プロが教える!屋根・外壁塗装の費用~業者選びのコツまで完全ガイド

屋根外壁塗装

そろそろ家の塗装を考えなければ…

と思っても、まず何から手を付けたら良いかわからない、という方も多いのではないでしょうか。

 

塗装工事は、10年に1回程度行うお家のメンテナンスです。

屋根と外壁をセットですることが多く、足場を組んで行う大きな工事になります。

塗装業者は大小様々あってそれぞれ金額も工事内容も違うため、いきなり見積もりを頼んでも混乱しやすいのが現状です。

そのため、基本的な知識を持っておくことはとても重要になります。

 

そこで本記事では、屋根・外壁の塗装工事の基礎知識を、初めての方にも分かりやすいように解説していきます。

費用相場使う塗料から、塗装すべき時期工事の流れ施工事例、そして業者選びのポイントまで網羅しました。

 

まずはこの記事さえお読みいただければ、塗装工事がどんなものなのか分かり、優良業者に見積依頼することができるようになります。

 

塗装はお家を守るとても重要な工事です。

正しい知識をつけて、失敗しない塗装工事を実現してくださいね。

 


1章 屋根+外壁塗装の費用相場

以下のグラフは、ユーコーコミュニティーの過去4,200件以上のデータをもとにした、屋根外壁塗装をしたお家の費用です。

屋根+外壁塗装の費用グラフ

屋根と外壁を一緒に塗装した場合、100~150万円が中心価格帯です。

最も多いのは120万円台でした。

これから塗装工事をお考えの方は、まずはこのくらいを目安と考えておきましょう。

 

費用に幅が出るのは、お家の大きさのほかに、使う塗料やお家の細かい仕様がそれぞれだからです。

まずは具体的な見積もりの内訳をみていきましょう。

 

1-1 費用の内訳

塗装工事の費用は、使う塗料や細かい作業の数量(例えば足場の㎡数、コーキングの量、雨戸の数など)によって変わってきます。

これはお家ごとに異なるため、各項目の単価相場をチェックしましょう!

 

塗料のグレードと単価(3回塗り)

長持ちする塗料ほど、単価も高くなります。

 

塗装以外の作業の単価

※劣化状況、施工範囲、人件費等によって価格は変動します。

 

塗装が必要なお家のパーツ

塗装すべき家の部材

屋根、外壁以外にも、塗装メンテナンスすべきパーツはたくさんあります。

お家によってそれぞれ数量が違いますので、見積もり時にきちんとチェックしておきましょう。

 

>細かなパーツ(付帯物)の塗装について詳細はこちら

 

1-2 屋根と外壁は一緒に工事するのがお得!

塗装工事は基本的に、屋根と外壁をセットで行うのをおすすめします

なぜなら、工事を2回に分けると、足場代も2倍かかってしまうからです。

 

屋根外壁塗装は一緒がお得

外壁塗装も、屋根工事も、足場は必須です。

足場費用は一般的な2階建てのお家で10~20万円ほどかかりますから、これが2回から1回に減らせるのはとても大きいですよね。

 

「今はお金がないから屋根だけにしようかな…」

「外壁は色褪せが気になるけど屋根はあまり目立たないし、外壁だけ先にやればいいかな」

という考えはとてももったいないです。

屋根と外壁の塗装は、ぜひ一緒に行うようにしましょう。

 


2章 塗料の種類

外壁、屋根に使う塗料は主に「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」4種類です。

(アクリル塗料は耐久性が低いため、塗り替えにはほとんど使用されません。)

 

基本的には屋根も壁も同じ種類の塗料を使うお家が多いです。

しかし最近は、屋根の方が紫外線を浴びて傷みやすいという考え方から、外壁シリコン+屋根フッ素など、屋根だけワングレード上にする組み合わせも人気が高まってきました。

 

屋根は外壁に比べると面積も半分程度なので、グレードを上げても価格が急増するということはありません。

気になる方は、ぜひ一度業者に希望を伝えて、提案を作ってもらいましょう。

 

【例】2階建て30坪、外壁150㎡、屋根60㎡のお家の場合

外壁シリコン+屋根シリコンプラン

(単価3,000円×150㎡)+(単価3,000円×60㎡)=630,000

外壁シリコン+屋根フッ素プラン

(単価3,000円×150㎡)+(単価4,500円×60㎡)=720,000

差額9万円で、屋根だけワングレード上げることができます!

