近年多く発生しているゲリラ豪雨や台風。
そこで心配なのが“雨漏り”ですよね。
「雨漏り対策するにはどうすればいいの?」
「自分で出来る対策方法はあるの?」
と心配になって調べている方も多いかと思います。
確かに雨漏りしてしまうと、家具も家の中も濡れて大変です。
また、雨漏りは原因を突き止めるのがとても難しく、補修では簡単に直せないことも多いです。
屋根のプロである瓦職人でさえ、完全に瓦を取り外さなければ原因が分からないこともしばしば。
したがって雨漏りは発生する前に対策する事がとても重要です。
そこで今回は雨漏りを未然に防ぐために、雨漏りが発生しやすい危険な箇所とすぐに自分でできる雨漏り対策方法についてご紹介します。
また雨漏りを発生させないためのメンテナンス方法についてもご紹介しますので、家を長く持たせるためにぜひ参考にしてみて下さい。
記事の後半では、万が一、雨漏りが発生してしまった場合に行うべき対処4ステップをご紹介します。
既に雨漏りが発生している方はそちらの章をご覧ください。
大切なお家を雨漏りから守って、最大限長持ちさせていきましょう!!
目次
1章 雨漏りが発生しやすい箇所
まず雨漏りが発生しやすい箇所についてご紹介します。
雨漏りが発生するのは屋根だけではなく、家のいたる箇所から発生する可能性があります。
対策をする前に、発生する可能性がある箇所を把握しておきましょう。
1-1 屋根(屋根材・板金・漆喰)
一番危険性が高いのは屋根周辺の箇所です。
屋根は雨を直接受ける部分なので、雨漏りが発生しやすいです。
特に注意が必要なのが①屋根材 ②板金 ③漆喰の3箇所なので特に注意しましょう。
▪屋根材からの雨漏り
スレートや瓦などの屋根材が破損・ズレ・劣化してしまうと、内部の防水シートに水が回って傷み、雨漏りしてしまいます。
▪板金からの雨漏り
屋根に設置されている棟板金や谷板金、水切板金などの雨仕舞(あまじまい)がきちんとされていないと隙間から内部に水が入り雨漏りしてしまう可能性があります。
特に屋根の棟に設置されている「棟板金」は年数が経つと棟板金を固定している釘が抜けてしまうので、台風や強風の歳に飛ばされてしまうことも多いです。
板金が飛ばされると内部に直接雨が入ってしまいます。
▽棟板金が飛ばされてしまった写真
固定している釘が抜けると板金が飛んで行ってしまいます。
大きい金属の板なので通行人や近隣宅に飛んでいくとかなり危険です。
◆ 棟板金の釘が抜けるメカニズムなどが詳しく知りたい方はこちら
▪漆喰からの雨漏り
瓦屋根の場合は漆喰部分から雨漏りする可能性があります。
漆喰というのは棟瓦を支えているものですが、10~20年経つと劣化して崩れてきてしまいます。
漆喰が崩れると瓦もズレて雨が入りやすくなってしまいます。
▽劣化した漆喰とズレた瓦
漆喰が崩れたことで瓦もズレてしまっています。
1-2 外壁周辺(外壁・目地・窓)
雨漏りは外壁からも発生します。
外壁からの雨漏りの原因となるのが①外壁材 ②目地 ③窓の3箇所です。
それぞれの雨漏りする仕組みをご紹介します。
▪外壁材からの雨漏り
外壁自体が、水を含んで常に湿った状態になると内部の防水紙も劣化してしまいます。
じわじわと水が染みこんで雨漏りしていきます。
