ご自身での外壁塗装を検討中のあなた。
「外壁塗装に向いているペンキはどれ?」
「どういう種類を選べばいいの?」
と検索されたのではないでしょうか。
今回は外壁の塗料(ペンキ)の種類・選び方と、DIY塗装の方法をご紹介します。
成功させるコツやDIY塗装のリスクまでご紹介しますので、実際に作業する前にぜひ最後までご覧ください!
外壁塗装におすすめの塗料(ペンキ)や注意点をおさえて、DIYを成功させましょう!
★DIY塗装にはリスクがある DIYでの外壁塗装にはリスクがあります。耐久性や美観を重視されたい方は、業者に依頼しましょう。 (詳細は本記事の5章をご覧ください。) |
1章 外壁塗料(ペンキ)の種類と選び方
外壁の塗料(ペンキ)の種類と選び方についてご紹介します。
ペンキといってもたくさんの種類があります。
その中から、自分の求めている塗料を選ぶために種類や分類を把握しておきましょう。
1-1 塗料(ペンキ)の種類
外壁に使用される塗料についてご紹介します。
塗料の分類は、塗料を構成する①合成樹脂、②添加材、③顔料、④水・溶剤の4つの成分の違いで分類することが出来ます。
合成樹脂
合成樹脂は塗料の耐久性を決める主成分で、主な種類としては、アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などがあります。
耐久性と費用相場は比例してアクリル塗料が一番低く、フッ素が高いです。
添加剤
添加剤は塗料の機能性に関わる成分です。
塗膜の強さ、硬さ、ツヤ感などがそれぞれ調整されています。
▪1液型と2液型の違い | 硬化剤という膜を固める添加剤を使うものが2液、使わないものが1液。2液型の方が丈夫な塗膜になりますが、扱いが難しいのでDIYには1液型がおすすめです。 |
▪ツヤ有とツヤ無の違い | ツヤが気になる方はツヤなしの塗料がおすすめです。 |
▪硬質と弾性の違い | 通常の塗料は基本的に硬質塗料ですが、ひび割れのあるモルタルの外壁には弾性塗料がおすすめです。 |
〈弾性塗料(防水塗料)について詳細はこちら〉
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顔料
顔料は、塗料の色に関係するものです。
顔料入り=色を塗り替える色付けの塗料と、
顔料なし=元の柄を活かす透明のクリヤー塗料があります。
水・溶剤
水・溶剤は塗料に何を混ぜて塗装するかの違いです。
水を混ぜる塗料は水性塗料、溶剤(シンナー)を混ぜる塗料が油性塗料です。
〈水性と油性の特徴や違いを知りたい方はこちら〉
1-2 塗料(ペンキ)の選び方
DIY塗装をお考えの方に、塗料(ペンキ)の選び方をご紹介します。
塗料は目的によって選び方が変わります。
ご自身の目的に沿って最適な種類を選んでいきましょう!
ステップ① DIYなら扱いやすい水性塗料を選ぶ
前提としてまずDIYでの塗装をお考えの方は水性塗料を選びましょう。
水性塗料であれば、塗装に慣れていなくても扱いやすく、保管も特に気を付ける心配がありません。
またホームセンターなどで手軽に揃えられるので、DIYをお考えの方におすすめです。
ステップ② 費用だけでなく、耐久性も考慮して選ぶ
費用と耐久性を考えた塗料選びをしましょう。
耐用年数が短くても安く済ませたい方は、アクリル又はウレタンの塗料がおすすめです。
多少費用がかかっても耐久性を重視したい方はシリコン又はフッ素塗料がおすすめです。
ステップ③ 外壁の素材に合ったものを選ぶ
塗料をご自身で選ぶときは、外壁の素材に合った塗料を選びましょう。
塗料によって、サイディング対応、モルタル対応、金属対応など違いがあります。
塗料のカタログ又は缶に対応の素材が記載されていますので、そちらをご確認ください。
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2章 DIY塗装を成功させるコツ
DIY塗装を成功させるコツをプロの視点からご紹介します。
後悔がない仕上がりにするために、塗装を行う前に必ず確認しておきましょう。
2-1 事前に計画を立てる
塗装を行う前に事前に計画を立てましょう。
計画を立てることで、作業ごとの必要日数が自分でも確認出来ますし、完了する日にちも見えてきます。
計画も立てずに行なうと、必要な作業を見落としてしまうこともありますので、計画表や工程表を作って全体の流れを把握しておきましょう。
2-2 高所作業の場合は必ず足場を架ける
高所作業の場合は必ず足場を架けて行いましょう。
足場がない高所作業はとても危険です。
また、足場がないことで細かいところまで塗ることが出来ず、そこから塗料が剥がれてしまうこともあります。
2m以上の高さの塗装作業を行う場合は必ず足場を立てて行いましょう。
足場は専門業者に依頼しよう
足場の架設は必ず専門業者に依頼しましょう。
