外壁塗装をやろうと考えたときに、「塗料はどうやって比較すればいい?」「業者によって提案が違うけどどう決めたらいいの?」とお悩みになる方は多いのではないでしょうか。
塗料を比較するポイントは価格、機能性、見た目など様々ありますが、結論から言うと、最も重要なのは「樹脂(グレード)」の比較です。
これはシリコン樹脂、フッ素樹脂などのことで、価格と耐久性に影響するからです。
はじめに樹脂を決めたあとで他の細かい違いを見比べて絞り込んでいくと、最もスムーズに最適な塗料を選ぶことができます。
本記事では、住宅塗装のプロの観点から、
・外壁塗装の比較で重要な「樹脂」について
・種類ごとのメリット・デメリットを踏まえて比較したおすすめ度
・その他の細かい比較ポイント
を解説するほか、塗料選びを成功に導く3つのコツもまとめました。
本記事を読むことで、誰でもしっかり比較検討してベストな塗料を見つけられるようになります。
大切なお家の塗装工事を満足のいく最高のものにするために、ぜひ最後までお読みください。
目次
1章 外壁塗装の比較で大切なのは「樹脂」!
外壁塗装の塗料比較でまず見るべきポイントは「樹脂(グレードにあたるもの)」です。
なぜなら、樹脂は塗料の耐久性と価格を左右する成分だからです。
他の項目がどんなに優れていたとしても、耐久性と価格が希望とかけ離れてしまうと、あとで結局「損をした」という気持ちになってしまいます。
樹脂を最初に決めたうえで、他の細かい違いを比較していくと、スムーズで失敗の少ない塗料選びができるようになります。
この樹脂(グレード)はアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・無機の5種類があります。
耐久性が高い塗料ほど金額も上がります。
ただ、長く持つ塗料は1回の工事費用は高くても、将来の工事回数が少なく済むため、長期的なコストパフォーマンスは良くなります。
樹脂を比較するときは、「今回の塗装を何年持たせたいか」「長期的・短期的な予算はいくらか」を考えて、希望に一番近いものを選びましょう。
“高いグレードの塗料ほど良いものだ!”“ウレタンは質が悪い!”というわけではありませんのでご注意ください。
10年持てば十分な人ならウレタンやシリコンが最適ですし、長い目で見てお得にしたい方はフッ素や無機がおすすめです。
※無機塗料は正確には樹脂成分ではないのですが、耐久性・金額のグレードで考えるとこの順に当てはまるため、表に入れています。
2章 比較結果!おすすめ度ランキング
実際に樹脂ごとの耐久性や費用のバランス、特徴を比べておすすめランキングにしました。
まずはこちらを参考に樹脂の種類を決めていきましょう!
2-1 ★★★バランス抜群!一番人気のシリコン塗料
最も多くの人におすすめできるのが、シリコン塗料です。
10年以上の耐久性、高すぎない手頃な費用、とトータルでのバランスが良いためです。
実際、戸建住宅の塗装ではシリコンがシェアNo.1となっています。
塗膜がやや硬いという弱点はありますが、各メーカーがきちんと柔軟性を持たせた製品開発をしているので、外壁屋根に使う分には問題ありません。
安心して使用していただけます。
2-2 ★★★コスパ重視ならこちら!フッ素塗料
シリコンに次いでおすすめなのが、フッ素塗料です。
とても紫外線に強く耐久性に優れるため、戸建住宅だけではなく、簡単に塗り替えできない大型建築や公共施設でも良く使われます。
光沢が長持ちすることから、汚れや色あせにも強いです。
シリコンと比べて費用はやや高いですが、長期で見ると塗り替え回数が少なく済むので、コストパフォーマンスが良いのがポイントです。
ただし、シリコンよりも後から普及した塗料なので、フッ素は扱い慣れていない、経験と実績が少ない、という業者もたまにいます。
使いたい場合はちゃんと実績がある業者かどうか確認しておきましょう。
2-3 ★★とにかく耐久性が欲しいなら!無機塗料
無機塗料とは、無機成分と有機成分を組み合わせて作られた塗料です。無機ハイブリッド塗料ともいいます。
紫外線に強いが硬くて割れやすい「無機成分」と、柔軟性はあるが劣化しやすい「有機成分」の弱点を補い合うことで高い耐久性を実現した、最新技術の塗料です。
現在の戸建て向け塗料では最上級のグレードなので、とにかく耐久性を重視したい方は無機塗料を検討しましょう。
長期的なコストパフォーマンスも一番良いため、長い目でお得にしたい方にもおすすめです。
ただ費用が高いことと、こちらも新しい塗料なので扱い慣れていない業者もいる点は注意しましょう。
2-4 ★こまめに塗り替えたい方向け ウレタン塗料
ウレタン塗料は、10年以内で早めに次の塗り替えをしたい方におすすめです。
引っ越し予定のある方や、まめに塗装して美観を維持したいアパート・マンションなどの場合は、長持ちする塗料だとかえって無駄になってしまうので、ウレタン塗料が適しているでしょう。