▽防水紙に水が染みた写真
防水紙に水が当たり続けると劣化が早まり、内部にも水を入れてしまいます。
▪目地からの雨漏り
サイディング外壁でよくみられる目地は、年数が経つと劣化してしまいます。目地と外壁の間に隙間が出来るとそこから雨が入り雨漏りしてしまいます。
また窓サッシ周りの目地が劣化していると、窓を伝って水が中に入ってしまうことがあります。
▽サッシ周りの目地からの雨漏り
サッシ横の目地に亀裂が入り、そこから室内に水が入っています。
▪窓からの雨漏り
窓にはパッキンのようなものが付いていますが、何年も窓を開け閉めすることでパッキンが劣化して隙間が空いてしまいます。
強い風と共に雨が降るとその隙間に雨が入り込み内部に水が浸入してしまいます。
▽窓枠の劣化
窓から水を入れ続けると窓を支える枠組みが腐食してしまいます。
1-3 ベランダ
ベランダの床からも雨漏りが発生する場合があります。
ベランダは新築の際に防水施工されていますが、10~15年を過ぎると劣化します。
ベランダから雨漏りすると、ベランダ下の軒や1回の天井から水が染みこむなどの症状が発生し、大掛かりな修繕が必要になります。
▽劣化したベランダの床
亀裂が入るとそこから水が浸透して雨漏りが発生します。
▽ドレン(排水溝)のつまり
ドレンという排水溝が詰まっていると水はけが悪くなり、水が溜まって別の隙間から雨漏りしてしまったり、防水層が傷んでしまう原因になります。
2章 【緊急性が高い方へ】自分でできる雨漏り対策2つ
雨漏りがすでに発生したことがある、台風が近づいてきているなどの緊急性が高い方向けにすぐにできる対策方法をご紹介します。
雨漏りによる被害を拡大させないためにも自分でできる応急処置を行っていきましょう。
既に雨漏りが発生している場合は、応急処置で雨漏りが止まったとしても一度プロに点検してもらいましょう。間違った補修をしてしまうと別のところから雨漏りが発生してしまう恐れがあります。 |
2-1 窓の隙間をアルミシートで塞いで水の侵入を防ぐ!
窓サッシは台風や強風を伴う横殴りの雨が降ったときに水が入りやすくなります。
その場合は室内に水が入らないようにアルミテープでふさいでください。
水に濡れている場合は、密着が悪くなるので、タオルで拭いてからテープをしましょう。
■使用するもの
・タオル
■方法
サッシの内側(手が届けば外側も)にアルミテープを貼り、水が浸入するのを防ぐ。
2-2 ベランダが劣化している部分は防水テープでカバー!
ベランダの床が劣化して雨漏りの原因になっている場合は、防水テープを貼りましょう。
ベランダから雨漏りしてしまうと、ベランダ裏の軒や、1階の天井に水が染みていってしまう恐れがあります。
ベランダの表面に亀裂がある場合は防水テープを貼って水の侵入を防ぎましょう。
■使用するもの
■方法
ベランダの床の隙間を防水テープで塞いで水が入らないようにする。
3章 雨漏りが発生しない家にするメンテナンス
雨漏りが発生しない家にするためには定期的なメンテナンスが必要です。
雨漏りが発生してしまうと、大掛かりな工事が必要になり費用も余分にかかってしまうので、無駄なお金をかけずに長持ちさせるためにも対策を打っておきましょう!