 

>塗料の種類や選び方についてより詳しくはこちら

 


3章 塗装が必要な時期

屋根も外壁も、一般的には78を過ぎると塗装の時期がやってきます。

これは新築時に表面を保護してくれていた塗膜が弱ってくる時期です。

塗膜が弱ると建材に水が染み込むようになり、様々な劣化を引き起こしてしまいます。

 

目安になる年数と劣化症状を、よくある建材ごとにまとめて紹介しますので、当てはまるものがあったら塗装を検討してくださいね。

 

3-1 外壁の種類別 目安年数・劣化症状

戸建住宅の外壁材で多い『窯業系サイディング』『モルタル』『ALC』『タイル』の塗装が必要になる時期の目安と症状をまとめました。

症状の方は、お家の周りをぐるっと見てチェックしてみましょう。

 

窯業系サイディング 築78

サイディング 劣化症状

窯業系(ようぎょうけい)サイディングは、セメントが主成分の外壁材です。

地震や火災に強くデザインも豊富で、近年は新築住宅の7割以上で使われています。

塗膜が弱って劣化するとチョーキング、カビコケの繁殖、ひび割れ、目地の割れなどが発生します。

 

>サイディングの塗装時期について詳細はこちら

 

モルタル 築58

モルタル 劣化症状

モルタルは日本で昔から使われている塗り壁材で、耐久性や耐火性に優れます。

施工に手間がかかるため最近は減少していましたが、独特のあたたかい風合いから再び人気が高まりつつあります。

チョーキング、カビコケの繁殖、ひび割れ、剥がれ1つでも見られたら塗装時期です。

 

>モルタルの塗装時期について詳しくはこちら

 

ALC 築1015

ALC 劣化症状

ALCは軽量気泡コンクリートのことです。非常に頑丈で耐震性や断熱性が高く、マンションなどにも使われます。

チョーキング、カビコケの繁殖、ひび割れ、目地の割れのどれかが現れたら塗装を行いましょう。

 

ALCのメンテナンスについて詳しくはこちら

 

タイル 築1015

タイル 劣化症状

タイルそのものは無機物(石、ガラス等の劣化しにくいもの)なので傷みにくいですが、外壁を作るときの接着剤や目地部分は有機物なので劣化してしまいます。

接着剤や目地が傷むとタイル本体にも異常が出てくるため、目地の割れ、白華(エフロレッセンス)、剥がれ、ひび割れなどが見られたら塗装や補修を行いましょう。

 

>タイルのメンテナンスについて詳しくはこちらもご覧ください。

 

3-2 屋根の種類別 目安年数・劣化症状

屋根材で一般的なのは『スレート』『トタン』『ガルバリウム(金属)』『セメント瓦』です。

屋根に上るのは大変危険なので、業者に点検を依頼し、写真を撮ってもらいましょう。

 

スレート 築710

スレート 劣化症状

スレートはセメントが主成分の薄型屋根材です。

非常に軽くて地震にも強く、戸建住宅では主流になっています。

もともとあった塗膜が傷むと、色褪せ、カビコケの繁殖、ひび割れ、反り・浮きが発生します。

 

>スレート屋根の塗装ついて詳しくはこちら

 

トタン 築78

トタン 劣化症状

トタンは高度経済成長期に多く使われた屋根材です。

とても軽いですが錆が発生しやすいため定期的な塗装は必須です。

色褪せ、チョーキング、錆び、剥がれなどが見られたら塗り替えを行いましょう。

 

>トタン屋根の塗装について詳細はこちら

 

ガルバリウム鋼板 築1520

ガルバリウム 劣化症状

ガルバリウム鋼板は耐久性に優れた金属屋根です。

劣化しにくいため、他の素材よりも遅い15年前後で塗り替えすることが多いです。

症状としては、色褪せ、チョーキング、カビコケの繁殖、錆びを目安にしましょう。

 

>ガルバリウム鋼板のメンテナンスについてはこちら

 

セメント瓦(モニエル瓦) 築1015

セメント瓦 劣化症状

セメント瓦はその名の通りセメントが主成分の、厚みのある瓦屋根材です。

中でも、表面に特殊な着色層があるものを「モニエル瓦」と呼びます。

現在は製造終了してしまっているため、塗装での維持が重要です。

色褪せ、カビコケの繁殖、ひび割れなどがあった場合は塗装が必要な時期です。

 

>セメント瓦、モニエル瓦の塗装の注意点などはこちら

 


4章 実際の工事の流れ

塗装の工程一覧

屋根・外壁の塗装工事は、全体で10~14日間ほどかかります。

各工程がそれぞれ1日ずつ程度です。

実際に工事する前に一通り把握しておくと安心ですので、写真付きで簡単にご紹介します。

 