ただ塗り替えサイクルが早い分、将来的かかる塗装のトータルコストは高くなってしまいます。
選ぶ際は今回の予算と長期的なコストのどちらを優先するかしっかり確認しておきましょう。
2-5 ‐塗り替えには不向き アクリル塗料
アクリル塗料は塗り替えにはおすすめしません。
耐久性が短く、塗ってもすぐまた工事をしなければならないからです。
DIYなどにはよく使われますが、住宅塗装では検討する必要はありません。
3章 樹脂以外の細かい比較ポイント4つ
樹脂が決まったら、他の細かい部分を比較していきます。
重要な比較ポイントは、「特殊機能」「塗料メーカー」「仕上がりの見た目」「水性・油性」です。
それぞれご自身のお家に対する考えや要望と照らし合わせて選んでいきましょう。
3-1 特殊機能
外壁塗装の特殊機能とは、塗ることで特別な効果を発揮する付加価値の部分です。
塗料によって機能があるもの、ないもの、複数あるもの、など様々です。
ここは「自分にとって必要な機能があるかどうか」で比較をしましょう。
不要な機能がいくらついていても意味がないからです。
あくまで、ご自身が欲しい機能が備わっているかという点を見ましょう。
代表的な特殊機能は以下の通りです。
低汚染性、防カビ防藻性
…最近の外壁用塗料ではかなりの割合で付いている人気機能です。
お家の汚れが気になる方はぜひこの機能を持った塗料を使いましょう。
光触媒
…低汚染性と似た性質ですが、日当たりが悪い面は効果が出にくかったり費用が高かったりという課題があり、外壁塗装ではあまり扱われなくなってきました。
すすめられた場合は、本当に必要かどうか考えましょう。
遮熱性、断熱性
…外壁塗装だと、屋根に比べると効果が薄いので、あまり使うことはありません。
お家の素材や立地によっても効果の出やすさが変わるので、使うときは業者にアドバイスをもらいましょう。
弾性・微弾性
…細かなひび割れの多いモルタル壁に適しています。劣化が気になる方はぜひ検討してみてください。
逆にサイディングボードには不向きなので、使わないよう注意しましょう。
この他にも、雨の日でも使える塗料や、塗装中にシンナー臭の代わりにバラの香りがする塗料、など様々な特殊機能付き塗料があります。
3-2 塗料メーカー
比較の際は、信頼できる国内大手メーカーのものかチェックしておきましょう。
きちんとしたメーカー品なら一定の品質や実績が確保されていて安心できるからです。
日本では創業50年を超える老舗メーカーも多く、技術の積み重ねや時代に合わせた製品開発がされてきています。
- ・関西ペイント
- ・日本ペイント
- ・ロックペイント
- ・エスケー化研
- ・水谷ペイント
- ・菊水化学工業
- ・スズカファイン
- ・ジャパンカーボライン
- ・AGCコーテック など
逆に注意すべきは、「オリジナル塗料」です。
オリジナル塗料のほとんどは、メーカーにお金を払ってラベルだけ張り替えてもらう「OEM商品」です。
名前が違うと他社と比較ができないため、高い金額で売ることができて業者は利益を上げやすくなります。
しかし中身は通常のメーカー品と同じなので、消費者にとっては損になってしまいます。
オリジナル塗料などに惑わされず、きちんとした大手メーカーの塗料を選びましょう。
3-3 仕上がりの見た目
塗った後の見た目も塗料選びでは大切なポイントです。必ず確認して比較検討しましょう。
具体的には、「色」と「艶」が塗料によって異なります。
【色】
着色塗料(エナメル)
…単色不透明の、通常の塗料です。がらっと印象を変えたい方におすすめです。
クリヤー塗料
…無色透明の塗料です。元の外壁デザインをそのまま残せます。
多色サイディング(おしゃれな柄付きサイディング)が気に入っている方はぜひご検討ください。
多彩模様塗料
…複数色不透明で、石材のような独特の質感を再現できる塗料です。特殊な粒やカラーチップが使用されています。
ALC外壁の重厚感のあるお家には特におすすめです。
【艶】
艶あり塗料
…通常の、塗ると光沢が出る塗料です。
新築のような輝き、艶感を取り戻したい方は艶あり塗料を選びましょう。
艶消し塗料
…光沢のないマットな仕上がりになる塗料です。(その他、光沢を抑えた5分艶、3分艶などの中間もある)
モルタル、ジョリパットなどのざらざらした質感の外壁の方には艶消し塗料がおすすめです。
理想の見た目はどんなものなのか、あるいは今の雰囲気を維持できる塗料なのか、などを考えて比較しましょう。
3-4 水性・油性
塗料には水性と油性があります。
水で薄めて使うのが水性、シンナーで薄めるのが油性です。
■水性と油性の違い
住宅塗装では、基本的には水性塗料を選びます。
シンナーの臭いが少なく安心なのと、近年では耐久性も十分高い水性塗料が開発されているからです。
