お家を脅かす“腐朽菌”に注意!木材を守る6つの対策と要注意な症状

木材を腐らせてしまう腐朽菌

ご自宅に被害が及ばないか心配ですよね。

 

腐朽菌は、条件さえ揃えば、あなたのお住まいにも繁殖してしまいます。

そのため、腐朽菌を繁殖させないための対策が必要です。

腐朽菌が繁殖しやすい状態のまま放置してしまうと、基礎を支える柱が腐ってしまったり、シロアリ被害に遭いやすくなってしまいます。

 

ただ、具体的にどんな対策が有効なのか分からない方も多いかと思います。

そこでこの記事では、腐朽菌を繁殖させないための6つの対策方法をご紹介します。

 

さらに、すぐに業者を呼ぶべき状態について解説していきますので、被害を最小限にするためにもご自宅が当てはまっていないか確認しておきましょう。

 

記事の後半では、腐朽菌の被害に遭ってしまった場合の修繕費用もご紹介しますので、参考にしてみて下さい。

 

腐朽菌の繁殖を未然に防ぎ、大切なお家を守っていきましょう。

 


0章 腐朽菌とは

そもそも腐朽菌とは、木材に住みついて成長する菌のことです。

栄養分がある木材に住み着き、栄養を分解して木を腐らせてしまいます。

つまり腐朽菌がお家を支える柱などに繁殖してしまうと、木材が腐り、家の耐久性が落ちてしまうのです。

では腐朽菌がどんなものなのか、どんな場所に繁殖しやすいのか見ていきましょう。

 

■腐朽菌の種類

腐朽菌には主に「褐色腐食菌」と「白色腐食菌」の2つの種類があります。

それぞれの特徴やエサとなる木材は以下の通りです。

腐朽菌の種類

 

■腐朽菌が繁殖しやすい場所

腐朽菌は水を含んだ木材に繁殖するので、お家の中だと浴室・トイレ台所などの水回りに繁殖しやすいです。

また、湿気がこもりやすい床下や、雨漏りが起きやすい屋根裏・結露が起きやすいの周辺も腐朽菌が発生しやすい場所と言えます。

 

■腐朽菌の繁殖条件

腐食菌が繁殖してしまう環境は以下の4つが当てはまる場所です。

・湿気が多い(湿度85%以上、木材の含水率25%以上)

・温度が高い(2030℃以上)

・酸素がある

・栄養分(木材)がある

この4つが揃うと、腐朽菌の繁殖が活発になるので、お家の中でこういった環境を作らないようにする事が重要です。

次章から具体的な対策方法をご紹介していきます。

 

◆腐朽菌の被害についてさらに詳しく知りたい方はこちら

 


1章 腐朽菌を繁殖させない6つの対策

腐朽菌を繁殖させないためにできる6つの対策をご紹介します。

すぐに自分でできる簡単なものもありますので実践していきましょう!

 

1-1 お家の外回りの雑草を抜く

お家の外回りの雑草や廃材(木材)を処分しましょう。

腐朽菌は栄養がある木材や植物を好みます。

さらにその植物や木材が雨に濡れると、腐朽菌が繁殖する条件が揃ってしまいます。

したがって、お家の周りに雑草や廃材などがあるご家庭は、お手入れを欠かさないようにしましょう。

 

1-2 通気口の前に物を置かない

お家の基礎の通気口の前には物を置かないようにしましょう。

なぜなら通気口を塞いでしまうと床下に湿気がこもりやすくなってしまうからです。

 

▼基礎の通気口

基礎通気口

床下に湿気がこもると、腐朽菌が繁殖しやすくなってしまいます。

少しでも床下の換気を良くするためにも通気口の前に物を置かないように心がけましょう。

 

1-3 定期的な床下・外回りの点検

外壁 点検

定期的に床下やお家の外回りの点検をしましょう。

お家の点検をする事で、腐朽菌の繁殖を未然に防ぐこともできますし、早めに被害に気付くことが出来ます。

特に床下は普段見ない場所なので、定期的に点検を行わないと状況が把握できません。

知らない間に配管から水漏れが起きてしまっていたら、腐朽菌が繁殖しやすくなりますし、シロアリ被害にも遭いやすくなってしまいます。

また外壁屋根も建材が弱ってしまうと、防水性が低下し水分を含みやすくなってしまいます。

 