3-1 屋根=補修・塗装
屋根からの雨漏りを防ぐためには「補修」と「塗装」が必要です。
瓦のズレや破損があった場合は放っておかずに「補修」を行ないましょう。
また、スレートなどの塗装が必要な屋根は屋根材が水を含んで劣化してしまう前に「塗装」をして水を弾く状態にする事が重要です。
▪補修費用
◆スレートの補修方法や費用について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
◆瓦屋根の方は漆喰の補修方法や費用について詳しく書いたこちらの記事もご覧ください。
▪塗装費用
◆スレート屋根の方はこちらの記事もご覧ください。
◆セメント瓦の方はこちらの記事もご覧ください。
◆モニエル瓦の方はこちらの記事もご覧ください。
3-2 外壁=目地交換・塗装
外壁からの雨漏りを防ぐために必要なのが「目地交換」と「塗装」です。
目地は紫外線によって劣化するため築5~7年ほどで点検して劣化が見られたら交換することをおすすめします。
また外壁自体の劣化・吸水を防ぐためには「塗装」が必要です。築10年前後を目安に外壁が水を吸う状態になったら塗装をして防水性を高めていきましょう。
「塗装」も「目地交換」も足場が必要な工事になります。余分な費用をかけないためにも同じタイミングで行うことをおすすめします。
▪目地工事のみの費用
◆サイディング外壁の目地について詳しく書いた記事はこちらです
▪塗装費用
◆サイディング外壁の方は塗装する前にこちらをご覧ください。
◆モルタル外壁の方は塗装する前にこの記事をご覧ください。
◆ALC外壁の方は塗装する前にこちらの記事をご覧ください。
3-3 ベランダ=防水
ベランダの床からを防ぐために防水施工を行ないましょう。
防水工事は、塗装とは少し違い専用の防水材を使用します。
▪防水施工費用
◆ベランダ防水についてより詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
4章 万が一雨漏りしてしまった時にすべきこと
雨漏りの対策をしていても、台風などで屋根の一部が破損してしまったなどの予測外のことも起こりえます。
この章では、万が一雨漏りしてしまった場合にすべきことをご紹介します。
ステップ1 被害の確認・応急処置
まず、どこから雨が染みているか確認しましょう。
そして水が滴ってくる場合は受け皿としてバケツを置くなどの応急処置を行なってください。
ただし、雨漏りしている箇所の周辺をコーキングで埋めてしまうなどの応急処置はお勧めしません。知識のない人が行なうとまた別の雨漏りが発生したり悪化する場合もあります。
雨漏りの補修はプロに依頼することをおすすめします。
◆雨漏りの応急処置について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ステップ2 業者へ点検・見積依頼
近くの優良業者に点検・見積を依頼しましょう。
雨漏りは放っておくと、雨触れた部材が傷んでしまったり余計にひどくなってしまうので、発生してから時間が経たないうちに優良業者に見てもらうことをおすすめします。
ただし、雨漏りの原因を特定することはかなり難しい場合もあります。
点検方法によっては費用がかかってしまうこともありますので、そちらも確認してみてください。
▪雨漏りの点検の方法と費用相場
ステップ3 天災による被害は保険会社に連絡
台風などの天災による被害で雨漏りした場合は、火災保険が利用できる可能性があります。
ご加入の保険会社に連絡をして火災保険が適応できるか確認してみましょう。
※査定の基準や保険で下りる金額は保険会社によって変わってきます。
⋆火災保険申請までの流れ ①保険会社に連絡して被害内容を伝え、保険適用できるかを聞く。 ②申請書類を送ってもらう。 ③屋根工事の業者から「被害写真」「見積書」をもらう。 ④申請書類をご自身で記入する。 ※保険代行業者というものもありますが、費用が掛かります。書類は難しいものではないので、ご自身での記入、申請をおすすめします。 ⑤保険会社へ申請を送り、現地調査(鑑定)をしてもらう。 ⑥保険金の確定、入金
※工事費用が20万円以下の場合は適応されていないケースもあります。保険会社によって適応条件が異なりますので、加入されている保険会社に確認しましょう。 |
ステップ4 修繕工事
雨漏りの原因が特定出来たら、修繕工事を行ないましょう。
雨漏りを放っておくと修繕工事も大掛かりになり、費用も高くなってしまいます。
被害が拡大する前に修繕工事を行なっていきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
雨漏りは天井から水が落ちてくるだけでなく、家の内部に水が染みこんでしまうことを指します。
一度発生すると原因の特定や修繕に時間がかかってしまって、完全に治すことが難しくなっていくので対策することが大切です。
台風が近づいていてすぐに対策したい方、雨漏りが発生したことがある方はすぐに自分でできる対策方法を試してみてください。
ただし、自分でできる対策は応急処置にしかならないので、定期的なお家のメンテナンスで雨漏りの起きないお家にしていきましょう。
最後までご覧くださりありがとうございました!
◆雨漏りの代表的な原因が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
代表的な雨漏り原因10選|正しい対処のための調査と優良業者の選び方
◆結露と雨漏りの見分け方が分かる記事もご覧ください。
自分でできる結露と雨漏りの見分け方|2つのポイントと正しい対処法