■足場着工

足場着工

まずは効率よく安全に作業するための足場を組み立てます。

周りには汚れ飛散防止のメッシュシートも張っていきます

 

■高圧洗浄

屋根 高圧洗浄

屋根・外壁にこびりついたカビコケ類やホコリなどの汚れを洗い落とします。

きちんと汚れを落とすことで、塗料の接着が良くなります。

 

■素地調整、補修

クラック 補修

塗装だけでは直せない箇所は先に補修しておきます。

具体的には、ひび割れ補修、コーキング工事、錆び落とし(ケレン)などです。

 

■養生

窓の養生

足元の養生

窓やドア、玄関の床タイルなど塗らない部分が汚れないようカバーします。

ここから塗装が終わるまでは、基本的に窓の開け閉めができなくなりますのでご注意ください。

 

■下塗り

下塗り

屋根 塗装

下塗りとは、一般的な3回塗り仕様のうちの1回目です。

・上塗り塗料との間の接着剤

・細かなひび割れの補修

という役割がある、大事な作業です。

外壁や屋根の素材によって種類を使い分けます。

 

■中塗り

塗装の種類

屋根中塗り

2回目の塗装を行います。ここでお選びいただいた色が着いていきます(※塗料の仕様によって異なる場合もあります。)

凹んでいる箇所や際など細かいところはハケ、広い面はローラー、という風に使い分けて塗っていきます。

 

■上塗り

上塗り

屋根上塗り

中塗りと同じ塗料をもう1回塗り重ねます。

こうすることで塗膜に厚みが出て、美しい艶も出てきます。

 

■確認・手直し作業

塗装職人

塗り漏れやムラ、はみ出しなどがないかチェックしていきます。

見つかった場合はタッチアップ補修やシンナーでのふき取り掃除で、綺麗に整えていきます。

 

■足場解体

足場架設

全ての作業が完了したら、足場を解体します。

最後は足場周り、お庭などの掃き掃除や片づけをして、工事完了です。

 

>各工程の詳細や注意点などを知りたい方はこちら

 


5章 おしゃれな施工事例10選!

ここでは、屋根外壁塗装をするとどんな風にお家が変わるのか、特におしゃれな事例をご紹介します!

我が家はどうしようかな?とお悩みの方は、ぜひ事例をみてイメージを掴んでくださいね。

 

迷ったときにはこれ!屋根外壁で人気の色

  • ★外壁TOP3
  • 1.ベージュ
  • 2.白
  • 3.グレー
  •    
  • ★屋根TOP3
  • 1.ブラウン
  • 2.グレー
  • 3.グリーン

 

①外壁:ブラウン×屋根:グレー

ベージュ×ブラウン

柔らかい印象のブラウン&ベージュのツートンを、グレーが引き締めてくれます。

屋根・外壁ともに、失敗しない鉄板カラーです。

 

②外壁:アイボリー×屋根:ネイビー

アイボリー

優しいベージュ・アイボリー系は外壁でとても人気の色です。

屋根のネイビーは、グレーよりも少し明るい印象になります。

 

③外壁:クリーム×屋根:グレー

クリーム色

明るいクリーム色と水色の窓枠がかわいらしいお家です。

屋根のグレーはどんな色も邪魔しないので、迷ったときにはおすすめの色です。

 

④外壁:ベージュ×屋根:ブラウン

ダークブラウン

ベージュの外壁にラインが入った、カントリーテイストのお家です。

屋根のブラウンもナチュラルな雰囲気を崩しません。

 

⑤外壁:ダークブラウン×屋根:ダークグレー

ダークブラウン

屋根も壁も濃い色でまとめた事例です。

窓枠などの白がアクセントカラーになっています。

 

⑥外壁:オレンジ×屋根:グリーン

オレンジ

最近人気なのが、グリーン系の屋根です。

明るい外壁色ととても相性が良いですよ。

 

⑦外壁:ホワイト×屋根:ブラウン

ホワイト

爽やかなホワイトの外壁に、赤茶色の屋根が良く映えます。

西洋風のおしゃれなお家になっていますね。

 

⑧外壁:イエロー×屋根:オレンジ

屋根のローマオレンジも、明るい色が好きな人にはおすすめカラーです。

明るい色の組み合わせは元気な印象を与えます。

 

⑨外壁:グリーン×屋根:ダークグリーン

緑の外壁

グリーンは淡い色から濃い色まで幅広く人気があります。

お庭の植物ともマッチして、素敵な雰囲気ですね。

 