▼水を含み続けボロボロになってしまった外壁

サイディング 劣化

こういった状態を放置すると、外壁や屋根内部に水が染み込んで腐朽してしまうので、定期的な点検が重要です。

お家の状態を把握して腐朽菌の繁殖を防いでいきましょう。

 

◆自分で床下の点検をしたい方はこちら

 

1-4 ウッドデッキなど木材を塗装する

ウッドデッキ塗装

ウッドデッキ濡れ縁など、外に木材インテリアを置いている方は1~2年ごとに塗装をしましょう。

屋外にある木材は傷みやすく、水が染み込むと腐朽菌の被害に遭ってしまいます。

そのため、こまめに塗装をして水を弾くようにしておきましょう。

 

腐朽菌被害にあっているのに、「そのうち交換するからこのままでいいや」と、放っておくと

シロアリが寄ってきたり、住宅の床下に被害が及んだりなどの2次災害も起こります。

 

ウッドデッキや濡れ縁などの木材インテリアがある方は、メンテナンスを怠らないようにしましょう。

 

◆ウッドデッキの塗装を自分で行ないたい方はこちら

 

1-5 床下換気・防湿工事

お家によっては、通気口を塞がなくても床下の通気が悪い場合もあります。

そのため、床下換気や防湿工事を行なうこともおすすめです。

 

換気が悪いまま放っておくと、湿気が充満し腐朽菌が繁殖しやすくなります。

方法としては床下に除湿シートを敷く方法や調湿剤を敷く方法などがあります。

 

床下除湿シート

1~2万円/

床下調湿剤

1~3万円/

 

◆床下の湿気対策や工事費用が詳しく知りたい方はこちら

 

1-6 外壁・屋根の防水塗装工事

塗装

外壁や屋根など外回りの防水塗装工事も怠らないようにしましょう。

塗装などのメンテナンスを怠り、お家の内部の柱などに水をしみ込ませてしまうと腐朽菌が繁殖してしまう恐れがあります。

 

▼外壁内部の柱の腐朽

ベランダ外壁 内部腐朽

 

外回りからも水を入れないように、塗装だけでなく屋上防水・屋根の葺き替え工事など外装リフォームを定期的に行ないましょう。

 

外装リフォーム

費用相場

屋根外壁塗装工事

100~160万円

屋上・ベランダ防水

5,000~10,000/

屋根重ね葺き(カバー)工事

100~150万円

屋根葺き替え工事

150~200万円

※一般的な2階建て30坪の概算

 

◆外壁・屋根塗装の詳しい費用が知りたい方はこちら


 


2章 こんな状態は要注意!すぐに業者を呼ぶべき3つの症状

現在のお家の状態によっては、早めに業者を呼んで修繕してもらう必要があります。

これからご紹介する3つの症状が出ていないか確認してみてください。

 

2-1 カビ臭い・水が漏れている場所がある

かび臭さ

床下がカビ臭かったり屋根やベランダから雨漏りしているなどの場合は、腐朽菌が繁殖しやすい状態なので、すぐに対処する必要があります。

業者に腐朽菌被害に遭っていないか、気になる部分を点検してもらいましょう。

そして万が一、すでに被害に遭っていたら、早期に修繕工事を行ないましょう。

 

2-2 床にフカフカしている部分がある

床を踏むとフカフカしている沈む場所がある場合は、腐朽菌の被害に遭っている可能性があります。

放っておくとフローリングが抜けて、割れた木で足をケガしてしまうなどの危険もあるので、早めに業者に連絡してください。

床の状態や床下の点検をしてもらい、実際に被害にあっていたら修繕工事を行ないましょう。

 

2-3 蟻道(ぎどう)がある

蟻道

お家の周りや床下で、蟻道(ぎどう)を見たことがある方は、すぐに業者を呼びましょう。

(※蟻道とはシロアリが通った道のことで、上の写真のように土が盛り上がっているものです。)