ただし、日当たりの強い立地の屋根や塩害地域、寒冷地のお家などの厳しい環境下では、より耐久性が高い油性の方がおすすめの場合もあります。
水性と油性どちらが良いかはケースバイケースですので、ご自宅に適した塗料を選びましょう。
4章 塗料選びを成功に導く3つのコツ
ご自身にとって最適な塗料を選ぶためにはコツがあります。
- ・家族、お家の将来計画を考える
- ・業者に複数パターン見積もりを出してもらう
- ・事例やシミュレーションを活用して仕上がりイメージをする
の3点です。
事前にこれらを実践しておくことで、よりスムーズに理想の塗料を選べるようになります。
ひとつずつ解説していきます。
4-1 家族・お家のライフプランを考える
塗装工事のときには、家族やお家の将来のライフプランを考えておきましょう。
なぜなら、それによって次の塗り替え時期を判断できるからです。
【例1】 現在小学生の子供がいるので、大学進学と次の塗装工事がかぶると出費が多くて大変そう。子供が社会人になるまで持たせたい。 →フッ素または無機塗料にしよう |
【例2】 10年もしたら娘夫婦と一緒に暮らすことになりそう。まずはそれまで持てば十分。 →シリコンまたはウレタン塗料にしよう |
といった具合です。
塗装工事もお家にとっては大きな予定のひとつです。
他の予定との兼ね合いも考えることで、無駄のない最適な塗料を選ぶことができます。
4-2 業者に複数パターン見積もりを出してもらう
見積もりを取るときは、1業者につき塗料が異なる2~3パターンの提案をもらいましょう。
工事の基本的な内容は同じなので、純粋に塗料が変わった場合の費用感などが分かり比較しやすいからです。
例えば樹脂で悩んでいる場合は、「樹脂が違うもので3パターン」、
見た目の仕上がりで悩んでいる場合は「普通の着色とクリヤーの2パターン」などで出してもらうのがおすすめです。
逆に1種類の見積もりしか出してくれないところは注意です。
問屋やメーカーと提携していて、限られた塗料しか使えないか、職人の技量がなくほか塗料の扱いが苦手な可能性があるからです。
皆さんご自身がきちんと比較して選びやすいように、複数パターンの提案をもらうようにしましょう。
4-3 施工事例を活用して仕上がりイメージをする
外壁塗装のデザインのことはよく分からない、特に希望がないという方は、業者の施工事例を見せてもらいましょう。
塗装後の理想イメージをある程度つくって、塗料選びに活かすためです。
実は塗装の仕上がり・見た目は、工事全体への満足度に大きく影響します。
「自分は見た目はそんなに気にしないよ」「業者にお任せで大丈夫でしょ」と思っている方もいるかもしれません。
しかし、いざ塗り終えたら少し違和感があった、ということは実際あります。
お家は毎日毎日目にするわけですから、小さな違和感でも心にひっかかって、工事への満足度は下がってしまうのです。
これを避けるためには、「今と同じ感じがいい」「少し雰囲気を変えたい」「艶はない方が良い」などざっくりとでもいいので、見た目の希望イメージを持っておくことが大切です。
業者の過去の施工事例写真を見せてもらったり、近くで工事したお家を案内してもらったりして、ご自身の理想イメージを作っていきましょう。
5章 最適な塗装工事をするならユーコーへ
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まとめ
本稿で解説した内容は以下の通りです。
1.比較で大事なのは「樹脂」!
耐久性と費用を左右する樹脂成分が最も重要です。
「今回の塗装を何年持たせたいか」「長期的・短期的な予算はいくらか」を考えて選びましょう。
2. 比較結果!おすすめ度ランキング
費用対効果や特徴をまとめて比較した結果はこちらです。
★★★バランス抜群!一番人気のシリコン塗料 ★★★コスパ重視ならこちら!フッ素塗料 ★★とにかく耐久性が欲しいなら!無機塗料 ★こまめに塗り替えたい方向け ウレタン塗料 |
3.樹脂以外の細かい比較ポイント4つ
樹脂を選んだら、ご自身のお家に対する考えや要望と照らし合わせて以下の項目を考え、塗料を絞り込んでいきましょう。
①特殊機能 ②製造メーカー ③仕上がりの見た目 ④水性・油性 |
4.塗料選びを成功に導く3つのコツ
よりスムーズに塗料選びをすすめるためには、以下の3点を実践しておきましょう。
①家族・お家のライフプランを考える ②業者に複数パターン見積もりを出してもらう ③施工事例を活用して仕上がりイメージをする |
皆さまの塗装工事が素晴らしいものになるためにお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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