自分でパイプを用意して行うのはとても危険です。費用はおおよそ700~1000円/㎡程度です。
2-3 専用の道具を揃える
塗装作業では必ず専用の道具を揃えましょう。
専用の道具でないと綺麗に仕上がらないなどの恐れがあります。
綺麗な仕上がりを求めるのであれば、100均のものなどではなく、ホームセンターで専用の道具を揃えることをおすすめします。
2-4 塗料の仕様を守る
塗装する際は塗料の仕様を必ず守りましょう。
塗料には耐久性がありますが、耐久性を最大限発揮するためには塗料の仕様を守ることが大切です。
- ①対応素地(どんな外壁の素材に施工できるか)
- ②希釈率(塗料と水を混ぜる割合)
- ③乾燥時間(塗装後に乾燥させる時間)
この3つを必ず確認して仕様通りの施工を心がけましょう。
※仕様は塗料缶又はカタログに記載されています。 |
3章 DIY塗装作業の流れ
それではいよいよ、DIY塗装作業の流れをご紹介していきます。
3-1 必要なものを揃える「準備」
まずは塗装作業に必要なものを揃えましょう。
必要なものは全部で15~20個ほどあり、道具・材料の質にもよりますが、すべて揃えても20~40万円ほどで揃えられます。
▼必要なもの一覧
必要なモノ・材料 | |||||
●洗浄 外壁には、汚れやカビ、コケが付着しています。 高圧洗浄機で洗浄するか、水をかけながら、ブラシでゴシゴシときれいに洗い落とします。
・高圧洗浄機
・ブラシ(高圧洗浄がない場合)
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●養生 塗料がついて汚れたくない箇所を、覆います。
・マスカー
・ガムテープ ・カッター ・ビニール袋 | |||||
●コーキング(サイディングの外壁のみ) コーキングとは外壁の目地部分です。 ひび割れや隙間など、目地が劣化している場合は補修が必要です。
・マスキングテープ
・プライマー
・コーキング材
・コーキングガン
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●塗装作業 ・下塗り塗料 下塗りは、次の工程である「中塗り」と「上塗り」で使用する塗料と密着性を高めるための工程です。いわゆる、接着剤の役割をにないます。 塗料には、水性と油性がありますが、DIYでは、比較的臭いが強くない、水性がおすすめです。
・ローラー
・ローラーハンドル
・刷毛(大きさの違うもの2,3本) 細かい部分は、刷毛を使って塗ります。
・下げ缶 塗料缶は1缶15キロで重いので、小分けに下げ缶に入れかえて、持ちながらローラーを使って塗ります。
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・上塗り塗料 下塗りが乾いた後に塗っていきます。 上塗は2回塗ると丈夫にきれいに仕上がります。(※塗料の仕様をご確認ください)
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●清掃 色々ゴミが出てきますので、最後は家の周りを掃除します。 ・ほうき ・ちりとり ・ゴミ袋 | |||||
●作業時に身に着けるもの もっとも大切で必要な3点セットです。
・足場用すべり止め靴 足場に上るときには、専用の靴をはきます。足裏がゴム状になっており、すべりにくくなっています。
・安全帯 安全帯を着用して、紐を足場にひっかけながら作業します。それにより、万が一の落下を防止します。
・ヘルメット |
3-2 外壁の汚れを落とす「高圧洗浄」
最初の作業は高圧洗浄です。外壁の表面の汚れをしっかり落としましょう。
汚れを落とすことで、塗料の密着性を高めることが出来ます。
洗浄作業が終わったら半日以上空けて外壁を完全に乾かします。
●準備するもの |
高圧洗浄機・ブラシ |
●服装 |
雨具・長靴・軍手・マスク |
■作業の注意点・コツ
・室内に水が入らないよう、窓の施錠をしましょう。
・上から下へ洗うと全体がきれいになります。
★コーキング サイディングの外壁の場合、コーキングの打ち替えが必要になります。
〈コーキングの補修やDIYの施工方法を 詳しく知りたい方はこちら〉 |
3-3 専用の道具できっちり「養生」
外壁が乾いたら、窓やドアなど塗装しない箇所をビニールで覆う「養生」の作業を行ないます。
養生はきちんと行わないと、塗装後に塗料が飛び散ってしまうので、専用の道具で行いましょう。
●準備するもの |
マスカー・ビニール袋・ガムテープ・カッター |
●服装 |
汚れても良い服・軍手・ヘルメット・安全帯・たび靴(滑らない靴) |
■作業の注意点・コツ
・窓や基礎の養生はマスカーを使いましょう。
・換気扇などは塞いでしまうと使用できなくなるので、養生でふさいだ後に空気が流れるように切り込みを入れましょう。
車や自転車への養生も忘れずに!