蟻道があるということは、すでにシロアリ被害に遭っている可能性が高いということです。

 

シロアリ被害は腐朽菌被害とは違うものですが、シロアリが好む環境は腐朽菌が繁殖する環境と同じです。

そのため、同時にシロアリと腐朽菌の2つの被害に遭っているケースも多くあります。

床下の状態を確認し、シロアリに食べられた木がないか、腐朽している部分がないか、見てもらいましょう。

 

★床下腐朽や水漏れ・シロアリ被害の心配がある方はユーコーへ相談ください!

「もしかすると柱が腐っているかも…!」「床下がカビ臭い!」など気になることがある方は当サイトを運営するユーコーコミュニティーへご相談ください。

実際に点検を行う際には写真を撮ってお見せしますので、ご自身でも状態を確認いただけます。

シロアリ点検写真

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3章 腐朽菌の被害に遭った場合の修繕費

万が一腐朽菌の被害に遭ってしまったら、どのくらいの修繕費がかかるのか解説していきます。

修繕費用は被害場所によって変動します。

 

3-1 床の沈みの修繕=120万円

床がたわんで沈んでしまう場合、フローロングの下にある、床板・根太(ねだ)・大引(おおびき) ・床束(ゆかづか)のどれかが腐食している可能性があります。

床下の構造

 

そのためフローリングを剥がし、腐朽している部分を交換する工事が必要です。

工事費用は120万円で、腐朽の範囲によって差が出ます。

フローリング・床材交換

9,000~12,000/

根太交換

10~15万円

大引交換

10~15万円

床束交換

1~1.5万円/

 

◆床下のシロアリ駆除の費用相場が知りたい方はこちら

 

3-2 外壁の張り替え=12万円

外壁から雨漏りをしてしまって、外壁材の内部の柱まで腐朽してしまった場合は外壁張り替え工事が必要になります。

費用は1㎡あたり1~2万円(木材交換・防水シート交換込み)です。

 

ただし、2m以上の作業になる場合は足場架設が必要になります。

仮に外壁全体(150)が劣化していて雨漏りも発生している場合は、

足場代(1520万円)+外壁張り替え(150300万円)165~320万円の費用が必要になる可能性があります。

大きな出費を抑えるためにも外壁の劣化を見過ごさないようにしましょう。

 

◆外壁の張り替え工事について詳しくはこちら

 

3-3 木の窓枠交換=57万円

窓回りは結露が発生しやすく、雨が伝って流れる通り道でもあるので、腐朽菌被害に遭いやすいです。

窓サッシを囲う木枠の交換には57万円/箇所ほどかかります。

ただし腐朽が窓の木枠だけでなく周りにも広がっていた場合は、柱の交換や外壁の作り直し、クロスの張り替えなどが必要になる場合もあります。

修繕費用がかさまないように、早めに修繕工事を行なうことが大切です。

 


まとめ

いかがでしたか。

腐朽菌は条件さえ揃ってしまえば、どんなお家にも発生してしまいます。

腐朽菌がご自宅を支える柱や窓枠、床下などに繁殖してしまうと家全体の耐久性も落ちてしまうので以下のような対策が必要です。

①お家の外回りの雑草を抜く

②通気口の前に物を置かない

③定期的な床下・外回りの点検

④ウッドデッキなど木材を塗装する

⑤床下換気・防湿工事

⑥外壁・屋根の防水塗装工事

 

この6つの対策を行なって、腐朽菌からお家を守っていきましょう!

さらにはすでに被害に遭っていそうな心配なところがある方は、躊躇せずに早めに業者を呼んで点検してもらいましょう。

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

 

◆腐朽菌と一緒にシロアリ対策も行なっていきましょう。
⇒シロアリ対策11選と費用~失敗しない業者選び:簡単チェックシート付

◆雨漏りの対策を行なってお家に水を入れないようにしましょう。
⇒自分でできる雨漏り対策2つと雨漏りしない家にするメンテナンス方法

 

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