うちもそろそろ外壁塗装をしよう!
と意気込んだものの、業者から色んな提案をされてどれを選んでいいのか分からなくて困っているのではないでしょうか?
一言で外壁塗装工事と言っても、使用する塗料や塗り方、外壁材など様々なカテゴリーで種類があります。
初めて工事をされる方は、どれが自宅に合っているのか分からず選べないですよね。
そこで今回は、外壁塗装工事の塗料、塗り方、外壁材ごとの注意点を一挙にご紹介します!
また、記事の後半では、たくさんの種類の中からご自宅に合った外壁塗装をするための選び方も一からご説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
最善の選択をして、外壁塗装工事を成功させていきましょう!
1章 【一覧表付き】外壁塗装の種類と特徴
まず外壁塗装の種類にどんなものがあるのかとそれぞれの特徴をご紹介します。
外壁塗装の種類は使用する塗料によって分けられます。
主な種類は以下の5つです。
以上が塗料の主な種類です。
ただし、塗料を分類するカテゴリーには他にも種類があります。
より塗装の種類を把握するために、次章で塗料を構成する成分の種類の解説をしてきます。
2章 塗料を構成する6つのカテゴリー
塗料を分類するカテゴリーを解説していきます。
塗料は主に以下の6つの構成で分類することが出来ます。
①耐久性|アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素など ②水性か油性 ③1液性か2液性 ④ツヤ有かツヤ無か ⑤クリヤーか色付けか ⑥特殊機能|防藻・防カビ・光触媒など |
それぞれについてご紹介していきます。
2-1 耐久性 (成分)の種類
耐久性の種類は1章でご紹介した成分の種類です。
「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」はそれぞれの樹脂が塗料に含まれており、樹脂によって塗料の耐久性が変わっていきます。
「無機塗料」は他の塗料と違って無機物の成分が含まれています。
無機物はガラスのように紫外線で劣化をしないため、高耐久な仕上がりが期待できます。
2-2 水性と油性
▪水性塗料は、塗料を水道水と混ぜて使用します。
塗装後、使用したハケやローラーは水道で洗えますし、余った塗料はそのまま水道に流して処分することが出来ます。
扱いやすいのでDIY塗装で多く用いられます。
また、臭いが少ないので、小さいお子さんやペットがいるご家庭におすすめです。
▪油性塗料は、塗料をシンナーに混ぜて使用するためシンナー臭がします。
塗装後は、使用したハケやローラーは専用のシンナーに漬けておかないと固まってしまいます。
余った塗料も水道に流すことが出来ず、産業廃棄物として処分する必要があります。
塗料の扱いが難しいのでDIYや扱いなれていない業者にはお勧めできません。
ただし、塗膜の強度は水性よりも高いので、高耐久な塗装にしたい方におすすめです。
◆水性塗料と油性塗料の違いについて詳しく知りたい方はこちら
2-3 1液性と2液性
※塗料の耐久性によって変動する場合もあります。
▪1液性とは、主剤だけで使用できる塗料のことです。
一種類の塗料缶だけでなので費用も安く、扱いやすいためDIY塗装におすすめです。
▪2液性は、主剤だけでなく、硬化剤も混ぜるためより強度が上がります。
油性の場合は主剤+硬化剤に加えてシンナーも混ぜて使用するため必要な塗料缶が3種類になり費用もかかります。また、扱いもプロでなければ難しいためDIYの際はお勧めできません。
2-4 ツヤ有とツヤ無
▪ツヤ有り
基本的に、塗装後は新築時よりもツヤが出ます。
塗料のグレードが上がるほどツヤは少し強く感じます。
黒やダークブラウン、ダークグレーなどの濃い色を塗った時はよりツヤが目立ちます。
▪ツヤ無し・ツヤ消し
