初めてでも分かる!外壁塗装を成功へ導く6つの基礎知識をプロが解説

うちもそろそろ塗装をしないと…と、検討しているあなた。

「初めての外壁塗装で不安…」

「知っておいた方が良いことはある?」

「費用は?業者選びは?」

と、気になって調べているのではないでしょうか。

 

初めての外壁塗装では、分からないことが分からない状態の方も多いと思います。

ただ、知識がないままだと、手抜き工事や、ぼったくりの被害に遭う可能性も

そのため、基本的な知識や注意点は知っておくことが大切です。

 

外壁塗装工事を失敗しないために知っておくべき知識は主に以下の6つです。

①適切な塗装時期

②適正な費用相場

③塗料の種類と選び方

④工事の流れ

⑤色の選び方

⑥業者の選び方

この記事ではこの6点についての基礎知識をご紹介。

また項目ごとで注意すべきポイントも解説していきます。

これらをおさえておけば、初めての方でも失敗のない、良い塗装工事にする事が出来ます。

この記事を見て、塗装に関する疑問や不安を全て解消してくださいね。

 


1章 外壁塗装の【適正時期】

まずは、いつ頃塗装をすべきなのか把握しておきましょう。

時期は目安年数と塗装サインとなる劣化症状で判断していきます。

それぞれ見ていきましょう。

 

1-1 目安の年数は710

外壁塗装の目安となる年数は710年です。

一般社団法人「日本窯業外装材協会」のホームページでも塗り替え時期は510年と記載しています。

塗装時期

出典:一般社団法人 日本窯業外装材協会

塗装は10年過ぎてからとお考えになる方が多いですが、実は10年を過ぎると急激に劣化が進んでしまう場合もあるので、10年経つ前に行なうのが最適です。

 

1-2 塗装のサインとなる劣化症状

塗装が必要な劣化症状を4つご紹介します。

どれか一つでも劣化症状が出てきたら築10年未満であっても塗装が必要です。

早期に塗装業者に点検を依頼しましょう。

 

①チョーキング・吸水

チョーキング

外壁を触ったときに手に粉がつく状態をチョーキング現象といいます。

この状態になると、外壁に水をかけたときに弾かずに吸い込んでしまうので再塗装が必要です。

 

②ひび割れ

外壁 ひび割れ

外壁や目地(コーキング)にひび割れが入っていたら塗装時期が来ています。

窓サッシ廻りや、外壁を固定する釘回り、ベランダなど特にひび割れしやすい場所なので確認してみましょう。

 

③カビ・コケの繁殖

カビコケ

カビやコケによる汚れが目立ってきたら塗装が必要な状態です。

特に北面や日が当たりづらい面はカビ・コケが繁殖しやすいので確認してみて下さい。

 

④反り

反り

反りはサイディング外壁の場合に起こる劣化症状です。

長い期間、外壁が水を吸って、表面から乾いてを繰り返すことでだんだん変形してしまいます。

一度反ってしまうと元には戻せないので、最悪の場合、一部張り替えになります。

そのため、外壁が少しでも反ってたら、すぐに塗装業者に点検を依頼しましょう。

 

>サイディングの反りの対処方法についてはこちら

 


2章 外壁塗装にかかる【費用相場】

初めて塗装される方は費用も気になりますよね。

費用相場が分からないまま工事をしてしまうと、騙されてしまったり、損をしてしまったりする可能性があります。

費用相場を知って、適正価格で工事しましょう!