⑩外壁:ネイビー×屋根:ライトブルー

ネイビーの外壁

ブルー系で統一して、涼しげな印象に仕上がりました。

ネイビーの外壁は、木材の茶色系ともよく馴染みます。

 

>事例や色選びのコツを見たい方は、こちらの記事もご覧ください

 


6章 信頼できる業者の選び方

ここでは最後に、信頼できる良い業者を選ぶポイントを3つに絞ってご紹介します。

実際に塗装業者は金額も内容も様々で、中には悪徳業者と呼ばれるようなところもあるからです。

安心して任せられるかどうか見極めるのは、塗装工事において最重要です。

ぜひ各業者のチラシやホームページをチェックしてくださいね。

 

6-1 地元での施工実績が豊富

外壁の色選び

まずはご自宅の近隣で実際に工事したお家があるかチェックしましょう。

他の人も信頼して任せている、というのは大きな安心になるからです。

しかも近ければ、実際の仕上がりや工事の様子を見ることもできます。

 

逆に実績がない場合は、

・事業所が遠くてなかなか来れない

・そもそも他の人からも信頼されていない

という場合があるので注意しましょう。

 

6-2 下請けを使わない塗装専門店

塗装工事の依頼は、社員に塗装職人がいる塗装専門店を選びましょう。

なぜなら、『下請け』を使わない分ムダな『中間マージン』が発生せず、適正価格で工事できるからです。

 

ハウスメーカーや工務店、大手リフォーム会社などに塗装を頼むと、ほとんどの場合下請けの塗装業者が施工をします。

このとき、下請け業者の人件費や諸経費に加えて、間に入る会社の取り分となる費用も上乗せされます。これが中間マージンです。

中間マージン

また、フランチャイズ運営の塗装会社も同様で、加盟店はフランチャイズ本部へ一定金額を渡さなくてはいけないため、上図と同じように上乗せ分があります。

 

同じ材料、工事内容で依頼しても、中間マージンがある会社はどうしても費用が割高になってしまいます。

工事をするのは結局地元の塗装会社になるので、仲介させるよりも直接依頼したほうがお得です。

 

適正価格で工事するためには、下請けに出さない、社内に職人がいるところを選びましょう。

 

6-3 60分以上かけて丁寧に点検してくれる

外壁 点検

見積もり時には事前点検で、きちんと屋根・外壁全体を詳細に見てくれる業者にしましょう。

なぜなら、悪徳業者でよくあるのが、工事が始まってから

「足場を上ってみたらここが悪くなってたから、〇〇万円で直しましょう」追加費用の請求をしてくるパターンだからです。

 

中には屋根点検自体を一切しない業者もいます。こうしたところは絶対に避けてください。

優良な業者であれば、事前に細かいところ・見えにくいところもチェックしたうえで見積もってくれるので、追加費用が発生しにくく安心です。

 

丁寧な点検は、2階建ての一軒家で60~90分ほどかかります。

きちんとお家の状態を見たうえで見積もりを作ってくれる業者を選びましょう。

 


まとめ

・屋根外壁塗装の費用は、100~150万円が相場です。

実際にはお家によって前後しますので、見積もりの詳細内容を必ず確認しましょう。

 

・塗料の種類は主に「ウレタン」「シリコン」「フッ素」「無機」4種類です。

耐久性が高いほど金額も上がるので、予算と次の塗り替え時期を考えて選びましょう。

 

・塗装時期は一般的に築7~8年以降、元の表面塗膜が弱ってきたタイミングです。

建材ごとに目安となる劣化症状がありますので、点検して症状が出ていたら塗装を検討してください。

 

・工事は1014日間ほどで行います。

足場着工→洗浄→素地調整→養生→塗装(3工程)→確認→足場解体

という流れで進みます。

 

・どんな見た目になるのか、色選びなどにお悩みの方は、たくさんの施工事例を見て、ご自宅のイメージを掴んでみてくださいね。

 

・特に業者選びは重要です。

「地元での施工実績が豊富」「下請けを使わない塗装専門店」「60分以上かけて丁寧に点検してくれる」3点は必ずチェックして、信頼できる業者を見極めましょう。

 

屋根外壁塗装は、お家を長く大事にするためのとても大切な工事です。

基本的な知識を身に着けて、安心できる良い工事にしてくださいね。

最後までお読み下さりありがとうございました。

 

 

【おすすめ記事】

特に多くの方が悩まれるのが『業者選び』です。

より具体的な見極め方は以下の記事もご覧ください。

>外壁塗装は業者選びが肝心!優良業者を見極める20のチェックポイント

 

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