ツヤ無し(ツヤ消し)塗料はマットな仕上がりになり、塗った感が出ないので悪目立ちするのを防ぐことが出来ます。
元からツヤが無いタイプの塗料だけでなく、ツヤがある塗料でもツヤ消し材を混ぜてツヤを調整することが可能です。
▼ツヤの段階
ただし、元からツヤがある塗料にツヤ消し材を混ぜてツヤを抑える場合は耐久性が少し下がってしまう恐れがあります。
◆外壁塗装のツヤについて詳しく知りたい方はこちら
2-5 クリヤーと色付け
▪クリヤー塗装
柄を生かす塗料なので、基本的に柄のない外壁には使用しません。
また、柄がある外壁であっても劣化がすすんで色落ちしている・ひびが入っている場合には塗装できなくなってしまうので、早めの塗装がおすすめです。
◆クリヤー塗装について気になる方はこちら
▪色付け塗装
色付け塗装は新しい色に塗りつぶしてしまうため、補修跡が目立ちません。
基本的にどの外壁にも出来ますが、タイル外壁には向きません。
塗装後に剥がれてしまう恐れがあるので、素材に合った塗装をする事が大切です。
2-6 特殊機能(効果)の種類
特殊機能は、立地や環境による悩みを解決してくれる効果を持つものが多数あります。
例えば、家の裏に山がある場合、コケの胞子が通常よりも多く飛んでいてコケが発生しやすい家には、防藻機能やセルフクリーニング機能・光触媒などの塗料がおすすめです。
ただし、効果が発揮される環境でなければあまり意味がありません。
例として、光触媒の塗料を選んだ場合でも家が日当たりの良い環境に無ければ光触媒の機能は存分に発揮されません。
ご自宅の環境・立地を考慮して選ぶことが重要です。
3章 外壁塗装の工法の種類
外壁塗装には、2つの工法があります。
ローラーやハケ等で塗っていく塗装と、吹付塗装です。
▪ローラー・ハケ塗装
メンテナンスの際に用いられ、ハケやローラーを使い分けて手作業で塗っていく工法です。
膜厚の確保や周囲への飛散を防ぐことが出来ます。
外壁や屋根など、広い面の塗装に向いている工法です。
▪吹付塗装
メンテナンス時には柄付けや附帯塗装(雨戸など)で使われます。
スプレーガンなどで吹き付けて塗装するため、ローラーの跡やハケ跡が付かずに綺麗な仕上がりになります。
ただし、周囲へ飛散しやすいので丁寧な養生作業が必須です。
4章 外壁の種類別|塗装の注意点
外壁材ごとの塗装の注意点をご紹介します。
ご自宅の外壁材の塗装時に注意できるようにチェックしておきましょう!
4-1 窯業サイディングは目地メンテナンスが必須
窯業サイディングは新築の7割に使用されているメジャーな外壁です。
サイディングは一枚一枚貼り付けて施工していくのでつなぎ目の目地(コーキング)のメンテナンスも必ず行いましょう。
目地(コーキング)のメンテナンスを怠ると外壁塗装をしてもそこから雨が入ってきてしまい雨漏りの原因になります。
外壁塗装時に必ず目地もメンテナンスを行ないましょう。
◆サイディング外壁の塗装についての詳細はこちら
4-2 モルタル外壁にはクリヤー塗料が使用できない
モルタル外壁にはクリヤー塗料が使用できません。
モルタルはヒビが入りやすいため、クリヤーで塗装してもきれいな仕上がりが期待できないです。
2色で左官されたモルタル外壁の方は塗装の際に色が単色塗りつぶしになってしまうことを覚えておきましょう。
2色のままがいい場合は再左官が必要になります。
◆モルタル外壁の塗装についての詳細はこちら
4-3 ALC外壁はコーキング交換が必須ではない
ALC外壁にも目地(コーキング)部分がありますが、サイディングと違って目地の上も塗装されているため劣化のスピードが遅いです。
目地部分を指で押してみてまだ弾力があれば、コーキングの打ち替えでなく増し打ち(上から充てんする方法)でメンテナンス可能です。