 

2-1 費用相場は90140万円

外壁塗装工事の費用相場は90~140万円です。(2階建て30坪の場合)

中でも中心となる価格帯は100万円代です。

費用の差は、外壁の面積や使用する塗料のグレードによって変動します。

▼また塗装工事に含まれる、必須作業と単価相場は以下の表の通りです。

※コーキング打ち替え・増し打ちはモルタル外壁の場合は不要です。
※付帯物の有無によって不要な作業もあります。

▼塗装が必要な付帯箇所

付帯物

※付帯物の素材によっては塗装不要の場合もあります。

見積りをもらった時に、上記の作業が入っているのか、単価は相場通りかを確認してみましょう。

 

2-2 相場より安すぎも高すぎもNG

外壁塗装の見積もりは、相場より安すぎても高すぎてもNGです。

なぜなら、費用を安すぎると手抜き工事をされてしまう恐れがあり、高すぎると余計な費用が上乗せされている可能性があるからです。

それぞれ以下のようなケースがあります。

 

  • ●安すぎる場合に考えられるケース

・必要な工程を省いている。(例:塗装回数を2回に減らす、塗装が必要な雨樋や破風板は見積りに入っていないなど)

・塗料を必要以上に薄めている

・安い塗料を使用している

 

  • ●高すぎる場合に考えられるケース

・下請けの職人を使っていてマージンが発生している

・相場よりも単価が高い

外壁塗装は安すぎても高すぎても危険です。

適正価格で工事してくれる業者を選びましょう。

 

>安すぎる外壁塗装が危険な理由についてはこちら

 


3章 外壁塗装の【塗料】種類と選び方

塗料は専門的で難しく感じるかもしれませんが、覚えておきたい種類は主に4つです。

それぞれの特徴が分かれば、各段に塗料が選びやすくなります。

あなたのお家に合った塗料選びをしていきましょう。

 

3-1 覚えておくべきは4種類!

外壁塗装で使用される塗料4種類をご紹介します。

アクリル塗料は外壁塗装ではほとんど用いられないため、ウレタン・シリコン・フッ素・無機塗料の4種類を覚えておいてください。

外壁塗装の塗料は数百種類ありますが、どの塗料も上記のどれかに分類されます。

ご自身で世の中にある塗料から一つを選ぶのは難しいので、上記の4つの種類からどの塗料にするか何となく決めておいて、あとは実際に業者と打ち合わせながら選ぶとスムーズです。

~塗料選びガイド:塗料ごとにおすすめな人~

ウレタン塗料…10年以内に家を手放す予定がある人。できるだけ安く工事したい人

シリコン塗料…10年は持たせたい人。お得に工事したい人。

フッ素塗料…コスパ重視の人。紫外線が当たりやすい立地にお住まいの人。

無機塗料…最後の塗装にしたい人。費用がかかっても長持ちさせたい人。

 

>塗料選びの際は水性と油性についても知っておきましょう!

>外壁の塗料選びについてはこちら

 

3-2 オリジナル塗料はおすすめ出来ない

塗料選びの際に注意してほしいことが「オリジナル塗料」「※OEM製品」です。

OEM製品とは塗料メーカーが発注元の名義で製造した塗料のこと。

業者によっては「うちはオリジナル塗料を使っています。」というところがあります。

しかし、塗装のプロとしては「オリジナル塗料」「OEM製品」はおすすめ出来ません。

なぜなら、含まれている成分や耐久年数、費用の妥当性、実績が不明確だからです。

また、その塗料で不具合が発生していたとしても、外部に情報が出ないため気付くことが出来ません。

オリジナル塗料は出来るだけ選ばないようにしましょう。

 

>オリジナル塗料についてはこちら

 


4章 外壁塗装【工事の流れ】

外壁塗装工事は以下のような流れで進んでいきます。

外壁塗装の流れ

それぞれの工程の内容と、注意点について解説していきます。

より工事中快適にお過ごしいただくためにも目を通しておきましょう。

 

①着工前挨拶

近隣挨拶

工事が始まる1週間ほど前から近隣の方へ挨拶をします。

基本的に工事挨拶は業者に任せてしまって大丈夫ですが、どこまで行ってくれるのか、どんなお知らせをするのかは把握しておきましょう。

業者が全員の方に直接お会いして挨拶できるとは限らないので、ご近隣の方に会った際はお声掛けしておくと安心です。

 

②足場着工

足場

初日は足場を立てる作業です。

時間は45時間程度で終了します。

午前中に行なうこともあれば午後に行なうこともあるので、何時から行うかは業者に事前に確認しておくと安心です。

また、足場架設は基本的に雨天決行ですが、台風や大雪の場合は中止になることもあります。

お車をお持ちの方は、念のため足場が当たらないように移動しておきましょう。

 

