外壁材を上から張ると、湿気がこもり、内壁や外壁の表面が膨れてしまったり、ボロボロになってしまう場合があります。
そのため、新しい外壁を貼る前に、胴縁という木の柱を貼り、外壁同士の間に空気が通る隙間を作ってもらうことが大切です。
▼胴縁
空気が通るように施工する方法を「通気工法」といい、反対に胴縁を付けず直に新しい外壁を重ねる方法を「直貼り(じかばり)工法」と言います。
中には直貼り工法でも問題ない場合もありますが、きちんと点検しなければ分かりません。
丁寧な点検・報告をもらい納得した上で工事を行ないましょう。
>外壁カバー工法についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
4章 【サッシ】のカバー工法
窓サッシのカバー(重ね張り)工法について解説していきます。
サッシのカバー工事は、既存のガラス戸を外し、新しいサッシを被せ、新しいガラス戸を設置する工事です。
カバー工事を行うことで、隙間風を改善できたり、防音や断熱の効果を得ることが出来ます。
4-1 費用相場|15~40万円
窓のカバー工事にかかる費用はおおよそ15~40万円で、サイズや窓ガラスのグレードによって差が出ます。
サイズ・グレード別の費用は以下の通りです。
| 高断熱の窓サッシ | 一般的な断熱性の | 断熱性はない |
高さ1.8×幅0.8の2枚 | 30~40万円 | 25~30万円 | 17~19万円 |
高さ0.9×幅0.8の2枚 | 25~30万円 | 20~22万円 | 15~17万円 |
冬場の寒さ(又は夏の暑さ)が気になる方は、断熱性のある窓サッシがおすすめです。
多少値が張りますが、毎日を快適に過ごせさらに冷暖房費用も削減できます。
寒さや暑さにあまりお悩みでない方は、断熱性はない普通の窓サッシを選び費用を抑えましょう!
★サッシのカバー工事は補助金が使える可能性アリ! 窓サッシをカバーして断熱性を高めると、冷暖房費がおさえられ地球温暖化防止に繋がります。 そのため、自治体によってはサッシカバー工事に補助金が出る場合もあります。 工事を行う前に、お住まいの自治体のHPなどで補助金制度についてチェックしておきましょう! |
4-2 注意点|窓のサイズが小さくなる
出典:リクシル
サッシのカバー工事を行うと、従来の窓のサイズよりも一回り小さくなります。
大きいサイズの窓であればそれほど気になりませんが、小さいサイズの窓だと小さくなったのが目立ちます。
どうしても嫌だという方は、カバー工事でなく、サッシごと交換する工事が必要になります。
ただし交換工事は周りの外壁を壊す必要があるので、外壁や内壁クロスの修繕などで費用が高くなってしまうので、注意が必要です。
5章 【ドア】のカバー工法
最後に玄関ドアのカバー工法について解説していきます。
玄関ドアのカバー工事は、既存のドアを外して、サッシの上から新しいサッシを重ねて新しいドアを取り付ける工事です。
交換工事よりも費用がかからず、工事も1日で終わるおすすめの工法になります。
窓同様に、冷気が入ってくるのを防ぎたい場合やドアが傷んで見た目が気になる場合に行ないます。
▼ドアのデザインを変えると、家の雰囲気も変わり新鮮な気持ちでお住まいいただけます。
出典:リクシル
5-1 費用相場|30~80万円
ドアのカバー工事では、工事費込みで30~80万円程度かかります。
ドアの種類や大きさによって費用は変動しますので、詳しい費用は見積もりをして確認をしましょう。
5-2 注意点|ドアのサイズが小さくなる
ドアをカバーする際は、ドアのサイズが小さくなります。
窓のカバー工事と同様に、既存の枠組みに新しい枠を被せるので、必然的にドアのサイズも若干小さくなります。
出典:リクシル
現在ドアの大きさが小さいと感じている方は、カバーをするとさらに小さくなって不便に感じる場合があるので注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか。
住宅においてのカバー工法は主に、屋根・外壁・窓サッシ・ドアの工事で用いられます。
従来の交換工事よりも費用や工期が抑えられることから施工件数も増え人気です。
それぞれの工事の費用感や注意点を知って、お得に満足のいく工事にしていきましょう!
当サイトを運営しているユーコーコミュニティーでも、屋根と外壁のカバー工事を行なっています。
工事のご相談や見積依頼などお気軽にお申込みください!
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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