「養生」の作業は塗料が飛び散るのを避ける作業です。
そのため、車や自転車、庭のお花、室外機、ポスト、コンクリートの土間など塗料が飛んでほしくないものには必ず養生をしましょう!
3-4 素材に合った「下塗り」
養生が完了したらいよいよ塗装の作業です。
外壁材に合った下塗りを塗っていきます。
下塗りを塗る際も塗料の仕様を守ることは心がけましょう。
●準備するもの |
下塗りの塗料・ハケ・ローラー・下げ缶 |
●服装 |
汚れても良い服・軍手・ヘルメット・安全帯・たび靴(滑らない靴) |
■作業の注意点・コツ
・塗り残さないように明るい時間に確認しましょう。
・下塗の塗料は白色を選ぶと、上塗の色がきれいに仕上がります。
・均一に塗ることを意識しましょう。
下塗が完了したら仕様通りの乾燥時間を置きます。
乾燥させている間に、ハケ・ローラーや下げ缶を洗って乾かしておきましょう。
3-5 仕様を守って「上塗り」
下塗が乾いたら、「上塗り」を行ないます。
仕様によっては上塗りを2回行う場合もあるので、その場合は、この工程を2回繰り返してください。
●準備するもの |
上塗りの塗料・ハケ・ローラー・下げ缶 |
●服装 |
汚れても良い服・軍手・ヘルメット・安全帯・たび靴(滑らない靴) |
■作業の注意点・コツ
・塗り残さないように明るい時間に確認しましょう。
・均一に塗ることを意識しましょう。
・溝など塗りにくいところはハケで塗り、塗り残しがないようにしましょう。
3-6 養生を剥がして「完成!」
十分に乾かした後、養生を取って完成です。
足場を架設している場合は、養生を剥がした後に足場を解体して終了になります。
足場解体後はパイプで外壁を傷つけているところはないか確認しましょう。
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4章 DIYで塗装するリスク
DIYで塗装するリスクをご説明します。
塗装に後悔しないよう、作業を行う前に必ず確認しておきましょう。
4-1 ケガをする危険性がある
高所作業がある場合は慣れていないと足場からの落下などケガをするリスクがあります。
足場から落ちてしまうと命に関わるケガをしてしまうこともありますので、業者としては高所のDIYは勧められません。
安全に塗装工事を完了させるためにはプロに依頼することをおすすめします。
DIYで行うのであれば、必ずヘルメットや滑りにくい靴などを身に着け安全に配慮しましょう。
4-2 塗りムラ・ダレなど美観を損なう場合がある
出典:ネクサスアールグループ
塗りムラや塗料のタレなど美観を損なう場合があります。
仕上がりにこだわるのであれば、プロに依頼するのが安心です。
4-3 数年で不具合が起こる可能性がある
DIY塗装では塗装後数年で不具合が起こる可能性が高いです。
なぜなら、塗料を薄めすぎてしまったり、乾燥時間を間違えてしまう場合があるからです。
不具合を防ぐために、塗料の使用を守って塗装しましょう。
4-4 余計に費用がかかる場合がある
DIY塗装後、不具合が起こって業者に依頼することになった場合、直すために塗膜を剥離する作業で余計に費用がかかる可能性があります。
また、前回塗膜の状態があまりよくないと、上から再塗装をしても剥がれる可能性が高いので施工を嫌がる業者も多く、仕事を受けてもらえない場合もあります。
ご自身で塗装をされる場合は、上記のリスクを踏まえてきちんと準備をして臨むか、
少しでも難しいと思ったらプロへの依頼が良いでしょう。
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5章 リスク・仕上がりを考えるなら業者に依頼するのがおすすめ
外壁を長くきれいに保たせたい方は専門業者に依頼しましょう。
専門業者に依頼すれば、DIY塗装のような安全面や失敗するリスクは解消できます。
また、慣れていない作業だと想定していた日数よりも大幅に遅れてしまう場合があります。
品質や工期を考えるのであれば、専門業者に依頼しましょう。
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
■1章まとめ
・塗料には様々な種類があり①合成樹脂、②添加材、③顔料、④水・溶剤の4つの観点から分類ができる。
・DIYの塗料は水性塗料がおすすめで、耐久性や外壁の素材によって選ぶことが大切
■2章まとめ
・DIYを成功させるためには
- ①事前に計画を立てる
- ②高所作業の場合は必ず足場を架ける
- ③専用の道具を揃える
- ④塗料ごとの仕様を守る
の4つが重要。
■3章まとめ
・塗装の流れは、高圧洗浄→養生→下塗り→上塗り→養生外し→完成
■4章まとめ
・DIYでの外壁塗装には、
- ①ケガをする危険性がある
- ②塗りムラ・ダレなど美観を損なう場合がある
- ③数年で不具合が起こる可能性がある
- ④余計に費用がかかる場合がある
などのリスクがある。
■5章まとめ
・失敗を避けるためには業者に頼むのがおすすめ!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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