③高圧洗浄

高圧洗浄

足場架設の次の日は高圧洗浄を行ないます。

塗装作業をする前に、汚れを落として塗料を付着しやすくするのが目的です。

高圧洗浄も雨天決行です。

 

④下地調整

ひび割れ補修

下地調整では、塗装前に塗料が密着しやすいように補修を行ないます。

また、サイディング外壁やALC外壁の場合は、目地のコーキング交換も行います。

既にあるコーキングをカッターで撤去し、再度新しいコーキング材を充てんします。

 

⑤養生

続いて「養生」という作業をします。

養生は、外壁以外の窓やドア、床面に塗料が付かないように、ビニールで覆う作業です。

下地補修より先に行なうケースもあります。

 

⑥~⑧外壁塗装

下塗り

外壁は基本的に3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)で行ないます。

※塗料によっては2回や4回の場合があります。

塗り作業中は、汚れ防止のため、洗濯物が外に干せないのでご注意ください。

 

⑨付帯塗装

雨樋塗装

外壁以外のお家の細かい部分を塗装していきます。

塗装する箇所は主に軒天・破風板・雨樋・雨戸・シャッターボックス・水切りなどです。

素材によっては塗装しないケースもあります。

契約時にどの部分を塗装するか、業者に確認しておくと安心です。

 

⑩、⑪手直し、確認

工事後の検査

塗料が飛び散ってしまった部分がないかなど、細かくチェックし手直しをしていきます。

 

⑫足場解体

足場架設

最終チェックを終えたら、足場を解体します。

解体作業は23時間程度で終了します。

こちらも架設時同様、前日までに時間を聞いておきましょう。

また、念の為お車の移動もされておくと安心です。

 

>外壁塗装の工程についてはこちら

 


5章 後悔のない【色選び】のコツ

外壁塗装の色選びも、仕上がりに関係する重要なポイントです。

この先1020年と長く付き合っていく色ですので、後悔のないように色選びのコツをご紹介します。

 

5-1 色選び前に知っておくべき知識3

色選び

外壁の色を選ぶ際に、特に知っておいてほしい知識は以下の3つです。

・色には面積効果がある

・色あせしやすい色、しにくい色

・使う色は3~4つにおさえる

 

①色には面積効果がある

面積効果というのは、色の面積によって見え方が変わるという効果です。

明るい色は、面積が大きいほど明るく見えます。

暗い色は、面積が大きいほど暗く見えます。

面積効果

そのため、塗料カタログなどの小さい色見本で色を選ぶときは

・明るい色(ホワイト・クリーム色・ベージュなど)から選ぶなら、少し濃い色を選ぶようにする

・暗い色(ネイビー・ブラック・ダークブラウン)から選ぶなら、少し淡い色を選ぶようにする

など工夫するとより想像通りの仕上がりになります。

 

②色あせしやすい色としにくい色

色あせしやすい色は、レッド・イエロー・濃いグリーンです。

色あせしにくい色は、ホワイト、グレー、ブルーです。

色味が強い色ほど、年数が経つと色あせが目立つようになります。

長く見た目を維持したい方は、色選びの参考にしてみてください。

 

>色あせしやすい色・しにくい色についてはこちら

 

③使う色は34つにおさえる

外壁だけでなく、お家全体で使用する色は3~4色におさえましょう。

たくさんの色を使いすぎると、まとまりが無くなってしまいます。

外壁と屋根、その他お家の細かい部分で34色におさえられるよう、全体のバランスを考えて選んでいきましょう。

▼3色におさえた事例

外壁2階…ホワイト

外壁1階・破風板…ブラウン

屋根・帯板…ブラック

 

>色選びについて詳しくはこちら

 