打ち替えよりも増し打ちの方が費用を抑えることが出来るので、1度目の塗装は増し打ちで、2回目の塗装時に打ち替えするなど劣化に合わせてお得にメンテナンスを行ないましょう。
◆ALC外壁の塗装についての詳細はこちら
4-4 金属系の外壁にはサビ止め塗装をする
金属系の外壁(ガルバリウムやトタン)を塗装する場合は、必ずサビ止め効果のある塗料を塗装しましょう。
きちんとサビ止めが塗装されていないと角から錆が広がってしまったり、すぐにはがれてしまう原因になります。
特に下塗り材は外壁と塗料を密着させる役割があるので、サビ止めの効果があるか確認してから選びましょう。
5章 自宅に合った外壁塗装の選び方3ステップ
自宅に合った外壁塗装の選び方をご紹介します。
たくさん種類があってどうやって選べばいいのか分からない方はぜひ参考にしてみてください。
ステップ1 ライフプランに合った耐久性を選ぶ
まず、ご自宅のライフプランに合った塗料の耐久性を選びましょう。
今回の塗装を何年持たせたいか、次のメンテナンスのタイミングはいつ頃に持っていきたいか設定してから選ぶことが重要です。
(例)Aさんの場合… 10年以内に息子夫婦と同居して今の家から引っ越す予定だから、費用をおさえてうちはウレタン塗装にしよう。 |
(例)Bさんの場合… 子供がまだ小学生でしばらくはメンテナンスにお金をかけたくないから最高級の無機塗装にしよう。 |
業者によっては、「最高級のフッ素がおすすめ!」と、どの家にも問答無用で同じ塗装を勧めてくるところもありますが、言いなりになってしまうのは危険です。
それぞれのご家庭で、ライフプランは様々なのでご自宅に合った塗装の提案を希望しましょう。
ステップ2 外壁材に合った塗装を選ぶ
外壁材に合った塗装を行ないましょう。
柄のある窯業サイディングやタイル外壁の方はクリヤー塗装、
高意匠性のALC外壁であれば、吹付塗装を行うなど、選択肢は様々です。
ご自身で最善の塗装を選ぶことが難しければ、業者に「今ある外壁の柄は残したい」、「マットに仕上げたい」など要望を伝えておきましょう。
ステップ3 悩みを解消する効果を選ぶ
お悩みを解消する効果のある塗料を選びましょう。
汚れやすいという悩みを解消する塗料としては、防カビ・防藻・光触媒・セルフクリーニング機能などがあります。
立地的にコケが生えやすい、排気ガスの汚れが付きやすいなどお悩みがある方は業者に相談し、汚れにくい塗料を選んでいきましょう。
◆外壁の汚れが気になる方はこちらの記事をご覧ください。
まとめ
いかがでしたか。
最後にこの記事をまとめます。
▪1章 まとめ
外壁塗装の主な種類と特徴は以下の通り。
▪2章まとめ
塗料を構成するのは以下の6つのカテゴリーがある。
①耐久性 (成分)の種類
②水性と油性
③1液性と2液性
④ツヤ有とツヤ無
⑤クリヤーと色付け
⑥特殊機能(効果)の種類
▪3章 まとめ
外壁塗装の工法の種類は以下の2つ。
▪4章 まとめ
外壁の種類別の塗装の注意点は以下の4点。
・窯業サイディングは目地メンテナンスが必須
・モルタル外壁にはクリヤー塗料が使用できない
・ALC外壁はコーキング交換が必須ではない
・金属系の外壁にはサビ止め塗装をする
▪5章 まとめ
自宅に合った外壁塗装の選び方は以下の3ステップ。
①ライフプランに合った耐久性を選ぶ
②外壁材に合った塗装を選ぶ
③悩みを解消する効果を選ぶ
たくさんの種類の中から、ご自宅に合ったものを選んで、後悔のない工事にしていきましょう。
最後までご覧くださり、ありがとうございました!
◆外壁塗装にかかる費用が知りたい方はこちらをご覧ください。
⇒【外壁塗装30坪の費用相場】事例と適正見積りを貰う5つのポイント
⇒【外壁塗装40坪の費用相場】事例と適正見積りを貰う5つのポイント
◆塗装は業者選びも肝心です。優良業者を選びたい方はこちらの記事もご覧ください。
⇒外壁塗装は業者選びが肝心!優良業者を見極める20のチェックポイント