5-2 大きい色見本で確認すると失敗が少ない

色選びを行なった際には、最終的に大きな色見本(A4サイズ)で確認しましょう。

なぜなら5-1で解説したように小さい色見本だけで決めると色の面積効果で、想像と違う仕上がりになる可能性があるからです。

A4サイズの色見本は塗装業者に借りることができるので、外にでてお家の外壁に当てて見てみてください。

また、朝方や夕方、晴れの日や曇りの日で見ても見え方が変わるので、様々な条件で確認すると失敗が少ないですよ。ぜひお試しください。

 


6章 最重要!優良な【業者の選び方】

最後に一番大切な業者の選び方をご紹介します。

塗装業者の中には、利益のことしか考えていない悪徳業者や知識・経験のない業者がたくさんいます。

そんな業者に工事を依頼してしまうと、相場よりも高い金額で契約させられたり、塗装後に不具合が起きてトラブルになる可能性もあるんです。

後悔のない工事にするために適正価格で高品質な工事をしてくれる丁寧な業者を見極めていきましょう。

 

6-1 豊富な塗装実績がある

塗装業者

塗装工事の実績が豊富にある業者に依頼しましょう。

お家は一軒一軒違ったカタチや素材で造られているので、実績が多い業者はその分経験値が高く、あなたのお家に適した提案・施工をしてくれます。

直接またはホームぺージなどで実績数を確認し、数百件・数千件・数万件と実績の多いところに依頼しましょう。

 

6-2 6090分かけて点検してくれる

点検

60~90分かけて丁寧に点検してくれる業者を選びましょう。

契約前の点検態度も業者を見極める重要なポイントです。

10~30分お家を一周して終わり、屋根は登らず下から見て終わりなどの対応をしてくる業者はおすすめできません。

時間がかかっても、細かいところまで見て写真に収めて実際に見せてくれる業者に依頼しましょう。

 

6-3 詳細な見積もりをくれる

屋根塗装 見積もり

見積もり書の記載は不正が起きやすいので、厳しくチェックすることが大切です。

「外壁塗装工事 一式 ○○円」などの「一式」を多く使っている見積もりや、作業内容が不明確な見積もりを提出してくる業者には注意しましょう。

そういった業者はあえて不明確にしておいて、作業をごまかし手抜き工事をする可能性があります。

・具体的な作業内容

・各工程の数量・単価

・塗装範囲・回数

・具体的な塗料名

などが記載されているのか確認しましょう。

 

>外壁塗装の見積もりチェックポイントについてはこちら

 

6-4 工事中の写真をくれる

点検 写真撮影

工事が始まってからも、工程ごとの写真を撮ってくれる業者に依頼しましょう。

写真を撮らない業者が、全て手抜きをしているというわけではありませんが、写真を撮らないと手抜き工事をされていても気付くことが出来ません。

一番大切なのは工事なので、作業を省いていないか、丁寧に角まで塗装されているかなど写真で記録してくれる業者だと安心です。

 

6-5 メーカー保証をくれる

塗装業者の保証と一緒にメーカー保証も渡してくれる業者に依頼しましょう。

塗装工事にメーカー保証を付けるためには、使用塗料数の管理や乾燥時間の記録管理などが必要です。

そのため、メーカー保証がない工事よりも一定の品質が期待できます。

また、メーカー保証が付くことで、工事だけでなく塗料に不具合があった場合も保証してくれます。

安心の工事にするためにもメーカー保証が付けられる塗装業者に依頼しましょう。

 


まとめ

この記事では、初めての外壁塗装工事を控えている方へ向けて、下記6項目の基本的な知識についてご紹介しました。

①塗装時期について

②工事費用について

③塗料について

④点検から工事までのながれ

⑤色選びについて

⑥業者選びについて

 

どの知識もそれほど難しい内容ではありませんが、とても重要です。

これらの知識を頭に入れておけば、適正時期に適正価格で塗装工事をすることができ、さらに理想の仕上がりにする事も出来ます。

また、知識のない業者や悪徳業者による手抜きやぼったくり被害も防ぐことができます。

塗装は安い工事ではないですから、失敗なく工事を行ない、お家を長持ちさせていきましょう!

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

>外壁材別の外壁塗装についてはこちら

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